岩手県知事 達増 拓也 殿
2011年12月26日
日本共産党岩手県委員会
委員長 菅原 則勝
県議会議員 斉藤 信
高田 一郎
2012年度岩手県予算に関する申し入れ
東日本大震災津波から9カ月余が経過しましたが、被災者の生活と生業の再建は遅々として進んでいません。被災地は厳しい冬を迎え、被災者の生活は一層の困難をきたしています。
今、必要なことは被災者の命と生活を守る緊急対策を講じるとともに、すべての被災者・被災事業者を対象に、破壊された生活と生業の回復を支援し、地域社会、地域経済の全体を再建することを目的とした復興の取り組みをスピード感を持って進めることです。また、地域の再建とまちづくりはコミュニティの確保を柱に、地域住民の協議と合意を踏まえて進めることが必要です。
東京電力福島第一原発事故による放射能汚染から子ども・県民の命と健康を守り、徹底した測定と除染、食品の安全の確保に取り組むとともに、農林漁業の被害のすみやかな全面賠償を実現することも重要な課題となっています。
東日本大震災津波という戦後最大の大災害に直面した時だからこそ、これまでの大型開発優先の県政を根本的に見直し、福祉と防災を大事にした県民の暮らし最優先の県政に転換を図るべきです。
以上の立場から、東日本大震災津波の復興と福祉と防災を大事にした県政の実現へ、以下の諸点について十分勘案し取り組まれるよう申し入れます。
第一部 東日本大震災津波復興の取り組み―すべての被災者の生活と生業を支援し、地域社会と地域経済の全体を再建する復興を
大震災津波から9ヶ月余が経過しました。12月22日現在、死者4666人、行方不明者1371人、合わせて6037人、全壊・半壊の家屋倒壊数は24736棟となる戦後最大の災害となりました。大震災津波からの復興は県政はもとより、国政の最大の課題となっています。しかし、震災関連の自殺が12人、さらに孤独死する事態も起こっています。被災者の生活と生業の再建は遅々として進まず、被災地の復興は緒に就いたばかりです。応急仮設住宅(31412人)、みなし仮設住宅(11678人)、自宅被災者(16569人)、内陸親類宅避難(2960人)、県外避難(1621人)など、すべての被災者(64240人、現在把握されている数)を対象にして必要な支援を強化すべきです。
T、被災者の命と生活を守る緊急対策を
1、 被災者の生活支援を強化すること
1)
被災した中小業者や漁業者、農業者を含めて被災者に歳末見舞金、義援金の支給を行うこと。
2)
被災者の医療費免除や介護保険料・利用料の減免(2月末まで)を継続実施するよう国に求めること。
3)
増大する暖房費などを援助するために、水光熱費の補助・福祉灯油などを実施すること。
4)
罹災証明の受け付けや仮設住宅、民間借り上げ住宅等への入居申し込みを継続すること。
5)
仮設住宅の孤独死を防止する「緊急ブザー」を見守りが必要な世帯に災害救助法に基づく追加工事として配備すること。
6)
高齢者世帯や障害者、交通の手段のない被災者世帯に冬用衣服や食料などの支援物資を「支援物資お届け隊」で届けること。
7)
義援金受給を理由とした生活保護の打ち切りは中止すること。
2、 仮設住宅、みなし仮設住宅、自宅避難者の冬季対策など環境改善を図ること
1)
冬用の布団と毛布を家族人数分直ちに支給すること。必要な部屋に畳を配備すること。断熱カーテンの設置など寒さ対策を講じること。集会所・談話室の運営を支援すること。
2)
暖房器具、給湯設備をみなし仮設住宅、自宅避難者にも配備すること。風呂の追いだき機能を設置すること。仮設住宅に収納庫を確保・整備すること。
3)
水道管の凍結防止対策を徹底するとともに、防火対策を講じること。
4)
仮設住宅の周辺と通路・通学路に街灯を設置すること。
3、 通院・通学バス、買い物バスなど被災者の交通を確保すること
U、働く場の確保―再建の意志のあるすべての事業者・企業を対象に直接支援を強化すること
1、 再建の意思のあるすべての事業者・企業の早期再建を強力に支援し、雇用の確保を
1)
グループ補助事業については、申請しているすべての事業者が対象となるよう大幅な増額補正を行うこと。第三次申請分については速やかに決定して、前払いなどの措置を徹底すること。
2)
仮設店舗・工場については、手続きを簡素化し、速やかな契約と整備を行うこと。
3)
中小企業被災資産修繕費補助については、内陸の被災事業者も対象にするなど拡充を図ること。
4)
被災者の実情に応じた緊急の雇用・失業対策を講じること。事業復興型雇用創出事業費補助は、すでに被災者を再雇用した場合も遡及して対象とすること。被災者の生活を支援し、事業の再生に結びつく雇用の創出に取り組むこと。
2、 二重ローン問題の解決に全力を挙げること。
1)
再建の意志のあるすべての事業者を対象に、迅速に債権の買い取りを進めること。既存債務を凍結・減免し、新規融資を早急に行うこと。金融機関に返済猶予の延長を求めること。
2)
岩手県産業復興相談センターの機能を拡充し、被災事業者の立場に立った支援を強化すること。岩手県産業復興機構は事業者を選別することなく、債権の買い取りなどの対策を講じること。今後設置される岩手県産業再生機構待ちにならず対応すること。
3)
住宅ローンの二重債務の解消のために、既往ローンの返済免除、返済猶予、金利の引き下げなどの措置を取るとともに、浸水した土地を震災前の価格で買い取ることや債権の買い上げを行うこと。私的整理のガイドラインが機能するよう対策を講じること。
3、 被災地の基幹産業である漁業・水産業の再建を
1)
漁業協同組合を核とした漁業・養殖業の構築と産地魚市場を核とした流通・加工体制の構築を一体的に進めること。
2)
船の確保に全力を挙げること。中古船の確保、船の修理、艤装のあらゆる対策を講じ、1日も早く活用できるようにすること。
3)
養殖施設の整備に取り組むとともに、養殖施設緊急復旧事業に積極的に取り組むこと。
4)
サケふ化場の再建とともに放流事業の改善に取り組むこと。アワビ・ウニの種苗生産施設の再建整備に取り組むこと。
5)
がんばる養殖復興支援事業に積極的に取り組むとともに、申請の簡素化を図ること。
6)
漁協に対する支援を強化すること。「水産特区」の押し付けに反対すること。
7)
被災した108漁港の早期再建整備に取り組むこと。
8)
被災農地の早期復旧と整備に取り組むこと。
V、被災住宅再建への支援を抜本的に強化すること
1)
被災者生活再建支援法の改正を求め、全壊で当面500万円、大規模半壊で400万円に引き上げること。半壊や一部損壊も支援対象にすること。
2)
県独自に住宅再建への助成措置を講じること。当面、能登半島地震の際の実績を踏まえ200万円の支援を行うこと。
3)
一部損壊・半壊の住宅改修と宅地被害の改修への補修費の補助(生活再建住宅支援事業)は、速やかに実施すること。市町村が上乗せ補助できるようにすること。
4)
復興公営住宅は、希望するすべての被災者が入居できるようにすること。地域のコミュニティを保持するために、戸建てや長屋方式など地域の条件や被災者の実情に合った多様な公営住宅とすること。地元産材を活用した木造住宅と地元業者を活用すること。自力で再建が困難な高齢者や障害者にふさわしいグループホーム型公営住宅やケア付き公営住宅などを整備すること。
W、まちの再建―住民合意で進めること
1)
津波で浸水した市街地やまちの再建は、二度と住民の命が損なわれないように、津波災害だけでなく、大雨洪水や土砂災害の危険なども総合的に検討し、ハード、ソフトの両面を組み合わせた安全なまちづくりを、住民合意で進めること。
2)
地盤のかさ上げや防災集団移転事業は、全額国庫負担とし、被災宅地の買い上げは、被災者が住宅再建できるように震災前の価格を基本とすること。地域・集落単位の地域住民の協議と合意を貫き、コミュニティの確立をはかること。県と市町村は地域住民の協議に専門家を派遣し技術的な支援を強化すること。
3)
各市町村の復興計画に基づき、まちの再建の柱となる国道・県道やJR・三陸鉄道の再建整備を優先して進めること。重茂半島線など震災で孤立した地域の道路を「防災道路」として位置づけ優先的に整備すること。
X、子どもも高齢者もみんなが暮らし続けられる地域社会に―医療・福祉・教育の再生を
1)
被災した県立病院(高田、大槌、山田、大東)の早期再建をはかること。仮設診療所の拡充を図ること。
2)
民間医療機関の再建、改修に対する助成を速やかに実施すること。内陸の被災医療機関も対象とすること。
3)
震災津波によって全壊、半壊、一部損壊となった特養ホームなどの介護施設、障害者施設などの福祉施設の早期再建を支援すること。仮設施設の整備を含め、介護・福祉サービスの維持・継続をはかること。
4)
県立高田高校の早期再建整備を行うこと。
5)
被災した小中学校の早期の再建整備を市町村負担なしで行うこと。当面、仮設校舎の整備とスクールバスの行き届いた運行を行うこと。小中学校の統廃合計画は、地域住民の十分な協議と合意を踏まえて行うこと。全国で問題が出ている小中一貫校の取り組みは行わないこと。
6)
子どもの心のケア、学習の遅れなどの万全の対策を講じるとともに、教職員の加配・増員と教職員の心のケアの取り組みを進めること。被災地での高校受験については過度な受験競争とならないように配慮すること。
7)
震災孤児・遺児に対する支援を強化すること。児童福祉司を大幅に増員し、養育里親への支援を強化すること。「いわて子ども希望基金」の徹底を図り拡充すること。被災児童就学援助制度の継続を求めること。
Y、原発災害から、いのちと健康、暮らしを守る―除染と全面賠償を
1)
子どもが近づくすべての場所など、徹底した放射線量の測定・調査を行い、速やかな除染の実施を行うこと。住民の希望にこたえる検査・測定の体制と機器の配備を行うこと。希望する子どもに健康調査を実施すること。
2)
農林水産物の放射線量の測定とともに、食品、とりわけ学校給食の食品の放射線量の検査を徹底すること。
3)
汚染された稲わらや牧草の一時保管と処理を国の責任で、県も市町村任せにせず行うこと。
4)
原発災害による農家や業者、県・市町村の損害について、全面賠償を行うよう強く東京電力と国に求めること。賠償は毎月の概算払いとすること。
5)
