岩手県議会政務調査費に関する盛岡地裁の判決について
―控訴せず政務調査費の改革こそ進めるべき
2010年11月24日 日本共産党岩手県議会議員 斉藤信
11月19日、盛岡地裁は、「開かれた行政を求める岩手の会」が2005年度に県議会議員に交付された政務調査費について違法な支出があったとして約4100万円を返還させるよう県知事に求めた住民訴訟について、その一部を認め、30人の県議会議員(当時)に423万円余の返還を求める判決を言い渡しました。
判決内容は、みちのくプロレスに対する人件費や事務所費の支出、小沢一郎氏の政治活動を応援する「欅の会」会費、飲食を中心とした会合の会費など、政務調査費としての支出は違法と厳しく指摘しています。県議会の「政務調査費の事務処理マニュアル」からみても不適正というべきもので、指摘された県議会議員自身がこうした政務調査費の支出は直ちに返還し是正すべきと考えます。県議会としても盛岡地裁の判決を正面から受け止めて、政務調査費の実態を総点検するとともに抜本的な改革を図るべきです。
県行政と県民の税金の支出を厳しくチェックすべき県議会と議員が、県民の税金による政務調査費の活用と支出に当たって、違法、不適正と指摘される事態はあってはならないことです。また、県民の暮らしが大変な時に、税金を使って上級審に控訴し訴訟を継続することは県民の理解が得られるものではありません。
返還の対象のなかには、私が研修会参加費として支出した22000円分も含まれています。日本共産党岩手県委員会が主催した2005年度の全県地方議員研修会では、藤原孝紫波町長の講演も行われ、先進的な資源循環型の行政の経験に学ぶとともに、地方議員の議会活動の成果と経験を交流しました。
盛岡地裁の判決では「日本共産党が主催した全県地方議員研修会の参加費であり、その支出は政党活動経費への支出に当たることがうかがわれる」として違法な支出としていますが、県議会の「政務調査費の事務処理マニュアル」では、政党主催の研修会の会費支出について、「研修会の内容が調査研究活動にかなうものであれば、支出することが可能と考えられる」としており、正当な支出と考えています。
しかし、県民の暮らしが厳しく地域経済の危機的状況の打開が求められているときに、県民の税金によって裁判で争うことは適切ではないと考えます。よって私が指摘された22000円は返還し、今後とも住民の利益と福祉のために引き続き奮闘するとともに、政務調査費の改革と県議会の改革に全力で取り組むものです。
以 上