2010年3月11日 予算特別委員会
地域振興部(広域振興局再編問題、市町村合併の検証部分)に対する質疑大要
・広域振興局の再編問題について
【斉藤委員】
県北・沿岸広域振興局に配置される副局長の権限と役割はどういうものか。県南広域振興局、県央広域振興局との違いはあるのか。
職員数は全体で4%削減する。県南広域振興局は8%削減、県北・沿岸は基本的に維持する方針と聞いているが、盛岡(県央)を含めてそれぞれどれだけの職員削減となるのか。各行政センターの職員削減はどうか。
【副部長兼地域企画室長】
権限という見方をした場合、どちらの副局長も広域振興局長を補佐すると。権限的には、例えば1億5000万円以上の補助金交付とか、5億円未満の工事執行だとか、そういった権限というものについては基本的には共通だが、役割が違うという説明をさせていただければ分かりやすいのかなと思う。
県北・沿岸の副局長については、広域振興局長を補佐しながら、それぞれ二戸、宮古、大船渡の地域に駐在し、その地域の各センターを実質的に束ねて、その地域内の課題解決にあたるという役割を担っている。県南の副局長については、本局におり、地域を所掌ということではなく、2人の副局長がおり各部門を分けて、1人の副局長については、企画地域振興、商工観光部門、農林水という部門を束ね、もう1人の副局長については、総務・管理部門、税務、土木、保健福祉ということで、役割分担が異なっているというご理解をいただければ分かりやすいのではないかと思う。
職員定数については、総務部に関わる事項であり、現在最後の調整が行われていると承知しているが、現段階で承知している盛岡の広域振興局については1名増、県南については総合支局の統合ということがあるので全体的には74名の減、沿岸広域振興局については9名の減ということで、率にすると1.7%の減ということになる。県北については1名の増という形になる。盛岡は0.3%の増、県南については8.9%の減ということで、実施計画では盛岡が約4%減、県南については約8%の減、県北・沿岸についてはだいたい同じ程度だろうと思っていたが最終的な精査した数字については先ほど述べた通りである。各地区の部門ごとのセンターの人員の増減については、県南広域振興局管内の花巻については11名の増、北上については52名(約4割)の減、遠野については4名の減、一関が18名の減、千厩については7名の減となっている。沿岸広域振興局の大船渡は3名の減、宮古は15名の減、二戸は6名の減となっている。
【斉藤委員】
副局長は権限は違うが役割が違うと。
今振興局長がいる。これが広域振興局体制の副局長になった場合に、できないことは何か。
今人員配置を聞いたが、県南が圧倒的に人員削減されている。特に行政センターの削減が多いが、一関の総合支局に行ったが、今でさえ閑散としている。そして権限が県南広域振興局にいってしまい、一関で対応できるものがないと。さらにこういったところから人員削減すれば地域の存在意義がなくなってしまうのではないか。特に北上は40%減である。おそらく保健所の統廃合が関係しているのだと思うが。県南広域振興局は先発でやったが、まさに県南広域における格差を広げてしまうことになるのではないか。
【副部長兼地域企画室長】
副部長はあくまでも広域振興局長を補佐するという立場になるので、最終的な広域振興局エリア内の決定権者は振興局長になる。今の振興局長については、それぞれ所管区域についての最終的な決定権を用いるということだったが、副局長についてはその担当する地区の最終決定権者ではないということになるが、我々はなるべく広域的な課題でない限りは地区での課題については可能な限り副局長のもとで判断し決定できるような形にしていきたい。
県南広域振興局だが、本局に機能を集約するということで、より効率的な地域経営を実践できるような組織体制にもっていくということになるので、今回の組織の再編だが、職員体制が4000人体制に移行するという中にあって、それぞれ分散している行財政資源を集約して地域課題や産業振興に取り組むという趣旨であるので、県南広域振興局についても本局がこれまで以上に機能を発揮しながら、県民サービスの維持、地域の産業振興、地域課題への取り組みに後退がないように取り組んでいく。
【斉藤委員】
結局広域振興局再編といっても、アンバランスな広域振興局になったということである。統一的な体制ではない。無理してやったからそうなったと思う。
そして広域振興局長は部長級なのか。庁議メンバーに入るのか。
広域振興局で決められる予算というのはどのぐらいか。
本庁の機能は強化されるのか、弱まるのか。
【副部長兼地域企画室長】
庁議については出席する方向で検討している。広域振興局長については部長級である。
【企画課長】