科学者の英知を結集した「放射能測定・除染推進センター」をつくるよう国に求めること。原発の安全神話を振りまいてきた原子力安全保安院、原子力安全委員会は全面的に解体し、改組すること。
6)
「原発ゼロの日本へ」―原発からの撤退を求め、福島原発事故の原因究明なし、規制期間なしの原発の再稼働に反対すること。
7)
自然エネルギー(再生可能エネルギー)の本格的な導入を推進すること。
第二部 福祉と防災の新たな県政めざして
1、被災した県立病院の再建を早期に進め、県立病院を拠点に地域医療を守ること
被災した県立病院の早期再建整備を進め、民間医療機関の再建への支援を強化し、被災地での地域医療を確保すること。昨年4月に民間移管された花泉診療所は、わずか1年余で常勤医師不在となり有床診療所の運営は破たんしました。無謀な民間移管が知事の関与―「民間医療法人への依頼の電話」のもとで進められた疑惑が強まっていることは重大です。民間移管に関わる疑惑を徹底して解明するとともに、民間移管破たんの検証を行い、県と県医療局の責任で花泉地域の有床診療所の体制を確保すべきです。
いま必要なことは、「県下にあまねく医療の均てんを」という県立病院の創業の精神に改めて立ちかえり、県立病院を地域医療の拠点に位置付け、医療・保健・介護の連携で地域医療を守るための取り組みを地域住民とともに進めることです。
当面、無床診療所化した地域の入院機能と地域医療の確保についても県と県医療局が責任をもって地元自治体・地域住民と協議し、取り組むことが必要です。県立南光病院、宮古病院、山田病院、大槌病院、千厩病院等の医師確保に全力を挙げること。
深刻な医師不足については、奨学生や臨床研修医の確保と医師招聘にさらに取り組むとともに、医師の待遇改善に取り組むこと。医療クラークや看護師等を大幅に増員し、地元医師会や開業医との連携を強化するなど医師を支える具体的な対策を実行すべきです。岩手医大の果たしている役割を踏まえ、医師派遣を強力に働きかけること。
県立病院の危機的状況の要因には、国の医療費削減政策による医師不足、診療報酬引き下げ、地方交付税の引き下げがあります。国の医療政策の根本的な転換を実現し、県立病院と地域医療を守るべきです。
1、
被災した県立病院の早期再建整備を進めること。仮設診療所の拡充を図ること。高田病院の入院病棟の整備で仮設病院の充実を図ること。
2、
有床診療所の運営が破たんした花泉診療所については、県と県医療局が責任を持って有床診療所の体制を維持・確保すること。併設している小規模特養ホームについては、入所者の生活と権利を守ること。医療・介護一体の運営について引き続き維持・確保すること。
3、
県立沼宮内診療センターの民間移管に当たっては、花泉診療所の教訓を生かし、県医療局と岩手町の責任が果たされるよう再検討すること。
4、
無床化された紫波、花泉、大迫、九戸、住田の各地域診療センターについては、県が責任を持って地域住民が求める地域医療の確保のための話し合いと対策を講じること。医師確保の見通しを含め入院ベットの回復についても検討すること。
5、
医師不足対策として、医師を支える具体的な取り組みと体制を抜本的に強化すること。
1)
奨学生の確保、臨床研修医・後期研修医の確保、医師の待遇改善などに積極的に取り組むこと。とくに医師不足が深刻な県立南光病院、宮古病院、久慈病院、千厩病院等の医師確保を早急に図ること。
2)
医師を支える医療クラークを大幅に増員するとともに、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの大幅な増員を図ること。
3)
地元医師会、開業医との連携を強化し、初期救急・夜間救急の確立や宮古市・宮古市医師会の取り組みを参考に広域基幹病院等への応援などにも取り組むようにすること。
4)
地域医療・高齢者医療を担う総合医の養成と配置に取り組むこと。
6、
国保藤沢病院や奥州市立まごころ病院などの取り組みに学び、地域医療の確保と高齢者医療の取り組みを強化すること。市町村立病院への支援と連携を強化をすること。
7、
国に対し、地域の医師確保、診療報酬の引き上げ、地方交付税措置の拡充を強く求めること。
8、
被災した民間医療機関・薬局への支援を強化し、早期の再建をはかること。公立病院と民間医療機関との連携を強化すること。
2、社会保障の大改悪許さず、高すぎる国保税の引き下げ、特養ホームの待機者解消で県民のいのちとくらしを守る医療・福祉・介護の改善・充実を
野田政権は「税と社会保障の一体改革」の名のもとに、年金・医療・介護・保育などの社会保障制度の大改悪をやりながら消費税を2倍にするという、これまでのどんな庶民増税・社会保障改悪にもなかった大改悪を進めようとしています。社会保障の改悪を中止し、次の三つの内容で財源を段階的に確保しながら、段階的・連続的に社会保障の拡充に踏み出すべきです。第一に、大企業、大資産家への新たな減税を中止し、軍事費、大型開発、原発関連予算、政党助成金など「聖域」を設けず歳出のムダ遣いにメスを入れること。第二に、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革、第三に、所得に応じた負担を求める税制改革を行うことです。
これまでの構造改革路線と社会保障費の削減によって、貧困と格差が極めて深刻となり、医療、介護、福祉も「医療崩壊」「介護難民」という深刻な事態をまねいています。
国保税は平均課税所得92.1万円に対し、15万4千円、負担率が16.72%と耐えがたい酷税となっています。滞納世帯が33171世帯、15.56%に達し、資格証明書が531世帯、短期保険証が10720世帯、うち留め置きが1173世帯(9月1日現在)となっています。さらに、滞納者の給与・年金などまで差し押さえる滞納処分は3839件、11億1712万円となっています。まさに「金の切れ目が命に切れ目」というべき事態です。さらに医療費が払えず、受診抑制も広がっています。1人当たりの介護サービス費用額は月17万7千円(昨年11月分)で全国最低、居宅サービスは限度額の46.8%にとどまり、特養ホームの待機者(10月26日現在)が6183人、うち在宅2203人、早期入所が必要1253人と急増しています。老人保健施設の待機者(7月31日現在)827人うち在宅377人と増え続け、「保険あって介護なし」の深刻な事態です。子どもの医療費助成事業はすでに入院で6県が小学校卒業まで、8県が中学校卒業まで拡充しています。県内でも18市町村が小学校卒業以上に拡充しています。うち中学校卒業までが9町村、高校卒業までが1町となっています。県としても小学校卒業まで拡充し窓口負担をなくすべきです。
「住民の福祉の増進をはかる」という地方自治体の本来の使命と役割を今こそ取り戻し、医療・福祉・介護の抜本的改善を図り、県民の命と暮らしを最優先にする県政こそ進めるべきです。
1、
「税と社会保障の一体改革」の名のもとに、年金・医療・介護・保育など社会保障の大改悪と消費税の大増税を進めようとしていることに反対し、社会保障の拡充を求めること。
2、
高すぎる国保税は引き下げ、滞納者に対する国民健康保険証の取り上げはただちに中止すること。
1)高すぎる国保税の引き下げを実現すること。そのために国庫負担の復元を求めるとともに、県の独自補助を実現し、市町村の繰り入れも行うようにすること。国保の広域化に反対すること。
2)窓口全額負担となる資格証明書の発行はやめ、短期保険証の「溜めおき」は直ちに是正すること。滞納者への財産の差し押さえを見直すこと。
3)市町村が減免制度を具体的に制定し、低所得者に対する保険料の軽減、一部負担金の軽減の取り組みを徹底させること。
3、
乳幼児医療費助成は、当面小学校卒業まで拡充し、中学校卒業までの拡充をめざすこと。
1)乳幼児医療費助成は、当面、小学校卒業まで拡充すること。県単独医療費助成の一部負担(通院、医療機関ごと月1500円、入院月5000円、年間約10億円の負担増)を見直し無料化を復活すること。所得制限を撤廃すること。現物給付に戻すこと。
2)在宅酸素療法患者の負担軽減をはかるため、障害者医療費助成制度の対象を3級まで拡大すること。
3)高額医療費の償還払いについて、新潟県のように市町村、国保連と協力して、窓口負担の軽減をはかる措置を講じること。
4、
安心してお産ができる岩手めざして、対策を強化すること。
1)ひきつづき産婦人科、小児科をはじめとした医師確保と養成にとりくむこと。
2)助産師外来とともに院内助産院システムの導入を関係者の理解と協力のもとで円滑に進めること。
3)安心して妊婦検診が受けられるよう14回の公費助成を継続すること。妊婦・お産の救急医療体制を確立すること。
4)開業助産院への嘱託医師配置に県と医師会が責任を持ち、多様で選択できるお産の環境を整備すること。助産師の役割と活用を抜本的に強化すること。
5、
小児救急医療体制の強化をはかるよう国に求めるとともに、県独自に医療圏ごとの体制の強化をはかること。地域医師会の協力を得て救急医療体制の確立を目指すこと。小児科医師の確保について国に強くもとめること。
6、
リハビリ医療の制限、療養病床の一方的切捨てに反対し抜本的な見直しを求めること。
7、
だれもが安心して利用できる介護保険の改善へ、第5期事業計画に次の項目に取り組むこと。
1)「社会保障と税の一体改革」の名による介護保険制度の「効率化」「給付の重点化」は、介護サービスの大幅な抑制と利用者負担増進めるものです。「保険あって介護なし」の深刻な現実をますます悪化される改悪に反対すること。「財政安定基金」「介護給付費準備基金」を取り崩し、保険料の引き下げに充てるとともに利用料の軽減と減免を拡充すること。
2)特別養護老人ホームの緊急増設に取り組み、待機者(6183人、在宅2203人、早期入所が必要1253人)の解消をはかること。小規模特養に偏重することなく低所得者も入所できる多床室の特養ホームも整備すること。居住費、食費の負担増によって退去せざるを得ない高齢者の実態を調査し、特別の対策を講じること。
3)介護老人保健施設、グループホームの整備、ご近所介護ステーションなどの増設に積極的にとりくむこと。
