2011年11月30日 決算特別委員会
花泉診療所民間移管問題に関する集中審査での質疑大要
・常勤医師の実態、医師確保の問題について
【斉藤委員】
経過報告を聞いて本当に残念である。
問題の発端は、常勤医師が辞めて、常勤医師がいなくなったことである。医師確保の問題が全然入っていない。何が医療法人破たんの原因だと医療局長は思っているのか。
【医療局長】
先般お邪魔した際に、常勤医師の確保というところでお話をさせていただいた。いずれ、今のドクターが2人ほどいるといった形で、いずれ常勤医師については法人独自でルートがあるので、それについては心配していないという回答をいただいている。当日いただいたのは、経営上の問題としては、夜間の看護師の対応、これを外部から指摘を受けた、それに伴い訴訟リスクやさまざまな問題が出てくると。そういった点をいろいろ指摘を受けたので、それに対応するためにはやはり人的体制を充実、増員しなければならないということで、なかなか経営的には厳しいという話を聞いている。
【斉藤委員】
医療局長、その話を本当に真に受けているのか。この医療法人は、事業計画を立てたそのときから医師確保をだましてきた。何回もだましてきた。それに呆れて常勤医師は辞めてしまった。医師確保できなかったというのが最大の問題である。あなたにはそういう認識はないか。
【医療局長】
常勤医師含めて、ドクターの確保というのは民間に限らず県立病院でも同様であり、確定的にこの時期にこのドクターが入るというのはなかなか難しい。我々も大変苦労しているので、常勤医師がいずれ開設当初から管理者として配置されているということで、これまできているので、法人側でも医師の確保については自身を持っていると申していたのでそういうことかと思う。
【斉藤委員】
しっかり資料を出していただきたい。事業計画を出したときの医師の実態、1ヶ月後の県議会に出したときの医師は5人とも全部違った。そして3月25日、移行するときの常勤医師もすべて違う。3回とも違う。3月25日に打ち出した常勤医師はいたか、4月から7月までいなかった。やっと確保した常勤医師が辞めたというのが実態である。この実態の検証を12日までに必ず出していただきたい。何度だましてきたか。
医師確保というのは、事業計画の一番大事なポイントである。その事業計画を信頼して民間移管を決めたのである。本当なら、民間移管する昨年の3月25日にチェックできたけれどもあなた方はしなかった。そして移行した。誰一人診療することができない医師が1月から7月まで所長を務めた。この医師確保の問題を検証して必ず12月12日に出していただきたい。
それで2つ目に、いま常勤医師1名となっているが、(3)で書いている常勤医師は、月火金勤務、実態はこうなっていない。月火しか勤務していない。これで管理者となるのか。
【医療推進課総括課長】
今般11月28日に、保健所で当該診療所を再度確認したところ、この資料で説明したような状況と説明を受けた。今後、管理者が外来診療を行う日、その他の診療日以外の日に勤務をするということもあり得ることだが、勤務実態等について、定例の立ち入り検査等において当該医療機関の勤務状況等について確認し、必要に応じ適切に運営を果たすように指導していきたい。
【斉藤委員】
私は9月県議会でも決算でも指摘してきた。常勤医師の実態はそうではないと。あのときは、月火金土勤務だと言った。しかし実態は月火だけの勤務なのである。これが常勤医師、管理者と言えるか。保健所が何回か行っているはずである。9月の決算議会で私が具体的に指摘したのに、嘘だらけの法人から話を聞いただけで勤務表だけで評価できるわけではない。実態がどうなっているかが問われている。今も異常な事態だと思う。
8月は常勤医師はほとんど勤務していなかった。しかし、入院患者は1日平均7.7人いた。こんなことが医療法上許されるか。常勤医師不在でコール体制もなしで約8人の入院患者がいた。9月は2人。そういう危険な事態にあったということを、実態を把握していただきたい。勤務表など何とでも書ける。今そういう事態になっている。きちんと調べて12日に報告していただきたい。
【保健福祉部長】
常勤医師の勤務について、以前は電話等で確認したりいろいろしていたが、今回改めて12日の資料に向けて、その勤務の実態等について確認させていただきたい。
【斉藤委員】
月火しか勤務しなかったら常勤とは言えないですね。そして管理者の責任を果たせないのではないか。
【保健福祉部長】
前回も答弁を申し上げたわけだが、その4日の勤務が勤務表の中で示されており、そのうち、その時点においては、就任間もないということもあり、金曜と土曜休みをとっていたと理解している。それについては、そういうことのないようにという指導をしている。本来的に、一時的に何らかの事由で勤務できないような状況はあり得ると思われるものの、それが常態化するということはあってはならないと思うので、そのことも含めて確認し報告したい。
【斉藤委員】
私は、6000万円の赤字というのは医師確保の赤字だと思う。あなた方は決算報告書をもらっているが、事業計画と比べてどこがずれているのか。なぜ6000万円の赤字になるのか。
