岩手県知事 達増拓也 様
岩手県医療局長 遠藤達雄 様
2011年7月22日
日本共産党岩手県委員会
委員長 菅原則勝
県議会議員 斉藤信
東日本大震災津波で被災した県立病院の早期再建整備を求める申し入れ
東日本大震災津波から4カ月余が経過しました。県立高田病院、大槌病院が津波で全壊の被害を受けるとともに山田病院も施設・設備の大半が壊滅的被害を受けました。大東病院は地震により建物が相当程度損壊し、入院患者は千厩病院に転院し、外来機能のみとなっています。釜石病院も建物が一部損傷し、多くの入院患者を転院せざるを得ない状況となっています。東日本大震災津波によって517床の入院ベットが利用できない事態となっており、全国からの医療支援があったものの、被災地での地域医療は重大な困難を抱えています。
こうした中で、県立病院の医師、看護師等職員は、臨時診療所を開設し不眠不休の献身的な取り組みを行ってきており、心から敬意を表するものです。被災した各県立病院は、地域医療の中心的な役割を果たしており、早期に県立病院として再建整備を図ることは、被災地での復興と新たなまちづくりの中心的な課題です。
ところが、岩手県の「復興基本計画(案)」では、「被災した医療機関や社会福祉施設等について早期に機能の回復を図る」としながら、「地域医療機関の仮設診療所の整備」は明記されているものの、中期的な取り組みについては「新たなまちづくりと連動し、人口集積の状況や高齢者等の支援ニーズに対応した保健医療・福祉施設を整備」「遠隔医療の導入等によるネットワークの再構築」が書かれているだけで、県立病院の再建整備については全く触れられていないものとなっています。これは、大震災津波を口実に県立病院の再編縮小・統廃合を進めようとする意図があるといわなければなりません。
医療関係者、地域住民の切実な願いにこたえて、被災した県立病院の早期の再建整備を図るべきです。そうしてこそ被災地の地域住民に希望を与え、新たなまちづくりと復興を進める大きな力となります。
こうした立場から以下のとおり県立病院の再建整備を早期に図るよう申し入れます。
記
1、 県立高田病院はこれまでの実績から、本来は4月から2病棟90床に拡充する計画でした。仮設診療所の整備にあたっても入院病床を確保するとともに、心のケア等の診療機能の強化を図ること。入院機能を持つ病院として早期再建整備を図ること。
2、 県立大槌病院と山田病院は、それぞれの地域に原状復帰を原則に、病院としての再建整備を図ること。
3、 県立大東病院については、耐震診断を踏まえ、早期に耐震改修・改築を行うこと。
4、 県立釜石病院の耐震化工事の早期完成をめざし、病棟の復活をはかること。
5、 国に対し、被災した県立病院の再建整備のため、新たな用地の確保と建設にこれまで以上の補助を実現するよう強く求めること。
6、 県立病院の医師、看護師等職員の宿舎の確保、仮設住宅に日赤並みの備品の設置を行い、職員の心のケアの取り組みを強化すること。
7、 市町村と連携し、患者バス・巡回バスの運行をはかること。
以上