4) 要介護認定の改悪の撤回を求めること。軽度要介護者に対する介護サービスの削減は見直し、要介護認定制度や利用限度額は廃止し、専門家の判断で必要な介護を提供できる制度に改善するよう国に求めること。訪問介護、通所介護、福祉用具の利用制限などの「介護の取り上げ」をやめること。 5)全国最低の居宅サービスの課題を検証し対策を講じること。
6)地域包括支援センターに対する市町村の責任を明らかにし、福祉・介護・医療・公衆衛生などの各分野が連携して、高齢者の生活を総合的に支えていく拠点として発展させること。在宅介護者訪問相談員の取り組みを広げること。
7)介護労働者の深刻な実態をふまえ、労働条件の改善に取り組むこと。介護報酬の引き上げを求めること。
8、障害者自立支援法は一刻も早く廃止し、「骨格提言」に基づく障害者総合福祉法の制定を、当面の緊急対策を講じること。
1)障害者自立支援法は一刻も早い廃止をめざし、「骨格提言」に基づく障害者総合福祉法の制定を求めること。
2)当面の緊急対策として、@自立支援医療を利用する住民税非課税世帯の利用料を無料にすること。A利用者負担の収入認定は、障害者本人とすること。B移動支援等の地域生活支援事業についても住民税非課税世帯の利用料を無料とすること。C施設利用者に対する食費・水光熱費、医療費、個室利用料の自己負担を撤廃すること。D実態に合わない障害程度区分認定の見直しとともに、サービス利用の制限を撤廃すること。
3)報酬単価を引き上げ、報酬の「日額払い」を「月額払い」方式に戻すこと。
4)ホームヘルパー増員、生活施設・グループホーム・ケアホームの増設等、選択できるだけの基盤整備を進めること。
5)高齢障害者等に対する介護保険制度を優先する仕組みを改め、障害者本人の必要性に応じて障害者施策と介護保険を選択できるようにすること。
6)もりおか障害者自立支援プラザへの支援を強化すること。
9、「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」の制定をふまえ、障がい者に対する差別と偏見を解決する体制と仕組みを構築すること。
10、後期高齢者医療制度の廃止を求めること。国庫負担を拡充して、国保の財政負担を補てんし、高齢者の保険料・窓口負担の引き下げ、現役世代の拠出金の軽減を図ること。
11、難病患者の医療費無料化を復活するとともに、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病の9万人近い患者の切捨てに強く反対すること。難病相談支援センターの充実、相談員の待遇改善など総合的対策を強化すること。
12、生活保護は、貧困が広がる今、必要な人がすべて受けられる制度に改善すべきです。生活保護の基準引き下げに反対し、申請の改善、医療証の発行など改善をはかること。生活保護申請、受給者の増加に対応する人員の増員を図ること。求職者支援制度を就労意欲の判断の一つとする「生活保護制度の関する国と地方の協議」で生活保護費削減策を具体化した「中間まとめ」に反対すること。
13、新型インフルエンザ対策を強化すること。
1)新型インフルエンザに対応する医療機関の体制の強化を図ること。
2)新型インフルエンザワクチンの優先接種者に対する周知を徹底し、負担軽減策を実施すること。
3)保健所の体制を強化すること。
14、「がん対策推進条例」を制定し、総合的ながん対策を推進すること。
1)「がん対策推進条例」を制定し、総合的ながん対策を推進すること。
2)岩手町の取り組みに学び、がん検診体制を抜本的に強化すること。がんの予防に当たっては喫煙率低下(成人20%未満)の具体的な取り組みを強化すること。
3)子宮頸がん、ヒブ(細菌性髄膜炎)、小児用肺炎球菌の予防接種への補助を拡充し、無料化を推進すること。
4)緩和ケア病棟の整備と在宅緩和ケアの整備を進めること。
5)受動喫煙防止対策を徹底し、官公庁・公的施設は全面禁煙とすること。
15、県民の暮らしを守る消費者相談活動など消費者行政を強化すること。
1)どこに住んでいても消費者の相談に対応できるように市町村での配置を進めるとともに、県の配置も後退させないこと。県として研修活動を強化すること。
2)盛岡市消費生活センターの取り組みに学び、行政の各部局との連携を強め、解決するまで援助すること。
3)専門職にふさわしく消費生活相談員の待遇を抜本的に改善すること。正規職員化をはかること。
3、安心して子どもを生み育てられる岩手県に―総合的な子育て支援策の推進を
岩手県における合計特殊出生率は1.39(10年、全国1.39)と前年より0.02ポイント増加したものの、少子化傾向に歯止めがかかっていません。全国的にも「超少子化国」というべき事態となっています。日本は、子どもや子育てに対する社会的サポートが先進諸国の中できわだって弱く、子育てがとりわけ困難な国になっています。貧困と格差を拡大する構造改革路線の下で、若者の不安定雇用を拡大し、正規職員には長時間労働を押し付けています。こうした状況のもとで若い世代が結婚や出産をためらうことになり、少子化が一層深刻となっています。非正規雇用は県内労働者の3人に1人(33.6%)となり、正規社員も子育て世代の30代の男性4人に1人は週60時間以上の労働時間など最も労働時間が長い世代となっています。とくに、岩手県の一人当たり平均月間総実労働時間は、158.3時間(10月)と前年と比べて増加し、全国平均と比べても長くなっていることは重大です。
また、親の経済的困難が子どもたちに及ぼすしわ寄せも重大となっています。給食費が払えない、修学旅行に行けない、高校、大学を中退せざるを得ないなど、「子どもの貧困」打開が重大な課題となっています。
出生率を回復させている欧州の経験や全国の先進的な経験にも学び、安心して子どもを生み育てられる岩手県に、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、「子どもの貧困」の解決に総合的な取り組みが必要です。
1、「子育てするなら岩手県」をめざし、総合的な子育て支援策と本格的な少子化対策を講じて、合計特殊
出生率を向上させる積極的 な目標を持ち、経済的な負担の軽減や仕事と子育てが両立できる人間ら
しい働き方などを含めた対策を講じること。
2、「子ども・子育て新システム」に反対し、保育所や学童保育の整備・拡充に取り組む。
1)保育所の新増設を進め、待機児童の解消を実現する具体的対策を講じること。
@認可外施設やベビーホテルなどに預けられている子ども(約2000人)を含め待機児童を解消する計画を立て、保育所の新増設を思い切って進めること。
A延長保育、休日・夜間、一時保育や病児保育を拡充すること。保育料の軽減・第三子保育料の無料化を実施し負担軽減にとりくむこと。
B民営化や「民間委託」の名による保育条件の切り下げは行わないこと。
C保育所の人員や面積要件を緩和する保育制度の改悪に反対すること。
2)認定子ども園の認定基準については、認可保育施設、幼稚園の現行基準を下回らないようにすること。保育に欠ける子どもの保育料は、応能負担を原則に、市町村徴収基準に準拠するよう市町村を指導すること。
3)学童保育を拡充し、「遊びと生活」の場にふさわしい設置基準を明確にし、施設と指導員の待遇の改善をはかること。大規模化が進む学童保育クラブについては、施設の整備に助成を行うこと。
4)政府が進める「子ども・子育て新システム」は、保育所の最低基準を引き下げ、公的保育を後退させるとともに、保育の産業化を進めるものであり反対すること。
3、非正規雇用と長時間労働をなくし、子育てと仕事が両立できる働き方に改善を図ること。
1)当面、年間労働時間1800時間の達成をめざし、長時間労働の是正を図ること。サービス残業の根絶に取り組むこと。
2)育児休業制度の改善、妊娠・出産に伴う不当な解雇や退職勧奨、不利益な扱いをなくすこと。
3)子育てができる賃金・労働時間を保障すること。正規雇用の拡大と派遣・請負の見直し・正社員化で、若者に安定した雇用・仕事を確保すること。
4、「子どもの貧困」の解決に総合的な対策を講じること。
1)「子どもの貧困」の実態調査を行い、総合的な対策を講じること。
2)児童福祉司を大幅に増員し、児童虐待対策を強化すること。被虐待児が増えている児童養護施設への人員配置を行うこと。
3)大震災津波による震災孤児(93人)の養育里親に対する研修と支援を強化すること。震災遺児(476人)に対する支援を強化すること。
4)私学を含め高校授業料の無償化を実現すること。現在授業料が免除されている世帯が増税とならないよう対策を求めること。
5)就学援助の周知・徹底を図り制度の改善を図ること。小中高の教育費負担の軽減に取り組むこと。
6)給付制の奨学金を創設し、奨学金はすべて無利子とするよう改善すること。東日本大震災によって国の奨学金が返せなくなった場合、返還免除が可能となることを周知徹底すること。
7)県立大学の授業料の減額・免除を拡充すること。必要な助成を行うこと。交付金の削減は行わないこと。
5、子どもの安全と成長を守る対策を強化すること。
1)児童虐待対策を抜本的に強化すること。
@大震災津波に対応して、児童福祉司・児童心理司は大幅に増員し、広域振興局に対応した児童相談所の体制を抜本的に強化すること。
A満員状態の児童養護施設の整備と定員増を進め、児童養護施設の人員配置を改善し、親への指導と支援を強化すること。小規模ホーム、グループケアの増設をはかること。
B重度の虐待児や医療の必要な児童が半数以上を占めているみちのくみどり学園の看護師配置や児童心理司に対する補助を継続するように国に働きかけるとともに、県としても対策を講じること。
2)相談が急増しているDVへの対応を強化し、緊急一時保護施設の整備と支援、被害者への自立支援を強めること。
3)アレルギー・アトピー、化学物質過敏症対策を総合的に強化し、実態調査と相談窓口の設置を行うこと。医療費と食品の購入への助成を行うこと。必要な教育が受けられるよう特別の対策を講じること。
4)子どもの通学路の安全対策を地域の協力のもと講じること。
4、雇用確保・就職難打開と中小企業を守る緊急対策を
