2011年12月8日 12月定例県議会・本会議
議案に対する質疑大要


・国の3次補正に関わる県の補正予算への具体化について

【斉藤議員】
 日本共産党の斉藤信でございます。議案第5号、2011年度岩手県一般会計補正予算(第9号)について質問いたします。総額1326億円余の大幅な補正予算になります。
 知事に質問します。
 第一に、国の第3次補正予算に関わって、どれだけ今回の県の補正予算に組み込むことができたのでしょうか。できるだけ早く具体化すべきと考えますが今後の見通しについて示していただきたい。

【達増知事】
 提案している一般会計補正予算案の1326億円余のうち、国の3次補正の対応となる予算は、緊急雇用創出事業臨時特例基金積立金、サケ・マス種苗生産施設等復興支援事業費補助など580億円余となっており、事業内容や本県への配分額等の詳細が判明したものについて、国の予算の成立を待たず先行して予算計上したところである。
 また、これまでの補正予算においても、三陸鉄道災害復旧事業費や共同利用漁船等復旧支援対策事業費など211億円余を国の3次補正を想定して先行計上しているところである。国の3次補正に盛り込まれた各事業の詳細は、いまだ不明な部分が多く、現時点で予算化できないものもある。このため、引き続き国との調整や事業の構築に努めるとともに、被災地における事情をうかがいながら、復旧・復興に必要な事業について、適時適切な時期に予算計上していく考えである。


・基金の早急な具体化・事業化、市町村交付金の配分について

【斉藤議員】
 第二に、東日本大震災津波復興基金積立金500億円、緊急雇用創出臨時特例基金積立金500億円など基金積み立て分が1014億円となっています。基金を活用した具体的な事業予算は251億円であり、基金の早急な具体化・事業化がなされるべきものと考えます。来年度予算待ちにならずに具体化されるべきと思いますがいかがでしょうか。
 また、市町村交付金210億円の配分の基準、考え方はどうなるでしょうか。年内1日も早く配分し、市町村が活用できるようにすべきですがどうでしょうか。

【達増知事】
 今回の補正予算において積立した基金は、東日本大震災津波復興基金をはじめ、震災からの復旧・復興に向け活用していくものであることから、被災地のニーズを十分に把握の上、効果的に活用されるよう事業化を検討していく必要がある。
 今回の補正予算では、被災住宅の再建等に向けた支援、被災により失業した者に対する雇用の場の創出や被災者を雇用する企業への支援、心のケアを長期的に実施するための「心のケアセンター」の設置など、東日本大震災津波からの復旧・復興に向け早期に実施する必要があるものを事業化し予算計上したところだが、今後も被災地のニーズの把握に努め、適時適切な時期に事業化していきたい。
 市町村交付金の配分基準だが、市町村交付金は、震災被害の大きい沿岸市町村に重点的に配分することを基本としつつ、内陸市町村においても震災被害があり、また復興支援の取り組みが行われていることから、全市町村に配分することとしている。市町村への配分にあたっては3つの基準を設け、具体的には、全市町村に定額配分を行う基準、同様に、全市町村に標準財政規模に応じた配分を行う基準、そして被災市町村に手厚くなるよう被害状況等に応じた配分を行う基準、これらにより算定し配分することとしており、これまでこれらの基準や交付金の使途・手続き等について各市町村からも意見をうかがいながら検討を進めてきたところである。


・被災地のバス運行、通院・通学バスの運行状況について

【斉藤議員】
 関係部長に質問します。
 第一に、バス運行対策事業費補助7491万円余についてお聞きします。被災地特例措置によって被災地のバス運行は具体的にどれだけ改善されるのでしょうか。被災地における通院・通学バスの運行状況を含めて示していただきたい。

【政策地域部長】
 震災により社会環境等が激変したことにより、被災地域はもとより全県において国庫補助制度に定める輸送料の補助要件を満たさない生活交通路線が多数発生し、バス事業者のみでこれらの維持することが困難な状況となったことが懸念されたところだが、今回国の制度改正により、輸送料要件の緩和や補助対象経費限度額の廃止等の措置が講じられたことから、今回補正措置を行うことで、従前の路線を維持確保しようとするものである。具体的には、今回の特例措置により、従前の路線のうち、沿岸の被災地域においては2路線が、全県においては16路線がその対象として見込まれるところである。
 被災地域のバス運行について。現在、路線運行のバスに加え、市や町においては、無料バスや患者輸送バスを運行し、通院・通学等の足を確保しているところだが、その詳細については、現時点で把握していないところであるのでご了承願いたい。
 なお、県立高田高校仮校舎への通学については、県教委がスクールバスを運行し対応している。
 また、被災市町村においては、仮設住宅団地等の交通の確保について、バス停留所までの距離等の事情から、既存のバス路線で対応できない団地があったことから、新たに創設された国の調査事業を活用しながら、交通確保の取り組みを進めているところであり、該当する団地数は、9月末の42団地より11月末では29団地に改善された。県として引き続き市町村を支援していく。


