2013年3月13日 予算特別委員会
環境生活部に対する高田一郎県議の質疑(大要)
・放射能汚染対策について
【高田県議】
私からは、放射能汚染対策ついてお伺いいたします。すでに質疑が交わされましたので、重複しないように質問したいと思います。まず、放射能汚染対策では汚染状況重点地域の状況についてであります。この間、学校、幼稚園、保育園、公園ほどの除染が行われましたが、この実施状況、除染効果についてお答えいただきたいと思います。
【玉懸総括課長】
県南3市町におきましては、除染実施計画にもとづきまして今年度、子供が長時間生活する小中学校、幼稚園、保育所、児童館、その他公共施設等の除染を実施しておりまして、対象となる計145施設のうち7割近くで除染が完了しております。未完了の箇所につきましても雪解けを待って除染を進めると聞いております。除染の効果につきましては、学校校庭グランドの面的除染を実施したことによりまして、施工前に毎時0.23シーベルトであったものが施工後に毎時0.1マイクロシーベルトとなるなどの効果が確認しております。
【高田県議】
除染効果が現れているということでありますが、この一年近く除染をおこなってきて公共施設で7割程度しか除染が進んでいないということですが、この遅れている理由について県として理由を捉えているのか。もうひとつは、一関、平泉、奥州それぞれ新年度、一関では8月ですか。その他の自治体においても新年度内にですね。この除染作業をそれぞれの計画を作っております。これを進めていく上で、現在の課題と来年度の除染計画というのはどうなっているのか。この点についてもお示し頂きたいと思います。
【玉懸総括課長】
まず、平成24年度の除染の遅れの理由でございますが、今年度は積雪のために作業が今とまっておりました。雪解けをまって再開し、完了する予定でございます。つぎに来年度の実施計画と課題でございます。県南の3市町におきましては、今後、詳細な測定結果に基づき住宅等の除染を行うこととしておりますが、空間線量率の調査方法、具体的な調査方法、住民の協力など検討すべき課題があることから、県としましても3市町との合同検討会のなど開催するなどして協力していきたいと考えております。
【高田県議】
先ほど、佐々木委員の質疑の答弁の中で学校などへの現状復帰について支援策が無かったわけですが、国に要請した結果、補助制度を拡充になってさかのぼって対応したいという話でありましたが、市町村負担というのは、無くなるのかという事をひとつお聞きしたいと。二つ目に、新年度は本格的に事業所、及び住宅などの除染作業がはじまるわけですが特措法の対象外の地域についても除染をして欲しいという声があります。しかし除染の対象となっていない。これについては要望していると、要望をしていきたいという答弁でしたが、国の動向がどうなっているのか。これについてもお伺いしたいと思います。それから側溝汚泥の処理についてであります。これは新年度の予算のなかで、災害除染廃棄物円滑化事業ということで。県単独で道路側溝汚泥の処理について支援をするという予算措置が行われました。当為自治体で歓迎される事業であると思います。事業内容をみますと、一時保管場所経費となっております。一時保管場所の設置経費だけの予算措置なのか、収集とか運搬とかさまざまな、予算が伴うわけですが、今回新年度に予算措置された除染廃棄物処理円滑化事業の予算の事業費の根拠についてお伺いしたいと思います。3点まとめて質問いたします。
【玉懸総括課長】
まず、除染のかかる国庫補助の拡充についてでありますが、拡充された現状回復に要する費用の市町村負担に関しては、補助率10分の10ということなのでその範囲ではありません。実施計画のそとと言うことにつきましては、実施計画のそとで高い放射線量が確認された場合に実施計画を見直していくということになっておりまして、一関市では2区域が編入されたという経緯がございます。
【大泉総括課長】
道路側溝汚泥のくみ上げ等に関しての補助制度。くみ上げと言いますか、保管施設についての補助制度でございますが、まず、積み上げといたしましては一時保管場所の確保ということに市町村の方々は非常に苦労されておりますので、あくまでも一時保管場所の経費、たとえば国が認めてくださらないようなコンクリート製の構造物とか、そういったものに対する設備への補助ということで積み上げております。先ほど、ご質問にありました収集とか、運搬の経費というのは積み上げておりません。
【高田県議】
今、汚染廃棄物処理円滑化事業、これは一時保管場所だけに支援を限定したのはなぜでしょうか?原発事故が無かったらおき得ない対応でありますから当然、道路側溝汚泥に関わる経費についてはすべて、すべて東電の賠償にしていかなければ、ならないと思いますが、あえて一時保管場所だけに支援をしようという考え方で対応しようとしているのは、なぜなのかということについてお伺いいたします。
