2012年10月17日 決算特別委員会
政策地域部に対する高田一郎県議の質疑大要


・JR大船渡線、山田線の復旧について

【高田県議】
 私はJR大船渡線、山田線の復旧についてお伺いいたします。復興調整会議がこの間、五月からですか未開催になっております。この要因についてはいったい何なのかということ。それから東日本大震災から1年7ヶ月たちましたが、いまだに鉄路の復興の見通しが立っていません。そういう状況のなかで被災地のいわゆる復興計画とか、あるいは住民生活への影響ですね、先ほどは震災後と比べるとバスが増便したとの答弁がありまおうしたが住民生活について具体的にどういう影響がでているのか。この点についてお伺いいたします。

【交通課長】
 復興調整会議が5月以来開かれていない原因、要因は?という事であります。復興調整会議 は国が被災路線ごとに設置、運営しているものですが、県としては時間を置かないで早期に議論を加速するように会議を早急に開催するように要望していたところであります。
 しかしながら5月の第3回の開催以降会議が開かれていなかった訳ですが、この理由につきましては大船渡線、山田線の両線における鉄道普及までの代替交通の確保の検討が先行優先されたということが理由だと聞いております。
 なお、国に対しては引き続き会議開催を要望しておりまして近日中に第4回目を開催するということで、今、日程調整がなされているところであります。また、鉄道復旧の遅れによるまちづくり計画のへの影響等についてでございます。これは鉄道復旧の方針決定そのものが遅れますと市町村の土地利用等の街づくり計画に生じる懸念があると考えております。また、復旧そのものが遅れますと列車に比べてバスの場合、非常に長時間の移動になるというようなこと、それから渋滞等により定時性が確保されないで、例えば学校の就業時間に間に合わないとかそういったことが発生するということも懸念されているところでございます。

【高田県議】
 復興構想会議が遅れて開催できないということはわかりましたが、私は具体的な影響についてお伺いしたのです。これは新聞でも報道されていますけれども山田とか宮古では当初、計画した街づくり計画を変更せざるをえないという報道もされていますし、また陸前高田などでは実際、気仙沼などに通学などができなくなって、寮生活をしなければならないとか、あるいは、大船渡高校では親の送迎が2割から4割に増えるとか具体的な影響がでている訳ですよね。私は懸念される中身ではなくて具体的に被災自治体の復興計画や住民の生活にどう具体的に鉄路の復旧が実現できないなかで具体的にどんな影響が出ているのかということを具体的にお伺いしたので、具体的な中身についてお示しいただきたいと思います。
 
【交通課長】
 沿線の各市町村におきましては、それぞれ影響が出ているというように理解をしております。例えば宮古市におきましては、藤原地区におきまして避難路の計画を3つほど計画しておりますが、鉄道復旧が示されないことから国の財源等が決まらないというようなことで計画そのものが一旦棚上げになっているというような事例もございます。そういった事例が各市町には、出てきているという部分がございます。それから具体的に通学生等につきましても十分なバス、特に大船渡地区、高田地区でございますがバスの水準が低いために朝の課外授業でありますとか部活の帰りの時間に間に合うようなダイヤがないとか、そういったことによって、その人数の生徒さんが十分に課外授業や部活に参加できないというような事がございます。そういった部分につきましては、これまでも順次、各高校の状況等を把握しながら、交通事業者と調整しながら一部は改善をしてきていますが、まだ改善出来ていない事案もございますのでこれから、各市、町あるいはバス事業者等ともしっかりと連携をしながら早急に解決できるように支援をしていきたいと考えております。

【高田県議】
 今課長が答弁をしたように鉄路復旧の遅れによって復興計画とか、あるいは変更せざるをえないそういう事態、そして住民の生活にも大変な影響が出ている訳ですね。大体、東日本大震災から1年7ヶ月たって、復旧計画が決まっていないなんて事は、おそらくJRぐらいじゃないでしょうか? 
 部長こういう大変な状況が出ている今のJRの対応について部長自身どうお考えでしょうか?

【政策地域部長】
 県としては一日も早い鉄路の再開をこれまでも求めてまいりましたし、私自身も一日も早い再会をするように努力を引き続きやっていきたいと考えております。先ほど色々お話がありました。通勤・通学で非常に沿岸の方々が困難を極めているという状況をお伺いしておりますので、引き続きこの問題はJR側、また一定の財政支援をJR側は求めておりますので、それについては国に対しても粘り強く要望してまいりたいと考えております。

【高田県議】
 JRや国に対してしっかりと早期復旧できるように強く求めて引き続き対応していただきたいと思います。それで一般質問でも質問しましたが、なかなか良く理解できないところがあるのですが、JRが鉄路の復旧を明言できない具体的な理由ですね。これについてもう一度お伺いしたいと思いますし、知事の答弁ですねJRはまちづくりに合わせたかさ上げの費用について、JRは国に対して財政支援を求めているという答弁でした。つまり国の財政支援があれば、そういった見通しがあればJRは鉄路での復旧。これもやらざるをえないというそういう状況になるのかなと思うのですが。JRの責任でこの問題を解決しなければならないと思いますが、国の責任も非常に問われているのではないかと思います。私はかさ上げの分については、国がしっかりと責任を持つから鉄路での復旧をぜひやって欲しいという、国の姿勢が大事なのではないかと思います。現時点では、そういう状況にないのではないかと思うのですが、その点については如何でしょうか?

