2011年2月25日 2月定例県議会・本会議
議案に対する質疑(大要)
・DVの実態と取り組み状況について
【斉藤議員】
日本共産党の斉藤信でございます。議案に対する質疑を行います。
議案第56号、2010年度一般会計補正予算(第6号)は、137億円余の補正であり、主には国の経済対策に関連するものが228億円余となっています。その具体的な内容について質問します。
第一に、配偶者暴力防止普及啓発事業費が新規で243万円余計上されています。配偶者暴力、いわゆるDVの県内における実態、相談件数とその処理、解決の状況と今後の取り組み方向はどうなっているでしょうか。最近の特徴はどうでしょうか。また、相談員の配置状況とその待遇、研修についても示していただきたい。婦人保護施設の改修経費が1697万円計上されていますが、措置状況はどうなっているでしょうか。県内1施設で対応が十分でしょうか。
【環境生活部長】
県内の配偶者暴力相談支援センター12カ所における平成21年度の相談件数は1262件で、支援センターが1カ所であった平成14年度の270件と比較すると大幅に増加しており、DVに関する普及啓発や相談機関の整備に伴い、潜在化していた被害が顕在化してきていると考えている。
相談にあたっては、被害者の意向を踏まえながら、一時保護による安全確保や法に基づく保護命令の申し立て支援、自立に向けた支援などを行っている。
解決の状況は、把握が難しい面があるが、例えば21年度は、一時保護した37名のうち7名の方は一時保護所からアパートに移り自活されている。
最近の特徴としては、高齢の被害者など幅広い年代から相談が寄せられているほか、一時保護を求める人の中には、子どもを同伴した女性が増えていると現場の相談員から聞いている。
今後DVに関する県民への一層の広報・啓発、相談員の資質向上や関係機関と連携した自立支援、若年層への教育啓発などを重点に取り組んでいく。
相談員の配置状況等については、県指定の配偶者暴力相談支援センター11カ所における相談業務については、専任の相談員は配置していないが、さまざまな女性相談や一人親家庭に対する相談などの業務と合わせて、職員および非常勤職員等42名でDV相談に対応している。
相談員の研修については、法知識や相談の受け方に対する基礎的な研修や、DV被害者の心理、被害者および子どもの支援のあり方などに関する講座など、相談員の業務経験や習熟度に応じた研修を企画し実施している。
婦人保護施設における措置状況は、平成21年度の利用者数は22人、うちDV被害者が14人である。入所定員は20名であり、毎月の初日における平均在所者数は6.5人となっており、定員枠には余裕がある状況である。また、婦人保護施設内の一時保護所の利用者数は50人で、うちDV被害者が39人である。一時保護所の定員は10人であり、毎月の初日における平均在所者数は4.0人で定員枠には余裕があり、現時点では県内1施設で対応が可能と考えている。
・生活福祉資金の利用実態について
【斉藤議員】
第二に、生活福祉資金貸付事業推進費補助が15億4331万円余計上されています。生活福祉資金は一昨年10月から制度が改善されて利用が広がっていますが、どういう資金がどのように活用されているか示していただきたい。今回の補正は2年間分のようですが、十分な額となっているでしょうか。「失業や収入の減少による生活の維持」「公共料金の滞納による住居の退去を求められたり、電気・ガス・水道が止められる恐れがある」「債務を整理するための費用が不足している」場合に活用できるとされています。具体的な利用実態はどうなっているでしょうか。
【保健福祉部長】
生活福祉資金貸付制度は、厳しい雇用・失業状況を踏まえ、第二のセーフティーネット施策の1つとしてさらに活用しやすい制度となるよう国において、平成21年10月にその一部を改正した。改正後から22年3月までの利用は、離職者等に対する生活費等を対象とする総合支援基金が244件・2億5200万円余、低所得世帯等が一時的に必要とする費用を対象とする福祉資金が482件・8900万円余、高等学校等の就学に必要な経費を対象とする教育支援基金が535件・5億1200万円余、居住用不動産を担保とする不動産担保型生活資金が7件・3500万円余、計1268件・8億9000万円余となっており、平成21年度合計では1505件・10億6300万円余となっている。また22年度は12月末現在で、総合支援基金が380件・3億1000万円余、福祉資金が636件・1億4200万円余、教育支援基金が294件・2億6700万円余、不動産担保型生活資金が11件・9400万円余、合計1321件・8億1400万円余となっている。