東日本大震災津波以降、離職票・休業票の交付件数は41375件(前年比140.8%)、うち沿岸は15012件(239.2%)、雇用保険受給資格決定者数は24572件(154.6%)、うち沿岸11799人(306.6%)となっています。3月から10月までの事業主都合離職者は26466人です。雇用調整助成金の震災特例分の計画受理件数は4236件(3月〜10月累計)で雇用維持されている対象労働者数は183232人となっています。10月の有効求人倍率は0.65倍と改善されていますが、その内容は復興事業関係の建設業(前年比1.9倍)や運輸業・郵便業(1.6倍)と短期雇用で、実態は依然として厳しい状況です。緊急雇用創出事業の震災対応分は10000人の雇用目標に対して6149人(61.5%、12月13日現在)となっており、被災地の再建と求職者の希望に対応した取り組みが求められています。沿岸の被災した事業者は約7400件、うち再開した事業者は約4200件、6割弱となっています。被災地での安定した雇用確保のためにも、被災企業・事業者の早期再建が強く求められています。
住宅リフォーム助成事業は、昨年の18市町村から26市町村に大きく広がり、8月末で6831件、5億6252万円の補助で工事費59億4258万円、経済波及効果92億円となっています。県として実施している秋田県では工事費200億円となっており、県議会での請願採択をふまえ県としても早期に住宅リフォーム助成事業を実施し、全市町村の取り組みとすべきです。
1、総合的な賃上げ政策をワンパッケージで実行し、雇用の確保・安定をはかる
1)労働者派遣法の骨抜き許さず抜本改正を求めるとともに、有期労働の規制強化、均等待遇の確立などで、非正規社員を正社員にすること。
2)最低賃金を時給千円以上に引き上げること。そのために中小企業への支援を抜本的に拡充すること。「官製ワーキングプア」をなくす公契約条例を制定すること。
3)大企業と中小・零細企業との公正な取引のルールを作り、労働者の賃金格差をなくすこと。
4)違法な退職強要、解雇、雇止めをやめさせ、解雇規制のルールを強化すること。
2、高校・大学等の新規学卒者の就職確保に全力を挙げること。
1)就職難打開へ、 岩手労働局と連携し、就職支援員の取り組みと体制を強化して求人の確保に全力をあげること。就職面接会を積極的に開催すること。大学と企業との就職協定の締結を求めること。
2) 未内定者の直接雇用と中小企業とのマッチングなど独自の支援と対策を講じること。
3)
新卒3年を超えた青年の就職対策を講じること。採用した中小企業等への助成措置も講じること。
4)
違法な内定取り消しを許さず、企業名を公表するなど毅然とした対応を行うこと。
5)
ジョブカフェいわて・地域ジョブカフェの拡充をはかること。
6)
フリーターや新規未就職者の職業訓練、生活保障や雇用保険が受けられるよう国に働きかけること。県としても独自の対策を講じること。
3、誘致大企業の一方的な解雇、リストラ、工場閉鎖を許さず、県・市町村への届け出と事前協議を求めること。そのために「解雇・リストラ規制条例」を制定すること。離職に際しては、「本人同意」を原則に、再就職のあっせんと、再就職までの生活資金や住居の保障など、労働者の生活と再就職への責任を果たさせること。また、県として誘致企業を訪問し日常的な連携を強化し、大企業・誘致企業の社会的責任(雇用、地域経済、自治体、環境を守る役割と責任など)を果たすよう強くもとめること。
4、県内すべての地域で定期的にワンストップサービスを実施し、失業者の生活と再就職支援の総合的な相談と対策を講じること。
1)
ワンストップサービスを定期的に開催し、年末・年始は特別の体制で対応すること。
2)
失業者の生活援助・住宅援助制度をつくり、雇用促進住宅や県・市町村営住宅の活用、離職者生活資金制度の改善充実など万全の対策を国と連携して講じること。
3)
生活保護の適用を含め首切り・失業によるホームレス等を絶対つくらないこと。
5、 県として独自に雇用を確保する対策を講じること。緊急雇用創出事業・ふるさと雇用再生特別基金事業とともに、35人学級の拡充(小3・4年、中1年で108学級増、129人教員増)、特養ホームの待機者解消(在宅2203人、50人定員で44か所、1320人増)図るなど介護施設の整備、充足率が66%にとどまっている消防職員の基準人員までの増員(1061人)、老朽校舎の耐震改修、住宅の耐震改修・住宅改修助成など実効ある対策を講じること。
6、 最低賃金を時給1000円以上に引き上げるよう求めること。
1)
公契約条例の制定で県発注の事業については時給1000円以上とし、「働く貧困層」をなくすこと。
2)
サービス残業の根絶(平成20年度100万円以上のサービス残業の是正、県内で30企業3345人に2億1820万円支払い、8年間で152企業、11228人、7億6634万円)、長時間残業の解消(1800時間達成で約3万人の雇用)、有給休暇の完全取得ができるよう、県としても岩手労働局と連携し積極的に取り組み雇用拡大をはかること。
3)
厚生労働省の通知を踏まえ、県職員の始業時間、就業時間を記録しサービス残業を根絶すること。
7、銀行による貸し渋り・貸しはがしをやめさせるとともに、大企業・誘致企業による単価たたきや仕事の減少など下請けいじめをやめさせる取り組みを国と連携して強化すること。
8、住宅リフォーム助成の実現で中小企業に仕事を増やす対策を抜本的に強化すること。
1)県として住宅リフォーム助成事業を早期に実施すること。
2)県の官公需の中小企業向け発注比率を81.4%(10決算、845億円)から90%まで引き上げる具体的対策を講じること(10%高めれば約103億円の仕事を増やすことができる)。
3)「小規模工事希望登録者制度」を県としても実施し、県有施設の小規模工事発注を積極的に推進すること。
9、中小企業対策費(10年度、金融対策を除くと40.87億円、決算総額の0.5%)を抜本的に強化拡充すること。「中小企業振興条例」を制定し、中小企業・地場産業の実態調査に取り組み、「岩手経済再生会議」(仮称)を設置し、中小企業、専門家、行政の英知を結集して岩手経済の立て直しと総合的な中小企業振興策を確立すること。
10、100%保証の緊急保証制度が、最大限活用されるように周知徹底を図るとともに、審査の迅速化、簡素化を図ること。中小企業庁長官名の通達を踏まえ「赤字や債務超過があっても形式的に判断するのではなく、実態や特性を十分に踏まえて判断するよう」徹底すること。全業種が対象となるよう国に求めること。部分保証制度は撤回すること。金融円滑化法の延長を求めること。
11、08年12月県議会で制定された「特定大規模集客施設の立地誘導等に関する条例」を適切に運用し、大型店の無秩序な出店を規制するあらゆる手立てを講じること。商店街と地域住民が協力して安心して暮らせるまちづくりを進めるために、具体的な支援策を強化すること。小売商業調整特別措置法(商調法)にもとづく県の調査・調整を活用し商店街を守る対策を強化すること。
12、悪質な商工ローン、消費者金融、振り込め詐欺、ヤミ金融対策を抜本的に強化し、被害者救済対策に取り組むこと。多重債務者の相談と解決に各部局が連携して取り組むこと。県としても全国的にも先進的な取り組みとして評価されている消費者救済資金貸付制度に出資し拡充をはかること。
13、最悪の大衆課税であり、くらしとの営業、地域経済を破壊する消費税の増税に反対すること。
14、平泉の世界遺産登録を生かし、全県的な観光振興対策を強化すること。
5、TPP交渉参加に断固反対し、日本と岩手の農林漁業の再生で食料自給率を高め、すべての農家が参加する地域農業・集落営農を進め、地域経済を再生すること。
野田政権は、環太平洋連携協定(TPP)への参加に足を踏み出しました。「例外なき関税撤廃」が前提のTPP参加は、農林漁業に壊滅的な打撃を与えるとともに、大震災津波からの復興に逆行するものです。県の試算でも農業生産で1469億円、約60%減少し、水産業でも191億円減少、林業では合板だけで22億円の減少とされています。農業・農村の多面的機能は県内でも3020億円と試算されていますがその60%が消滅しかねません。文字通り農林水産業と地域経済を壊滅に追い込むTPP交渉参加は断固として阻止しなければなりません。
日本は、食料自給率がわずか39%、先進国の中でも異常な低さです。お金を出せば、世界中から食料を買い集められるというやり方は、もはや通用しなくなっています。ところが歴代自公政権は、国内生産を支える価格保障制度を廃止し、現場の実態を無視した規模拡大を条件にすることで補助対象をせばめるなど、国内の生産基盤を弱体化させる農政をすすめてきました。米価はこの10年間で4割近くも下落し、規模拡大に取り組んできた大規模農家や集落営農組織が大きな打撃を受けています。こうした中で、県の農林水産業決算額が10年間で34.5%に激減となったことは重大です。
農林漁業など第一次産業の衰退は、地域経済を疲弊させ、「限界集落」を広げる要因ともなっています。農林漁業の生産を拡大すれば、それに関連する食品加工、関連企業、サービス、製造業も活性化し、生産額の3倍もの規模で地域経済に波及する効果があります。
今必要なことは、食料自給率を当面50%台に回復することを最優先の課題に位置づけ、農林漁業再生に向けた政策への抜本的な転換をはかり、地域経済を再生させることです。
農林漁業を岩手の基幹産業として位置づけ、農林水産業予算の復元をはかり、再生産を保障する価格・所得保障の拡充を柱にして農林水産業の再建を図ることです。
食の安全安心の確保と地産地消の取り組みを本格的に推進し、農林漁業の再生を、地域経済振興の柱にすべきです。
1、TPP交渉参加に断固として反対し、阻止するためのあらゆる取り組みを強化すること。「食料主権」にた
ってWTO(世界貿易機関)農業協定を抜本的に見直すこと。不要なミニマムアクセス米の「義務的輸入」は中止すること。日豪EPA(経済連携協定)は中止すること。
2、生産費を償う水準で、主要な農産物の価格保障・所得補償に踏み出すこと。備蓄用のコメとして、米価の下支えに有効な価格で直ちに買い入れるようにすること。引き続き燃油・肥料・飼料価格の高騰対策を強化すること。価格転嫁が難しい施設園芸や畜産などについては、直接補てんを実施するなど特別の対策を講じること。
3、家族経営を維持し、大規模経営を含む担い手育成で農地を保全し、岩手型集落営農を推進すること。
