2012年6月18日 東日本大震災津波復興特別委員会
入札ミス問題に関する質疑大要


【斉藤議員】
 漁港の場合には人為的ミスが原因だったと。土木の場合には、今年度から導入した委託積算システムに問題があったと。しかし土木は昨年も24件ミスがあった。今年導入したシステムに問題があって、去年のミスは何だったのか。そして積算システムに問題があったというのは誰の責任か。

【建設技術振興課総括課長】
 昨年の24件の積算ミスについてだが、件数が多くかいつまんで申し上げると、例えば、単価表の豪雪地区と通常地区のとり違い、単価表の設定のミスということでライトバンの損料の関係、単価の適用期日の間違い、競技設計費の設定、人件費の設定の間違いなどがある。こうしたものを踏まえて我々の新しい積算システムについては同様のミスを極力防ぐような形で設計してきたつもりである。
【技術企画指導課長】
 積算システムのミスの責任だが、積算システムは委託して作っており、その完成は当方で認めている。しかしながら、運用後にこういった自体が起きたということでチェックしたところ、やはり確認の段階で漏れがあったということである。

【斉藤議員】
 土木の場合、積算システムの算定式の誤りがあったというが、運用に誤りがあった。そこを正しくすべきである。
 昨年の24件というのは、ミスがあったが入札公募の後、入札に至らずに解決したのか。

【建設技術振興課総括課長】
 積算ミスの発覚の時点ということですと、例えば全ての落札前ということではなく、落札し落札決定し、それをお知らせしている過程で指摘があり、それを撤回したという事例も中にはある。

【斉藤議員】
 そうすると、今回と同じようなミスが昨年もあったということではないか。もっとそういうことは、詳らかにしなければいけない。聞かれたら出すということでは信頼は回復されない。入札決定後にやり直したのは何件だったのか、その場合はどうやって解決したのか、そこをはっきりさせていただきたい。
 それから、今回事件が発覚したのは5月10日で、皆さんが対応方針を決めたのは6月4日だと。このタイムラグは何なのか。去年もそういうことがありながら、6月4日にやっと決まったと。危機管理能力が問われる。なぜこのようになったのか。最終的に対応方針を決めたメンバーはどういうメンバーで、本庁の責任者は誰になるのか。

【建設技術振興課総括課長】
 24件のうち、落札決定したものについては、手元の資料では正確には分からないが、少なくとも4件はあった。
 どのように解決したかということについては、現場のしかるべき者が行ってお願いしたということでお認めいただいたということになっている。
【農林水産企画室管理課長】
 5月10日と申し上げたのは、5月10日に最初の案件―釜石の最低制限価格が誤っていた件が判明したと。この対応について協議するまで業務を中止してくれという形で停止の依頼をしている。その後、5月15日に先ほど申し上げたうちの大船渡水産振興センターの案件が判明したところである。これらについて、県としての方針を決定するまでの間、業務の停止を依頼していたものである。やはりこのまま継続することは適当ではないとして、契約の解消の仕方を検証した結果、6月4日に県の農林水産部と県土整備部でもって決定したものである。

【斉藤議員】
 おそらく現場に責任を押し付けて解決したということではないか。これが皆共有されていたら今度の対応は早かったと思う。そういう意味で、今回最終的な対応方針を決めた責任者は誰かと聞いた。農林水産部と県土整備部で決めたという回答ではいけない。本庁で責任をもって対応方針を決めたのは誰か。

【建設技術振興課総括課長】
 最終的に打ち切り清算という県の方針を決めたのは、我々で庁内の協議文書を作り農林水産部に相談し、それから両部長、副知事に協議をして決めたものである。

【斉藤議員】
 両部長、副知事が最終的にこの方針を確認したと。それが6月4日だったと。あまりにも対応が遅すぎると思う。
 検証委員会はなぜ、漁港海岸災害復旧関係入札等検証委員会なのか。県土整備部で去年24件もミスしている。同じようなミスもあった。なぜ漁港だけ検証するのか。一緒になってやるべきではないか。問題をどこかに矮小化させようとしている力が左右しているのではないか。今までの案件を本当に徹底して明らかにして、本当に過ちを繰り返さないと、その精神がないのではないか。

【農林水産企画室管理課長】
 今回の検証委員会について、漁港関連に限定したという形になったのは、今回契約をこのまま継続することなく解消するというものが必要になった案件が県土整備部で1件あったが、我々農林水産部の方で12件あったと。件数が一番多かったということもあり、県土整備部の案件については先ほど説明があったように、システム上の問題が絡んでいるということで、性質的に若干違っていたということがある。ただ我々の委員会の中にも、当然ながら制度を所管している県土整備部の建設技術振興課の総括課長が参画しているので、一緒に進めているものと理解している。

【斉藤議員】
 昨年県土整備部で24件もミスして、入札決定後のミスもあった。その経験を分かっていたら、今度の対応はもっと正確にできた。それが全体のものになっていないからこんなことになった。だから、そういうことを全体で共有しないから矮小化してこういう検証委員会になっているのだと思う。そして、今度の対応方針を決めた副知事も両部長もいない。責任をとれる人がここにいないのはいけない。今までの経過からみて、責任ある人がここに出て、去年も含めこの間の経過を明らかにして、徹底して検証すると。そしてできるだけ早く解決するという風にしていただきたい。そういう姿勢を知事や副知事から示さないと信頼回復できない。