このような制度改正に伴う貸付金の急増により、国から平成24年度末まで分の貸付原資使用額について調査があり、当該使用額が国から本県の緊急雇用創出事業臨時特例基金のほうに交付されたことから、2月補正において県社会福祉協議会に対する補助として、使用額15億3844万円余を計上した。
具体的な利用実態については、失業や収入減少による生活の維持が困難な方を対象とする総合支援資金の利用者は、平成21年10月から22年3月までが244件、平成22年4月から12月までが380件となっている。そのうち、公共料金の滞納や債務を整理するための費用等を理由とする一時生活再建費の利用件数は、それぞれ38件、83件となっている。
・介護サービス施設等の整備状況について
【斉藤議員】
第三に、介護サービス施設等整備臨時特例基金積立金が13億9734万円となっています。この間の国の交付金による介護サービス施設等の整備状況はどうなっているでしょうか。来年度は1000床を超える特養ホームの整備が計画されていますが、今後の整備に十分対応できるのでしょうか。
【保健福祉部長】
介護サービス施設等整備臨時特例基金の活用により、平成21年度においては、地域密着型特養ホーム3カ所、認知症グループホーム20カ所、小規模多機能型居宅介護事業所3カ所、認知症対応型デイサービスセンター2カ所の整備が図られたところである。
今年度においては、地域密着型特養ホーム2カ所、認知症グループホーム9カ所、小規模多機能型居宅介護事業所10カ所が整備される見込みである。
23年度における特養ホームの整備については、県としては当初予算において当該基金を財源とした介護サービス施設等整備臨時特例事業費においては、地域密着型特養ホーム19カ所・540床の整備を見込んでいるほか、老人福祉施設等整備費において広域型特養ホームについて第5期計画の前倒し整備分も含め313床の整備に対応する予算額を計上し、施設整備を支援することとしている。
加えて、中核市である盛岡市が支援する施設整備分も予定されていることから、現時点では県全体で約1000床の整備を見込んでいる。
・保育所等の整備の状況と定員増、待機者解消の状況について
【斉藤議員】
第四に、子育て支援対策臨時特例基金積立金が13億1277万円となっています。これまでの特例基金での保育所等の整備の状況と定員増、待機者解消の状況はどうなっているでしょうか。認可保育園に入れず無認可等に入所している実態はどう把握しているでしょうか。盛岡市の場合、待機児童は87人となっていますが、子どもが保育所に入所できれば働きたいと求職している母親が326人いましたが、こうした待機児童をどう把握されているでしょうか。今回の特例基金積立金でどれだけの定員増と待機者の解消が見込まれるでしょうか。
【保健福祉部長】
当該基金を活用し、これまで平成21年、22年の2カ年で13市町村24カ所の整備を行い、保育士の定員362人拡大したところである。この結果、21年4月1日現在で、待機児童が発生していた4市のうち3市においてはこの2年間で待機児童83人を上回る249人の定員増が図られる見込みである。
認可外保育施設等への入所実態についてだが、県では本年1月に認可外保育施設や幼稚園の預かり保育等を利用している児童の保護者約4000人に対し、当該施設を利用している理由や今後の認可保育所の利用規模等についての調査を実施したところである。調査結果の詳細については、現在集計・分析中だが、回答率約42%時点での集計結果によると、認可保育所の利用が可能であれば認可保育所の利用を希望する者の割合は、回答者約1700名のうち約600人で34%程度となっている。うち利用希望者がもっとも多いのは、認可外保育施設利用者であり、約250名となっている。県としては、この調査結果がまとまり次第、関係市町村に情報提供することとしており、各市町村が本調査結果も含めた潜在的な需要も勘案しながら計画的な保育サービスの提供に努めるよう支援していきたい。
待機児童の把握についてだが、保育所の待機児童数については、保育所の入所相談や申請窓口となる市町村が把握しているところであり、県では市町村を通じて調査を行いその把握に努めている。その際県では、国が定めた「保育所待機児童に関する定義」に基づき、待機児童数の報告を受けているが、市町村によっては、未就労等により入所要件に該当しない方の数についても独自に集計しているところもあると聞いている。このため、議員ご指摘の未就労のため保育所入所要件に該当しない方の数については、県としては把握していないが、保育の実施責任がある市町村に対しては、待機児童数のほか認可外保育施設の利用状況等も十分把握した上で保育所の整備計画等を策定するよう助言しているところであり、先ほど述べた調査結果等も参考にしながら休職中の保育所利用希望者等の動向も含めた潜在的な需要も勘案し、計画的な保育サービスの提供に努めるよう市町村を支援していきたい。