【医療局長】
医療法人が決算期に保健所に決算の報告を出すようになっており、その出されている決算の数字から申し上げると、22年の4月期においては経常損益は1200万円ほど黒字となっている。23年4月期は、有床診療所を開始してからの決算だが、22年の4月期についても1ヶ月ほど有床診療所のものが入っているが、大枠的にはあまり変わらないのではないかと思っているが、23年保健所に提出されている4月期の決算の損益によれば当期の純損失が5500万円ほどの赤字という形で出ている。その中に出ている医業収益という形で分類されているのだが、これはだいたい8200万円ほどの医業収益という形で出ており、当初事業計画で見ていた額が約1億3000万円ほど見ているので、だいたいこの差額分が赤字になったと思う。基本的には、医業収益と費用は、費用主として人件費になる。ここの施設の場合には、建物を建てた初期投資の減価償却とか、あるいは建物の返済というのは基本的にないので、それから推測しての話だが、医業収益が計画通り伸びなかったという言い方もできるし、医業収益が伸びないというのは従来外来患者数とか入院患者数が少なかったのでそこは当初からみ込まれている部分であるので、そうすると結果的には人件費比率というか、費用のウエイトが結果的に高くなってしまったという形で、保健所に出されている決算書からはそういった形で見ている。
【斉藤委員】
それは事実だと思う。しかし私は、給与費も膨らんだと思う。医師確保のための給与費。医師は確保できなかったがそれだけ無理をした。それを見ているか。
【医療局長】
その辺の数字の内訳は分からないが、そういった確保対策のものとか給与費とかも含めてトータルの人件費という意味では、その辺のウエイトが高いのではないかと推測している。
【斉藤委員】
白光はどういうルートで医師確保していると把握しているか。
【医療局長】
医師確保はそれぞれ、個別の医療法人の中でいろんなルートがあるかと思う。大学医局関連でドクターの応援をいただいたり確保したり、あるいは一定のローテーションで回していただいたりとか、あるいは経営者の個人的なつながりの中でそういったドクターを確保するとか、医療法人それぞれルートがあってやっていると思っている。
医療法人白光については、当初の事業計画の中で、審査の過程の中で、橋本理事のいろんな人脈があるということで聞いており、そういった独自のルートの中で医師確保に努められていると理解している。
【斉藤委員】
医療法人の信頼性は一番ここに問われる。本当に医師確保できるのか。それがずっと問われてきた。あなた方も何回も履歴書をもらったそうだが、だまされっぱなしである。このルートは主には医師派遣会社である。そして出来の悪いブローカーが出てきて何千万円もつぎ込んだとも言われている。しっかり検証していただきたい。
医師確保できないからそういうことになってしまう。ここに根本問題があるのである。そういう認識でこの問題に当たらなかったら相手の勝手な言い分に右往左往するだけである。そこをしっかり検証していただきたい。
・看護師の確保の問題について
【斉藤委員】
看護師が足りないから支援してほしいとなっているが、事業計画通り看護師は確保されたのか。
【経営管理課総括課長】
入院をしていた時点の話となるが、その時点ではいずれ事業計画を1人上回る形で看護職員は確保された状況になっている。
【斉藤委員】
もっとリアルに示してほしい。4人の看護師で毎日夜勤をまわしていた。3月25日に出した事業計画では、看護師・准看護師7人確保する計画になっていた。あなた方は話だけ聞いているから分からない。看護師は、待遇をきちんとやって募集すれば集まる。実態を分かっているのか。
【経営管理課総括課長】
看護職員という形では、看護師・准看護師、看護補助者も含めて計画通りこの人数は確保したということだが、法人からの話では、夜勤が対応できる看護師というのがなかなかいなくて、それでその夜勤のできる看護師にお願いしながらやっていたということで、実態として今年度の8月あたりになると、お願いしながらやっていた関係で、何回か夜勤を数人の看護師の中で回さなければならない事態があったと聞いている。
【斉藤委員】
あなた方は話を聞いているだけなのである。実際に看護師が何人いたのか、どうまわっていたのか。花泉診療所の医療体制、事務体制は分かっているか。打ち合わせなど一回もない。事務長は医療を知らない。病院経営、医療事務の経験がない。これでなぜ経営できるか。あなた方が任せるというのなら、なぜそういう専門家を配置するとか、紹介するとかしないのか。何の打ち合わせも一回もない。こんなことで病院経営などできるわけない。そういう実態を分かっているか。
【医療局長】
