11.27日本共産党演説会での斉藤県議の演説大要

 

皆さんこんにちは、日本共産党県議会議員の斉藤信でございます。来年の一斉地方選挙・県議会議員選挙まであと4カ月と迫ってきました。盛岡選挙区の情勢は、地域政党いわてを含めて主要6政党が激突する激しい選挙戦が既に展開されています。県都盛岡でかけがえのない議席を必ず守り、一関の高田一郎さん、奥州市でも挑戦し、県民の暮らしを守る議員団の実現に全力を挙げる決意です。皆さんのこれまで以上のご支援を心からお願いいたします。

私が盛岡市議団と一緒に取り組んでいる盛岡市民アンケートには約1000通の回答が寄せられています。ほとんどの声に目を通しましたが深刻な実態と切実な願いがびっしりと書き込まれています。「春にリストラで失業したがまだ職が決まっていない」「「失業して2年半になる」「孫が大学を出ても仕事にありつけない」「生活するだけで大変なので国保にも入ってない」など寄せられた声と願いにこたえて、一歩でも二歩でも暮らしを守る取り組みを強める為に全力で取り組みたいと思います。

岩手の県政は16年前の増田県政の時から民主党県政でした。その実態は大型開発優先で県財政の破たんを招き、暮らしと福祉を犠牲にする自民党政治そのものでした。また、小沢利権政治がはびこる県政でもありました。今そのまま達増県政に引き継がれているのが実態です。国の政治では、昨年政権交代が行われましたが、菅民主党政権の実態は自民党政治そのものというべきものになっています。

今日は、岩手の県政における日本共産党県議が果たしている役割と県政転換の政策・展望についてお話します。

第一の課題は、雇用と暮らしを守る県政の実現です。

市民アンケートでは、25.5%、4世帯に1世帯の家族に失業者がいると答えています。県内各地のアンケートでもほぼ共通しています。失業者の3人に1人は1年以上の失業者です。県内ではリーマンショック以来6万3千人が事業主都合で解雇されました。誘致企業による雇止めは7,800人に及んでいます。ソニーが870人の工場を閉鎖し、富士通は1130人の再配置・解雇を強行しました。関東自動車は430人の期間工切りを行いました。

ソニーは35千億円、富士通も9千億円、関東自動車は1千億円の内部留保をため込んでおります。私は、これまで巨額の利益をあげ、内部留保をため込んでいる大企業が、これには1円も手をつけずに工場閉鎖と解雇を強行したことは許されないと現地の工場にも出かけ、調査をふまえた上で厳しく県議会の場で追及してきました。その結果、退職に追い込まれた労働者の再就職に「万全を尽くす」という回答を引き出しました。ソニー千厩工場の場合は再就職率が約6割、富士通は3割と9月県議会で回答がありました。関東自動車の期間工については、4年間で233人が正社員に登用されました。

また、再就職とともに生活保護の申請など生活確保の取り組みを進め、県内すべての地域でワンストップサービスが実施されることになりました。誘致企業・大企業の横暴を許さず、雇用と地域経済を守る取り組みを進めてきたのは日本共産党ならではの取り組みでした。

高校生・大学生の場合は、「超就職氷河期」といわれるほど厳しい状況となっています。3月末の段階で高校生は200人が未就職でしたが、その後市町村独自の取り組みで150人が就職にこぎつけました。先日、岩手大学の学長と懇談して就職難、就活の状況についても聞いてきました。専門教育が一番大事な3年生の夏ごろから就職活動が始まり大学としての教育・勉強が成り立たないとのことでした。高校生・大学生の就職難打開にあらゆる対策を講じるべきであります。

雇用を守るためには、事業所数で99.8%、労働者数で89%を占める中小企業対策が重要です。ところが、県内の中小企業の74%が赤字となっており、中小企業予算は融資を除くとわずか38億円余、県全体の予算の0.5%と少ないばかりか減らされてきています。

私は住宅リフォーム助成の取り組みを県としても行うべきと提案してきましたが、9月県議会で岩商連が出した請願が全会一致で採択されました。画期的なことですが、その秘密は、今日みなさんにお渡ししている赤旗に日曜版の1面に紹介されている宮古市の取り組みにあります。宮古市では既に2400件、10億円を超える事業・仕事がつくられています。その経済波及効果は24億円です。お隣の秋田県では、県として実施し、11700件、事業費252億円、経済波及効果は512億円の成果をあげています。大規模公共事業の何倍もの効果です。何としても皆さんと力を合わせて岩手県でも盛岡市やすべての市町村でも実現したいと思います。