広域振興局で決められる予算だが、広域振興局がそれぞれの圏域の地域課題に的確に対応し事業内容を決定できる予算として、地域振興推進費がある。平成22年度からの4広域振興局体制の移行により、広域振興局の企画部門が強化されることに合わせて、平成22年度当初予算では、対前年度当初予算額から1億円増額し4億円を計上している。この活用により、産業振興を中心とするアクションプランに基づく施策を推進していきたい。
なお、今回の再編に伴い、広域振興局の予算権限には変更がない。
【管理課長】
本庁の機能強化について。この4月から本庁に設置される政策地域部は、全県的な政策の企画立案、推進評価機能と、地域振興施策、広域振興局の支援機能を融合し、効率化を図るものである。
また一方で、広域振興局長が政策会議など本庁での重要な政策形成過程に参加することにより、部局横断的、共通的な重要課題や地域課題に係る政策形成機能を一元化し、限られた行財政資源の中で効果的効率的な施策が展開できるように考えている。本庁と広域振興局の再編が相まって県全体としての政策の立案と実践の機能強化が図られるものと考えている。
【斉藤委員】
結局、広域振興局再編は、形だけ急いで統一的なものにならなかった。実際に予算権限はたった4億円である。そういう意味でいくと、本庁機能を強化してやっていただきたい。
・市町村合併の検証について
【斉藤委員】
今年度合併の実情調査を行うとしていたが、どういう手法でどういう検証が行われているか。
一関市、奥州市、花巻市などそれぞれ市長選挙、市議選が行われたが、どの地域でも合併についての効果・評価は厳しいものだった。どう受け止めているか。
【市町村課総括課長】
合併の検証だが、平成17年度に合併した市町、合併後4年が経過しており、合併効果が順調に発現している一方、住民の声が届きにくくなるなどの意見も散見されることから、今回合併新法の最終年度に当たり、改めて合併市町の実情を把握するため、平成17年度以降に合併した11市町にたいし、今年の1月から2月にかけて書面による調査および職員が現地に出向き聴き取り調査を行っている。調査結果については、今月中を目途に取りまとめる予定としている。
一関市、奥州市等での評価についてだが、合併の評価については様々な意見があることは承知しているが、合併の効果として直ちに効果が表れるものと時間がかかるものとがあり、一般的には新市町の建設計画の期間である10年程度の期間が必要であると言われている。この声を見ると、合併の効果が表れていないという声が非常に多く見受けられている。県としては、さらに合併効果が発現するよう必要な支援を行っていきたい。
【斉藤委員】
県が調査をする場合に、合併した人の調査ではいけない。地域住民、衰退しているという地域の立場から調査しなければいけない。全国町村会がやったような調査をぜひ客観的にやっていただきたい。
例えば奥州の選挙で、これはマスコミの報道だが、青年会議所が調査をした。「住民サービスの多様化、高度化への対応」は「実現した」が10%、「実現しなかった」が39%、「悪化した」が18%となっている。一関でも、これは同じように「合併効果実感乏しく」「周辺は人口減少進み過疎化」と。これが選挙の争点になっている。これをしっかり受け止めていただきたい。
増田前知事、総務大臣もやり全国も見た人が、去年の朝日新聞に「市町村合併は傷を残した。終止符を打つべきだ」と大きく出ている。無責任だと思うが。さらに「合併政策の歴史に終止符を打つべきだと思う。負の面が多かったことは認めざるを得ない。金を武器に地方自治体を誘導しようとしたことに限界があった」と、かなりの大紙面で述べている。推進した立場の側だからこそ説得力がある。率直にこう述べたということはその通りだと思うので、合併の検証をしっかりやるべきだと思う。この発言は承知しているか。どう受け止めているか。
【市町村課総括課長】
私もその記事を読ませていただいた。その中では、大きく合併の問題点の1つとして、合併特例債や地方交付税による財政措置を強く打ち出し、合併を推進しようとしたことにより、他県では一部に大きな借金を残した市町村もあったところと伺っている。本県においては、広く住民の議論を踏まえながら自主的に合併を進めてきたところであり、合併特例債についても、事業を厳選して実施するなど健全な財政に努めていると把握している。
【斉藤委員】
課長がそういう認識ではいけない。一関も奥州も、法定協議会をつくったらたった2ヶ月で合併した。ほとんど調整しなかった。合併した後の調整。だから今職員の給与水準も一致していない。いろんな意味で一致していない。「十分議論してやった」などというのはとんでもない。そこは認識が違う。だから今困っている。
それで今一関市と藤沢町の合併協議が行われているが、こうした検証をしっかり示してやるべきだし、合併を県としては押し付けるべきではないと思うがいかがか。
【市町村課総括課長】
市町村合併は委員ご指摘の通り、市町村が自主的に判断するものと認識している。現在、一関市議会と藤沢町議会においては合併協議会の設置について議論がなされている。合併は、最終的には民意を代表する市・町議会の議決に付されるものであり、県としてはその推移を見守っている。