1)多様な家族経営を維持・発展させ、農業を続けたいと願うすべての農家を担い手に位置づけ、支援の対象とする地域農業、岩手型集落営農を推進すること。
2)地域農業を支えている大規模農家や生産組織を支援すること。
3)新規就農者に月15万円を3年間支給する「就農者支援制度」を確立し、一定期間の生活支援、技術、農地の面での総合的な支援体制を確立すること。県立農業大学校の施設整備と教育・研修の拡充をはかること。
4)株式会社一般への農地取得解禁に反対すること。
4、農業予算を基幹産業にふさわしく拡充し、価格保障・所得補償を抜本的に拡充すること。
5、農業者と消費者の協同を広げて、「食の安全」と地域農業の再生をめざす
1)放射能汚染対策を徹底し、農産物の放射能汚染測定を徹底し「食品の安全」を確保すること。
2)輸入食品の検査体制を強化し、原産国表示の徹底を図ること。食品偽装を許さない監視体制を強化
し、製造年月日表示を復活すること。
3)地産地消や食の安全を重視した地域づくりを進めること。学校給食や病院、ホテル・旅館などで地場
の農水産物の活用を広げること。地元の特産物や資源を生かした農産加工や販売などを支援するこ
と。米飯給食は当面週4回をめざすこと。
4)口蹄疫対策に万全の対策をとること。感染家畜が発生した場合、殺処分と埋設を迅速に行い、その
ための埋設地を確保しておくこと。鳥インフルエンザなど各種感染症の監視体制を強め、発生した場
合は機敏に殺処分や移動制限措置をとり、農家・業者への保障にも万全の対策を講じること。
米国産牛肉の輸入を30カ月例まで規制緩和しようとすることに反対し、BSE対策の全頭検査を維持
すること。
5)鳥獣被害対策を抜本的に強化すること。
6、農協大合併を理由とした一方的な農家負債の整理は行わないよう指導すること。農家負債対策を強化すること。
7、「輸入木材」から「国産材・県産材」へ、木材の自給率の向上と林業の再生で山村の活性化を図る
1)「輸入木材」から「国産材・県産材」へ、林業・木材産業を国の大切な産業として位置づけ、林業・木材産業の再生をはかり、緑の環境を充実させ山村の活性化を図ること。
2)森林と林業の再生のため、緊急に被災した合板工場の再建を支援すること。森林整備、間伐の取り組みを抜本的に強化し、県産材使用の数値目標を決め、県産材を活用した老朽校舎の改築、県営住宅や公共施設の整備、住宅建設に融資や税制上の優遇措置を含め助成措置も実施し積極的に取り組むこと。
3)現場の実態に即した林道・作業道を整備すること。林業と結びつかない大規模林道事業などは見直すこと。
4)輸入材中心の加工・流通を改め、国産材を中心に木質バイオマスなどの利用を広げること。林業労働者の確保と林業技術の継承を図り、地域の実態に即した流通・加工体制を確立し、林業・木材産業の再建を図ること。
5)「緑の雇用事業」を思い切って拡充するなど、系統的な林業就業者の育成・確保に取り組むこと。
6)国有林の分割・民営化をストップし、国が一元的に管理し地元の意見を反映した管理運営を行い、地域の林業事業体の育成を図るよう国に強く求めること。
8、三陸沿岸漁業・水産業の再生へ以下の対策を講じること。
1)漁船の確保、養殖施設の整備などともに、魚市場を核とした流通・加工施設の一体的な再建整備に取り組むこと。
2)ワカメ、アワビ、秋サケなどつくり育てる漁業の再建をはかること。サケふ化場。アワビ・ウニの種苗施設の再建整備をはかること。がんばる養殖復興支援事業について、速やかに取り組むとともに、手続きを簡素化すること。
3)被災したすべての漁港の早期復旧・整備に取り組むこと。漁村集落の維持に取り組むこと。
4)漁業者の生活支援の強化をはかること。二重ローンの解消、緊急的な雇用の確保、生活資金への支援を強化すること。
5)被災した漁協への支援を強化し、漁業・水産業を核とした地域の振興をはかること。被災した漁協の再建へ施設とともに人件費の補助等を含む支援を強化すること。
6)サケの定置網漁の復旧とともに、サケ資源の公平配分に取り組むこと。事実上個人の所有となっている定置は見直すこと。
9、森のトレー問題では、この間の経過と問題点を検証して、責任の所在を明らかにし、解決を図ること。
6、被災地の児童・教職員・学校への支援を強化し、どの子にも行き届いた教育を、子どもを中心とした学校づくり―憲法と子どもの権利条約を生かし、少人数学級の拡充と教師の多忙化の解消を
東日本大震災津波で沿岸の小中学校も大きな被害を受けました。24校が他校・多施設での授業を余儀なくされ、県立高田高校は校舎が全壊し大船渡市の元大船渡農業高校の旧校舎を使用しています。仮設校舎なども整備されていますが、劣悪な教育条件におかれています。学校での犠牲者はほとんどなかったものの、児童生徒91人、教職員6人が死者・行方不明者となっています。県内への転出・転入は660人、県外へは211人(5月1日現在)となっています。県外から県内への転入も211人となっています。学校施設の再建整備・仮設校舎の整備を急ぐとともに、児童生徒・教職員の心のケアの取り組みを強化すべきです。思い切って被災地への教職員の増員・加配を行い、カウンセラーの配置もさらに強化すべきです。
昨年6月には、国連・子どもの権利委員会から3回目となる最終所見(懸念事項と勧告)が公表されました。「過度に競争的な教育制度の是正」という勧告を正面から受け止めて改善を図るべきです。
いま求められていることは、憲法および子どもの権利条約等の国際的な取り決めに基づいて、すべての子どもの成長発達を支える教育に転換することです。
政治・行政の教育に対する最大の責任は、子どものための教育条件整備です。文部科学省が計画した少人数学級の計画を全面実施するよう求めること。県として小学校1・2年生と中学校1年生(試行)に35人学級が実施されましたが、教育面でも生活面でも顕著な成果が明らかとなっています。小学校全学年に広げることが必要です。中1ギャップの緩和にも効果が示されており、中学校1年生に全面実施し、さらに拡充すべきです。さらに計画的に30人学級への移行をめざすべきです。
県立高校の在り方については、地域で学ぶ権利の保障を基本に、地域と結びついた県立高校の充実こそはかるべきです。高校での少人数学級を進めるべきです。
また、耐震化率が78.1%(10年4月1日現在)にとどまっている小中学校、78.9%の県立高校の老朽校舎の改築改修は緊急の課題です。子どもたちに最も安全で安心して学ぶことができる環境を保障することは行政の最優先の課題です。
子どもの登下校時等の連れ去りや暴行などから、子どもの安全を守る取り組みは一刻も猶予できない課題となっています。
教育のゆがみと荒廃に立ち向かい、教職員が協力して取り組むためには、教職員を分断し序列化する成果主義賃金制度の導入は見直すべきです。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「教員の地位に関する勧告」と3次にわたる国際労働機関(ILO)とユネスコの共同専門家委員会(CEART)の是正勧告を踏まえて見直すこと。文科省の調査でも教員は1日平均2時間以上、月平均34時間の残業で、小学校の場合4時間の授業に1時間の準備もできない教職員の多忙化こそ解消すること。
1、
被災地の学校への教職員の増員・加配、スクールカウンセラーの配置を行い、被災児童・教職員への「心のケア」の取り組みを強化すること。内陸部等に転入した被災児童に対しても行き届いた対応を行うこと。
2、
県立高田高校の早期再建整備をはかること。被災した小中学校等の早期の再建整備を進めること。必要な仮設校舎の整備を行うこと。
3、
小中学校・高校の耐震改修・改築を思い切って進めること。大規模改造工事を含め、シックスクール対策を徹底すること。県産材を積極的に活用し木造校舎の建設を進めること。
4、
「全国学力テスト」は中止し、抽出調査についても押し付けないこと。教育に市場原理を導入する目標管理型学校経営や県版学力テストの点数を目標とするやり方は見直すこと。
5、
35人学級を当面小学校3・4年生と中学校1年生で全面実施し、さらに全学年への拡充をめざすこと。そのために必要な教員(小学校3・4年生で72学級増、80人増、中学校1年で36学級増49人増)は正職員として採用し配置すること。計画的に30人学級に移行をめざすこと。
6、
文部科学省が計画した30年ぶりの学級編成基準の見直し、少人数学級の8カ年計画を全面実施するよう国に対し強く求めること。義務教育費国庫負担制度の堅持を求めること。複式学級の基準を改善し、解消に取り組むこと。
7、
小中学校の統廃合計画については、子どもの教育にとって、地域の教育にとって、地域住民との合意の3点を基本原則にして取り組むこと。住民合意のない一方的な統廃合は行わないこと。被災地の学校の統廃合計画についても、地域住民の合意を貫くこと。小中一貫校は全国で問題が出ており、進めないこと。
8、
いじめ問題、不登校の解決に学校、教師、父母が連携を強化して取り組むこと。子どもの人権、人間を大切にする教育を進めること。「ポランの広場」などの取り組みを支援し連携を図ること。
9、
特別支援教育・障害児教育の拡充をめざすこと。
1)軽度発達障害の子どもへの支援を含む「特別支援教育」に当たっては、必要な教職員を確保し、特別支援教育支援員の配置を徹底するとともに待遇の改善を図ること。
2)「支援地域」の中心と位置づけられる盲・ろう・養護学校は統廃合ではなく、小規模分散で地域密着型をめざし拡充すること。
3)特別支援学校・分教室の改築改修を進めるとともに、緊急の増設を行うこと。
10、一関一高への併設型中高一貫校・付属中学校については、施設不足や既存の中学校への影響、小学校への受験競争の激化など諸問題の検証を行い、地域の声を把握して見直しを含め再検討すること。
11、県立高校の再編・統廃合計画については、生徒の学習権を保障し、地域と結びついた高校を守る立場から、地域住民の声を踏まえ策定すること。県立高校でも少人数学級を実施すること。
12、県立高校の入試制度の改善にあったっては、生徒減少のなかで希望者全員が進学できるよう、透明性と公平性が確保されるようにすること。高校間格差を拡大する通学区域の拡大は行わないこと。
