2011年12月13日 12月定例県議会・最終本会議
花泉診療所民間移管問題に関する緊急質問大要
・知事の医療法人白光への電話について
【斉藤議員】
緊急質問の発端は、昨日の社会福祉法人七星会における橋本尭夫理事長の重大な発言である。知事が医療法人白光の橋本尭夫氏に電話していた。そして橋本尭夫氏が知事に電話をしたということが述べられている。知事が、「医療法人白光の橋本尭夫氏に電話したことがあるか」と私は議会で度々指摘した。それは根拠のある質問である。平成20年12月に、知事から医療法人白光に電話があったと。これは浮説があるのではないかと考えている。事実なのかどうか。事実でないとしたら知事はどう対応するのか。議会で根拠のない否定だけではこの問題は解決しない。知事の信頼性が問われる。もしこれが事実なら、医療法人白光と県知事が早くから癒着していたという問題であって、単なる否定だけでは済まない問題である。知事がこの問題に具体的にどう対応するのか質問する。
橋本尭夫氏から県庁の知事への電話があったと述べられているが、知事の電話629-5000の電話が来た時には誰が最初に出るのか。その記録はあるのか。事実を示していただきたい。確認ができるかどうか示していただきたい。
花泉診療センターの民間移管問題で、「岩淵県議が『県知事が話をしたがっている』と話をした」とされている。そしてこの民間移管の問題については、「県議会で県の診療センター5ヶ所廃止についての話があったときから岩淵県議が医療法人白光に来て民間移管を進めていた」と述べられているが、知事は岩淵県議と協議をしたことがあるか、ないか。
【達増知事】
当該関係法人の関係者と電話で話したり、特定の県議と協議をしたかということについては、そういうことはない。
そういう趣旨の発言に対してどのように対応するかということについては、事実関係については、この場でも説明している通りであり、当該法人とのやりとりについては、先ほどから述べている通り、県民本位に地域医療の確保という観点から、さまざまやりとりをしているところであるので、そうした方向で対応されていくべきと考える。
【秘書広報室長】
629-5000に電話がかかってきた場合の応対者等についてだが、知事秘書がいれば知事秘書が出るが、知事秘書がいない場合は、在籍している他の秘書課職員が応対している。
なお、かかってきた電話の記録はとっていないところであり、県庁にかかってきた電話の記録は県では全く分からない状況である。
・県医療局と医療法人白光の関係について
【斉藤議員】
岩淵県議から花泉診療センターの民間移管の話が寄せられたのはいつか、その後何回医療局は打ち合わせをしているか。していないのか。
医療局幹部職員が医療法人白光と接触してきた具体的な日時、会った相手、内容をすべて示していただきたい。
医療法人白光の医師を花泉診療センターで採用した具体的な経緯はどうだったか。5月に紹介があったというが、どういう紹介だったのか。このときには、医療法人白光は民間移管に名乗りを上げていた。6月8日から8月21日まで臨時職員として採用したと言っている。辞職した理由は何か。いつ、だれから、どのような依頼があったのか、県医療局から持ちかけた話なのかどうか、はっきり答えていただきたい。
【医療局長】
医療法人との接触の関係だが、我々日常仕事をしている中で、議会の先生方との日頃からの県政に関しての情報交換をいろいろやらせていただいているので、特にどれがどうしたという記録があるわけでもなく、いずれ日常の議員の皆様方の活動の中でお会いすることは度々ある。
幹部職員の医療法人との接触だが、昨日答弁した通り、新聞報道がなされた21年1月以降、その後2月に医療局長が医療法人とお会いしている。その後4月以降に開催した、花泉地域診療センターの懇談会等における議論の状況等とかそういった形でお会いしている。
医療法人白光の医師の採用の経緯だが、昨日も答弁した通り、医療法人側からの紹介で、花泉地域診療センターの臨時の医師として採用したということで、医療局からもちかけた話ではない。
・施設の家賃について
【斉藤議員】
花泉診療所の家賃は1カ月分、いつ支払われたのか。その後支払いがないが、支払えない理由や相談はどのようにあったのか。
特養ホームの家賃の支払いが3カ月分、以後なくなった経過、何か連絡・相談はあったのか、医療局の対応はどうだったのか。
