2010年10月14日 決算特別委員会
秘書広報室に対する質疑大要


・1400万円の知事車、577万円の副知事車の購入について

【斉藤委員】
 知事車、副知事車の選定基準、それぞれ述べていただきたい。

【秘書課総括課長】
 選定基準については、先ほど知事車のところで答弁した内容と同様である。

【斉藤委員】
 選定基準に反しているから聞いたのである。副知事車は排気量がいくらになっているか。

【秘書課総括課長】
 公用車の配置基準というのがあり、知事車については3000cc以上のセダン、副知事車については3000cc未満のセダンとなっている。

【斉藤委員】
 副知事車の新しいものは何ccか。

【秘書課総括課長】
 新しい副知事車については、3500ccである。

【斉藤委員】
 選定基準に反しているではないか。選定基準があって、反した購入をしたと。とんでもないことではないか。
 副知事車は7万キロしか走っていなかった。7万キロというのは一番走りがいいときである。そんなときに、選定基準に反して副知事車を買ったと。間違いではないか。

【秘書課総括課長】
 選定基準の中で、環境基準というのを設定している。副知事車についても同様の環境基準を設定しており、これに適合する車種として、今回購入したクラウンハイブリット、このほか1車種あり計2車種しかなく、多少オーバーする部分もあったが該当する車種として選定させていただいた。

【斉藤委員】
 答えていない。選定基準に反しているのではないかと。3000cc未満となっていて、3500ccを買った。
 燃費は、前回リッター9.2キロ、今回は11.64キロだった。新しいレクサスより燃費はいい。これはどういうことか。ムダ使いではないか。

【秘書課総括課長】
 知事車、副知事車についてもそれぞれ更新前の車に比べてかなり燃費が改善しているということである。

【斉藤委員】
 最終的に決裁した室長にお聞きするが、選定基準に反した購入というのは許されるのか。

【秘書広報室長】
 昨年度は私は当職におらず、決裁していない。

【斉藤委員】
 いずれ選定基準に反した購入である。
 そして古いクラウンは、新しい副知事の副知事車になっている。もちろん去年の段階で新しい副知事など検討されていないのだから。事実は使える車だったということではないか。二重のムダ使いではないか。

【秘書課総括課長】
 知事車、副知事車両方ともそうだが、当然まだ使える車ということで、更新前の車についても、それぞれ所管を変えて公用車として活用している。
 これは、知事車、副知事車ということになると、かなり頻度が高いということで修理費等もかさんでくるが、頻度の少ない一般の公用車としてならまだまだ使えるということで、知事車については東京事務所で活用しており、副知事車については管財課に所管換えして使っていた。今年度、上野副知事が就任されたということで、管財課から所管換えし副知事車として活用している。

【斉藤委員】
 選定に反して買って、いま副知事車として使っていると。買う必要はなかったということである。
 室長、これは必要のないものを買ったということにならないか。そして副知事車は2台必要なのか。もっと合理的に活用したらいいのではないか。

【秘書広報室長】
 従来から、知事車、副知事車については、先ほど7年ということでお話した以降については、別の用途で有効に活用しているところである。
 また、今回9月1日付をもって、副知事二人制になったが、それぞれ業務スケジュールが個別にセットされており、しかも行動が別々ということで、共用という形はできないものであり、新副知事については、まだ就任1ヶ月余ということであるので、今後のスケジュールを見ながら、どこまで共用ができるかどうかは検討課題とさせていただきたい。

【斉藤委員】
 明らかになったのは、選定基準に反して副知事車を買ったと。ところが、その前の車は今副知事車として使っていると。二重三重にこれはムダ使いだったと。
 副知事車は577万円である。以前に買った車が499万円だったのだから、7年経ってもっと高い車を買ってしまった。許されない。
 知事車だが、いま東京事務所で使っていると。整備がいいから十分使える車だと。1400万円で買わなくてはいけない理由は全くなかったと思うが、プリウスと比べなくても、せめて副知事車で買ったクラウンハイブリットで十分ではなかったか。

【秘書課総括課長】
 知事の職責等を考え、従前センチュリーという車を使っており、その車と同等の安全性、疲労度の少なさを持った車ということで、レクサスLSを買っている。

【斉藤委員】
 クラウンハイブリットではなぜいけないのか。3500ccである。知事車の基準にも合っている。十分居住性も高い。577万円でも庶民感覚からみたら高い車である。しかし1400万円となったら、途方もなく高い。県民からみたら信じがたい価格である。県財政がこれだけ厳しいときに、まだ使える車があるのに。副知事車も高いと思うが、副知事車が577万円で知事車が1400万円と、ここが全く理解できない。せめて、クラウンハイブリット程度でいいのではないか。

【秘書課総括課長】
 更新前の車であるセンチュリーも1000万円を超えていた車であるが、この車と同等の居住性、安全性を持った車を選定する必要があるということでレクサスを選定した。

【斉藤委員】
 今日の新聞では、東北各県のものが紹介されている。青森:エスティマハイブリット527万円、秋田:エスティマハイブリット449万円(5年リース)、宮城:アルファードハイブリット436万円、山形:エスティマハイブリット388万円、これらはみんなトヨタである。他の県はみんな見直している。実用的で高級感もあるようなものに見直している。岩手県は、前回のセンチュリーが1150万円で、それよりもっと高い車を買ってしまった。知事が「プリウスでいいのではないか」と言った。プリウスとレクサスでは違いすぎるが、なぜ途方もなく高いものになったのか。東北各県の動向をどう見ているか。

