2012年3月7日 予算特別委員会
秘書広報室に対する質疑(大要)
・被災者を対象とした県政懇談会について
【斉藤委員】
どういう方々とどういう懇談をして、どういう要望が出されて、どう知事を先頭に対応してきたか。
【広聴広報課総括課長】
今年度の県政懇談会は、復興に最優先で取り組んでいる状況を踏まえ、被災者および支援を続けている方々の活動、意気込みなど、復興にさまざまな形で取り組んでいる現場の状況をお聞きし、激励し、復興に向かって、県民一体となって取り組む意識を醸成する機会として開催した。
これまで4回開催し、1回目は釜石市の仮設住宅で開催し、そこに住む方々と支援されている方々との懇談会を開催させていただいている。12月16日には県立大学で、復興ガールズや学生ボランティアセンターの学生との懇談をさせていただいた。1月11・12日は、陸前高田市・大船渡市で、生業を中心に復興に取り組んでいる方々と懇談させていただいている。
これまでの開催で、さまざまなご意見をいただいているが、例えば自治会の運営資金が不足しているとか、県外アドバイザーの意見が必要だという意見も懇談の場で出されたが、その場でいろいろ回答のやりとりがあり、県政提言として持ち帰って各部局に伝えて回答するという内容ではなかった。
【斉藤委員】
これまで4回開催してきたと。議事録を読ませていただいたが、それなりの懇談だったと思うが、被災地以外の懇談もそうだが、知事の懇談というのは対象者がきわめて限定されている。だいたい4名ぐらいである。時間がわずか1時間なので制約があるが、そういう限定してじっくり懇談するというのと、被災地の場合にはいろいろな方がいるので、幅広く被災者の方々から聞くという形の懇談もすべきではないか。そうすれば1時間では足りない。
釜石の仮設での懇談を見たが、県議会でも行ったが、私たちが行ったときにはたくさん意見が出る。ところが知事との懇談の議事録を見ると、大変おとなしい懇談になっている。良い面と、本音が語られていない感じがしたので、是非これからも懇談する場合には、じっくり型と幅広く聞くこととやっていただきたい。
【広聴広報課総括課長】
ご意見を踏まえ、次年度どういった開催がいいのかということを検討していきたい。
・知事の仮設住宅への宿泊について
【斉藤委員】
釜石の仮設で懇談会をやったときに、知事は仮設の集会所に宿泊した。知事が自ら宿泊したことは立派だと思う。その後のコメントが物足りなかった。知事は「基本的な設備は整っている。これで寒さにも対応できる」と。結果的には、水道管は凍結する、寒さで震えると。その点でせっかく仮設に宿泊しながら、その後深刻な事態が引き起こされたという点では物足りなかった。知事が泊まったことは評価するが、しかしもっとリアルな仮設の方々の実態を掴めればよかったと思うがいかがか。
【秘書広報室長】
知事が宿泊したのは12月1日であり、その日もかなり寒かったという状況はあったが、まだ水道管の凍結ということが生じている状況ではなかったので、泊まった段階でそこまで把握は難しかったと思う。知事は、日頃から仮設で生活されている方々がどういう状況の中で生活されているのかということを、自ら泊まることにより確認したいということで宿泊させていただいたものであり、その段階では、生活していく上には一応必要な設備は整っているという状況であったし、その物だけではなく、それなりの工夫をすれば寒さも防いでいけるのではないかと、その時点では感じたところである。
【斉藤委員】
暖房で温まったところに知事は泊まった。しかし仮設の方々は、寒くても暖房をつけれないという方々が少なくない。大船渡の仮設では、ホットカーペットを暖房器具で配布したが、電気代がもったいないからほとんど使っていない。本当に仮設の方々というのは、そういう形で底冷えして目が覚めてしまうと。この時も知事は「暖房を切ったら寒かった」と言っていた。被災者への心配りを県民の先頭に立ってさらに進めていただきたい。
・庁議の議事録と公開について
【斉藤委員】
政府も今回の大震災津波・原発事故に対してどういう対応をしたのか問われている。議事録がないと。歴史的な事件に際して、政府の場合は議事録がなかったと。アメリカの場合は、原子力規制委員会の議事録が全て公開された。岩手県庁も、歴史的な大震災津波という被災に対して、庁議というのが最高の司令部だと思うが、庁議を中心にして、どういう議論・対策がされたのか。この議事録がしっかりあるのか。その議事録は基本的には公開されるべきだと思うがいかがか。
【秘書課総括課長】
災害時の関係については、災害対策本部で専ら対応したわけだが、庁議の方は、県の行政運営に関する基本的な方針だとか重要施策の決定など、県の行政運営にかかる重要事項に関することを幹部職員が審議するために設置しているという性格のものである。県内部の会議であるので、基本的に会議は外部への公開を予定していないものである。このため、通常審議会等で行っているような発言の内容を詳細に広くするといったような議事録の作成はしていない。ただ、庁議の議題だとか審議による決定の有無等については、記録し関係資料とともに保存している。なお、庁議決定事項については、例えば県の自殺総合対策本部の設置だとか、再生可能エネルギー推進本部の設置のように、県民生活に影響を及ぼすような事項については、庁議終了後に同日に行っている定例記者会見で知事が発表したり、担当部局で速やかにマスコミに公表するといったことを行い、県民の皆様にもお知らせしている。
【斉藤委員】
知事のトップマネジメントというのであれば、毎週定例的に開催されている庁議で、県政の課題がどう議論されて、どう対応されているのかが一番だと思う。政府でも作っていない議事録を作り直すと言っている。こういう最高意思決定機関での議論は基本的に公開されるべきである。全国で庁議の議事録を公開しているところはあるが、その把握をしているか。また、情報公開請求の対象になると思うがいかがか。
【秘書課総括課長】
長野県等では、月一回程度、部局長会議についてホームページ上で公表していると承知している。
資料として整備しているという部分についての情報公開の部分だが、開示請求がなされれば、その時点で意志形成過程上にあるか否か等を含めて開示の可否を個別具体に検討した上で対応させていただくということになると思う。
【斉藤委員】
情報公開の時代なので、今は意志形成過程含めて県の場合は情報公開しているので、ぜひ時代の流れの先端を行くように積極的な対応をしていただきたい。
・県外への情報発信の内容とその反響について
【斉藤委員】
県外にどういう情報発信をしているか、残念ながら我々には分からない。県内の情報誌はよく見ているが。
この大震災からの復旧・復興の取り組みを含めて、どういう情報発信をして、どういう反響が寄せられているのか。
【広聴広報課総括課長】
県外での情報発信の反響についてだが、今年度県外広報ポスターとして、「岩手と笑顔に 岩手で笑顔に」というポスターを作製させていただいた。これは、東京の都営地下鉄でも10月に1ヶ月間全車両に車内吊りで掲示させていただいた。それを見て、ツイッターなどで「これを見て頑張ろうと思った」とか「こんな顔で頑張ろうと思った」「とても素敵なポスターですね」などのやりとりがあり、非常に好評だったのではないかと思っている。
被災地からのメッセージを伝える動画ということで3種類作ったが、これはフランス語と英語にも翻訳され、フランス・スイス・マレーシア・香港等のレセプションや物産展の場で上映させていただいている。
またフジテレビの協力を得て、9日からフジテレビの本社にて復興の写真展を開催する予定にしているが、東京駅で以前開催した復興写真展では、復興写真展を含めた物産展は復興支援の趣旨に沿う企画でとても良いという好意的な意見をいただいている。