2012年10月17日 決算特別委員会
環境生活部に対する高田一郎県議の質疑大要


・災害廃棄物の処理状況について

【高田県議】
 私はまず最初に災害廃棄物の処理状況についてお伺いいたします。災害廃棄物についてはご案内の通り3年間で処理をするということで折り返し地点に来ております。当初の目標30パーセントに対して現在、全体の処理量は17パーセントと言うことがこの間明らかになりました。
 今後の見通しについてお伺いしたいと思います。特に広域処理ですね、残る47万トン程ですか、あると思うのですが受け入れ表明済み、あるいは試験実施済みの自治体の中でも、例えば大阪市などでは新聞報道によると訴訟などもおきていると言う話もされて、足踏み状況になっていないのかなという。そういう心配もある訳ですけれどもこの広域処理もですね、スムーズに行っているのかどうか、この点についてもお伺いいたします。

【災害廃棄物対策課長】
 災害廃棄物の処理の見通しについてでありますが、木くずなど可燃物については県内処理施設の受け入れが、ほぼ計画通りなっておりましてまた広域処理が本格化してきたことから期限内の処理の見通しがたったところであります。今後は土砂系不燃物や津波堆積土などについて復興資材の活用を進めていくことで期限である平成26年3月までの完了を目指して参ります。次に広域処理の実施状況についてでございますが、現時点で4万トン処理をしております。本格処理に進んでいるのは一都六件、18の市町村と一部事務組合も含めて18市町村等です。試験処理が済んでおりますのが2件の3市でございます。まだ試験処理にいたっておりませんが受け入れ予定をしておりますのが大阪府、それから7つの県、14市町村ということでございます。現在、これらの自治体と調整を進めてできるだけ早く広域処理が進むように進めてまいります。

【高田県議】
 広域処理については一定の目途がたったと言う事でありますが、被災地からすれば、本当に放射能問題などもあり受け入れ表明をしても住民の皆さんから反対運動が来るとか、本当にさまざまな苦労があると思うのですがスムーズに広域処理が進むように担当部局においては、引き続きご尽力いただきたいと思います。今やはり問題となるのは、津波堆積物をどうするかと言うことだと思います。特別委員会でも数を示されましたけれども130万トンの津波堆積物の8割が復興資材として活用・検討しているということですが、8割の津波堆積物を活用できるという事ですけれども、実際に活用できるかという見通しですね、もうひとつは残る不燃物。この処理を具体的にどうするのかと言うことについてもご答弁いただきたいと思います。

【災害廃棄物対策課長】
 復興資材としての活用の見通しについてでございますが、6月に策定いたしました復興資材活用マニュアルに基づきまして構成比や有害物質の含有状況について分析をさせていただきました。その結果、復興資材と十分活用できるということが確認できております。そうした情報を踏まえまして公共事業の担当部局と調整し先般、10月12日からでございますが、宮古農林振興センターの工事でございますが、宮古市せったいの防潮林復旧工事に19000?、約3万トンの活用を開始した所であります。引き続き国や県庁内の関係機関と連絡調整のばを設けまして復興資材としての活用がますます図られますように取り組んでまいります。残る不燃物の処理に関してでございますが、復興資材化した津波堆積土から利用できない、不燃物も生じるところでございます。これらにつきましては、太平洋セメント大船渡工場や安定型最終処分場、県内にいくつかございますが、そういったところで処分いたしまして最大限県内で処理をしようと考えていところでございます。

【高田県議】
 津波堆積物については復興資材として活用はできるけれども、今後復興資材として活用できるかどうかは、まだまだ確定したものではないと思いますので関係者と協議をしながら十分に活用できるように頑張っていただきたいと思います。残る2割の復興資材のいわゆる不燃物の処理ですけれども、県内の最終処分場に処理をするということだと思います。同時に漁具とか魚網の処理も、これは資料を頂きましたけれども5万4千百トンということですけれども。この処理をどのようにするかと言うのも今後の課題だと思うのです。それからこういったものが例えばどういう処理の仕方をするのか、あるいは最終処分ということになると今度は最終処分場にキャパの問題が出てくるわけでありますから、この問題についてどのように対応されるのかお伺いいたします。

