11・13県民大集会でのあいさつ大要
県内各地から県民大集会にご参加の皆さんご苦労様です。日本共産党の県議会議員、議員団長の斉藤信でございます。心から連帯の挨拶を送ります。
野田首相は一昨日の11日、「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」との表明を行いました。日本列島に広がった反対の世論と運動に耳を貸さず、国民への説明もないまま、TPP参加に踏み出したことに、厳しく抗議し、その撤回を強く求めます。
この間の国会論戦を通じてTPP参加に全く大義がないことが明らかになりました。@何よりも被災地に復興の最大の妨げとなること、A食料の安定供給を土台から破壊すること。B「食の安全」、「医療」などアメリカの対日要求が押し付けられること、C雇用と内需・日本経済全体への深刻な打撃となることの4つの大問題について、野田首相は全く答えることができませんでした。
私は、県議会でTPP問題を取り上げ達増知事が県民の先頭に立って反対を表明するよう強く求めました。TPP参加で岩手の農林水産業は1682億円の生産が減少します。アメリカやタイのコメの輸出価格は60キログラム当たり3000〜4000円です。岩手のコメは95%減少します。乳牛は100%減少です。水産業も約5割減少します。さらに漁業への補助金の禁止をアメリカは求めています。TPP参加は、東日本大震災津波からの復興に逆行し、岩手の農林漁業を壊滅に追い込む、岩手にとっても死活にかかわる問題です。しかし、達増知事は「慎重に検討すべき」「時期尚早」と述べるにとどまり「反対」と表明しませんでした。そして民主党岩手県連に申し入れるというヨワ腰の態度でした。
この間のたたかいの到達点は重要なものです。国会の内外で、TPP参加に反対する超党派の共同が広がりました。国会請願には衆参の過半数を超える363人が紹介議員となりました。JA、医師会、歯科医師会、薬剤師会、消費者団体などの幅広い共同も前進しました。
野田首相の「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る」との表明は、TPP参加を意味するものではありません。アメリカとの事前協議を含め、これからのたたかいが一層重要になってきます。TPP参加を阻止するために、さらに、国民的な共同を岩手県内でも一層前進させましょう。
東日本大震災津波からの8カ月が経過しました。11月4日まで開かれた9月定例県議会で、知事選・県議選の最大の争点となった県立病院の再建問題について、達増知事は、「被災した県立病院の再建を基本に取り組む」「県立高田病院の仮設診療所に入院機能を整備する」と答弁しました。医療関係者と県民のたたかい、日本共産党の複数議席への前進が勝ち取った大きな成果です。二重ローン解消の岩手復興機構と相談センターが設立されました。今国会に出されている国が100%出資する機構と合わせて二重ローン解消の仕組みはつくられたことも大きな成果であります。
同時に、先日、山田町の仮設住宅で独り暮らしのお年寄りが孤独死していたことが明らかになりました。6月から9月までの4ヶ月間で10人が震災関連で自殺しています。「津波で助かった命を再び犠牲にしてはならない」の立場で、被災者の命と生活、中小企業の再建と雇用の確保に取り組むことは引き続き緊急重要な課題です。厳しい冬の到来を前にして、在宅の被災者、民間住宅借り上げの被災者を含め、被災者の痛みと切実な要求に心寄せて、住宅の確保、中小企業の再建と雇用の確保、住民合意の町づくりを柱に被災者救援と復興に全力で取り組もうではありませんか。
東京電力福島原発事故による放射能汚染問題も重大です。文科省の航空機モニタリング調査では、県南部の放射能汚染が年間1ミリシーベルトを超える結果が出ています。県南部の子どもの尿から放射セシウムが検出されるとともに、稲わら・牧草の汚染、肉牛の出荷滞留と価格の大幅な下落など、重大な影響が広がっています。放射能汚染から子どもと県民の命と健康を守り、農家等の被害の全面賠償を早期に勝ち取ること。原発ゼロをめざし、岩手の豊かな資源を生かした自然エネルギーの本格的な活用も新たな課題となっています。
県民大集会を契機に、被災者と県民の切実な要求を一つ一つ実現し、県民の共同をさらに広げましょう。皆さんとともに頑張ることを表明し連帯のご挨拶といたします。