2010年10月13日 決算特別委員会
議会事務局に対する質疑大要


・政務調査費の住民訴訟の審理の状況について

【斉藤委員】
 問われている論点、審査の状況について示していただきたい。

【議会事務局長】
 訴訟は、平成18年9月に、開かれた行政を求めるいわての会が、知事を被告として提起したものである。これまでの審理経過は、口頭弁論が6回、争点整理のための弁論準備が14回行われたところであり、平成22年7月15日の第6回口頭弁論で結審した。判決言い渡し期日は、平成22年11月19日とされたところである。
 争点整理の内容については、原告が指摘する支出項目が膨大であったことから、裁判長の訴訟指揮のもとで争点整理が進められたところであり、例えば、議員連盟の会費等については、3つの議連に絞り込まれたこと、あるいは年月日が不明な領収書については除外されたこと、個人的な交際費とされた支出については、一部に絞り込まれたことなど原告が指摘する争点が整理されたところである。その結果、原告の請求額は、訴訟提起時には4129万円余だったが、争点整理により3204万円余となったところである。

【斉藤委員】
 11月19日に判決が出るということなので、それを踏まえてまた取り上げていきたい。


・政務調査費の執行状況について

【斉藤委員】
 平成21年度の執行状況についてはどうなっているか。新聞報道によると、会議費全体の80%に相当する約36万円の茶菓子代ということが指摘されている。調査研究費から数千円の手土産代を支出したと。1回7000円の政務調査運転手代を年間102回支払ったと。これらは新聞報道で中身が指摘されたことであるが、私もこの新聞報道の範囲で調べたが、政務調査費のマニュアルに関わって、こういうものは本来議員自身が責任を持って処理すべきものであるが、政務調査費の事務処理マニュアルから見てどうなのか、その点をお聞きしたい。

【議会事務局長】
 平成21年度の執行状況について。議員47名に対し総額1億7267万円を交付した。このうち、議員の執行額は1億4901万円余で交付額の86.3%である。返還額は2365万円余という状況である。執行状況については、平成20年度とほぼ同様の状況だった。
 政務調査費の使途について。例年さまざまご意見をいただいているところだが、平成21年度の政務調査費収支報告書は、5月31日から閲覧を開始し、新聞報道等でご指摘のようなご意見をいただいている。事務局としては、議員の皆さまから提出された収支報告書の収支内容について、明らかに使途基準から逸脱しているものはないか、必要な記載事項の漏れはないか、定例会等の費用弁償と重複支給となるものはないか等のほか、不明な点があれば政務調査費を充当することについて、議員の皆さんに直接確認するなどを行っている。いま委員から指摘がった事例もあったが、いずれも政務調査費の使途基準からは逸脱するものではないものと考えており、いずれにしても政務調査費は議員が行う議会の調査研究に資するため、必要な経費の一部として交付されているものであるので、広範な分野にわたる議員の活動経費のうち、どの経費に政務調査費を充当するかについては、使途基準の範囲内において議員の裁量に委ねられているものと認識している。

【斉藤委員】
 政務調査費の問題は、最終的には議員の裁量にかかる、その通りだと思う。ただ、今まで住民訴訟で訴えられた経緯もあるので、私たち自身がもっと厳格に厳しく対応しなければならない。例えば、1日7000円の運転手代というものも、4月を見ると20日間である。我々が秘書を使って1ヶ月仕事をさせてもこれほど出しているわけではない。それから、128万円の政務調査費執行のうち、124万円が人件費だったと。実に96%である。私は、本来政務調査費というのは議員自身がやるべきことで、96%の人件費ということになると、性格が違ってくるのではないか。茶菓子代も一人当たり500円を超えるということになると、弁当代を出しているようなものになるので、公選法上も疑義が出てもおかしくない。そういう点で、議会自身で訴訟の判決も踏まえて、我々自身が自らの中身について検討すべきことだと思う。


・県議会の傍聴、視聴状況について

【斉藤委員】
 県議会の傍聴、インターネットのアクセス状況はどうなっているか。

【議会事務局長】
 平成21年度の傍聴人の総数は、1251人で、本会議1132人、委員会が120人である。20年度に比べ827人減少した。
 インターネットだが、インターネット中継については、ライブ中継については15480件で20年度は29384件だった。オンデマンド放送は9567件で20年度は14122件となっている。


・海外視察の状況について

【斉藤委員】
 議員の海外視察は、全国的にも中止・見直しの状況にあるが、昨年度、全国の状況について示していただきたい。

【議会事務局長】
 平成21年度の海外視察については、議員5名による自主計画により、フランス、イタリアの視察が行われている。経費の総額については、446万8千円だった。
 全国の状況だが、22年の6月に長野県が全国調査をしており、それによると、実施中の県が28都道府県、休止・自粛中の府県が19となっている。実施中の28都道府県のうち、21年度に海外視察を行ったのは19県といった状況である。