【秘書課総括課長】
 昨年の選定の際に検討したわけだが、東北各県にもあるように、いわゆるワンボックスカーのハイブリット車が増えてきているのは承知しており、これも当然検討対象に加えた。その結果、ワンボックスカーの場合は、居住性も良く、車高も高く見晴らしが良いということで、居住性の観点からはワンボックスカーが良いのではないかという判断もあった。ただ本県の場合は、高速道をかなり頻繁に利用する。あるいは、カーブの連続する道などもかなり走行するということで、どうしてもワンボックスカーの場合、車高が高いということで、走行の安定性に欠くということから、従来通りのセダンタイプが良いという判断に至ったところである。

【斉藤委員】
 山形県も山あり谷あり、青森もそうである。1000万円も違っている。せっかく東北各県の動向を把握していたなら、やはり選定基準も見直して、今の財政状況にふさわしく、かつ安全性も守られるものにすべきだったと。
 県政報告会でこの問題を話すと、みんな目を丸くする。信じがたい、そんな車があるのかと。1円2円節約している県民から見たら、本当に県民の感覚からかけ離れたムダ使いである。
 トヨタクラウンハイブリットだって、知事車の選定基準に合うのではないか。

【秘書広報室長】
 選定基準上は、環境対応ということになれば、しかも前の車と同等ということになると、レクサスということで我々は選定した。

【斉藤委員】
 秘書広報室がそのような感覚ではトップマネジメントはできない。県民の感覚からかけ離れている。


・知事のトップマネジメントについて

【斉藤委員】
 知事のトップマネジメントを効果的に行うために秘書広報室が設置されたが、具体的に、どうこの間トップマネジメントが発揮されたのか。

【秘書広報室長】
 知事を身近からサポートする組織ということで、そのトップマネジメントが十分に発揮されるように、さまざまな情報収集、あるいは発信を積極的に行い、さらには県民の県行政への参画を促進する広聴広報活動、岩手のイメージアップに情報発信を務めている。
 具体的にも、さまざまな団体等から収集した情報を随時報告したり、あるいは国内外の新しい動きや時代を先取りした斬新な施策に対する情報の収集分析を行うとともに、ツイッター、Uストリームなどウェブによるリアルタイムな情報発信、そして健康・パワースポットなどをテーマとした県外の広報活動を強力に展開している。

【斉藤委員】
 県民から全然見えない。新たなトップマネジメントの中身が。
 3月に予算委員会で聞いたときには、秘書広報室というのは、「秘書機能、広聴広報機能、報道機能」だと。政策機能というのはない。実は平成13年に総合政策室を作ったときにも、トップマネジメントが理由だった。そのときには、秘書機能と政策機能は一体だった。今回は政策機能を分けてしまった。こんなことでトップマネジメントが発揮されるのか。

【秘書広報室長】
 秘書広報室の設置の趣旨だが、トップマネジメントを直接補助するために、最低限必要な業務を純化するということで、現在の体制になっており、それをやることにより、知事の迅速な政策判断を支えるように設置した組織である。


・政治とカネ問題についての知事の異常な発言・対応について

【斉藤委員】
 おそらく、あなた方のトップマネジメント支援というのは、知事の定例会見に一番表れていると思う。
 この間知事の定例会見をずっと読んできた。小沢問題が焦点になったということもあり、ツイッターを始めたが、「小沢現象」と小沢のことばっかりやっているのではないかと、これはマスコミの批判である。そして、検察審査会が小沢氏を強制起訴した。そしたら知事は、「検察が暴走している」「検察審査会が間違っている」と。これは知事の発言としていかがなものか。これは定例記者会見、公式の知事の立場で話している。こういうものもトップマネジメントで支えているのか。

【秘書広報室長】
 記者会見における知事の発言は、政治家としての知事自身のお考えにより対応されていると我々は承知している。

【斉藤委員】
 定例会見というのは、知事が直接県民に語りかける、全国に語りかける、一番のトップマネジメントである。知事の発信である。ところが、この間小沢氏がいろんな意味で話題になってきた。小沢という言葉を聞くだけで、知事の立場から離れた異常な発言が出ている。例えば、「もう政治とカネの問題というのは検察が作った虚構だ」「無罪になる可能性が高い」「陸山会問題も逮捕や起訴に相当する起因ではない」「小沢一郎さんが今日本の総理大臣でないということは異常なことだ」と。そしてこの検察審査会に訴えた人は、訴えた人の個人的な批判までやっている。信じられない。岩手県を代表する知事として、こういう発言がずっと続いている。マスコミ関係者から聞いても、特に「小沢関係の知事の会見は聞くに堪えない」と。これがずっと続いているわけなので、トップマネジメントで支援するというのであれば、しっかりケアすべきである。この問題については、まったく知事はフリーハンドなのか。

【秘書広報室長】
 定例会見の場合は、県のほうから提案する課題、情報提供するものについてはいろいろと準備している。委員から質問のあったさまざまな件については、記者から質問のあったものということで、知事がお答えになっているもので、知事自身のお考えにより対応しているものである。

【斉藤委員】
 リアルに指摘したので、これは昨年来一貫した共通の中身である。そしてやはり県民から見たら異常だと。その点は、トップマネジメントの大変大事なポイントなので、秘書広報室がしっかり支えて、知事らしく振る舞うようにしっかりやっていただきたい。