2010年11月25日 本会議
議案第2号〜第5号(給与改定議案)に対する反対討論
日本共産党の斉藤信でございます。議案第2号から第5号までの給与改定議案に反対の討論を行います。
反対する第一の理由は、県職員の給与の実態が特例減額によって民間給与よりも8585円、年間では10万3020円も低いにもかかわらず、必要な給与の引き上げを行わなかったことです。
県人事委員会は、公民格差というなら実際の給与額で比較し、給与の引き上げを勧告すべきであります。また、県も実際、民間と比べて年間で10万円を超える格差が出ている中で、その是正こそ図るべきであります。特例減額は直ちに中止すべきであります。
第二の理由は、県職員の賃金引き下げは、平成11年度から12年連続となり、職員1人当たりでは約126万円の引き下げとなっていることであります。その年間ベースの総額は247億円に及び、地域経済に対するマイナスの波及効果は約380億円に及びます。
この間の連続的な賃金の引き下げは、県職員にとっても耐えがたいものであるとともに、地域経済にとっても重大な影響を与えています。公務員の賃金を引き下げ、民間の賃金も下がる、まさに賃下げの悪循環が続いていることは重大です。
第三に、日本経済と地域経済のゆがみと落ち込みを打開するためにも労働者の賃金の引き上げが求められているということであります。
財界系のエコノミストも「日本経済の最大の問題点は、賃金が上がらないことである」「日本に必要な成長戦略とは賃上げターゲット政策だ」と指摘しています。大企業はこの10年間で100兆円も内部留保を増やしました。経済危機下のこの1年間でも11兆円の内部留保を増やしましたが、その額は、年収500万円の労働者を220万人雇用できる額であります。
大企業の巨額の内部留保を雇用の拡大と非正規雇用の正社員化、そして賃上げ、中小企業に還元させることは、日本の経済と地域経済のゆがみと落ち込みを打開する緊急の課題となっています。
第四に、教員の場合、義務教育等教員特別手当の調整額が引き下げとなり大幅な賃金の引き下げとなることは重大であります。
義務教育等教員特別手当の減額は、1人当たり年間で2万8千円、期末勤勉手当の引き下げと合わせれば10万9千円の引き下げです。特別支援の場合は年間4万2千円の引き下げとなり、総額では12万3千円の引き下げであります。教員の場合、1日1時間から2時間の残業を行っています。月平均約34時間となります。超過勤務手当に還元すると約8万5千円となります。4%の調整額を引いても7万円の残業手当の不払いとなります。こうした中での賃金の引き下げは不合理なやり方だといわなければなりません。
第五に、医療局の場合、深刻な医師不足の中で医師確保が重要な課題となっていますが、医師も12万5千円の引き下げとなります。医師確保と待遇改善が求められている中で画一的な野引き下げは見直すべきであります。
また、医療局は、今年度、知事部局等が昨年の人事委員会勧告に基づいて1日15分の労働時間の短縮を辞ししたにもかかわらず、時短を実施しませんでした。これは月約5時間、年間では60時間の超過勤務に当たります。この賃金相当額は、時給2千円として推計しても一人当たり月1万円、年間では12万円にもなります。二重の賃下げというのが実態であり、労働時間の短縮を直ちに実施すべきであります。
第六に、県警本部の場合、職員1人当たり平均7万2千円の期末・勤勉手当の引き下げになりますが、9月決算議会でも指摘したように超過勤務手当が58%、半分程度しか支給されておらず、140時間が不払いとなっています。時給2千円で試算すれば28万円の不払いです。まず、超過勤務手当の全額支給を行うべきであります。
第七に、人事委員会の勧告では超過勤務の縮減、年次休暇の取得、看護休暇や介護休暇・育児休暇の取得が指摘されていますが、年次休暇の取得が知事部局で平均11.6日など極めて不十分な実態となっています。職員にとって必要な休暇があたり前に取得できるように抜本的に改善を図るべきであります。
以上申し述べ、給与改定議案に対する反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。