駐車場、土地代、施設の固定資産税分は試算するとどのぐらいになるか。
【医療局長】
診療所の家賃については、22年4月分の賃貸料は、22年5月18日に納付書を発行し、22年6月9日に納付されている。その後5月分、6月分が支払われなかったことから、7月中旬以降に法人の方を確認したところ、資金繰りが厳しいということで、支払いの猶予等の話があり、その後支払いの方法について協議をしてきているところである。
特養ホームについても、シルバーライト花泉だが、7月分まで納付されており、その後については、資金繰りが厳しいということで、その猶予等の協議を行ってきている。
固定資産税だが、課税年度の関係があり、23年度に払うべき交付金については、今のところ対象になっていないので、これについては年度がずれる。相当額が請求もきていないので支払っていない。
・医療器械の支払いについて
【斉藤議員】
支払いの期日を決めていなかったというのは事実か。具体的にどのように請求してきたのか。
医療局長が口頭で「黒字になってから支払ってください」と約束したのは事実か。
【医療局長】
当然、支払い期日を定めずに通知を出すということはないので、支払い期日は定めてある。
「黒字になってから支払ってください」と約束した話だが、そのような事実はないと認識している。
・日本共産党道議団の視察は事実無根
【斉藤議員】
日本共産党道議団が今年9月に視察をしたと昨日答弁があった。まったくの事実無根である。私が道議団に確認をした。道議会議員も事務局長も、9月は岩手の県議選の最中ですから行っているわけがないと。直接病院の事務長に確認した。そうしたら、「事務長は会っていない。事務員が案内した。名刺もない。名前も分からない」と。あのいかがわしい医療法人白光に、日本共産党が関わるなどということはあり得ない。これは公党に対する名誉棄損である。事実を調査し、この医療局長の答弁は撤回していただきたい。
【医療局長】
昨日の決算特別委員会において、資料上は「外部の団体から指摘を受けて」という形でまとめていたが、議員からあえて質問があったので、伝聞の話なので控えたいと思ったが、「医療法人から聞いたところによるとこういう話だった」ということで申し上げた。
当然事実を確認するというのも1つの手法かと思うが、いずれ基本的には「外部」という形で、特定の政党名は出さないような形で考えていたところである。
誹謗中傷に当たるのではないかということだが、外部からの指摘というのは、「こういった形でやると医療の訴訟リスクが出る。看護体制は2人体制にした方がいいのではないか」といった経営上のアドバイス的な話を受けたと。それを受けて、今の看護体制ではなかなか厳しいということで増やしたいと。そういった形で経営判断が医療法人側にあったということであり、そういった話があった内容そのものについては、決して誹謗中傷とかそういう中身ではないと考えている。
・現在の常勤医師の実態について
【斉藤議員】
現在、常勤医師は配置されているのか。勤務実態はどうなっているか。
「常勤とは認めがたい」という答弁があったが、どういうことになるのか。管理者不在ということになるのか。
【保健福祉部長】
今般、平成23年12月6日に一関保健所および医療推進課職員が出向き、管理者および事務長から管理者の勤務実態および入院患者への対応状況を聴取したところである。
その際、出勤簿を見ながら職員が確認したところでは、現在の管理者は月火金の勤務日であり、11月および12月の金曜日に各1回の休暇をとった実績もあったものである。
なお、他の医療機関の管理者を兼ねていないと説明を受けている。
これまで、診療所側から、11月以降は土曜日も勤務日とし、週4日勤務としていくと説明を受けていたが、実際には11月以降も週2日から3日の勤務となっており、常勤とは認めがたい勤務時間となっていたことから、その場で管理者等にたいし、早急に改善を図るよう指導を行ったところであり、まだ回答を受けていないところである。
≪再質問≫
・知事が電話をした問題について
【斉藤議員】