・沿岸被災地の障害者の実態について

【斉藤議員】
 第二に、障害者福祉費が15億8853万円余計上されています。被災した居宅介護支援事業所及び相談支援事業所の復旧費への補助と障害者福祉サービス復興支援拠点(仮称)の設置の委託などの内容です。沿岸被災地の障害者の実態、沿岸以外の地域に避難・移動せざるを得なかった障害者、仮設住宅入居者、障害者施設の入居者、福祉サービスを受けられなくなった障害者などをどう把握されているでしょうか。今回の事業でどう改善されるのでしょうか。

【保健福祉部長】
 沿岸被災地の障害者の実態についてだが、沿岸部では入所施設1ヶ所、ケアホーム・グループホーム9ヶ所、通所施設5ヶ所が全壊するなどの被害があり、一時的にサービスが中断されたが、これらの施設を利用していた障害者約210人は、仮説施設として設置された施設や被災を免れた他の施設を利用するなどして、現在は被災前と同様のサービスを受けているところである。
 また、沿岸部で全快した1ヶ所を除く11ヶ所の入所施設においては、10月1日現在で622人がこれまで通り入所サービスを受けているが、この他に震災による自宅の流出、保護者の死亡等により15人の方が内陸部の障害福祉施設に入所していると確認している。
 さらに、仮設住宅や在宅の障害者については、現在各市町村では、保健師が仮設住宅等を個別訪問しており、障害のある方についてもそこで把握され、支援が必要な方は相談支援事業所等に引き継がれる仕組みとなっているところである。
 今般の補正予算において、新たに居宅介護事業所等の復旧に対し補助するほか、被災地を中心とする障害保健福祉圏域ごとに復興支援拠点を整備し、コーディネーターの配置により改めて障害者の実態やニーズを把握し、適切なサービス利用を支援するとともに、障害福祉サービス事業所にアドバイザーを派遣して、事業所の運営や就労支援活動を支援していくこととしている。


・子どもたちの心のケアについて

【斉藤議員】
 第三に、児童療育支援ネットワーク事業費が3124万円計上されています。子どもたちの心のケアを中心とした総合的な支援のため、東日本大震災中央子ども支援センターに児童精神科医の派遣などの業務を委託するものですが、具体的に、子どもたちの心のケアはどう取り組まれるのでしょうか。
 「県こころのケアセンター」設置を専門機関に委託しようとする事業費2億7480万円が計上されています。どういう体制で具体的に心のケアの取り組みが行われるのでしょうか。これまでの実績とその状況、課題を含め示されたい。

【保健福祉部長】
 本年6月から8月にかけて、沿岸3地区に「こどもの心のケアセンター」を設置し、週1回程度児童精神科医による児童と保護者の診療や、学校・保育所等関係機関への助言・指導を行なっており、1回あたり平均4件程度で、11月19日までに延べ182人の診療相談を行っている。また、子どもの心のケアについて、保育士や児童館の職員等を対象とした研修をこれまで22回開催するとともに、児童相談所職員による学校・保育所等での巡回相談を307回実施している。さらに、子どもの心のケアにかかる理解促進のため、保護者向けのリーフ15000部および啓発冊子40000部を作成し、保護者や関係機関へ配布している。
 今後の課題としては、長期的な取り組みが必要となっており、特に児童精神科医の確保が重要であることから、今般の補正予算により大震災津波中央子ども支援センターに対し、専門医の派遣等を委託しようとするものである。
 県心のケアセンターについてだが、県では発災直後から県内外から延べ30にのぼる心のケアチームによる支援をいただき、延べ8300人の医師や看護師等の専門家による避難所や仮設住宅等への訪問活動、消防・警察・行政関係などの支援者へのケアなど、11月11日までに約9000件にのぼる心のケアを実施したところである。この心のケア対策を中長期的に継続して取り組むことが課題であり、本県の心のケアを総合的に推進する「岩手県心のケアセンター」を内陸部に1ヶ所、また地域心のケアセンターを沿岸部に4ヶ所設置することとしている。これらの心のケアセンターにおいては、精神科医師、保健師、臨床心理士等の専門職員を配置し、沿岸7市町村に設置している震災心の相談室での相談や、仮設住宅等への訪問のほか、ケア活動を担う人材育成や、関係機関のネットワークの強化などの取り組みを行うこととしている。