13、高校生の就職を支援する就職支援相談員の配置を拡充し、安定した雇用と県内就職率の向上に努めること。違法な内定取り消しについては毅然と対応し企業名の公表を行うこと。3年以内の離職率(20.8%)の改善をめざし実態調査を踏まえ対策を検討すること。各部局、関係機関とも連携を強化すること。キャリア教育に当たっては、憲法、労働法に基づく基本的な権利を盛り込むこと。
14、教員の増員と少人数学級の拡充で「多忙化」を解消し、教員の専門家としての役割が発揮されるようにすること。司書教諭を専任で配置すること。恣意的な「教員評価」「不適格教員」制度や「教員給与の格差付け」は見直すこと。
15、教員採用、管理職昇任制度について、公正で透明化された採用と昇任が行われるよう抜本的に改善すること。「教員免許更新制」の中止を求めること。臨時教員制度を抜本的に見直し、正規雇用を拡大すること。外国人講師による英語教育に当たっては直接雇用とすること。
16、通学路の安全対策を総点検し、地域住民・関係機関と連携して通学路の安全対策を強化すること。冬季の除排雪を徹底し安全を確保すること。
17、侵略戦争を美化する「歴史教科書」「公民教科書」の押し付けを許さず、「日の丸・君が代」の学校教育での押しつけは行わないこと。性教育などへの政治介入に反対すること。
18、教師の体罰・セクハラ・不祥事を根絶する具体的対策を講じるとともに、体罰禁止を徹底すること。「憲法」と「子どもの権利条約」の精神と内容を徹底すること。
19、給付制の奨学金を創設し、これまでの奨学金制度も無利子とするなどの改善を国に求め、県としても拡充をはかること。低所得者世帯に対する就学援助を改善・拡充し、県立高校の授業料無償化については、すべての高校生を対象とすること。
20、学校給食の食材の放射線量の検査を徹底し、食品の安全を確保すること。中学校までの学校給食を実施し、県産農畜水産物の活用で地産地消にふさわしい自校方式を積極的に進めること。利用率の低いランチボックス(仕出し弁当給食)の実態と問題点を把握すること。
21、私学助成を拡充し、私立高校の私学就学支援金については実質無料化をめざすこと。これまでの授業料減免の財源を復元し全国並みに拡充すること。授業料以外の学費の父母負担の軽減に取り組むこと。
22、岩手国体に向けて、官民の協力体制を強化し、大震災津波の復興と両立するように取り組むこと。インターハイ参加者などへの派遣費への補助は廃止せず、競技力向上とスポーツ振興にとりくむこと。埋蔵文化財調査の補助金廃止も行わないこと。
7、東日本大震災津波の検証と教訓を踏まえ、住民合意による安全安心のまちづくりをすすめ、防災対策を抜本的に強化すること。
3月11日に発生した東日本大震災津波の検証と教訓を踏まえ、津波などの災害で二度と住民の命が損なわれないように、安全安心のまちづくりを住民の合意で進めることが重要です。大規模な津波からは基本的に避難で住民のいのちを守ることが必要です。同時に、住民の協議と合意を貫いて、コミュニティの維持を原則に高台への集団移転や土地のかさ上げを進めることも必要です。その際、庁舎や病院、学校、商店街などを集約したコンパクトなまちづくりを進めることが重要です。防潮堤の高さや湾口防のあり方を科学的に検証して、住民合意のもとに再建のあり方を検討すべきです。ハード面だけでなくソフト面の対策を強化することが必要です。
岩手・宮城内陸地震の教訓を活かし地震・津波への防災対策を緊急にすすめる必要があります。 河川改修、治山・砂防対策を強化し、集中豪雨などによる大雨災害など、総合的な防災対策を講じること。
1、東日本大震災津波の検証と教訓を生かし、安全安心なまちづくりを住民の合意で進めること
1)大規模な津波から住民のいのちを守る基本は速やかな避難です。小中学校の防災教育を徹底するとともに、住民レベルの防災教育と集落ごとの防災訓練・避難訓練を抜本的に強化すること。避難道路・避難施設を総点検し、整備すること。
2)大震災津波の検証を踏まえ、行政と岩手大学、県立大学等の連携で「防災講座」「防災講演会」を開催し防災意識の高揚を図ること。
3)避難施設となっている小・中・高の校舎・体育館、公民館などの耐震診断と耐震改築・改修をはかり、自家発電設備と暖房設備を整備すること。情報設備と必要な人員の配置、食糧備蓄対策を講じること。
4)地震対策の緊急課題として、住宅の耐震改修を積極的に推進すること。
5)要援護高齢者や1人暮らし高齢者など災害弱者の実態と情報を共有し、具体的な対策を講じること。避難の警報システムを整備すること。全国的な同時多発型の地震への対応も検討すること。
6)自主防災組織の組織化と実践的な訓練など活動への支援を強化すること。
2、集落・コミュニティの維持を基本に、住民合意を貫いて高台移転や土地のかさ上げ、災害に強いまちづくりを進めること
1)市町村の復興計画を基本にしつつ、集落の高台移転や土地のかさ上げなどまちづくりに当たっては、徹底した地域住民の協議と合意に基づいて、コミュニティの維持を基本に進めること。浸水した土地については被災前の価格で買い上げるようにすること。
2)住宅の再建を思い切って支援するとともに、戸建てや長屋方式の多様な復興公営住宅の建設で集落の維持をはかること。
3)国の責任で被災者の最低限の生活基盤回復を行うため、集団移転や土地のかさ上げを行うこと。
3、湾口防波堤の効果を徹底的に検証し、防潮堤の高さについても住民の合意に基づくまちづくりの中で検討すること。
1)大船渡・釜石の湾口防については、破壊の状況と防災効果について、徹底して科学的・実証的に検証すること。その結果を踏まえて湾口防のあり方について見直すこと。
2)防潮堤の高さについては、先に結論ありきとするのではなく、まちづくりのあり方と合わせて、住民の協議と合意に基づいて検討すること
4、まちづくりの柱となる庁舎、病院、学校などの施設の再建を早期に進めること。JR大船渡線・山田線の復旧と三陸鉄道の復旧を優先して進めること。
5、除雪対策を徹底し、除雪とともに排雪の取り組みを抜本的に強化すること。拡幅除雪とともに、歩道の確保対策を講じること。通学路の除排雪と安全対策を講じること。
6、大雨洪水災害対策では、被災実態を踏まえ洪水危険箇所と堤防の総点検を行い、堤防の強化に緊急に取り組むこと。内水被害対策を強化すること。被害救済に当たっては、被災者の生活再建、住宅再建、商店街の振興などを重視して取り組むこと。
7、岩手山の火山活動の観測体制を引き続き強化し、継続的で多様な防災訓練を一層強化し、防災教育・啓発の取り組みを系統的に進めること。火山との共生にふさわしい総合的対策を講じること。
8、総合防災室に、防災の専門技術者を配置するとともに、岩手大学・県立大学と連携し、市町村の防災担当者を含めた「防災講座」を実施するなど、防災担当者の研修・教育・訓練を強化すること。
防災対策の要をなす消防職員は基準人員の66%にとどまっており計画的に増員(1016人増)を図ること。消防団員の確保と待遇の改善、地域住民による自主防災組織の育成・訓練の強化に取り組むこと。災害時の消防団員の安全の確保対策を講じること。県消防学校の施設、体制の改善・強化をはかること。
8、簗川ダム建設事業(530億円)は凍結し、大震災津波の復興財源に回すこと。津付ダム(141億円)など不要・不急の大型開発・大型公共事業は抜本的に見直し、公共事業は生活密着型に転換すること
簗川ダム建設事業は当面凍結し、東日本大震災の復興財源に回すこと。津付ダム建設事業は見直し中止すること。不要不急、ムダと浪費の大型開発・大型公共事業を総点検し見直すこと。
東日本大震災の復興は、被災者の生活再建と生業の再生を最優先課題に位置付け、被災地の復興事業を優先すべきです。復興道路の整備も必要ですが、大型開発優先とならないようにすべきです。
公共事業も学校の老朽校舎の耐震化、改築・改修や特養ホームなど福祉施設の整備、県営住宅や下水道整備など福祉、生活密着型に転換し、地元中小企業への仕事を増やすべきです。
雇用促進住宅は県内でも運営戸数5062戸、入居可能戸数1934戸、うち被災者のみなし仮設分が1170戸となっています。入居者の追い出しが進んでいますが、被災者のみなし仮設住宅としても、地域の町づくりにとってもなくてはならない役割を果たしています。国の一方的な廃止決定を撤回させ、入居者の生活を守ることは重要です。
1、簗川ダム建設事業は凍結し、大震災津波の復興財源に回すこと。大型開発・大型公共事業を総点検し、見直すとともに、公共事業の中身を学校の耐震化、県営住宅の増設、下水道の整備、防災対策など生活密着型に転換し地元中小企業の仕事を拡大すること。
2、河川改修より70億円も過大となる津付ダム建設事業(141億円)は中止すること。
3、08年度の包括外部監査報告で厳しく指摘された港湾整備事業(総事業費1354億円)は、計画と実績が大きく乖離しており、大震災津波の被害状況を踏まえ抜本的に見直すこと。
310億円(内県費270億円)の花巻空港整備事業も当初の計画と目標から大きく乖離し、利用客は大幅に減少しており、事業の検証を行い今後に生かすこと。
4、県の大規模事業評価専門委員会の審議は県の立場に偏重しており、結果的に県の追認機関となっています。委員会の審議の在り方、人選についても地域住民の意見や専門家の意見聴取を行い科学的・専門的な審議が行えるよう見直すこと。
5、農家の利用の見通しがつかない馬渕川沿岸水利事業(国営495億円、県営115億円)や八戸平原水利事業(国営510億円、県営200億円)などは抜本的に見直しすること。
6、 盛岡市がすすめるオムニバスタウン計画、パークアンドライドの取り組みを支援するとともに、住民の利便性が向上するよう改善をはかること。公共交通機関の充実で、市内中心部への自動車乗り入れ総量を規制するなど、歴史と文化を大切にした城下町にふさわしい町づくりを進めること。
7、雇用促進住宅の一方的廃止に反対し、国の責任で維持するように求めること。
1)被災者のみなし仮設住宅として活用するとともに、今後の活用策を検討すること。
2)「派遣切り」や「雇い止め」となった労働者の入居を速やかに行うこと。継続して入居できるよう徹底すること。入居者に対する一方的な退去勧告は撤回し中止すること。
3)雇用促進住宅の果たしている役割を評価し、国に廃止の撤回を求めること。自治体に譲渡する場合は、無償譲渡など特別の財政支援を行うこと。