知事が医療法人白光の橋本尭夫氏に電話したかどうか。橋本尭夫氏から知事に電話があったかどうか。これは医療法人白光と県が癒着していたかどうかという問題である。私は私なりの独自の調査でこの問題を指摘した。今回は電話をかけた当事者が言っている。「知事から電話があった。知事に電話をしたら喜ばれた」と。知事がここで否定するだけでは県民の信頼を得られない。破たんした医療法人白光の有床診療所の運営が知事との癒着のもとで進められていたかどうかが問われている。この場で否定した答弁をしたからといって、信頼は回復しない。そういう問題である。事実でないとするのだったら、橋本尭夫氏に発言の撤回を求めるとか、当然すべきである。
社会福祉法人七星会の理事会というのは、公式の会議の場である。議事録にもなる。そういう場での発言なので、やはり白黒は知事が責任をもってはっきりさせなければ疑惑は残る。改めて知事の見解をお聞きしたい。
知事は先ほどの答弁で、公募は正規にやられたと。しかしわずか25日間で有床診療所を運営するような事業計画は白光以外に出せたか。出せなかったと思う。まさに医療法人白光ありきの公募だったというのが結果として明らかになっているのではないか。まさに医療法人白光との癒着の中で、医療法人白光ありきの公募でしかなかった。
事業計画は真っ赤なウソで、常勤医師確保は全部デタラメだった。常勤医師がいたのはわずか1年間だけである。その常勤医師も、この医療法人の姿勢に愛想をつかせて辞めてしまった。いま常勤医師・管理者はいないという異常な事態である。この医療法人に任せた県や医療局の責任を知事はどう受け止めているか。
【達増知事】
癒着ではないかということだが、一連のプロセスは県の医療局の新しい経営計画についての議会での審議、または県民的議論の中から地元の皆さんの有床入院体制が必要であるという声に基づいて、民間公募を行うことが議会でも審議されながら決まっていくというプロセスの中で、間を置かずに民間移管しなければならないという必要性と、公募の期間といった中で設定された期間として適切に決定されたものと理解している。
一連のプロセスは、オープンに適切に行われていたわけであり、ご指摘のような特定個人間あるいは機関の癒着の中で決まったという疑念には当たらず、その旨答弁している通りである。
それと違う発言については、いま契約の内容等について先方と県の関係者の間でやりとり・交渉しているところであるので、その中できちんと対応されていけばいいと考えている。
・医療法人と医療局の接触等について
【斉藤議員】
医療局長の答弁はなっていない。わざわざ質問項目を示している。医療法人との接触をすべて明らかにしなさいと聞いた。新聞報道以前も含めて、正確に答えていただきたい。
それから、医療法人白光の医師を6月8日から8月21日に採用した件だが、医療法人白光からどういう要請があったのか。この方は診療所長候補だった。公募の前から試運転した。どういう理由で紹介され、どういう理由で辞めたのか。
共産党道議団の問題については調べていただきたい。
【医療局長】
医療法人との面談等だが、平成21年の1月28日に新聞報道がされて以降、平成21年2月16日に磐井病院に公務でうかがった際に法人本部に立ち寄り、橋本理事他と面談している。その後、4月以降に開催している花泉地域診療センター懇談会における議論の状況等を聞くための来訪や、医師の紹介等の場面で会っている。
医師の採用についてだが、5月中旬に勤務できる医師がいるとの情報をいただき、医師の確保が難しい中、非常勤でも勤務していただける医師がいる場合にはお願いしたいというのは、花泉地域診療センターに限らず、医師確保に我々は努めているので、その一環の中で非常勤の医師として任用したものである。辞めた理由は、8月23日に辞めているが、業務の状況―患者数や内部のさまざまな診療体制等から退職したと聞いている。
日本共産党北海道道議団の関係だが、確認したところ、日本共産党北海道道議団のホームページも確認し、議員は1人だけでも道議団という形になっているので確認し、その後診療所にも昨夜電話し事務長にも確認し、さらに直接応対したのが事務職員ということで、事務職員にも事務長を通じて確認させていただいた。やはり先般医療法人を訪問した際に、お話していた内容と同様の話を受けている。できれば、名刺等があればきちんと確認できたのだが、名刺は捨てられたということで、細部までは確認できなかったが、いずれ昨日の答弁においては、訪問した際に医療法人からそのようにお話があったという趣旨で答えたものである。