57回岩手県母親大会(盛岡)あいさつ大要 2011.7.3

 

皆さんこんにちは。日本共産党の県議会議員、斉藤信でございます。第57回岩手県母親大会に県内各地から、とりわけ被災地からも参加された皆さんに心から連帯の挨拶を送ります。

今年の母親大会は東日本大震災津波と福島原発事故という、戦後最大の大災害の中で開かれています。犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表するとともに被災された皆さんに心からお見舞い申し上げます。午前中のシンポジウムにも参加しましたが、この大会が被災地と被災者に心を寄せて、救援・復興の取り組みが前進する機会になるように期待するものであります。

私は毎週、被災地を訪問してきました。一昨日も陸前高田市と大槌町に行ってきました。県立高田病院の石木院長にあってきましたが、「仮設診療所にも入院病床が必要だ」「病院として再建したい」「病院が必要ないというならすぐにでもやめます」という強い決意が述べられました。岩手県の東日本大震災津波の復興基本方針の最大の問題点は、8年計画といいながら被災し壊滅した3つの県立病院の再建に触れず、あわよくば縮小統廃合したいという中身となっていることです。被災者の生活と仕事が大変なのに三陸縦貫道や高規格道路の整備ばかり強調していることも問題です。

今被災者は、仮設住宅に移行しつつあります。生活の自立が求められ、孤独化・孤立化が心配されます。すべての仮設住宅のふれあいの場となる集会所と談話室を設置させましょう。新たな自治組織を立ち上げ、コミニュティを確立し、救援と復興の取り組みを進める土台としようではなりませんか。

79日に地域住民・被災者が主体の救援・復興の取り組みを進めるために、東日本大震災津波岩手県民会議の結成が予定されています。被災地での共同センターの取り組みを進め県民会議に合流させようではなりませんか。

福島原発事故は、いまだに終息せず、放射能汚染が岩手県を含めて広がっています。611日には畜産農家が抗議の自殺までしています。原発事故が明らかにしたことは、原発が本質的に未完成で危険なものであること。ひとたび事故が起こると放射能汚染を制御できず、放射性廃棄物の処理・処分の方法も確立していないことであります。こんな危険な原発が世界的にも有数の地震国・津波国の日本の沿岸に集中立地していることは異常なことです。

ところがこの原発を「絶対に事故は起きない」と「安全神話」にしがみついて推進してきたのが自民党と公明党でした。民主党の政権は、さらに原発を14基も新増設することを決め、海外にまで輸出しようとしてきました。福島原発事故が終息の見通しもない中で、停止中の原発の再稼働を進めようとしていることも許されないことであります。

しかし、福島原発事故は、世界と日本に大きな衝撃を与えています。ドイツは2022年までに原発を廃止することを決めました。イタリアもスイスも原発廃止を決めています。国内の世論調査でも「原発の廃炉推進」が82%を占めました。今こそ原発からの撤退を決め、自然エネルギーの本格的な導入と低エネルギー社会への転換を実現しようではありませんか。

最後ですが、知事選挙を始め延期された地方選挙が集中的に取り組まれます。東日本大震災の救援・復興を前に進める機会に、そしてなにより県民の暮らしと福祉を最優先する政治への転換を実現する機会にしようではなりませんか。母親大会の成功を期待し連帯の挨拶とします。