4)県は市町村と協力し、入居者の生活を守るためあらゆる手だてを尽くすこと。
8、県民の要望が強い県営住宅の新増設を進めること。県産材を活用した木造住宅の整備を推進すること。既存の県営住宅に風呂釜を設置すること(3412戸に無し)。駐車場のあり方 (1世帯1台)を見直し整備すること。
9、ダンピング入札を防止する効果的な入札制度に改善すること。
1)公共事業の発注にあたっては、下請けの契約関係の適正化に努めること。地元企業・中小企業の育成に配慮した、地域貢献度やランク別など条件付き一般競争入札を基本とするとともに、請負企業の経営安定のため、最低制限価格を導入し引き上げること。公共工事等に従事する労働者の適正な賃金や労働条件を確保し、地元中小企業への発注を義務づけるため、「公契約条例」の制定を行うこと。
2)分離分割発注を進めるとともに、下請契約書(調書)の公表、談合情報通りの落札となった場合の入札取り消しなど厳格な対応を実施すること。
10、地上デジタルテレビジョン放送の難視聴解消の対策を講じること。難視聴地域と世帯が解消されない場合はアナログ放送中止の延期を求めること。
9、原子力発電からの撤退、自然エネルギーの本格的導入で先進県をめざし、自然と共生しながら発展する新たな経済社会をめざすこと。
東日本大震災津波から9ヶ月余が経過しましたが、東京電力福島原発事故は収束するどころか、放射能汚染は広がっています。福島原発はいまだに炉心の状態さえつかめず、汚染水など放射性物質の放出も止まりません。福島原発事故は、人類と原発は共存できないことを明らかにしました。県として原発からの撤退を政治決断し、5〜10年以内に原発から撤退する計画を策定するよう求めるべきです。原発からの撤退と同時並行で、自然エネルギーの本格的導入と、低エネルギー社会に向けて全国に先駆けて取り組むべきです。岩手県地球温暖化対策実行計画(素案)で提起している温室効果ガス排出量の削減目標(1990年比で2020年までに30%削減)を実行するためにも、全国第2位の推定利用可能量があるとされている再生可能エネルギーの本格的導入が必要です。また、排出量の48.8%を占める産業・民生業務部門と21.0%の運輸部門の大幅な削減を進めるべきです。
国内最大規模の産業廃棄物の不法投棄事件は、重大な環境破壊であるとともに、県民の生命と健康にとっても重大問題です。原因者・排出者責任を引き続き徹底して追及するとともに、万全な安全対策を講じ、早急に有害廃棄物の早期撤去と廃棄物の全量撤去を行うこと。
県が進めるゴミ処理広域化計画は、大型焼却炉の導入と一体であり、大量のゴミ焼却のためゴミの減量に逆行し、自治体に過大な負担を押しつけるものとなりかねません。ゴミの「焼却中心主義」「埋め立て中心主義」からの脱却をはかるべきです。
ゴミの減量のためには、何よりも住民参加で、ゴミの多品目分別とリサイクルを徹底することが必要です。
アスベスト(石綿)による健康被害は、重大な社会問題となっています。企業と国の責任を明らかにして、すべての健康被害者の検診と保護、救済、健康被害拡大の防止策を実施すべきです。
環境汚染の問題解決のために、@汚染者負担の原則、A予防原則、B住民参加、C徹底した情報公開―の視点で取り組むことが必要です。
県庁舎は議会棟を含め全面禁煙とし、公共施設での全面禁煙を徹底して受動喫煙防止の対策を徹底すること。受動喫煙防止条例の制定をめざすこと。
1、原発からの撤退を県として打ち出し、国に政治的な決断を求めること。原発より危険な青森県六ケ所村の「再処理施設」の閉鎖を求めること。プルサーマル計画の中止を求めること。
2、自然エネルギーの本格的な導入を進めること。
3、地球温暖化防止対策に真剣に取り組み、8%の削減目標に総力を挙げて取り組み、2020年までに30%削減めざす具 体的な方策と行程表を示すこと。
1)地球温暖化防止に真剣に取り組むこと。県が独自に決定した8%削減目標の達成めざしあらゆる対策を講じること。特に排出量の69.8%を占める産業界の取り組みを重視して、自主努力にとどめず削減協定を締結するなど具体的に進めること。家庭部門についても実効性のある具体的な対策を講じること。
2)地球温暖化防止についての啓発・学習の取り組みを学校、地域、職場などあらゆるところで、草の根から取り組むこと。
3)2020年めざす30%削減目標を達成するために、目標にふさわしい戦略と具体的な方策と行程表を策定し取り組むこと。
4)自然エネルギーの活用を大幅に拡大すること。太陽光発電や風力、小水力、木質バイオマスなどそれぞれの具体的な目標と計画を立て強力に推進すること。
4、青森県境の産廃不法投棄事件については、万全な安全対策を講じ、有害廃棄物の早期撤去、廃棄物の全量撤去にとりくむこと。専門家の協力と地域住民の参加で解決に取り組むこと。そのために、定期的な現地説明会を開催するなど地域住民に対する説明責任を果たすこと。
産業廃棄物の不法投棄の根絶をめざし、産廃Gメンの活動と対策を強化するとともに隣県との連携、市町村との協力を強化すること。最後まで汚染者負担の原則を貫くこと。
5、県の「ゴミ処理広域化計画」と大型焼却炉導入(溶融炉)は、ゴミの減量に逆行し、安全性、効率性など未完成の技術で自治体に過大な負担を与えかねません。すでに導入した自治体では過大な施設となりゴミを求める逆立ちした状況も見られます。全面的な見直しをはかるとともに市町村に押しつけないこと。
小型焼却炉でも現在では十分ダイオキシン対策に適合できます。国に対し国庫補助を認めるよう求めること。
6、ゴミ問題解決の基本は、元(発生源)からゴミを減らすことです。県としても発生抑制、リユース、リサイクル、リデュースのそれぞれの目標と計画をもって推進すること。
1) ゴミのきめ細かな分別回収を徹底し、住民参加の取り組みを強化すること。生ゴミ、畜産廃棄物などの堆肥化・資源化の取り組みを抜本的に強化すること。
2)ゴミの発生を設計・生産段階から削減するために、現行制度を「拡大生産者責任」の立場で抜本的に見直すよう国に求めること。
7、アスベスト対策にあたっては、企業と国の責任を明確にして抜本的な対策を講じること。
1)健康被害が予想される労働者、住民など関係者のアスベスト特別検診を県立病院など県内の医療機関で実施できるようにすること。CTスキャン等の二次検診も特別検診の対象として実施すること。必要な助成措置を講じること。専門医療機関と連携して県立病院での検診・診療体制の充実をはかること。
2)中皮腫による死亡者や治療者の被曝履歴等の実態調査を行うよう国に求めること。アスベストが原因と思われる肺がん、良性石綿胸水・びまん性胸膜肥厚保などの被害実態調査も行うこと。
3)アスベスト調査の結果を公表し、対策を徹底すること。解体工事等のアスベスト飛散防止措置を行うにあたっては、周辺住民への周知等万全の体制をとり、届出、立ち入り検査等必要な対策と体制を講じること。
4)中小零細企業等への撤去・改修工事等への無利子・無担保・無保証の融資制度を創設すること。
5)県としてアスベスト検査体制を確立すること。
8、ダイオキシン対策の基本は、発生源となる塩化ビニール類の分別・規制・リサイクルを徹底することです。
1)県として一般・産廃焼却施設のダイオキシン汚染調査を実施し、公表すること。母乳中のダイオキシン調査を継続し、対策を講じること。
2)環境ホルモン汚染の実態を調査し、汚染原因と対策を明らかにすること。環境ホルモン汚染の疑いのあるPS食器は、他の安全なものに切り替えるよう指導すること。
9、2・4・5‐T系除草剤の埋設処分問題では、国の責任で恒久対策を講じるよう引き続き求めること。
10、県内の貴重な自然環境を保全するために、自然環境調査を計画的に進めること。県版レッドデータブックに基づいて、希少野生動植物保護の条例に基づき、保護区への立ち入り制限や固体の所持制限などの具体的規制と対策を強化すること。保護区の設定に際しては買い上げや必要な補償などの対策も講じること。
11、大型開発・公共事業の乱開発を規制する環境アセスメント・猛禽類調査を徹底し、厳しいチェックと規制の体制を確立すること。
12、県庁舎は議会棟を含め全面禁煙とし、公共施設での全面禁煙を徹底すること。受動喫煙防止対策の徹底めざし、受動喫煙防止条例の制定をめざすこと。
10、存在意義を失った競馬組合は廃止を含め見直しを検討すること。
競馬事業は、わずか1票差で330億円融資を決め継続となってから5年目を迎えていますが、大震災津波の被害を受け存廃の岐路に立っています。4年間で売り上げは80億円以上も減少しています。330億円の元金返済のめどはまったく立っていません。派遣している県職員の人件費等を考慮すればこれまでの事業計画は事実上赤字で破綻状態といわなければなりません。現状は地方財政に寄与するという公営競馬の存在意義はまったく失っています。競馬組合の破綻した原因と責任を明らかにして廃止を含めて今後のあり方を検討すべきです。
1、競馬事業の継続に当たっては、今年度の事業実績の正確な評価を踏まえ、来年度事業計画の妥当性・実効性を関係者はもとより、県、盛岡市、奥州市の議会で検討すること。
2、地方財政に寄与するという存在意義を失った県競馬組合は、330億円融資の元金返済の見通しもなく、コスト削減も限界にきており、廃止を含めて今後のあり方を検討すること。
3、競馬組合破綻の原因と責任を明らかにし、競馬管理者であった前知事の責任や金融機関の貸し手責任などを明らかにした対応を行うこと。
11、小沢事務所による県公共工事への「天の声」問題を調査・究明し、利権政治を一掃すること。自治体の機能と地方自治を破壊する「地域主権改革」に反対し、あらたな市町村合併の押しつけはやめ、道州制に反対すること。地方交付税と国庫補助負担金の削減に反対し、地方財源の拡充を求めること。
小沢一郎氏の「政治とカネ」問題では、9月26日、東京地裁で小沢氏元秘書3人に政治資金規正法違反(虚偽記載)の有罪判決が下されました。判決では胆沢ダム建設工事受注を巡って水谷建設から1億円の裏献金が小沢氏側に渡ったことが指摘されています。小沢事務所による「天の声」で岩手県発注の公共事業もゆがめられていることが明らかになりました。一昨年12月18日、小沢一郎氏の公設第一秘書の初公判で、検察側は冒頭陳述で「岩手県の公共工事は、昭和50年代終わりごろから、小沢事務所の意向が本命業者選定に決定的な影響を及ぼすようになった」として、「天の声」による県工事名も明らかにされました。すでに、巨額の献金を行っていた西松建設側は事実を認め有罪が確定しています。県政にかかわる重大問題として県として徹底的に調査・究明すべきです。