医療法人ですので、民間の機関なので、看護体制の中にはどうこうというのは、民間の法人独自のやり方でやるのだと思うし、数が多いか少ないかという議論についても、それは入院患者の対応に応じた看護体制ということになるので、医療局はコンサルタントではないので、そこまでいちいち入り込むような話ではなく、それは法人として経営の中で考えていくべき課題であり、それについては、いろいろ収支の状況を話する中で、いろいろ話させていただいているが、いちいち何人看護師がいて夜勤は誰が泊まってという細かいところまでは私の方では承知していない。
【斉藤委員】
あまりにも鈍感である。看護師が足りない、夜勤ができる看護師がいないから支援を求めている。だから入院確保ができないと。私は真っ赤なウソだと思う。看護師が足りないというのだったら、事業計画通りに看護師を配置したのか。看護師2人、准看護師2人、臨時の准看護師3人、看護補助3人というのが事業計画である。これだけ確保して足らないわけがない。そういうこともやらないで看護師が足らないと言っている。それは真っ赤なウソだと。
だいたい病院経営の哲学も理念も方針徹底もない。事務長は、プレハブの喫煙部屋にしょっちゅう駆け込んでいる。県病のOBが週2回事務の応援に行った。そこから実情は聞いているか。
【医療局長】
看護の関係について、当初一人体制での当直体制での看護という形でこれまでまわしてきた経緯がある。それは事業計画通りである。ただ、やはりこういう体制では、医療看護なり訴訟リスクがあるという指摘を外部から受けたということで、医療法人としては、やはり一人当直は避けたいと。したがい二人体制にしたいというのが医療法人の考え方であり、そうなると、従来の人数では不足するということで、看護の人員を増やさなければならないということであり、今般医療法人で話している看護というのはそういう意味であり、当初の事業計画とはまた別な話だと思っている。
【斉藤委員】
外部の団体から指摘があったと。労基署ではないか。従業員の労務管理について指摘を受けた。どういう指摘を受けたのか。
【医療局長】
外部ということだが、労基署ではない。
9月に北海道のある政党の議員団が視察に来て、くまなく診療体制をご覧になり、そういう看護体制とかさまざまなご指摘をしていったと法人から聞いている。
【斉藤委員】
公的な機関から指摘を受けたならともかく、どこかの議員団から指摘を受けたと。
実は労働基準監督署に訴えられている。残業手当が払われていない。実態は医師の報酬も今未払いである。だから家賃も未払いである。完全に破たん状態だと思う。ここは就業規則もない。まともな経営体をなしていない。そこもしっかり検証していただきたい。
本来支援の対象にもならない、民間移管の対象にもならない。私はそのことを指摘してきたが、あなた方は相手の言い分だけを鵜呑みにしてやってきた。
・医療法人の滞納の問題について
【斉藤委員】
滞納総額をはっきり教えていただきたい。
それで医療法人白光は家賃を1ヶ月しか払っていなかった。社会福祉法人は3ヶ月払ったのか。あとはなぜ払わなくなったのか。社会福祉法人はちゃんとみんな入ってるから、社会福祉法人が未納というのはおかしい。なぜ社会福祉法人も未納なのか。
【経営管理課総括課長】
未納額については、資料に書かれている通りである。22年度総額については、22年度の施設の賃貸料としての未納額が112万9297円、未納額の総額については812万1864円となる。
それで、医療法人白光の方については、22年度1ヶ月分の家賃が入っているという状況である。それから、社会福祉法人七星会については3ヶ月分の家賃が入ったと。社会福祉法人七星会については3ヶ月入ったわけだが、その後滞納になっているが、これについては、たしかに入所者の方はほぼ満室にはなっているが、初期投資の際の資金の返済等々もあり、少し待っていただきたいという話である。
【斉藤委員】
きちんと収支を見てほしい。社会福祉法人は払う意志があった。しかし橋本会長は払わなくていいと言った。医療法人も払っていないから。だから3ヶ月しか払わなかった。あなた方はまともにそのことを追及していない。驚くべき事態である。
医療法人と社会福祉法人は全然経営が違うので。これはしっかりやっていただきたい。本当に橋本氏の言いなりである。
医療機器の売買代金について、これはいくら売って、いくら未納なのか。医療法人、社会福祉法人合わせてそれぞれ示していただきたい。
【経営管理課総括課長】
医療機器の売買代金については、総額で1000万円ほどになる。白光が1000万円ほどで、社会福祉法人七星会が45万6000円となる。
これについては、売買代金の支払いが終了するまでの間、所有権については移転しないような格好での契約となっている。
【斉藤委員】
何から何まで未納で、まともに督促していない。普通は2ヶ月過ぎたら14.6%の利子がつく。本当に大変な事態である。
この間の経過を12日に必ず検証していただきたい。事業計画、私は虚偽に関わる虚偽でずっときたのではないか。それをずっと鵜呑みにしてきた県の責任は本当に大問題である。
新聞でも指摘をされているが、一部の県議がそれをリードしてきたと。これはかなり前からだったと。私は一部の県議どころではないと思う。この背景には深刻な問題が横たわっていると思うので、12日には前回同様、知事も出席させた集中審議をするようにしていただきたい。