【災害廃棄物対策課長】
 漁具でも特に魚網の部分につきまして裁断がきわめて困難。丈夫にできていると言う事でございまして処理が進んでいないという状況になっております。
 現在、沿岸市町村や関係事業者さんと連携・協議をしながらまず県内処理について進める努力をしておりますがそれでも処理ができないもの、一部もう既に山形県の最終処分業者などにお願いをしている部分もございますのでそうった部分につきましては、環境省にマッチングをお願いをして迅速かつ円滑な処理が進むよう努めて参ります。

【高田県議】
 この漁具、漁網とか、津波堆積物は最終処分場で処理できると。キャパの問題は大丈夫ですね。最終処分場の。漁具・漁網の点についてはできるだけ県内で最大限処理をしたいということでありますけれども、これも早く見通しをつくってですね。後になってやはり県内で処理できないのだと。だから広域でお願いをしたいのだという事にならないように、その状況を実態を調査して明らかにして県内でできるのかどうかを早く明らかにして広域で処理をしなければならないのであれば、国とも早く協議をして対応をしていくべきだと思うのですが、そのへんについてお伺いいたします。

【災害廃棄物対策課長】
 環境省とは、既に内々でお話合いをしているところですが、まずは自分の岩手県で処理を努力したうえで処理できないものについてはよその県にお願いするということで基本考えておりますので。平行して進めているところでございますが、まずは県内の処分場、あるいは処理施設で処理を検討して言う事であります。
 最終処分場のキャパにつきましては、復興資材として取り出した物のそれ以外の部分につきましては、管理型最終処分場へ行くものと安定型最終処分場に行くものがございます。それらにつきましては、安定型最終処分場につきましては結構ございますのでなんとか岩手県内で処理は可能だというように思っております。安定型最終処分場に行く物につきましては岩手クリーンセンターの能力が十分にございませんので市町村などのご協力を頂きながら不足する分につきましては、広域処理をお願いをして行くということで。すみません管理型最終処分場の部分については、岩手クリーンセンターと不足する部分については市町村の最終処分場、そしてそれでも駄目なものについては、県外の広域処理をお願いをするというようなことで進めてまいります。

【高田県議】
 漁具・漁網については処理については県内で最大限処理をしたい話でありますけども広域処理に頼らざるえない場合は、結論を早く出して頂いて、早い対応をお願いしたいと思います。
 
 
・農林業系副産物焼却について
 
【高田県議】
 次に農林業系副産物焼却についてお伺いいたします。前段に県南の委員の皆さんから沢山の質疑が行われました。話を聞いていて、なかなか複雑で根の深い問題で簡単に処理できないのかなというような感想を持ちました。いま、市町村・自治体が非常に難儀しているのは、国がやっぱりきちんとした処理の方法を示せない。そういう中で、非常に難儀しているのかな?と思います。そういう中で県が、農林業系廃棄物を一般廃棄物と混合処理をするというような、こういう方針は今ある制度のなかで現実的な対応だと思います。
 そこでお伺いしたいと思いますが、24の自治体、焼却処理しなければならない自治体。この中にも焼却処理できる自治体とできない自治体があると思うのですが、現時点で市町村ごとの処理状況の検討状況、もし分かれれば示していただきたいと思います。

【資源循環推進課総括課長】
 市町村の検討状況でございますが、24市町村中,22市町村で検討という事で。当初、すきこみなどを検討した市町村もあると聞いております。その後、すきこみ等で新たに出てきたものが再汚染されるという風な知見等もあって、今、22の市町村でおそらく焼却に向けて検討が進められているものと承知しております。

【高田県議】
 24市町村中、22市町村が焼却処理の方向で検討をしているということです。これはやっぱり住民の理解がどうしても必要です。ほかの自治体に持っていって焼却処理できるというものではありませんから、やはり何といっても住民の皆さんの協力が必要です。その上で県の皆さんも市町村、自治体の皆さんと一緒に汗をかいて住民合意になるようにぜひ頑張っていただきたいと思います。残る焼却できない市町村が2つあるということですが、これはどういう理由でなかなか難しいということになっているのでしょうか?

【資源循環推進課総括課長】
 残る部分につきましては、発生量が非常に少ないとか、汚染レベルが低い、物理的減衰より問題ないレベルになるというようなところもございますので、そういった市町村のご判断だと思います。

【高田県議】
その2つの自治体というのはどこの自治体ですか?