・いわての学び希望基金について

【斉藤議員】
 第四に、いわての学び希望基金未就学児童給付事業費が480万円計上されています。対象者数と申請者数はどうなっているでしょうか。小中学校、大学・専門学校生含めて示されたい。年内の支給額総額はどうなるでしょうか。

【保健福祉部長】
 未就学児童を対象とした給付金の今年度の支給対象者は84人を見込んでおり、12月6日現在で72人から申請があったところである。年内の支給総額は564万円を予定している。
 また、教育委員会が所管しているいわての学び希望基金奨学金についてだが、支給対象者は552人を見込んでおり、12月1日現在で535人から申請があり、年内の支給総額は9564万円を予定していると聞いている。


・被災地医療確保対策について

【斉藤議員】
 第五に、被災地医療確保対策事業費が2億3976万円余の補正となっています。これまでの医科、歯科の被災と再開の状況はどうなっているでしょうか。民間医療機関の施設・設備修繕費補助はどうなっているでしょうか。内陸の地震被害の医療機関も対象にすべきではないでしょうか。
 被災地薬局機能確保事業が新規で2億6000万円計上されています。被災状況と再開店舗数、補助額と既に再開したところも含め遡及して補助されるものと思うがいかがでしょうか。

【保健福祉部長】
 東日本大震災津波による被害を受けた医療機関は、医科・歯科全体で354ヶ所、うち沿岸部127ヶ所、内陸部227ヶ所となっているが、このうち全壊や大規模半壊、半壊の大きな被害を受けた施設は全県で98ヶ所で、うち沿岸部が92ヶ所、内陸部は6ヶ所となっている。
 12月1日現在の再開状況は、11月に沿岸部の2ヶ所が新たに再開して98ヶ所となり、内陸部は226ヶ所で全県では324ヶ所の医療機関が保険診療を再開している。
 また民間医療機関の修繕に対する支援については、被災診療所機能回復事業により、甚大な被害を受けた沿岸部の施設の修繕や機材の再取得などの応急的な診療再開に要した経費を補助し、地域医療の速やかな再生を支援するものだが、現在、修繕等に要した所要額を調査し、他の補助制度とのバランスを勘案しながら制度の確定を進めており、速やかに補助金の交付事務を進めていきたい。
 また、内陸の大きく被災した医療機関についても、災害復旧事業費の補助対象施設の拡大など、被災地の実情に応じた弾力的な運用を図るよう国に要望してきたところだが、地域医療再生基金の活用も図りながら復旧・復興を支援していきたい。
 被災地薬局機能確保事業だが、今般の大震災津波により被害を受けた薬局は、全県では64件、うち沿岸部53件、内陸部11件となっているが、このうち全壊や大規模半壊、半壊の大きな損害を受けた薬局は全県で51件で全て沿岸部の薬局となっている。11月1日現在の再開店舗数は、全県では44件、うち沿岸部33件、内陸部11件となっており、被災した薬局のうち、約7割の店舗が再開している状況にある。
 補助額については、標準的な規模の薬局を想定し、薬局1件あたりの事業費上限1300万円、補助率は2分の1とし、補助額の上限が650万円となっている。補助対象とする店舗については、被災地における薬局機能を確保するため、発災後の復旧・復興を広く支援する趣旨からすでに調剤を再開した店舗も含め補助対象とするものである。


・被災住宅補修支援、被災地宅地復旧支援について

【斉藤議員】
 第六に、生活再建住宅支援事業費補助6億2800万円について質問します。被災住宅補修支援事業は、一部損壊や半壊の住宅を対象に補修費の一部を補助するものです。最大170万円の補助となるものであり、画期的なものです。対象5400件の根拠と今回の補正は800件分となっていますが遡及して実施するとしており、申請が予算分を超えた場合速やかに対応すべきと考えますがどうでしょうか。
 被災地宅地復旧支援事業は、200万円を上限に経費の2分の1を補助しようとするものです。被災地宅地被害の状況・件数と事業の対象を1000件とした根拠は何でしょうか。特別の条件があるのでしょうか。この事業は市町村が実施主体となることから、市町村での具体化を急ぐべきですが、年内の具体化ができるでしょうか。

