2012年10月10日 農林水産委員会
高田一郎県議の質疑(大要)


・小水力エネルギー利活用可能性調査について

【高田県議】
 私は先程議論も交わされました、小水力エネルギー利活用可能性調査についてお伺いいたします。この事業は平成24年度から26年度までの五ヵ年事業ですが、21年度から導入可能性調査がずっとやられていまして今年度で計30箇所。ということです。やっと本年度の補正予算に概略設計ということで一箇所提案されました。これだけ21年から調査を行ってわずか一件ということでこれは何が障害と言いますか、課題になっているのかと言うことについてまずはお伺いしたいと思います。

【農村整備担当技監】
 小水力発電の導入に当たっての課題。何点かありますが、まず、五つほど挙げさせて頂きます。ひとつは施設を設置する場所がそれぞれ違うということで施設が必ずオーダーメイドになってしまうというような事で。施設が高あがりなものになるという事。それから水を流す期間がどうしても農業用水の場合は、かんがい用水、いわゆる夏場が中心なものですから、冬場の水が流れない期間、そこの部分がどうしてもロスになります。それから、3つめは、売電単価です。売電単価がこれまでは、10円まで行かない、7〜8円ぐらいでとどまっていたという事で非常に安かったという事。それから施設を設置するにあたって電気主任技術者などの様々な資格を要するも者が必要だったという事があります。それから農業用水特有の問題と言うことで落ち葉等の対策が必要だということで。どうしても小水力発電、発電するにあたっては、落差と流速と発電の期間と言うような3つの掛け算となりますので、この3つを見繕ってその上でMA]となるようにしたい訳なのですが、中々そこに至らないということがございました。

【高田県議】
 小水力発電につきましては本県は農業地域でありますから、非常に多く豊富に存在する訳ですが、これを、小水力発電エネルギーを進めて行く上で、今5つの課題がだされましたがこれを克服をして拡大をしていくという事が必要だと思います。この点についてどういった考えをお持ちでしょうか?

【農村整備担当技監】
 先程も答弁申し上げましたがやはり、今、地域の市町村、土地改良区の方々が小水力発電に対して思いを持っているのか?あるいは課題はどのようなものか?我々が一生懸命、普及、啓発をする段階にあると思っております。そういった事でそれぞれの農業用水路あるいは溜池というような県内には様々なエネルギーを生ずるような施設は沢山ある訳ですがその施設の中で例えば私の所の土地改良区はここの施設で発電したいけれどもはたして可能性が、あるかどうかの調査をこれまでしてきた訳です。調査をした結果を今年も含めて30箇所になる訳ですが溜池あり、ダムありそれから水路ありという事でバラエティに富んだケースで調査をしておりますので、そういったものを皆さんにお示ししながら、「じゃ、私の所は大丈夫なのかな?」、「可能性ないのかな?」そういった所を皆さんにお示しをするという事を進めてまいりたいと思います。それから国の方で様々、制度を出してきておりますのでそういった制度のPRも進めてまいりたいと思います。


・放射性物質畜産総合対策事業について

【高田県議】
 次に放射性物質畜産総合対策事業についてお伺いしたいと思います。これは原乳対策として50から100ベクレルの対象となる面積の2000haというご答弁を頂きました。これは7月20日だったでしょうか?除染工程表ですか、策定をして3年かけて除染を行うというという除染工程表をつくりましたよね。そのときには15000ヘクタールだったのですが今回の2000ヘクタールと言うのは、これはさらに15000から17000になるという事なのでしょうか?そうしますと工程表の見直しというのはどのような事になるのでしょうか?さらに長くなるのか、工程表のなかで最大に頑張るという事になるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

