2012年3月16日 商工文教委員会
二重ローン対策に対する質疑(大要)
・二重ローン問題について
【斉藤委員】
先日の総合企画専門委員会で、この間の復旧復興の検証というものが出されているが、その資料を見て驚いたのが、二重ローン対策で、平成23年から25年の目標が、債権の買取で50件、そして返済猶予の件数の目標が50件になっている。3年間で。そして今年度の計画値が10件、実績値も10件で達成度は100%と。こんな小さい目標なのか。なぜこのような目標になっているのか。このような目標だったら被災事業者は救われないと思うが、なぜこのようなことになっているのか。
【経営支援課総括課長】
件数については、当時立てた予測、見込みということになろうかと思う。実際に相談を開始し、買取なども実施しているが、現時点では2件だが30件ほどの見込みがある。さらに、相談もきているので、その中から買取等も進むのではないか。
なお、相談センターでは、買取ばかりではなく、計画の策定の支援とか、新規融資に向けてのさまざまな支援もしているので、そういった総合的な支援をしながら二重ローンの解消や事業者の再建に向けての取り組みが行われていくものと考えている。
【斉藤委員】
これは復興計画の具体化である。二重ローンの解消は3年間でたった50件の目標なのか。返済融資もたった50件である。今年度は10件で100%達成、24年度は20件、25年度も20件。こんな目標だったら事業者は相談に行かない。何百件という形で二重ローンを救済する構えがなかったらだめである。国の復興支援だって2000億円、再生支援機構は5000億円積んでいる。この目標設定が間違っている。この目標でいくのか。
【経営支援課総括課長】
目標については随時見直ししていきたい。
産業復興機構のほかに、国の再生支援機構もある。相互に補完しながら買取等を進めていくことになると思う。
【斉藤委員】
3年間で債権の買取の目標が50件というのは、県の目標になっているのか。返済猶予も3年間でたった50件と。
二重ローンの解消は復興の1丁目1番地だと、生命線だと知事まで言って、新しい制度をつくらせたが、岩手県の目標がこの程度だったら生命線にならない。そんな状況ではないと思う。正すのなら早く正して、事業者を励ますような目標にしていただきたい。県がこの程度の目標だったら事業者はがっくりくる。県の構えが問われている。
【商工労働観光部長】
50件という考え方がいいかどうかという根本的な問題もある。あくまでもこの手のものは、現地現物に即して対応しなければならないと思う。私は上限を設ける必要はないと思う。50件という成果目標、100件がいいのか、200件がいいのかということになるが、今度は現実的に、逆に過剰な目標だったり、それからいろんな相談の過程で債権買取に至る場合もあるし、それ以前の利助だとか他の銀行が融資して助かる場合もある。ここの50件というところは、随時変えて構わないと思っており、50件が低いということで目くじらを立てるのはいかがなものかと思い、いくらでも多い方がいいわけだが、ただいろんな対応の仕方がある中で、目標を示せという事務の作業の中でとりあえず出したものと受け止めていただいて、いずれ随時見直していきたい。
【斉藤委員】
この資料は公表されるものである。事業者が見たときにがっくりくる。3年間でたった50件で事務的にやっているのかとなってしまう。
被災事業者を本当に支援する、助ける、沿岸被災地の産業振興を進めるという気持ちが伝わるような取り組み、目標にしていただきたい。