第二の課題は、県政に「福祉の心」を取り戻し県民の命を守る県政の実現です。

高すぎる国保税の引き下げと保険証の取り上げをやめさせることは急務の課題です。アンケートでも77%が「国保税は高すぎる」と答えています。国保加入世帯の平均課税所得は89万円ですが、国保税は147千円となっています。盛岡市の場合は16万円です。高すぎて払えないというのが実態です。滞納世帯は全県で3万世帯、7世帯に1世帯が滞納です。盛岡市の場合は8656世帯で5世帯に1世帯という深刻な実態です。1年以上滞納すれば保険証を取り上げるという冷たい政治が続けられています。9月現在992世帯に資格証明書が発行され、1568世帯に短期保険証が届かない留め置きとなっています。

昨年の4月に花巻市で、61歳の方が医者から「入院が必要」といわれながら、資格証明書が発行されたために医者にかかれず心不全で亡くなるという事態まで発生しました。

いのちを守るべき国保が命を奪う国保になっている。こんな事態は絶対許せないことです。

介護保険では、特養ホームの待機者が5974人となっています。3年前と比べると1300人も増加しています。また、岩手県の介護サービス利用は全国最低です。利用料が高すぎて使えない。保険あって介護なしの実態です。

国保も介護も、国が社会保障費を削減したためにおこっている問題ですが、住民の命を守ることは県・市町村の最も重要な仕事です。

ましてや、県立病院や診療センターを有無を言わせず無床化を強行する政治であってはならないことです。

県民の命を守る県政に転換するために、県政に「福祉の心」を取り戻します。

第三の課題は、地域経済の土台である農林漁業の再建と振興です。

米価の大暴落で困っている農家に、関税の撤廃・貿易の全面自由化を迫るTPPへの参加をめざすということは、絶対に許されないことです。民主党政権は完全に「国民の利益第一から財界の利益第一」に転換したといわなければなりません。

岩手県の試算では、TPPの参加で、農業生産の6割、1469億円減少するとしています。農業が果たしている多面的機能は、岩手県の場合約3000億円です。この半分以上がなくなります。岩手県の製造業の出荷額で第一は、自動車でも電機でもなく、食産業であります。地域経済にも壊滅的な打撃を与えます。亡国の政治から農林漁業を守る県政をなんとしても実現しましょう。この10年間で県の農林水産業予算は1328億円から6334億円に半減しています。基幹産業にふさわしく抜本的に拡充すべきです。

第四の課題は、子どもと教育を守る県政の実現です。

子どもの医療費無料化の取り組みは、15市町村が小学校卒業、中学校卒業まで実施しています。42千万円あればできるということですから岩手県としても実施すべきです。

35人学級の拡充は行き届いた教育の最大の保障です。小学校全学年への拡充をめざしましょう。盛岡市では約200人の保育所待機児童がいます。保育の産業化ではなく保育所の増設・拡充こそめざします。

県政のムダ遣いを厳しくチェック、ムダと環境破壊の簗川ダムは見直しを

こうした県政の転換を実現するためにも、県政のムダ遣いを徹底的になくすことが必要です。530億円の簗川ダム、164億円の津付ダムは、豊かな自然環境を破壊するだけではなく、治水のためにも必要ありません。市民アンケートでは、簗川ダム建設すべきはわずか6.7%でした。見直し・中止・自然環境守れが80%を占めています。今、簗川ダム・津付ダムの検証の審議とパブリックコメントが行われていますが、この声を県に届けていきましょう。

ジャンボ機が飛行するために花巻空港整備事業を321億円で進められましたが、利用客は50万人から30万人に減少し、ジャンボ機どころか今とんでいるのは70人乗りの超小型機であります。

達増知事は、こっそり1400万円の知事車を購入しました。レクサス5000CCのハイブリット車です。県財政が厳しいと言いながらこのムダ遣いは県民の常識からかけ離れたものです。

岩手県政は、全体としてはオール与党県政ですが、達増民主党県政の異常な強権強行の政治のもとで、花巻診療センターの無床化や昨年度の決算が可決される状況です。県民の立場に立つ、ぶれない日本共産党の議席が1議席でも増えることは県政の流れを大きく変え、県民の暮らしを守る確かな力になります。

皆さんの全県的なご支援を重ねてお願いして、私の訴えとさせていただきます。