2011年3月3日 予算特別委員会
知事に対する総括質疑(大要)


・高すぎる国保税の問題について

【斉藤委員】
 知事は、「県民の国保税に対する負担感が年々増しているものと認識している」と答弁した。盛岡市の場合、給与所得225万円の方の「協会健保」保険料は15万9000円、国保税になると33万8000円になる。国保税は異常に高すぎる、負担の限界を超えていると感じるがいかがか。

【達増知事】
 先日答弁した通り、県民の国保税に対する負担感が年々増しているものと認識している。
 市町村の国保財政も、平成21年度において、単年度収支差引額が25市町村で赤字、市町村の財政調整基金は13市町村が5%未満、単年度決済補てんのために一般会計からの法定外繰り入れをした市町村は5市町村と厳しさを増している状況にある。
 こうしたことから、県としては、国の公費負担割合を拡大し、被保険者や地方公共団体の負担軽減が図られるよう国に要望しているところである。
 国においては、国保制度の構造的な課題の解決に向けて、国と地方の代表者による協議の場を設けるとしており、この動向についても注視していきたい。

【斉藤委員】
 高すぎて払えない、滞納が増えている中で、実は12月に岩手県が「広域化等支援方針」を決めた。これは、払えないのに収納率を上げるという方針である。具体的にどういう方針が示されているか。

【宮舘副知事】
 広域化等支援方針の収納率の目標は、収納率の低い市町村の底上げを図る観点から、被保険者数の規模別の4つのグループごとに平均収納率を目標として設定し、目標を下回る市町村にあっては、その目標の達成を目指してもらい、すでに目標を上回っている市町村にあっては、現在の収納率を下回らないようにしてもらうよう、無理のない目標として設定している。
 収納率向上の具体的対策は、県と市町村によるワーキンググループで議論を行い、口座振替の促進や収納対策マニュアルの作成、納税者の要因分析など、市町村が行っている平均的な取り組みを全ての市町村に取り組んでもらうことを基本として支援方針に盛り込んだ。
 県としては、この支援方針に基づき、市町村において具体性のある収納対策が進められるよう、県の特別調整交付金活用するなどにより支援していく。

【斉藤委員】
 具体的な収納対策を聞いている。

【宮舘副知事】
 先ほど述べた通り、県と市町村でワーキンググループをつくったり、口座振替を促進しているところであり、またマニュアルを作成したり、滞納者の個々の要因分析を行いその対策を具体的にきめ細かく対応するということにしている。

【斉藤委員】
 10ページにこう書いている。滞納防止対策―「夜間における電話催告や訪問徴収」「コールセンターなどによる督促」「滞納処分の適切な実施」「短期保険証・資格証明書の適切な交付」というのが中身ではないか。

【宮舘副知事】
 資格証や短期証の実施も含んでいるが、いずれ市町村に対しては、滞納者個々の事情に十分配慮して、きめ細かな対応をするよう通知している。また会議等の場でも、この基本的な考え方に沿って適切に運用するように要請している。

【斉藤委員】
 盛岡市に対する取り組み方針はどうなっているか。

【宮舘副知事】
 現在手元に資料はないが、いずれ市町村ごとに個別に相談に応じながら対応している。

【斉藤委員】
 資格証、短期証が発行されているが、その目的はどうなっているか。
 無保険となる短期証の留め置きの実態は直ちに是正すべきと思うがいかがか。

【宮舘副知事】
 資格証・短期証は、市町村が滞納者と接触し、窓口での保険税納付を直接働きかける機会を確保するために交付しているものであり、滞納者の生活実態など状況をきめ細かく把握した上で交付している。
 県においては、市町村に対し、滞納者個々の事情に十分配慮したきめ細かな対応をするように通知し、会議等の場でもこの基本的な考え方に沿って適切に運用するように要請している。
 滞納者と連絡がとれないなどの理由から、短期証の未交付、いわゆる留め置きだが、こうなった場合については、県において市町村に対し、滞納者が相談に来ない等を理由に窓口における留め置きを放置することなく、電話連絡や家庭訪問等により接触を試み、できるだけ速やかに手元に届けるよう通知しているほか、担当者会議等でも適切に対応するよう要請している。