【大泉総括課長】
除染実施区域内あれば基本的には除染に対する補助ということで執り行われるわけでございますが、除染実施区域内におきまして、先ほど申し上げましたとおり保管施設について住民の方が望むようなコンクリート製構造物のようなものについては、国の補助が得られないということで、そうしたものについて補助していこうというような考え方でございます。それからもうひとつ除染実施区域の外における道路側溝汚泥というものについては、8000ベクレル以上のものについては指定廃棄物ということで国が責任をもつといっておりますが8000以下のものについてはそういった国の制度がございませんのでそうしたものについても、濃度に関わらず国が支援いただけないかということで要望してきているということでございます。区域外の部分について必要があってくみ上げるということでれば、当然保管施設もコンクリート製のものが求められれば、支援をして行ければなということを考えているわけですが、そういうところについては、除染実施区域外でございますので、収集、運搬等につきましては、ないということで。国に要望しているところでございますが、そこまで県のほうでみるということは考えなかったと。国のほうにきちんとやっていただきたいということでその要望を継続していたという経過がございます。
【高田県議】
特措法の対象外の地域の側溝汚泥についても、側溝は一連のものでありますから対象地域から外れたから支援の対象にならないという考え方は、ちょっとおかしいとおもいますし、考えられないと思います。環境省の考え方というのは国の一方的な基準をつくってそれを線引きして、対象とならない地域は支援の対象としない。あるいは今行き詰っている問題というのは、最終処分場の問題も解決していませんけれども、こういった問題についても国が具体的な解決方法が示さない中で住民の理解が得られないためにおきている問題でありますから、やはり国にもしっかり訴えてですね。この問題を解決するために全力で取り組んでいただきたいと思います。次に汚染された農林業系廃棄物の処理の問題についてであります。現在時点での処理量、あるいは焼却処理の見通しこれは今どのようになっているのか。具体的に示していただきたいと思います。
【大泉総括課長】
放射性物質に汚染された農林業系副産物の処理量でございますが昨年12月末現在で農林水産部でまとめた資料によりますと処理済量につきましては8400トンとなっておりまして、未処理量は42000トンということでございます。今後の処理の見通しでございますが本格焼却に進んでおりますのが3市2町、試験焼却を実施中が1市2町ということで9市町村で焼却処理が開始されております。そういったところで、少しずつ焼却処理への不安の解消といいますか。安全性への理解が浸透してきたものと考えておりますが、市町村のよりましてその保管量ですとか、焼却処理施設の個別事情、あるいは焼却灰の管理目標濃度の設定など、まちまちでございまして一概に焼却処理の見通しをお示しすることが難しいわけです。今後、国の補正予算で当県で本年度措置しておりました、農林業系副産物処理円滑化事業と同様の汚染廃棄物処理加速化事業というものができましたので、そうした活用をして頂きながら県としたしましては、焼却処理計画の策定ですとか住民説明会への職員の派遣、そういったものを通じて市町村と一緒になって焼却処理への取り組みがさらに進むように支援をしてまいりたいと考えております。
【高田県議】
新年度焼却処理をする自治体に対する国の財政支援も行われたということで今後おそらくいっそう焼却処理に向けた取り組みが行われる自治体が増えてくると思います。そういう自治体に対しても県は積極的に支援をして頂きたいと思います。そこで現在、行われている混合焼却ですね。これを実施している自治体では、混合焼却を行うまえと混合焼却を行った後の安全性の問題ですね。とりわけ焼却灰の濃度これがどう変化しているのか。具体的に示していただきたいと思います。
【大泉総括課長】
焼却処理を進めている9市町村ですが、焼却前の焼却灰の濃度を参考にいたしまして独自に管理目標値を定めて焼却処理を進めております。混合焼却の焼却灰におきましても管理目標より放射能が低い濃度で推移しておりまして。また排ガスですとか、最終処分場の排水、周辺の空間線量率につきましても異常は見られず計画通り安全に処理が進められているところでございます。具体の例と言う事でありますので、9市町村全てというのはなんですので。遠野市の例でご説明いたしますと混合焼却前の焼却灰の濃度というのがキログラムあたり142ベクレルでございました。遠野市さんは管理目標濃度を6400Ba/kg