【畜産課総括課長】
 ただいまのご質問でございますが、今進めてございます15300ヘクタール牧草地再生対策事業。いま申し上げました、原乳対策の分も同じ事業の中に含まれているのですが、ご案内の通り15300ヘクタールの事業主体については農業公社さんで進めるという事で。現地工程会議等々が主体となりながら進めていると。これに対しまして原乳対策の分母であります2000ヘクタールにつきましては先程、答弁させて頂きましたが、事業主体は農業団体へお願いをしているところであります。今後、先程も言いましたが農協さんとそのあたりは、詰めていって別枠で。当然、畜産農家さんも対象となりますのでどういった工程表の組み方が可能なのか、これから詰めて行きたいと考えてございます。

【高田県議】
 これまで課題となっておりました、いわば機械の入らない耕起不能箇所の除染についてですけれども、県は除染プロジェクトチームを作って様々な、放射性セシウムを吸収抑制する実証試験とか様々な対策を今、とっているところだと思います。最近の新聞でも、トウモロコシの芯の活性炭をつかって牧草地の除染を実証したという研究成果も顕れております。現時点での研究成果の到達点といいますか、今後の活用とか、そのようなことを含めてどのような事を考えているのか、お伺いしたいと思います。

【畜産課総括課長】
ただいまご質問のございました機械の入らない耕起不能箇所に対する今後の対策等々にでございますが、これらの対象となります除染につきましては今般の定例議会の中でも答弁をさせていただいた通り、県のプロジェクトチームが言っているように土壌改良資材や土壌へのカリウム、ゼオライト投入による牧草への放射性セシウム吸着抑制の実証試験なり、あるいは国や他県でも同時に実証試験を進めてございますので、これらも参考にしながら除染対策を進めてまいりたいと考えてございます。


・原木シイタケの経営緊急対策事業について

【高田県議】
 次に原木シイタケの経営緊急対策事業についてお伺いしたいと思います。
昨日の一般質問でも質問をいたしましたけれども、今回の補正予算にほだ場の環境整備ということで予算計上されております。ほだ場の除染という事になりますとやはり、これから冬に時期になりまして、ほだ場に雪が降ってしまいまして春のほだ場の除染という事には中々ならないと思うのです。そうしますと年内、10月とか12月とか、そういった時期のほだ場の除染になるのではないかと思うのですね。そうしますと、その前にはさらに汚染されたほだ木等々の移動、集積。こういったものもやらなくてはいけないと。かなり急がなくては行けないスケジュールになると思います。そういったスケジュールを県としてどのように把握しているのか、その点についてまずお伺いしたいと思います

【林業振興課総括課長】
 先程お話をしましたように、本年度と来年度、二ヵ年に分けて実施するという様にお答えいたしました。そこの部分を含めての考えかたで御座います。基本的に本議会で予算を認めて頂くと原木の準備と平行して、原木の処理と申しますか、除去と申しますか。失礼しました、ほだ木の除去を行うわけです。10月頃からほだ木の処分、落葉層の除去を平行して行うという事をまず考えております。そして25年度事業として、同じように4月から7月までの間にほだ木の除去、落葉層の除去を行って、そこに新たにほだ木を。という事で二段階に分けて実施するという事で考えております。

【高田県議】
 生産農家のお話を聴いたり、現地に行ってみますとですね、この落葉層の除去と言うのはなかなか生産者だけでは対応できないと。だいたい置く場所がないと。いうことで。まあ農家個々の判断になろうかと思いますが、かなり生産者の自力でだけでは対応できないと。場所の問題も含めてですね。出来ないと思います。一時保管場所の設置。やはりこの設置と言うのが、非常に重要になってくるのではないかと思います。そういった点で農家の判断に任せないで、行政がかなり強力にバックアップして対応していかないと、結局、ほだ場の除染もですね進めていくことが出来ないのではないかと思います。その辺についての行政の支援策、これについてお伺いしたいと思います。

【林業課総括課長】
 そういったことを踏まえまして今回の事業については実施主体を市町村として、市町村に対しては10分の10補助をするという仕組みを考えているところで御座います。