【交通課長】
 JR東日本が鉄路での復旧を明言されていない理由というという事でございます。JR東日本おいてはですね、3つの課題を提示しております。1つ目は津波時の安全性の確保、2つ目は街づくりとの整合性、それから財源の確保の問題。この3つの問題が解決されないうちは復旧の見通しを明言できないという事でございます。
 現在におきましては3つの課題について関係者でその課題解決むけて調整をはかっているところでございますが、まだこの3つの状況がすべて解決されているという状況ではありません。それから国の支援の部分につきましては、これまでも国に対して復旧をふくめて街づくりの支援をという事でお願いしてきておりますが、国においてはJR東日本が黒字企業であるという理由から、黒字企業に対する財政支援は出来ないという考え方でございますが未曾有の震災でございますし、まさしく国家的なプロジェクトのなかで、復興が進められている中で復興の観点から財政支援を求めているという状況でございます。

【高田県議】
 私はこのJR問題については、第一義的にはJR東日本が負担すべきであってJRの責任で復旧すべきだと思うのです。ただ、国が言うように国は黒字だから、上場企業だからなかなか財政支援は難しいんだと。こういう事を言っていたらなかなか前に進まないと私は思います。この点ついてはいかがでしょうか?そしてもうひとつは、先ほど佐々木朋和委員から指摘、質問がありましたように大船渡線の気仙沼から陸前矢作間の間の400mの区間の復旧問題ですね。これは地元の方々も再開をして欲しいという強い要望もあるますけれども、なかなかこれについてもJRは答え切れていないというのが現状であります。
 これについては、やはりその地元の皆さんからすればせめてそこまで再会して欲しいと。そこまで再開をすれば、希望がこう、見えてくるんですよね。地元としてはね。なかなかその希望が見えてこないと。そういう点でJR側の主張にもあるように、再開の条件である
津波の安全性とか、あるいは復旧費用の課題の問題とか、そういう事を考えてもせめてこの区間は、JRの主張からしてもこの区間の再開というのは私は実現できるとおもいます。
 これからの復興調整会議などでも、強くもとめて行って欲しいと思いますし、同時にこの問題を解決するのは、復興調整会議だけでは、なかなか解決できないのではないかなというふうに思います。この復興調整会議というのは、どういうメンバーでどういう権限があるのかこの点についてもお伺いしたいと思います。私はそれを超えて、高いレベルでの協議ということが必要になってくると思います。鉄路の復旧というのは市街地再生の柱であって通院や通学、観光などのいわば住民のくらしに直結する。この復旧なくして市街地の再生はないと、復興はないと思いますので、ぜひそう言う立場で取り組んでいただきたいと思いますがその点についてご答弁いただきたいと思います。

【政策地域部長】
 前段のご質問については私のほうからお答えさせていただきます。財源問題につきましては、今我々としては、色々なルートで国、JR側とも高尚させていただいております。国からの財政支援の問題については一定部分を復興交付金を入れていただけないかといったお話も含めて、これは国の方ともお話をさせて頂いております。我々といたしましては、そういった事で風穴をあけましてこの鉄路再開に向けてなんとか歩みを前の方に進めてまいりたいと思っておりますので引き続きこれについては全力で取り組んでまいりたいと考えております。

【交通課長】
 気仙沼から陸前矢作までの先行再開についてでございますが、これはJRが提示している課題については、クリアできるものだと県としては認識しております。今度の復興調整会議等においてはこの議題、議論をしっかりやっていきたいと思います。それから復興調整会議のメンバーについては、国、県、市町村、それからJRというような事で関係者の担当課長レベルの会議でございましてまちづくりと鉄道の復旧についての調整を行うという会議でございます。こういった会議、会議と会議の間の個別の調整というが非常に重要でございますので、こういったものを勢力的に進めながら課題解決に向けて努力をしていきたいと考えております。

【高田県議】
 最後にします。何度も繰り返すようにこの鉄路の復旧なくして市街地の再生、そして復興は前に進まないという、そういう状況ですから全力を挙げてこの問題を取り組んでいただきたいと思います。BRTのルート、料金、実施時期についてでありますが、やはり実態に合ったルートを、バスの運行をしなければ結局利用者が減って鉄路の復旧にも大きな影響を与えるわけであります。そういった点では、先ほど交通課長が地元としっかり協議をしてしっかりと対応していかなければならないと思いますが、現時点でルート料金などについてどのように考えているのか、この点についてお伺いして終わります。

【交通課長】
 BRTの運行につきましては地元の利用者の利便性が確保されなければならないと考えておりまして、地元も意見等十分反映できるようにJR東日本と協議・調整を進めてまいりたいと考えております。