【斉藤委員】
 今日の岩手日報にも、昨年全日本民医連参加の病院診療所で、受診遅れで71人が死亡したと。岩手県も1名、67歳の男性が無保険による受診の遅れで死亡したと。深刻な事態である。
 窓口全額負担の資格証、短期証が留め置きされている数はいくらか。

【宮舘副知事】
 22年度2月1日現在で、資格証は874世帯、短期証は15571世帯となっている。
 短期証留め置きの方は、4024人である。

【斉藤委員】
 留め置きは2473世帯・4024人である。
 資格証の発行が874世帯で、窓口全額負担は3347世帯である。無保険というのは、全額窓口負担しないと受けられない。こういう方々がこれだけいる。
 知事、これだけの方々が無保険状態になっていることをどう受け止めているか。

【達増知事】
 保険というのは、皆でお金を出し合って、いざというときにそのお金を使って医療の場合であれば医療を受けられるようにするという仕組みであり、その仕組みを維持していくために皆で協力し合っていくことが大事だと思っている。
 その全体としての額を確保していくということは、その仕組みを維持する上で欠くことのできないことであると思うが、ただ、皆で協力し合うという中で、個別の事情に応じて他の人並の貢献ができなくなる人に対しては、きめ細かくお互い譲り合い、困ったときはお互い様という姿勢を行政の現場も失わないようにしていくことが大事だと思っている。

【斉藤委員】
 国保法第1条は、国保は社会保障制度と書いている。保険制度ではない。
 3347世帯は事実上無保険状態でいいと、仕方がないということか。

【達増知事】
 社会保障の中に、社会保険と公的扶助に大きく分けられる中で、医療保険については、工学上は保険という位置づけなので、収入に見合った負担をするという仕組みになっているのだと思うが、一方そこには公費を投入して仕組みを維持するという原理原則もあるわけで、最初に述べたように、国に対しても公費の充実を求めているところである。
 無保険状態については、先ほど述べたように、皆で助け合って制度を維持していく、その中で他の人並に貢献ができない人が出てきた場合には、それをきちんと配慮していく、そういう考え方を行政もきちんと持っていくことが大事だと思っている。

【斉藤委員】
 知事の認識は間違っていると思う。国保制度というのは最後のセーフティーネットである。憲法25条に基づいて、健康で文化的な生活を保障する制度ではないか。
 そして3347世帯が無保険状態でいいのかと私は聞いた。改めて答えていただきたい。

【達増知事】
 公費投入も含め、他のさまざまな税金からまかなうということも含めて皆で助け合って、そしてその中で他の人並の貢献ができない人に対しては、お互い譲り合い、困ったときはお互い様という考え方でやっていくことが重要と考えている。

【斉藤委員】
 憲法25条に基づく、だからそこに国の責任、県や市町村の責任が出てくる。それを果たすべきである。無保険状態に置いていいということにはならない。
 残念ながら岩手県の国保は、財産の差し押さえが急増している。給与や年金まで差し押さえしたら生活費まで奪われてしまうのではないか。「学資保険」まで差し押さえの対象になっているのか。命を脅かす差し押さえはやめるべきではないか。

【宮舘副知事】
 滞納処分は、税負担に関する公平性や安定した国保財政を確保するため、担税能力がありながら納付していただけない方に対して、市町村において、地方税法・国税徴収法等の法令に基づき、十分な調査を行った上で実施されているものと認識している。
 給与や年金については、国税徴収法の規定の例により、ひと月につき、本人分として10万円、生計同一親族がいる場合にはこれに1人あたり45000円を加えた額までは差し押さえができないこととされており、一定の生活への配慮がなされているものと考えている。
 学資保険については、基本的には差し押さえの対象とはなるが、市町村においては滞納世帯の生活実態を十分に把握しながら、慎重な取り扱いをしているところである。
 県としては、滞納処分にあたっては、市町村が支援方針に沿って滞納処分を行う場合には、納税相談や財産調査などを適切に行った上で、分割納付を認めたり担税能力がない場合においては、滞納処分の執行停止を行うなど、生活困窮者に対して適切に対応するよう助言している。