【県土整備部長】
 被災住宅補修支援事業だが、事業の対象を5400件としたのは、一部損壊住宅および半壊の住宅が計1万戸程度あるが、中には被害が軽微なものもあり、その半数程度が制度を利用するものと見込んだものである。また今回の補正予算については、今年度は残り3ヶ月となることから、申請件数を800件程度と想定して計上していた。今後は制度の周知を図りながら、必要な予算の確保を図っていきたい。
 被災地宅地被害の状況・件数だが、これまで8市町で457件の被災宅地の危険度判定調査を行なっており、三段階で判定したところ、比較的危険とされるものが266件となっている。事業対象件数の根拠だが、被災宅地の危険度判定調査結果と、すでに独自の支援事業を実施している一関市などの状況から、1000件程度と推計したものである。補助の特別な要件であるが、東日本大震災津波とその余震で被害を受けた個人住宅であれば、特別な条件はない。市町村での年内の具体化だが、予算成立後、速やかに補助金交付要項を定め、市町村に対して説明を行うなど、市町村が迅速な対応をできるように、支援していく。


・災害公営住宅整備について

【斉藤議員】
 第七に、災害公営住宅整備事業についてお聞きします。用地取得費、工事請負費として8億1884万円余計上されています。750戸の災害公営住宅の具体的な見通しはどうなっているでしょうか。コミュニティを維持した多様な災害公営住宅の建設と入居を図るべきと考えますが、建設と入居の方針はどうなっているでしょうか。
 いわて型災害公営住宅の検討もされていますが、最大限地元の業者と資材を活用すべきですがどうなっているでしょうか。

【県土整備部長】
 具体的な候補地がおおむね確定してきたことから、現在用地取得に向けた交渉などを進めている。今議会において、用地取得費および工事請負費の補正予算を提案しているところである。今年度は750戸分について順次用地測量を行った後、用地取得を行うとともに、既存施設の解体工事や公営住宅の設計を実施していく。コミュニティの維持については、地域ごとのバランスに配慮した建設費の設定や、交流を促す施設の整備を行うとともに、入居についても市町村と連携しながらコミュニティに配慮した取り組み進める方針としている。
 また、災害公営住宅の建設にあたっては、木造住宅の建設や、内装材などにおける県産材の積極的な活用に努めるとともに、地元でできる工事は地元に発注するなど被災した地域へのできる限りの配慮を行なっていく。


・地域の復興計画への住民合意、被災者全体の把握について

【斉藤議員】
 第八に、復興計画推進費に関わって、それぞれの地域の復興計画は、地域住民の徹底した協議と合意に基づく復興計画の作成と具体化を図るべきと考えますが、県の進行管理は具体的にどのような課題で調査を行おうとするものでしょうか。
 また、被災者の生活再建は最も重要な課題です。仮設、みなし仮設、在宅、親類等への非難を含めた被災者全体を把握し、必要な支援を強化すべきと考えますが、実態をどう把握し、支援しているでしょうか。みなし仮設入居者や1人暮らし高齢者などの情報を市町村、自治会と共有すべきですが、なされているでしょうか。

【平井復興局理事】
 県の復興計画の進行管理についてだが、県では、これまで地域住民の合意形成を含む市町村の復興計画の策定作業を支援してきた。今回の補正では、県・市町村がそれぞれの復興計画に基づき行う施策・事業について、計画のマネジメントサイクルを形成するための調査費を盛り込んだものである。
 調査にあたっては、復興実施計画に盛り込んだ個別施策事業の展開状況、人口動態や商工業指標などの客観指標、被災者の状況、復興に関する意識などによる多角的なチェックが必要と考えている。具体的には、復興推進費において、被災者をはじめとする県民の復興に対する意識・行動等を把握するための復興意識調査、生活面の復旧・復興状況を把握する被災者復興状況調査、産業および商店街の復旧・復興状況を把握するための被災事業者復興状況調査を実施するものである。
【廣田復興局理事】
 被災者の実態についてだが、11月25日現在、応急仮設住宅入居者は31412名、民間賃貸住宅・公営住宅等のみなし仮設住宅入居者は11678名となっている。自宅で暮らす被災者は16569名、内陸の親戚宅で暮らす被災者は2960人となっているが、一部の市町村においては十分に把握がなされていない。県としては、在宅被災者の把握が課題と認識しており、市町村に対して巡回訪問等を通じた早期把握を要請している。
 被災者の支援についてだが、市町村では、民生委員や保健師、市町村社会福祉協議会に配置している生活支援相談員が被災者を巡回訪問し、生活ニーズや健康状態の把握、生活相談、見守りなどを行っている。県としても、被災者相談支援センターを沿岸4地区に設置し、常時相談に対応している。
 また、みなし仮設住宅や一人暮らし高齢者などの情報の共有については、県で把握している民間賃貸住宅入居者については、本人から承認を得て、市町村に住所情報の提供を進めているほか、沿岸全市町村において、行政、社会福祉協議会、地域包括支援センター等保健福祉関係機関で構成する地域ケア会議等の連絡会議を開催するなど、関係者間の情報交換や個別ケースの支援に向けた協議を行っている。今後とも市町村など関係機関との情報共有を進め、連携を促進しながら被災者に対する支援を図っていきたい。


