2012年12月12日 12月定例県議会・最終本会議
「福祉灯油の早期実施と拡充、石油製品に関わる国への価格高騰対策及び適正価格と安定供給のための監視・指導の強化を求める請願」の不採択に対する反対討論


 日本共産党の高田一郎でございます。
 議案53号の請願不採択の委員長報告に反対討論を行います。請願53号は、灯油価格高騰の要因になっている原油への投機マネーの流入について、日本が率先して各国と連携して規制を行うこと。国内の石油元売業者に対し、価格や供給に関し監視や指導を強め、石油製品の適正価格と安定供給のための行政の責任や役割を果たすことを国に求める請願であります。
 灯油を含む石油製品の高騰は消費者のみならず、デフレ不況下にあっては国民の暮らしと地域経済を直撃し日本経済全体の先行きにとっても重大な問題となるものです。今年度も被災地限定ではありますが「被災地福祉灯油特別事業」が行われましたが、原油価格高騰の原因にこそメスを入れることが必要です。
 ヘッジファンドなど短期的な利益を目的とする膨大な投機資金が原油市場や穀物市場に大量流入して価格高騰をもたらしていることは今や明らかです。需要を反映しない投機筋と背後の巨大金融機関が市場価格を乱高化させ、価格つり上げで巨額の利益を得ています。その背景には、新興国の需要拡大、米国の石油精製設備の供給力不足、中東情勢の不安定化です。食糧やエネルギーという人類の生存と経済社会の基盤を「市場原理」「マネーゲーム」にまかせることはできません。投機規制を求める動きが各国で広がっている中で、日本政府が率先して各国と連携・協調して国際的な投機を規制するルールの確立と安定供給に向ける取り組みを求める請願の趣旨は当然です。
 同時に、国内においては政府の規制緩和・自由化政策の下で石油元売グループの寡占化が進み石油製品の精製、流通の市場支配を強めています。需要期になれば、灯油価格の高騰など一方的な値上げが行われ、大手石油元売会社が巨額の利益をえています。
 この間の石油・エネルギー政策の規制緩和「市場への不介入」方針を見直し大手元売会社に対して原油差益を国民に還元させ、製造原価、卸値などの費用価格の情報公開及び国民に対しての説明責任を果たさせることが必要です。大手元売会社は、空前も儲けを上げているもとで政府が迅速・有効な対策を講じることこそ必要です。市場への不介入による弊害が価格と供給に影響を及ぼしているだけに、石油元売会社に対し監視や指導を強めて適正価格や安定供給のために行政が責任を果たすことを求めるべきは当然であります。
 以上が反対する理由であります。ご清聴ありがとうございました。