【斉藤委員】
 年金を差し押さえた場合に、どうやって生活費を確保するのか。
 学資保険を差し押さえている例はあるのか。

【宮舘副知事】
 給与や年金などについては、本人分としては10万円、また生計同一親族がいる場合は1人あたり45000円を加えた額までは差し押さえはできないとなっているので、一定の配慮はされていると考えている。
 学資保険については、市町村にも聞いたが、近年差し押さえしている例はないと聞いている。

【斉藤委員】
 全国の都道府県で、法定外の繰り入れをしているところの実情はどうか。県内ではどうなっているか。
 岩手県も繰り入れして市町村を支援すべきと思うがいかがか。

【宮舘副知事】
 平成21年度の全国の法定外繰り入れは、1183市町村(68.6%)、額にして3592億円となっている。
 岩手県では、7市町村となっており、額にして約2億90万円余となっている。
 国保税の税額については、保険給付費の状況や収納率等に応じて、市町村自らが責任をもって設定すべきものであることから、県の独自補助による国保税額の引き下げを行うことは適当ではないと考えている。
 県としては、今後も国保税法に基づき、県の財政負担を着実に行うとともに、市町村からの求めに応じて助言等を行うことにより、国保財政が適切に運営されるように支援していきたい。
 また、被保険者や地方公共団体の負担が増加し、家計や国保財政を圧迫している状況にあることから、国の公費負担割合を拡大し、これらの負担の軽減が図られるよう国に要望しているところであり、今後とも引き続き要望していく。

【斉藤委員】
 12都府県で独自の繰り入れをしている。
 達増知事の選挙公報で、「所得が減少する一方で、医療・福祉・社会保障の負担が増大しています。多くの県民が苦しみ、悩み、不安を抱えています。危機を乗り越える理念と政策を持つことが必要です」と。知事の危機を打開する理念と政策は何か。

【達増知事】
 困ったときのために備えて、皆でお金を出し合って、医療が必要なときにそのお金を使って、必要なときに必要な医療を受けられる、そういう仕組みが重要だと思う。その仕組みが、特に最近の経済・社会情勢の中で、自営業者が仕事がうまくいかなくなるとか、勤め人がその職を失って国保の中に入っていくとか、さまざまな事情の中で仕組みがうまくいかなくなってきているということだと思う。
 そういう意味では、その仕組みを維持するための助け合いという工夫をお互いにやっていくこと、その中で他の人たちと同じような貢献ができなくなった人たちについては、きちんと配慮するということに加えて、やはり経済全体の底上げ、雇用の下支えが重要と考える。


・住宅リフォーム助成の取り組みについて

【斉藤委員】
 県内市町村の実績はどうなっているか。それをどう受け止めているか。
 秋田県の実績をどう認識しているか。
 秋田県に続いて、山形県が6億3000万円、青森県が1億2510万円で来年度から実施しようとしているが、県としてこれまでどう検討してきたか。

【上野副知事】
 秋田県が実施している住宅リフォーム緊急支援事業については、その事業規模の大きさ、包括性という観点から、地域経済の活性化という観点から考えた場合、即効性のある事業であると認識している。
 県内市町村における取り組み、実績についてだが、19市町村がリフォーム全般にたいし、10万円か〜50万円の幅で補助する制度を設けている。
 今年度は、1月末現在で19市町村の申請戸数の合計が3725戸で補助額は3億8534万円、工事額は約30億3000万円となっており、一定の試算をすると約47億円の経済効果があったと試算できる。
 県としてのこれまでの検討だが、リフォーム市場の活性化というのは、地域経済への波及効果などの観点から重要な取り組みと考えられているので、これまで県では、他県や県内市町村で実施している助成制度について調査を行った。その事業規模、効果等について検証してきた。その上で、本県における住宅リフォーム制度全般を対象とした助成制度の創設などについては、総合的な観点から判断されるべきものだと考えている。

【斉藤委員】
 秋田県内も大きな効果を上げているので、ぜひ具体的な検討を進めていただきたい。


・TPP問題の対応について

【斉藤委員】
 県が試算した農林漁業に対する影響について、知事はどう受け止めているか。
 私の質問に、「強行はけしからん」と答弁したが、これは反対するという意味か。