基金増額による定員増についてだが、今回の積立金の増額に伴い、平成23年度においては、10市町で13保育所の整備を行い、保育所の定員を380人拡大する予定としている。この結果、直近の平成22年10月1日現在で、待機児童が発生している10市町村のうち、4市町においては待機児童138名を上回る290人の定員増を行う整備予定となっている。
・子宮頸がん等ワクチン接種の推進について
【斉藤議員】
第五に、子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費、12億7920万円についてお聞きします。子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチン接種が無料で実施されることは重要なことです。すでに今年度から実施している市町村と来年度のそれぞれの対象者数、推進のための方策はどうなっているでしょうか。県の負担分はどうなるのでしょうか。交付税措置があるのでしょうか。
【保健福祉部長】
今年度中に実施している市町村は、今後の予定も含めて、子宮頸がん用ワクチンが12市町村、ヒブワクチンが3市村、小児用肺炎球菌ワクチンが4市村となっている。
今年度と来年度の対象者数だが、基金を活用しての全体接種対象者数は、子宮頸がん予防ワクチンについては、13歳から16歳の女子の約25000人、ヒブワクチンおよび小児用肺炎球菌ワクチンについては、0歳から4歳の約5万人と推計している。予算積算上の接種期間を13カ月と設置していることから、今述べた当該ワクチンの全体対象者数の13分の1を今年度対象者、13分の12を来年度対象者として、本年度2月補正、および23年度当初予算の計上額の積算としている。
推進のための方策だが、ワクチン接種の事業主体である市町村においては、それぞれ方法は異なるが、個別通知や広報誌等により対象者や保護者への周知を図っているものと考えている。県としても、ワクチンに対する正しい知識をもち、理解を深めていただくことが重要であることから、市町村や医師会、学校と緊密に連携し、ポスター、リーフ、県の広報媒体を活用した普及啓発のほか、医療従事者や学校関係者、県民を対象とした研修会の開催などを計画している。
県の負担分についてだが、国の制度設計においては、総事業費に対する公費カバー率9割相当分が、基金による補助対象とされており、残り1割については、実施する市町村の判断により実費徴収も可能とされていたことから、県としては県民に対し均一な行政サービスを提供するため、全市町村が実費徴収しないことを前提に残り1割相当分の使用額について、県としても2分の1の負担の支援を行うこととし、全市町村からご賛同いただいたので、県単補助の使用額として平成23年2月補正予算に1028万年余、23年度当初予算に1億1952万円余をそれぞれ盛り込み今議会に提案している。交付税措置については、いわゆる1割負担分については、県・市町村とも交付税措置はなされていないところである。
・自殺対策について
【斉藤議員】
第六に、自殺対策緊急強化基金積立金、8290万円余について知事に質問します。
昨年1年間の自殺者数は減少しているとはいえ、全国最悪の結果になるのではないかといわれています。知事は4年前の選挙公約で「自殺率を全国平均以下に減らす」としていましたが、取り組みが弱かったのではないでしょうか。県内自殺者の要因と今後の対策、他県の取り組みの教訓を含め示していただきたい。
【達増知事】
「いわて県民計画アクションプラン」においては、平成22年の目標値として、人口10万人あたり自殺者数を平成18年の全国値である23.7人まで低下させることとして設定したところだが、平成21年の実績値は34.4人であり、その達成は困難な状況にある。
しかしながら平成22年における本県の自殺者数は、警察庁が公表した速報値によると467人で、平成21年の512人に比較し45人と大きく減少しており、平成15年をピークに着実に減少傾向にあるところである。
なお、秋田、青森両県の自殺者数の減少が本県以上に大きいことから、今後公表される厚労省の人口動態統計による自殺死亡率では最下位になることも懸念される。
自殺の要因は、個々人の背景や状況の違いから一概に述べることは困難だが、警察庁の自殺統計による原因・動機としては、健康問題、経済生活問題、家庭問題の順で多くなっている。
