2013年3月8日 予算特別委員会
議会事務局に対する質疑(大要)
・政務調査費返還請求事件について
【斉藤委員】
最高裁への上告は受理されたのか。
【議会事務局長】
県では、上告受理申し立て書を平成23年10月13日付で最高裁に送付し、最高裁からは、平成24年2月9日付で記録到達通知書を受け取っている。現時点で、上告の受理・不受理の決定通知は届いていない。
【斉藤委員】
そうすると、文書の到達はしたと。しかし受理したかどうか分からないと。これは1年以上経過して分からないと。これはどういうことか。弁護士は何と言っているか。
【議会事務局長】
今後の見通しだが、これは最高裁の判断であり、県としては把握できないものではあるが、最高裁が作っている報告書によると、上告審記録受理から、上告自体の受理または不受理の決定まで、短いもので3ヶ月以内、長いものでは2年を超えるものがあるということで、慎重に検討されているものと認識している。
【斉藤委員】
いずれにしても、まだ受理もされていないのが実態だと思う。
・議会棟の禁煙について
【斉藤委員】
全国の都道府県の禁煙措置、都道府県議会の禁煙措置―これは受動喫煙防止措置で良いと思うが、その実施状況はどうなっているか。
あわせて、全国議長会は、議会棟の受動喫煙防止において、どういう見解・対応をしているか。
【議会事務局長】
平成24年8月の厚労省の調査では、一般県庁舎において、敷地内禁煙は大阪府のみ、建物内禁煙は岩手県など31道府県、建物内分煙は福島県など15都県となっている。
都道府県議会では、平成24年5月の青森県の調査によると、敷地内禁煙は大阪府のみ、建物内禁煙は福井県など10県、建物内分煙は岩手県など36都道府県となっている。
議長会では、禁煙措置等については協議等はされていない。
【斉藤委員】
国会の控室の受動喫煙防止対策、さらには厚労省の受動喫煙防止対策をどう受け止めているか。
【議会事務局長】
国会における禁煙措置状況だが、先日衆議院事務局に確認したところ、議事堂内は原則禁煙であるが、喫煙スペースを設けているとのこと。政党控室については、政党の判断に任せているということである。
厚労省で健康増進法第25条に規定されている受動喫煙防止については、平成22年2月25日付で、官公庁や医療施設においては、全面禁煙することが望ましい等の内容を、また平成24年10月29日付で、受動喫煙防止の徹底を図るよう各都道府県などに促しているところである。
【斉藤委員】
受動喫煙防止対策、いま答弁あったように、平成22年に厚労省から大変詳しい通知が出され、実は厚労省から去年今年と続けて受動喫煙防止の徹底についてという通知が出ている。ここでは、「不特定多数が集まるところ、官公庁は全面禁煙にすべき」だと。
県議会というのは、県民に開かれた、控室といえども開かれた施設だと思う。そういう点では、本来全面禁煙の措置をとるべきではないか。
今度の議会でも、ガン対策が積極的に議論された。国のガン対策・県のガン対策の第1位は、喫煙対策である。その具体化として、やはり官公庁は全面禁煙にすべきだと。そして喫煙率も二十数%から12%にこの10年間で下げると。これが国・県のガン対策である。ガン対策を県議会が推進するのだったら、率先して県議会が全面禁煙に踏み切るべきだと思う。
控室といえでも、不特定多数の人が請願などで立ち寄る、県民が立ち寄る施設だという認識はあるか。
【議会事務局長】
健康増進法で規定している官公庁施設には、国の見解では国会等も含まれるということなので、いわゆる議事堂も含まれるものと認識している。
本県の経過だが、平成22年から議会運営委員会で検討されていたが、震災の発生にともない実質的な協議は中断されている。
【斉藤委員】
先ほどの答弁で、議会棟は分煙と言われたが、分煙になっていないと思う。議会棟は分煙の施設がないのだから。本庁はちゃんとした喫煙室を外に設けている。議会棟は設けていない。これは厳密にいえば分煙にならないと思う。きちんとした対応、分煙にするのだったらきちんと分煙にすべきだし、議会棟施設内は受動喫煙防止を県議会が先頭に立って実施するという意味で禁煙の対策をとるべきである。
経過は今答弁の通り、震災の前に議運で議論されていたが中断した。委員長にお願いしたいのだが、去年の決算でもこの問題を取り上げ、当時の議運委員長は今の議長である。今回の予算特別委員長はもっとも県議会でガン対策を取り上げてきた高橋さんである。きちんと議長に申し入れをして議論を再開するようお願いしたい。
【予算特別委員長】
ご意見としてお伺いしておきます。
【斉藤委員】
経過からいって、議論が中断したということなので、まったく新しくやると言っているのではない。本当に県議会のガン対策の真剣さが問われる。そして議会基本条例で、県民に開かれた議会を実践すると、そういう立場で、きちんと世話人でも協議し議長に申し入れるようにしていただきたい。
ガン対策に県議会がどう対応しているか、受動喫煙防止というのは国際的な条約、健康増進法第25条に基づいて、全国・県庁・民間の職場を含めて取り組んでいる問題である。本来先頭に立つべき県議会が、受動喫煙防止の対策を放置していていいのか。
例えば、今議会控室には臨時職員さんが配置されている。この方々は毎日のようにそういう被害を受けている。そういう問題を解決もせずに、ガン対策が語られるのか。
・議会図書室の充実について
【斉藤委員】
震災関係の図書、地域新聞、被災市町村の記録や広報、各団体の記録集など、ぜひ収集してほしいと昨年の決算委員会で要望した。かなりそういう努力がされたと思うが、収集の状況、さらには来年度どういう方針で引き続き取り組まれるか。
【議会事務局長】
震災後の図書収集方針においては、震災からの復興に関する資料を第一として収集することとしており、平成25年2月末までに収集した震災復興関連図書、これは各団体が発行している記録集を含め305冊となっている。これについては、来年度以降も、震災関連図書の充実に努めていく予定である。
地域新聞だが、これは復興を支援する観点で貴重な情報源であると考えられることから、昨年10月から大船渡地区の東海新報や復興釜石新聞、大槌未来新聞、釜石地区のコミュニティ情報誌であるフライキなどについて配架している。
広報誌については、現在収集していないが、要望があれば図書室でご覧いただけるよう、各市町村に提供・依頼するなど手続きを進めていきたい。