【資源循環推進課総括課長】
 検討中ということで先ほど申し上げました通り、具体的にはこちらで把握しておりませんが、いずれ汚染濃度の低い、そして量の少ないところだと。焼却処理やらなくても良いところだと考えております。

【高田県議】
 24市町村中、22市町村で焼却処理できるという答弁いただいたものですから、具体的に聞いたら把握をしていないとはどういうことですか?

【環境生活部長】
 この問題については放射性物質という事が裏にありまして非常に取り扱いについてですね各市町村と慎重にされている部分がございます。今後、我々とすれば24市町村がすべて焼却処分に向かうように努めたいということもございますので、現時点で検討中という部分もあろうかと思いますので、名前についてここで公表することは如何かと思いますので、
その辺はご了解いただければと思います。

【高田県議】
 例えば、私の住む一関市では2箇所の焼却施設を持っているのですが、実は焼却処理を進めているという事になっているのですが、実は2箇所のうち1箇所については焼却処理をしているのですがこれはあくまで試験焼却であって住民との関係では、それ以上処理は住民合意はされていないんですね。もうひとつは、築30年以上もすぎて老朽化していますし、いま現在でも一般廃棄物から8000ベクレルを超えるような焼却灰が出ていて、なかなか焼却処理が出ていて焼却処理できない状況になっているんですよね。こういう自治体への支援というのは、どのように考えているのでしょうか?

【資源循環課総括課長】
 いま具体的に一関市と名前がでましたが、確かに焼却灰の中の放射性セシウム濃度が、どうしても春先には高くなったりと言う事がございます。今、関係事務組合さんの方でも色々お考えのようですので、事務組合さん、市役所さん等のご意見を、今伺っているところでございます。

【高田県議】
 先ほどもお話した通り、なかなか簡単には行かない複雑な問題だと思うのです。その自治体でどういう処理方法が一番良いのかということを良く考えて国に、平時ではありませんので地域の実情にあった処理方法ができるような提案をして国に対しても対応していただく、そういった対応をぜひしていただきたいと思います。特に一関市の場合は、先ほどお話したような焼却施設の状況になっております。これは、早く現在の焼却施設をしてですね、そして新しい施設で今後焼却したいという住民の皆さんの声も実は、あります。
 しかし、ごみの広域化計画によってなかなか前に進まない状況になっているんですね。これはダイオキシンのときに、社会問題になったときにいわば焼却炉を減らして広域処理を行えば、ダイオキシン対策になるということで始まったのですが、なかなか今、実態に合わない計画になっています。私はこれは非常に実態に合わない計画でありますから、これは、やっぱり見直しをして単独でも処理できるような、そういう対応をして早くこの問題が解決に向かうような対応をしていくべきだと思います。この広域化計画に乗らない限り焼却処理場を作っても補助金がもらえない、建設ができないという問題もありますのでこの改善を求めたいと思うのですが如何でしょうか?

【資源循環課総括課長】
 ごみ処理広域化計画につきましては、10年度に策定した計画でございますが新たな制度の創設や社会情勢の変化によりごみ処理状況に変化が生じた場合には必要に応じて見直しを行うという事にしております。この計画策定以降におきましてごみ処理施設を大切に長期間使用するという、いわゆる長寿命化の考えかたというものが打ち出されましてこれに必要な交付金制度等も整備されていますし、また一関等をはじめとします県南ブロックに関しましては福島原発事故に伴う放射性物質汚染により、廃棄物施設の整備等にも影響が生じかねないが生じておりますので計画を進めるにあたりまして、これらの状況の変化を考慮する必要があると認識しているところでございます。そうした事からごみ処理広域化の目的が廃棄物処理事業のコスト低減ですとか、廃熱未利用エネルギー有効利用ですとか、リサイクルを推進、そういった大切な目的は、引き続き実現を目指すべきものですからそれを堅持しながら県南地区と県央地区の2ブロックに対してごみ処理施設の段階的な集約や、これに必要な既存施設の長寿命化等について社会情勢の変化を踏まえて対応する必要があるのではないかということで現在、ご意見を伺っている所でございます。