これまで自殺対策については、49の関係機関・団体で構成する「県自殺対策推進協議会」を中核とし、自殺対策アクションプランに基づく官民一体とった取り組みを推進してきたところであり、具体的には対面や電話による相談体制の強化、ボランティアなどの人材育成、自殺防止月間を中心としたキャンペーンの展開などの取り組みを行ってきた。
来年度においては、自殺対策を全庁的な取り組みとするための自殺総合対策本部の設置や、保健福祉部に自殺対策を専門に担当する特命課長を含めた職員2名の増員を行い、自殺対策の推進体制を強化し、また現在策定中である新しいアクションプランに基づいて関係機関・団体と連携した取り組みを一層充実することとしている。
また、秋田県において、官学民一体で実施された「秋田ふきのとう県民運動」などの取り組みも参考とし、今後県民一人一人が自殺対策に参画する県民運動的な取り組みを進めることとしており、来月開催する「命と心を支える岩手フォーラム」を契機に、気運の醸成を図り、より強力に自殺対策に取り組む考えである。
・年末年始の大雪と除雪の特徴、県の対応について
【斉藤議員】
第七に、除雪費が18億3199万円計上されています。年末年始における大雪等への対応によるものですが、倒木等による通行不能箇所が多数発生しました。知事が東京の小沢一郎氏の新年会に行っていた1月1日が最も深刻で、不通区間は延べ68カ所にも及びました。
盛岡市内でも除雪が間に合わない地域が多数出て、地域住民から沢山の除雪・排雪に対する要望が出されました。現場の職員は不眠不休で正月も返上して取り組まれたことに敬意を表しつつ、今回の大雪と除雪の特徴と県の対応は十分だったか示していただきたい。
この間の公共事業の削減で重機やオペレーターが減少していたとの話も聞きますが実情はどうでしょうか。除雪・排雪の取り組みは住民の生活に関わる重要なライフラインです。計画的な重機の確保とオペレーターの養成、除雪契約業者の拡大や入札、仕事の確保への優遇措置など今後検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
【県土整備部長】
年末年始の大雪については、降雪量が多かったことから、倒木や道路上への電線の垂れ下がりが発生したため、東北電力やNTTとの共同の除去作業の後から除雪に入る状況であったため、他管内からの応援も行うなど懸命の除排雪作業を行ったものの、一部で通行止めの時間が長くなったところもあった。このようなことから、現在県管理道路における倒木危険個所に抽出を行っているところであり、今後東北電力やNTTと連携し対応策を検討していく。
除雪機械の確保については、今回の対応結果を踏まえ、今後除雪ドーザーやロータリー車などの更新と配備の計画の見直しを図っていく。
除雪オペレーターの養成については、座学の除雪講習会の回数を今年度増やしたところだが、今般除雪技術の向上を目指し、建設企業と協力して西和賀町において実地研修を行ったところであり、今後このような取り組みを増やしていく。
公共事業の縮減等による受注競争の激化で、維持管理や除雪等で地域の生活を守ってきた地場の建設業の中には、経営の厳しさから、建設機械やオペレーターを手放すところも出てきており、除雪に限らず日常の維持管理や災害対応等、地域社会の維持に不可欠な地域建設業の存続を図ることは、大きな課題と認識している。このため、地域に身近な維持・保全等の工事を地元企業に優先的かつ継続的に発注するなど地域に必要とされる建設企業が存続できるような受注環境の整備が必要と考えており、今後他県の事例等を参照しながら、建設業界や学識経験者等からも幅広く意見をうかがい、本県の実情に合った対応策を考えていきたい。
・福祉灯油の助成について
【斉藤議員】
第八に、経済対策というなら、1缶(18g)1600円を超えた灯油の高騰に対し、低所得者に対する福祉灯油の助成を実施すべきではないでしょうか。これまで1600円を超えた07年、08年の場合は福祉灯油の助成を実施していたのですから実施すべきではないでしょうか。年間の灯油代の負担は07年、08年を超える状況です。前回実施の実績と今回実施する予定の市町村、検討中の市町村はどうなっているでしょうか。
【保健福祉部長】
県では平成19年度および20年度において、灯油価格の急激な高騰を踏まえ、高齢者世帯等のうち、低所得者世帯を対象に、冬期間における経済的負担の軽減を図るため、灯油購入費の助成を行う市町村に対して補助を行ったところである。
事業実績は、平成19年度は県内全市町村で福祉灯油の助成を実施し、助成世帯は53666世帯、県の補助金は1億2000万円余となっており、平成20年度は大槌町をのぞく34市町村で実施し、助成世帯は56866世帯、県の補助額は1億1000万円余となったところである。
