2012年7月5日 農林水産委員会
農産物出荷自粛、東電への賠償問題等に関する高田一郎県議の質疑(大要)
・農産物の出荷自粛のあり方について
○高田県議
農産物の出荷自粛の在り方についてですが、山菜の出荷自粛が行われました。ひとつの自治体で基準値を上回ればとにかくすべて網をかけて出荷自粛するということが本当に良いのかと本当に思っていますし、山菜などを出荷して生計を立てているそういう方々にものすごいダメージとなった訳ですが。出荷自粛の在り方についてどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。
○企画課長
出荷自粛の考え方ですが、これは国の方から示されています出荷制限品目の区域の設定解除の考え方によりましてJAS法の表示規定が県単位であることを考慮しまして出荷制限区域の設定は県を原則とするとなっています。ただし県、市町村等の管理が可能であれば県内を複数ブロックに分割できるとされておりまして、これを受けまして県としましては市町村単位で検体を採取して検査を実施しまして案件ごとに国と協議して市町村単位で出荷規制をかけています。
○高田県議
厚生労働省の考え方に基づいた対応ですから、食の安全という立場から出荷自粛だと思います。ただ一関では山菜を出荷している農家の方々は、市の検査機器できちんと検査をして20とか30ベクレルの基準値以内という事で出荷していた訳です。市内は合併をしてものすごく広い地域になった訳ですから、そのどこか一箇所で基準値を超えればすべて駄目にするというやり方が本当に良いのかどうかと思います。いま結構、高齢者のみなさんが少量多品目ということで、しいたけとか路地野菜とか山菜とか、そういったものを道の駅に出荷して現金プラス、この産直で生計を立てている人は沢山いるのです。ですから今回はしいたけから山菜も駄目という事で農家も大変になっているし道の駅それ自体も山菜を求めて沢山来ていた方が来なくなって道の駅全体の売り上げが落ちていると。そういう状況になっています。やはり厚労省の考え方も分かりますが、一方で産地を守っていくという事も大切ですので少なくとも旧市町村単位で出荷規制自粛をするとかそういった方向に逆に国に対して要求していくことが必要だと思います。これから秋、また山菜が出てくると思いますので一度自粛が出てしまうとその一年駄目になってしまいます。その辺どうでしょうか?
○副部長兼農林水産企画室長
我々農林水産サイドの行政は、例えば山菜を例に取りますと産地直売所できちんと検査されたものをお出ししてくださいといい注意喚起をいたしました。市町村の検査50ベクレルを超えたものは県が中立検査をします。そこの産地直売所で規制値を超えたものが販売されるということが野菜果樹全般に影響がおよぶとその事の懸念をして検査をしっかりしましょうと。この辺のところは委員と同じところです。一方で市町村を細分化して旧市町村単位でやりたいと厚生労働省と協議をするときに旧市町村単位でやることの合理性と言うところに議論が行きかねないので、そう言ったところを合理的な説明をしていく事になります。その場合は生産者と品目ごとの栽培実態があるわけですのでそういった栽培実態に応じて細分化できるものは細分化いただけないかというような議論は行えると思っております。
・降雹被害対策について
○高田県議
ひとつは先ほど説明頂きました農産物の生育状況などにつきまして果樹の降雹被害についての説明がありました。県南ではひとつの生産団地が壊滅的な状況になっている中でなかなか大変な状況になっているわけですがこうなりますと技術対策が中心になっていますがこれだけでは大変なのかなという想いがあるのですがこの間市町村と連携をしてどういった対応をしてきたのか具体的に示して頂きたいと思います。
○農産園芸課総括課長
りんごへの対応という事ですが降雹になってから被害が明らかになるまでに、すぐは色が出てきませんのでおよそ5日程度おいてから現場を我が職員も行って見ています。やはりひどい状況でございまして場合によっては出荷ができない物もありました。こうしたことから翌日から一関市と相談をいたしまして県と市で緊急薬剤防除、要するにそこから木がいかれないように。あるいは追肥による生育回復を実施することを決めていまして早ければ来週以降に助成をだす事が出来ると見込んでおります。
○高田県議
防除への支援とか融資等を開始したという事です。私もりんご農家でありまして、すぐ目の前で被害がありまして、私は難を逃れたのですが同じ同業者として非常に切ない想いをしております。実際、野菜や園芸作物とは違って収入が見込めなくとも来年に向けて摘果とか相当準備していかなければならない、通常よりも被害が大きい事によって人件費とかものすごいかかる訳です。一方では共済の対応も出来ないという中で何らかの支援策もいままでにない対策も含めてそれを超えるような対策を考えられないものかどうか。とりわけ果樹とかそういった物については特別の対応が必要だと思いますし近年こういった降雹被害では異常気象が沢山発生しているものですから対策が必要だと思います。その辺についてお伺いいたします。
○企画課長
いまお話のありました気象障害についてですが、今のところ共済の加入促進が中心になっていますがそのほかに自然災害により被害を受け資金繰りが悪化した方に対しますセーフティネット資金というものが利用してほしいという事も言ってございます。流通対策ではりんごの例で行きますと市場流通できないものに関しましてエクボりんごという事で販売をしたりする事がありますが市場流通できない物の販売支援なども含めて総合的な対策を講じながら足りないものについては現場の意見を聞きながらその際に検討してまいりたいと思います。
・東電に対する賠償の問題について
○高田県議
東電に対する賠償の問題で関連して質問をしたいと思います。
今なかなか賠償金が思うように毎月請求して毎月支払われないようなこういった中で、県も努力をして2月から4月分の請求に50パーセント支払いになったと。これは一歩前進ですが、しかし農家の大変な状況はこれで変わるわけではないと思います。さきほど部長の方からその間は資金繰りも大変で無利子の融資、つなぎ資金を用意したという話もありましたが、実際は農家に聞きますと東電の補償がいつどれだけ補償されるのか分からない中で融資というのはなかなか受けられないと、いうのが声なんです。このままの状況が続けば農家はどんどん離農していくと思います。川崎の道の駅に東電が来て説明を受けた時に、24年産のしいたけの賠償については今年できるかどうか分からないというんです。そういう説明をしています。私は先ほど大宮委員も話したように東電に強く迫るのはもちろんですが、おもいきって県が賠償を立て替えると。あとで来るのですから。そういった思いきった対策が必要だと思います。ここに来て農家の窮状をみて本当に強く思います。この点についてはいかがでしょうか?
○農林水産部長
東電の賠償支払いの件ですが基本的には請求をした翌月には支払いをして欲しいという事で東電には強く申し入れています。これからも申し入れていきたいと思います。賠償金支払いまでの間、県として資金をつなぐ、再生産をしていくための資金を用立てするという事を行って生産活動を支援してまいりたいと思いますが、県が一時立替したという事になりますと今度県が賠償請求を、賠償の根拠を示さなければならないという事になりますのでそういった仕組みで賠償請求としてはたして出来るかどうか良く研究させていただきたいと思います。
○高田県議
賠償の請求の対象となるように、賠償の対象になると思うのですよ。ぜひ賠償の対象となるように研究していただきたいという事を申し上げて質問を終わります。