・県営屋内温水プールの指定管理者の指定について

【斉藤議員】
 議案第20号は、県営屋内温水プールの指定管理者を指定することに関し議決を求めるものです。これまでの雫石体育協会から岩手ビルサービスグループに変わりますが、具体的な選定理由は何でしょうか。計画書によれば常勤職員は1名であとはパート9人、臨時2人となっていますが、これでサービスが本当に良くなるのでしょうか。地元の雇用は改悪となるのではないでしょうか。

【環境生活部長】
 指定管理者の選定に当たっては、外部の有識者4名からなる県営屋内温水プール指定管理者選定委員会を開催し、その選考結果を尊重したものである。2社から応募があり、指定管理候補者は、選定委員会において、リピート率向上プランや利用者サービスのための実施事業計画などの内容により、利用促進やサービスの向上などの審査項目でより高い評価を得たものと承知している。
 現在、屋内温水プールは8人体制で運営管理されているが、新たに指定管理候補者となった岩手ビルサービスグループは、12人体制と配置人員は現在より多くなる計画であり、利用者向けのさまざまな事業も企画されていることから、利用者サービスは向上するものと期待している。
 また、指定管理候補者は、プレゼン審査において、地元雇用にできる限り配慮すると表明しており、実際にこれまで指定を受けた県外の指定管理施設でも、地元を中心に雇用していると聞いている。


≪再質問≫

・国の3次補正に関わる県の補正予算への具体化、市町村交付金の配分について

【斉藤議員】
 国の第3次補正予算は、本格的な復興の予算だが、あまりにも遅すぎた。岩手県がこれまですでに211億円、今回の補正で580億円計上したと。私は機敏な対応だったと思う。しかし、まだ一部である。第三次補正を県が速やかに全面的に予算化することが必要だと。年内もしくは1月でも、そういう対応をすべきだと。
 そして三次補正の中には、復興交付金が総額1兆5612億円ある。これは一番使いやすい、使いたい、県・市町村にとっても重要な基金である。できるだけ早く、2月議会待ちにならずに、具体化すべきではないか。

【達増知事】
 国の三次補正に対する県の補正については、決まる前から先行して提案し議決をいただいていたところであり、改めて議会に御礼申し上げたい。
 なお、三次補正のフレーム等が明らかになっているが、各事業の詳細はいまだ不明な部分が多いため、現時点で予算化できないものもある点についてはご理解いただきたい。
 引き続き、国との調整や事業の構築に努め、適時適切な時期の予算計上をしていきたい。
 市町村の交付金の件だが、現在3つの基準、交付金の使徒、手続き等について各市町村からも意見をうかがいながら検討を進めているところであり、速やかに交付要領を決定し、年内には交付決定を行いたい。


・民間診療所修繕費補助について

【斉藤議員】
 岩手県がいち早く打ち出して大変評価されたにもかかわらず、いまだに中身がはっきりしない。早く中身を明らかにして復旧支援をすべきではないか。
 そして内陸も支援するかどうかはっきりすべきである。

【保健福祉部長】
 議員ご指摘の通り、本県とすれば早い機会に予算措置しフレームをつくったところだが、この内容については、他の制度とのバランス等を考慮しながらその詳細について詰めているということで、できるだけ早く確定させたい。
 内陸を対象にするかどうかは、いずれ医療施設については、地域医療再生基金をできる限り活用して対応していきたいと考えている。
 薬局については、該当するところが、半壊以上を対象にしているので、該当するところがないということである。


・被災住宅補修支援事業、被災地宅地復旧支援について

【斉藤議員】
 画期的な制度だと評価した。遡及もすると。問題は、事業主体が市町村なので、市町村が12月からスタートできるかどうかである。そういうスピード感を持って復興に取り組んでいただきたい。

【県土整備部長】
 市町村の速やかな予算化について、すでに市町村とは要望もいただいており、かなりの部分調整を進めてきている。来週早々事業が予算化になれば、すぐ対応したい。