民主党が財界の要求にこたえて進めようとしている「地域主権改革」は、国の社会保障などのへの最低基準の保障責任を解体し、「住民福祉の期間」としての自治体の機能と役割をさらに弱めるものです。「三位一体」の改革の名の下で、地方交付税は臨時財政対策債を含め大幅に減少しています。その後一部復元されていますが、これまでの5.1兆円の削減から見ればわずかなものです。国政による地方自治と地域社会の破壊が進んでいます。地方交付税の大幅な増額を求めることが必要です。
財政危機の押し付けと「平成の大合併」の号令のもと、県内の市町村数は58から34に4割減となりました。合併した市町村では周辺地域の衰退や地域住民の声が届かないなどの問題が明らかになっています。こうした中で、達増県政がいっそうの市町村合併を進めようとしていることは重大です。平成の大合併の検証こそ実施すべきです。
この間、全国的に警察における捜査費、捜査報償費、旅費、超過勤務手当などの公金不正支出が明らかになりました。これは全国的な構造的問題であり、県警察本部においても不正支出問題と併せて捜査費、捜査報償費などの総点検を行うべきです。
1、西松建設献金巨額事件で明らかにされた小沢一郎事務所による県発注工事に対する「天の声」問題を
徹底的に調査・究明すること。
2、2億円余に及ぶ警察本部による不正支出問題については、専門家を含めた第3者機関で調査・検証を
行うこと。併せて捜査報償費の検証を行うこと。不正支出・裏金問題について徹底的に究明し、その原因と責任を明らかにすること。国から返還が求められた場合は、県民にその責任を転嫁することなく、前任の管理職を含め責任に応じて解決を図ること。
3、国の社会保障などへの最低基準の保障責任を解体し、自治体の機能と役割をさらに弱める「地域主権改革」に反対すること。「三位一体改革」の名のもとに進められた地方交付税と国庫補助負担金の削減に反対し、地方交付税の大幅な増額を柱に地方財源の復元と拡充を国に強くもとめること。
4、「平成の大合併」の検証を実施すること。市町村の意向を無視した県による市町村合併の誘導・押しつけは絶対に行なわないこと。合併はあくまでも住民の意思を尊重して進めること。その際、住民投票なども実施するようにすること。広域合併の場合は住民自治を強化する立場から地域内分権を強化するなどの取り組みを進めること。合併せずに頑張る小規模町村への支援策を講じること。
5、「官から民へ」のかけ声で公共福祉の仕事を投げ捨てる「規制緩和」「地方行革」路線は見直すこと。指定管理者制度についてはこの間の実績・実態を検証し、労働条件の改悪・低下などがあれば見直しを行うこと。指定にあたっては、専門家・関係者を含め、導入の是非を慎重に検討し、公共性の確保と県民へのサービスが低下しないよう具体的対策を講じること。
6、知る権利の保障、原則公開の立場で、情報公開を一層推進すること。
県の政策形成過程における「パブリックコメント」制度は、説明会、公聴会、懇談会を開催し、県民の意見を反映するものに改善すること。必要な情報を公開し、住民参加を広げるよう積極的に取り組むこと。
各種審議会の委員は兼任を減らし、女性、青年の登用、公募制の活用をはかること。
7、地方労働委員会の労働者側委員の任命に当たっては、「連合」独占をやめ、労働組合の構成比率を反映したものにすること。
8、県の広域振興局の再編と運営に当たっては、県南広域振興局、総合支局、出張所のあり方を総点検し、メリット、デメリットを明らかにし見直すこと。産業振興はもとより、保健・福祉・教育・農林漁業など広域行政の取り組みが円滑に進められるようにすること。市町村の意見と要望、県職員の声と創意を大事にして進めること。
9、県職員の超過勤務の実態を調査し、サービス残業を根絶すること。労働時間の把握は厚生労働省通知に基づいてタイムカードやパソコン等で客観的に把握すること。
国の「総人件費抑制政策」に追随してきた県人事委員会の在り方を抜本的に見直すこと。
12、実効性ある男女平等の取り組みを進め、女性と青年の声が生かされる県政を
国連女性差別撤廃条約がつくられて30年。日本では今なお女性差別が続いています。女性雇用労働者の半数以上が非正規雇用であり、賃金は正社員で男性の68%、非正規を含めると53%です。妊娠・出産、育児休業取得を理由とする解雇など違法な差別も横行しています。県としても国連女性差別撤廃条約を具体化・実現し、社会でのあらゆる分野での女性差別を一掃する取り組みを進めるべきです。
「男女共同参画推進条例」に基づき、雇用・就職の場での男女差別の解消など女性が働き続けられる実効性のある対策を強化する必要があります。夫婦間暴力いわゆるDV防止法に基づく実効ある対策を強化すべきです。女性と青年の声が生かされる県政を進めることは、活力ある県政を推進する上でも、21世紀の県政推進にとっても重要課題です。
青年の雇用・就職難の打開、不登校や青年の引きこもりへの抜本的対策、世界一高い大学の授業料など学費負担を軽減し、給付制奨学金制度の創設と拡充することが必要です。
1、国連女性差別撤廃条約の内容を学び、普及する取り組みを強め、その具体化を図ること。女子差別撤
廃条約選択議定書やILOの母性保護条約・パートタイム労働に関する条約などの早期批准を求め、日本の女性の地位を世界の水準に高めること。
2、男女共同参画の取り組みを強め、以下の点で実効ある対策を推進すること。
1)男女の賃金・待遇・年金格差、採用差別など働く女性への差別をなくす対策を進めること。
2)乳幼児医療費助成の無料化の対象を小学校卒業まで拡大すること。待機児童を解消する保育所の
増設・整備、育児・介護休業法の徹底など、働く男女がともに家族責任を果せる社会をめざすこと。
3)夫婦間暴力などの実態を調査し、県の婦人相談室の機能と体制の強化をはかり、一時保護施設の整備など、DV防止法に基づく実効ある措置を実施すること。
4)選択的夫婦別姓制度の導入、非嫡出子の相続差別廃止など早急に民法の改正を求めること。
5)県の女性幹部職員の積極的登用を進めるとともに各種審議会にも幅広く女性と青年を登用すること。
3、青年の雇用・就職難打開のため特別の対策を講じるとともに「青年の雇用・暮らし110番」の相談窓口を設置すること。総合的な青年対策を実施すること。
1)青年の雇用確保と高校生・学生の就職難打開に全力で取り組むこと。未内定者・未就職者に対する独自の対策を講じること。
2)県立高校の授業料無償化はすべての高校生を対象とし、私立高校への私学就学支援金は全国並みに県独自の加算を行うこと。県立大学の授業料免除・減額の対策を拡充すること。給付制奨学金を創設すること。
3)青年の定住をめざし、魅力ある町づくりを進め、スポーツ、レクリエーション施設の充実、青年向け県営住宅と家賃補助などの対策を進めること。休止しているつなぎスイミングセンターを活用しBMX(小型自転車)の練習場に活用できるよう検討すること。
4)青年の引きこもりの実態を調査するとともに、相談、居場所の設置、NPOや民間団体の取り組みを支援すること。
13、憲法をくらしに生かし、核兵器のない世界と日本・平和な岩手を。自衛隊の海外派兵に反対し、憲法9条を守る非核平和の行政推進を
被爆国日本の国民の切実な願いであり、人類的課題である「核のない世界」・核兵器廃絶に向けて、昨年5月に開かれたNPT(核不拡散条約)再検討会議は、「核兵器の完全廃絶に向けた具体的な措置を含む核軍縮撤廃」に関する「共同計画に取り組む」ことで合意するなど、大きな変化が起こっています。
世界では反戦・平和、国連憲章に基づく平和の秩序を求める流れが大きくなっています。国内では憲法9条守れの運動は7507(県内では81)を超える草の根からの「9条の会」の運動として広がっています。
憲法違反の自衛隊の海外派兵は速やかに中止、撤退を求めること。 県民にとって重大なことは、海外派兵に踏み出した自衛隊に毎年200人を超える高校生などが就職していることです。「子どもを再び戦場には送らない」の立場で取り組むことが必要です。
県民と県土の安全をおびやかす米軍機による超低空飛行訓練の中止を求め、非核平和の県政を推進していくべきです。米軍への戦争支援をめざす日米共同訓練に反対すること。
岩手県国民保護計画は、ありえない他国からの侵略を想定した計画であり、国民を戦争体制に動員する戦争準備計画というべきものであり、県民を動員した訓練などを行うべきではありません。
1、
憲法施行63年を踏まえ、「核兵器廃絶平和宣言」(98年6月県議会)に基づいて、県として非核平和の行政を推進すること。とくに、「日米核密約」の存在を踏まえ、名実ともに非核3原則の厳正な実施を求めること。核兵器廃絶を主題とした国際交渉の速やかな開始など「核兵器のない世界」に向けて積極的なイニシアチブを発揮するよう国に求めるとともに、県としても取り組むこと。
2、 侵略戦争の犠牲者の実態を調査、記録し、県民の戦争体験の継承に取り組むこと。戦争のない世界と日本を展望した国連憲章、憲法9条をはじめとした憲法の意義と内容を学び啓蒙する取り組みを行うこと。
3、
アメリカの報復戦争を支援する新テロ特措法に反対すること。インド洋であれソマリア沖であれ憲法違反の自衛隊の海外派兵に反対し中止・撤退を求めること。
4、
県民の安全と県土を脅かす米軍機による超低空飛行訓練の中止を求めること。低空飛行訓練の実態を調査し公表すること。日米の軍事一体化・米軍支援をめざす岩手山演習場での日米共同訓練に反対すること。米兵の基地外への外出禁止措置を求めること。
5、
国民を戦争に動員する有事立法・国民保護法制の廃止を要求すること。ありえない日本への攻撃を想定した岩手県国民保護計画は、県民を戦争態勢に動員するものであり、県民を動員する訓練などは行わないこと。市町村に対しても計画策定を押し付けないこと。
6、侵略戦争を美化・肯定する「新しい歴史教科書」(扶桑社版)への事実に基づいた検証を進め、侵略戦争を美化する動きを芽のうちに摘み取る草の根の取り組みを広げること。
以 上