【達増知事】
 農水省が昨年10月公表した農林水産業の影響額の試算方法を参考にして本県農林水産業の影響額を試算した。農業では、コメ・酪農・肉用牛など7品目の生産額が1469億円、林業では、合板生産額が22億円、水産業では、サケ・マス類・ワカメなど11品目の生産額が191億円それぞれ減少する見込みであり、大きな影響が懸念される。
 本県の農林水産業は、食料の安定供給はもちろん、その生産活動を通じて、国土や自然環境の保全や伝統文化等の保存・継承など多面的な機能を発揮しているので、農林水産業・農村・漁村の振興などが損なわれることがないようにすべきと考えている。
 「強行はけしからん」という答弁は、協定の内容そのものについて根本的に検討されておらず、最近政府もさまざま広報等をしているようだが、その内容については見えてこない段階であり、反対の表明には至らないところである。しかし、このまま十分な検討が行われずに、地域の声も反映した国民の合意が得られないような中で、多くの国民にとって不利な内容の協定参加に向けた動きが強行されるようなことがあってはならないという意味で申し上げた。

【斉藤委員】
 TPPは関税撤廃が原則で、問題ははっきりしている。だからこういう試算ができる。政府がその対応策を示せないというのが現実で、6月に決めると言っている。こんなことが決められたら大変な事態になるので、決められないように知事や県が対応すべきではないか。

【達増知事】
 さまざまな2国間やWTO多国間の貿易交渉に関しても、今までは県がそれが地方の農業の生産、農村の振興に反しないようにということは随時訴えてきたし、今回のTPPについても、これが岩手の食料供給基地としての農業の生産や内需拡大型のさまざまな6次産業化、農商工連携などで地域振興にもつながっていくような動きを止めてしまうようなことがあってはならないということについて、常に時宜に応じて訴えていきたい。

【斉藤委員】
 総選挙時の民主党の公約違反であり、連合がTPPに賛成しているが、知事が連合から推薦を受けているのは矛盾ではないか。

【達増知事】
 去年の秋ごろ、連合でTPPに関して出したコメントを見たが、単に賛成ということではなく、さまざまな議論を展開していると受け止めている。
 TPPをテーマとしながら、我が国の経済・雇用や農業のあり方について、真剣な議論が行われることは好ましいと考えている。
 なお、TPP参加ということについては、国民の合意が得られないような形での参加というのは慎重に検討すべきと考えており、また岩手としても適時適切に国に対する提言などを行っていく必要があると考えている。


・精神障害者へのバス運賃の割引実現について

【斉藤委員】
 障害者への差別を禁止する条例が県議会で制定された。当面、緊急に是正すべき課題として、精神障害者に対するバス運賃の割引を実現することが重要と考えるが、全国の状況と県内のこれまでの対応について示していただきたい。

【宮舘副知事】
 厚労省の調査によれば、平成22年12月現在、全県での実施が27都府県、一部市町村での実施を合わせると本県を含め37都道府県で運賃割引を実施している。本県においては、奥州市、金ヶ崎町、平泉町、野田村、洋野町の5市町村において、精神障害者保健福祉手帳所持者に対して、福祉乗車券の交付や、町村営バスの運賃無料化など、市町村独自サービスとして実施しているところである。
 県内のこれまでの対応だが、平成18年10月に、精神保健および精神障害者福祉に関する法律の一部改正により、精神障害者保健福祉手帳の様式が改正され、写真添付により本人確認が可能になった。このため、県としても県バス協会にたいし、身体障害者および知的障害者同様の割引が適用されるよう働きかけを行い、バス運賃割引に向けての事業者間調整が進められた経過がある。しかしながら、県バス協会で検討したところ、各バス事業者間の調整が整わず、バス協会主導による割引実施は実現に至らなかった。
 県としては、その後も継続して県バス協会や県バス事業者に対して、運賃割引を働きかけているが、いまだ主要バス事業者の了解が得られていない状況である。