今年度は12月議会において、福祉灯油の支援を求める請願が採択されたところであり、1月18日の時点で、事業の実施主体である市町村に対し照会したところ、実施が2市町のみであったことから、今年度の事業実施を見送ることとした。また、当該時点以降、灯油価格が上昇傾向にあることから、請願の趣旨も踏まえ、先日改めて市町村の意向確認を行ったところであるが、事業実施が3市町村、実施に向けて検討中が2市町にとどまっている状況にある。なお、現時点で実施しないとしている14市町村のうち3市町村においては、灯油購入費に限定しない新たな助成制度を創設しており、全市町村との共有に向け新たな課題も生じてきているところだが、今後急激に灯油価格が高騰した場合には、その時点で各市町村と協議しながら対応を検討していきたい。
・超過勤務手当、サービス残業の根絶について
【斉藤議員】
第九に、超過勤務手当の減額は各部局ごと、県警、教育委員会でどうなっているでしょうか。減額ではなく、サービス残業を根絶すべきではないでしょうか。
【総務部長】
各部局の減額は、秘書広報室6万円余、総務部256万円、政策地域部68万円余、保健福祉部442万円余、商工労働観光部13万円余、農林水産部118万円余、県土整備部144万円余、出納局207万円余となっている。環境生活部は11万円余の増となっている。
警察本部は、770万円余の減、教育委員会は3450万円余の減となっている。
引き続き超過勤務の縮減に取り組んでいく。
・10年度県立病院等事業会計補正予算について
【斉藤議員】
議案第68号は、2010年度県立病院等事業会計の補正予算(第1号)であります。
入院収益、外来収益で13億3430万円増加しながら、給与費で13億1900万円、特別損失で6億1800万円の費用増となり、差し引き収益では5億190万円の赤字を増やし、9億9650万円の赤字となるものです。
給与のマイナス改定もあったと思いますが、給与費の増額の中身を示していただきたい。旧磐井病院建物の解体に伴う特別損失が新たな赤字の実態ですが、跡地の活用はどうなっているのでしょうか。
【医療局長】
本年度の給与改定により、期末勤勉手当が3億2200万円余の減額となったところだが、増額関係では、共済にかかる事業主負担金が共済追加費用負担金率および共済負担金率の改定により、8億1500万円の増加。臨時的に任用職員等に支給する賃金が医療クラークや看護補助者の増員等により、4億2500万円の増加。正規職員に支給する給料については、看護師や医療技術員の増員等により1億6000万円の増加。大学からの応援医師に支給する報酬が、応援日数の増加等により1億4000万円余の増となっている。
旧磐井病院跡地の活用についてだが、旧磐井病院跡地は、国の地域活性化経済危機対策臨時交付金を活用して、建物の解体撤去および整地等を行い、災害時の住民の避難場所として活用を図ることとし、平成22年2月県議会において補正予算を計上したところであり、解体工事は22年12月から着手し、本年度末に完了する予定としている。当該跡地は、平成12年2月、磐井病院の移転新築に際し、地元一関市が将来的に取得する旨の覚書を締結しており、現在一関市においてその活用策を検討しているところと聞いている。
・津付ダム建設橋梁工事およびトンネル築造工事の請負契約について
【斉藤議員】
議案第82号と83号は、津付ダム建設橋梁工事とトンネル築造工事の請負契約の締結に関し議決を求めるものです。
津付ダム建設事業は、事業そのものが国の「ダムに頼らない治水のあり方」によって再検証の対象となったものです。再検証が行われているさなかの12月2日と3日の入札となっていますが、再検証結果をふまえて行うべきではなかったでしょうか。
橋梁工事の請負率は85.91%でしたが、トンネル工事の請負率は69.89%で低入札の対象となったようですが、調査の結果はどうだったでしょうか。下請け業者にしわ寄せがいくことはないのか。設計金額が過大だったのか示していただきたい。
【県土整備部長】
政府予算の取り扱いでは、検証の対象となるダム事業については、用地買収、生活再建工事、転流工工事、本体工事の各段階に新たに入らず、現段階を継続する必要最小限の事業内容とされている。本議案の工事は、ダム本体工事等の新たな段階に入るものではなく、生活再建の段階である付替え道路工事を継続する内容である。
設定金額については、県の土木工事標準積算基準書等に基づき適正に積算している。
【総務部長】
低入札調査結果についてだが、対象事業者に入札価格の積算内訳、労務職員の配置計画および労務単価、下請けへの発注の内容などの資料の提出を求め詳細な調査を行った。その結果、契約内容に適合した履行が確認されるものと認められたことから落札決定をした。
なお、契約締結後も引き続き工事完成まで追跡調査を実施する。