2010年10月19日 決算特別委員会
教育委員会に対する質疑大要
・県立高校のあり方について
【斉藤委員】
県立高校のあり方に関する検討委員会の報告を踏まえて、第1回の地域検討会議が開催された。私も盛岡の検討会議には参加したが、たくさんの意見や建設的な提案が出されたと思う。この第1回の検討会議で出された意見をどのように整理しているか。
これからすぐ第2回の検討会議、3回目の検討会議を年度内に開催して、先ほど答弁があったように、来年度早々には計画を策定するとあるが、第2回、第3回の検討会議はどういうテーマで議論を深めるのか。県教委からどういう資料や問題提起がなされるのか。
県教委は、来年早々にも再編計画を策定すると。その前に「案」を出してパブコメもやると言っているが、上半期というのは来年度すぐである。この辺の具体的なプロセスを示していただきたい。そして実際に、ブロックごとにどういう高校をどう配置するかというのは、どこが提案してどういう議論がされるのか。
【高校改革課長】
第1回の地域検討会議について。県内9ブロックで実施し、出席いただいた委員の方からは、小規模校のあり方、少人数教育の推進、教育的乖離の観点からの通学に対する支援、地域の産業構造に応じた専門学科の設置、各高校の特色の明確化などさまざまな意見をいただいたところである。この内容については、会議録を作成させていただき、市町村長を含めた委員、さらには県議の方々に送付させていただいたほか、県のホームページにも掲載し公表している。
第2回目以降の進め方だが、予定している第2回目の地域検討会議は、第1回目に出された意見をもとに、例えば、学級定員に関する国の動向、各学校や学科特色、部活動や進路状況、各地域における通学の状況等に関する資料を示す方向で検討している。会議においては、これらの資料をもとに、地域の産業構造、あるいは地域の振興方向など地域の実情を踏まえた学校・学科の配置について委員のご意見を賜りたいと考えている。
また、地域の一般の皆さんを対象とした、今後の県立高校に関する地域懇談会を現在各ブロックにおいて開催している。この懇談会で出された意見についても、検討会議で示して議論を深めていただきたいと考えている。
今後のプロセスについてだが、今年度内できる限り機会をたくさん設けて、地域の方々からご意見をいただきたい、議論を深めていただきたいと考えている。先ほど述べた地域検討会議をさらに2回、計3回開催し、一般の方々を対象とした地域別懇談会を、現在開催しているものに加えあと1回、計2回開催することとしている。あわせて、地域から希望があった場合には、どのような単位でも結構なので、出前懇談会を実施するということでお知らせさせていただいたところであり、きめ細やかに意見をうかがっていきたい。
来年度においては、「第二次県立高等学校整備計画(仮称)」を、来年度のおおむね第一四半期を目途に案を公表させていただき、パブコメの実施、あるいはその取り組みに伴うブロックごとの地域での説明会も考えている。そして上半期を目途に策定したいと考えている。
【斉藤委員】
大変たくさんの意見が出されて、会議録も出され私も目を通した。これを本当にくみ取って、論議を深めるというのは大変なことだと思ったが、地域と結びついた高校を残してほしいという思いが大変強く出たと思う。
問題は、佐々木室長が盛岡の会場で、「学校・学科の配置がこれでいいのかということを2回目以降討議いただきたい」と。学校・学科の配置が最終的には一番のポイントになってくる。これは、第2回、第3回でどういう形で学校・学科の配置のあり方というのが提起されるのか、自主的に議論されるのか。
プロセスを聞いたが、来年度の上半期で策定すると。今の答弁だと、来年度に入ってから「案」を公表して、パブコメをすると。これを全部上半期でやると。そうすると、来年度早々に「案」を出すということで理解していいか。
【高校改革課長】
地域検討会議という場を設けさせていただき、意見なりをいただいている。その場合の議論だが、ぜひさまざまな意見をいただく、あるいは委員間で議論を深めていただくという風になっていくようにと考えている。ある一定の方向性が出たら、我々としても受けとめさせていただき、ぜひ来年度策定予定の計画に可能な限り反映させていきたいと考えている。
プロセスについてだが、第一次半期には「案」を示したいと考えている。その後、上半期を目途に「案」を策定ということである。その間にパブコメの実施や説明会の実施等のスケジュールが入ってくるので、そういったことでは支障がないように十分なスケジュールをとった上で「案」を示す時期についても考えていきたい。
・35人学級の拡充について
【斉藤委員】
平成21年度から、中学校1年生で35人学級が試行という形で実施された。私も松園中学校を訪問してきたが、「中一問題が解決された」など素晴らしい成果が報告された。県教委としてどのようにこの成果を受け止めているか。成果があるとすれば、来年度はぜひ全面実施を中学校1年生ですべきではないか。
政府は、いよいよ来年度から国の制度として小学校1、2年生で35人学級を実施しようと概算要求をしている。この中身には、私は加配を減らすことは入っていないと受け止めているが、もし国で小学校1、2年生で実施するとすれば、県独自に小学校3、4年生に35人学級を拡充すべきと考えるがいかがか。
【小中学校人事課長】
中学校1年生に対する試行については、委員ご指摘の通り、大変成果が上がっているという報告が我々にも届いている。それに伴い、中学校1年生について全面実施というこだが、試行2年目ということで今実施しているが、現在のところ対象校の60%を超える学校が実施している。取り組んでいる学校の成果と課題をさらに検証し、さらに市町村の意向等を踏まえ検討していきたい。
文科省から小学校1、2年生での35人学級を実施するという計画が出されているが、それに伴い、教員増をどうするかという問題だが、加配については、これについて文科省では、昨年と同様の数を要求している情報が伝わってきている。ただ、この概算要求がそのまま通るかどうかというあたりが不透明であり、このことについても見極めて検討していきたい。本県においては、多人数学級を有する小学校で少人数加配を配置することができないところには、すこやかサポートという非常勤職員を配置して手当しているが、そちらも合わせて充実させていきたい。
【斉藤委員】
国の制度で小学校1、2年生でやるのであれば、1、2年生は県が今まで独自にやってきたので、3、4年生に拡充すべきだと。是非それを検討してほしいと聞いた。
今小学校1、2年生以外でも、学校が判断すれば、少人数学級を実施している学校がかなりあるがその実態も示していただきたい。
【小中学校人事課長】
国の制度が本格的に実施され、1、2年生が国の制度としてということで、これに関わる教員増については、最悪の事態では加配が充てられるということも考えられる。加配の減という事態を考えると、今の時点では踏み切るという判断にはなかなかならない状況であり、35人学級の恩恵を受ける学校の数を考えると、岩手県全体のおよそ3割弱の学校のみである。残り7割の学校は、35人学級が完全に実施されたとしても恩恵にあずからないという学校が大変多い。そちらの手当も考え、恩恵にあずからない学校への加配ということも考えなければならないと思っている。
【教育長】
少人数加配の実施以降についてだが、手元にある資料で、今年の前半でみると、小学校で121校、中学校で120校で少人数加配を使って少人数指導や習熟度別指導などを行っている。