【斉藤委員】
 三障害の中で、精神障害者だけ割引の対象にならないと。これは条例の精神からいっても直ちに是正すべき課題だと。「障害者基礎年金だけで暮らす私には、生きるために必要な割引です」という声も寄せられている。バスを使えば一日2000円かかると。大変な問題で、知事としてバス協会に強く要請して実現を目指すべきではないかと思うがいかがか。

【達増知事】
 県においては、いわて県民計画に掲げる「ともに生きるいわて」の実現を目指して、障害者の自立と社会参加や地域生活の支援など、障害者が地域で自立した生活ができる環境づくりを進めている。
 精神障害者については、通院や就労などの日常生活においてバスを利用することも多く、またその社会参加の一層の促進のためにも移動手段の確保は重要な課題であると考えている。県としては、精神障害者へのバス運賃の割引が実現されるよう、今後とも県バス協会およびバス事業者に対して要請を継続し、理解を求めていきたい。


・私学就学支援金の拡充について

【斉藤委員】
 これは一歩前進の事業だが、公私格差が広がった。私学の授業料が基本的に無償化される生徒の数と比率はこの事業でどうなるか。
 県は今年度、県単独の授業料減免の予算を8200万円も削減した。県が減額した分を、この授業料無償化の拡充に活用すべきではないか。

【総務部長】
 授業料負担が実質無償となった私立学校の生徒の人数と比率は、これは各月ごとに変わるので、22年7月時点で申し上げると、1427人・18.6%と把握している。
 この制度をつくった際に、我々としては、国の就学支援金のスキームができたと。ただ、これができたことにより不利となる方が生じないように、これまで以上の支援が受けられるようにということで、スキームをつくった。
 それぞれの事業について、固有の予算枠があるということではないわけなので、いずれ何が必要とされるかという観点から検討したところである。来年度においては、このような観点から事業内容の一部を拡充して、生活保護世帯を対象として私立高校等に入学する際の入学金について支援を開始したい。

【斉藤委員】
 結局、18.6%しか無償化にならない。それなのに8200万円の独自減免の予算を減らした。これは拡充にこそ求めるべきである。知事、減額ではなく拡充に回すべきだったのではないか。

【達増知事】
 県では、国の高等学校等就学支援金について、公立高校生1人あたりの負担軽減額と同等の額を支給すると。また低所得世帯については、増額して支給するというスキームが作られているので、その国の考え方が相当の合理性を持つものと考え、本県の授業料減免補助の制度設計を行ったところである。
 来年度は、新たに入学金に対して支援を行いたいと考えており、私立学校に対する支援については今後ともさまざま検討していきたい。


・知事の新聞記事に対する発言について

【斉藤委員】
 昨日の総括質疑で、あるマスコミの報道について知事は「悪意に満ちた報道だ」と。マスコミが県政を批判するのは当然の精神だと思うが、「悪意に満ちた報道」という発言は撤回すべきではないか。

【達増知事】
 悪意に「満ちた」という言葉は使った記憶はないが、さまざまインタビューで、「こういったことについてはどうですか」と聞かれ、基本的に肯定的で前向きな答えをしたことに対して、特に私が皆の前に出て「褒めてくれ」といった態度で話したわけではないにも関わらず、「自画自賛」という見出しを付けるのは、誰がそういうインタビューに答えた場合であっても、国語の問題としてちょっと悪意があると感じるので、「悪意ある見出しの付け方」というような答弁をしたと記憶している。

【斉藤委員】
 この記事を読んだが、まったく見出しはその通りだと思う。そういうマスコミの報道に対して、「悪意に満ちた」ということを知事が言ってはいけないと思う。

【達増知事】
 私はそういう記事や見出しについては、報道の自由であり編集の自由であるのでそれについて差し止めとか書き換え、反論を載せろなどということは言わない。
 ただ、今の委員の質問もそうであり、昨日の質問もそうであったが、さまざま考え方が違う者同士の政治的な議論の中で引用されるわけであり、そういう質問があったから私も答えたので、その場合私の発言にも政治的な色彩が帯びたのかもしれないが、それは当然のやりとりの中であり、考え方の違い、感じ方の違いが政治的な議論の中で出てくるのは当然だと思う。