2010年9月1日 議会運営委員会
副知事選任の議案第1号についての反対討論
今回の臨時県議会においての副知事選任に関し同意を求める議案第1号に反対の意見を表明いたします。
まず第一に、何よりも達増知事が臨時県議会まで開催して副知事を新たに選任しようとする重大な議案にもかかわらず、民主党会派が多数決によって副知事選任に関する議案についての質疑も、討論も封殺したことは県議会の命ともいえる議論の封殺であり、厳しく抗議するものであります。
すでに宮城県議会や青森県議会など、全国15道府県議会では人事案件であっても県議会での質疑・討論が行われています。愛知県や滋賀県など6県では副知事を含め人事案件が委員会付託されて議論されています。
人事案件であっても、県政の重大課題として県議会で審議するのが全国の流れであり、時代の流れであります。ましてや、県議会基本条例を制定して県議会の役割を一層発揮しようとしている岩手県議会で、議論を封殺することはその精神を踏みにじるものであります。
第二に、人事案件についての先例集の規定は、「あらかじめ議会運営委員会において選任しようとする者の氏名及び略歴を説明し、その意向を聞いた後、提案するのが例となっている」とされています。議会運営委員会の意向を聞いた後どころか、知事は8月12日までに上野善晴氏の副知事選任を決め、県議会の日程まで変更させて9月1日に臨時県議会を招集する意向を決めていたことは異常なことです。
第三に、知事の任期があと7カ月しかない時期に、4年の任期をもつ新たな副知事を選任しなければならない理由が全く示されていないことであります。 トップマネジメントの遂行と言うならその現状と問題点を示すべきであります。
第四に、新たに選任される副知事が、財務省出身ではまさに天下り人事そのものではないでしょうか。民主党の掲げる「地域主権」にも逆行するのではないでしょうか。
また、選任されようとしている副知事候補についても知事は「調整の中で初めて知り合った」と言っていますが、誰から紹介された人事かも不明です。経歴からみれば、小沢一郎氏と関係が深い元大蔵省事務次官、斉藤次郎氏の直属の部下であります。小沢人脈人事ではないかと言う疑念も払しょくされません。
最後に、知事の任期もあと7カ月という時期に唐突に新たな副知事の選任の人事案件が出されたこと自身、異常であるとともに達増県政の行き詰まりを示すものであります。
県議会、県民に対する説明責任も果たさず、強行することに改めて抗議し、副知事の選任に関する議案第1号に反対を表明するものであります。