というように設定してすすめましたが実際に今後、焼却後の濃度のレベルというのは140ベクレルから大体400ベクレルでございました。排ガス、空間線量率処分場排水についても同様に問題ない値でございました。他の8市町村につきましても同様でございます。
【高田県議】
それぞれの混合焼却している自治体のですね、焼却灰の濃度、安全性については、かなり基準より低いという実態が明らかになりました。やっぱり丁寧な説明を行うということと住民の理解を得て、すすめることが非常に大事だと思います。汚染された農林系の廃棄物が処理されないとどういう問題がおきるのか。あるいは混合焼却している市町村の実態などもよく説明をしながら住民の理解が何より大切でありますので、それに向けた取り組みをさらに強めていただきたいと思います。混合焼却などをおこなっていても、遠野市では6年もかかるとか、あるいは、私が住んでいる一関市ではまったく見通しが無いとかですね、大変自治体の職員のみなさんが大変難儀している状況であります。一時保管を行っている農家に対しては、3年でなんとかと言う事で説明しているわけでありますからおそらくこう言う処理が長引けば長引くほど農家の皆さんの意欲が大変になってくるのではないかなと思います。そういう中で県としてなかなか難儀している自治体。こういう自治体に対して具体的にどういう対応をしようとしているのか。この点について答弁頂きたいとおもいます。
【大泉総括課長】
まず、焼却処理に未着手の市町村に対しましては、引き続き住民説明会等に求めがあれば県の職員も参加いたしまして、一緒にご質問にお答えしたりあるいは焼却計画の実施計画づくりに加わったりということを継続してまいります。また、ご指摘のとおり処理に長期間を要する市町村というのもございましてなかなか、農家の保管の負担とかそういった部分が重くなっているそういったところもございますので、農林水産部のペレット化事業と連携しながらすすめていきたいと考えております。
【大泉総括課長】
先ほどの農林業系副産物の処理見通しの答弁に一部誤りがございましたので、訂正させていただきます。試験焼却を行っている市町村を1市2町とお答えしましたが、2市2町の誤りでございました。お詫びして訂正させていただきます。
・災害廃棄物処理対策について
【高田県議】
部長の冒頭の予算説明のなかで、本年度の環境生活部の取り組む第一の柱に災害廃棄物の処理を全力をあげて年度内に取り組みたいという決意が表明されました。それで災害廃棄物の処理の見込みですね。不燃系につきましては、先ほど議論もありましたが可燃、不燃、津波堆積物の処理の見込みですね。本当に25年度内に本当に出来るのか。その具体的な見通しについてお伺いいたします。
【災害廃棄物課長】
災害廃棄物総計で推計量525万トンございますが、可燃物80万トンにつきましては今年の12月ごろには処理が完了する見込みでございます。不燃系廃棄物、先ほど説明したとおりセメント工場それから埋め立て処分場が調整がつきますれば年度内に終了する見込みでございます。あわせて津波堆積土160万トンでございますがこれは分別をして、公共事業に使っていただくということで、年度内を目標にしているということでございます。
【高田県議】
年度内目標というのは当初から分かっていたことで具体的にお伺いしますが問題は不燃系廃棄物の処理だと思うのですね。先ほどの答弁のなかでも不燃系廃棄物の100万トンうち70万トンはセメント工場残る30万トンについては民間の安定型クリーンセンター、沿岸の市町村にも協力をいただくという中身になっています。それぞれ10万トンずつということで私は理解しました。民間の安定型最終処分場は10万トン、江刺クリーンセンターが10万トン、県内の市町村などが10万トンという説明だったと思います。それでよろしいのですね。クリーンセンターについては10万トン処理していただくと4年間早まるというようなお話もございました。つまりこれらの10万トンにするという考えかたですね。これについて答弁頂きたいと思います。
【災害廃棄物対策課長】
不燃系廃棄物役100万トンはセメント工場で処理をしようとするならば、時間が許せば処理が可能となります。しかしながら処理の期限がございますのでセメント工場の能力いっぱいに処理をしていただいた残りのものを埋め立て処分しなければならないというようなスキームになっております。期限内に処理をするためには、セメント工場で処理をしていただくのと平行して埋め立て処分場に入れていただくということでございます。岩手クリーンセンターは、岩手県内焼却物の焼却灰を処理するために使うということでございまして、管理型最終処分場につきましては岩手県内あるいは、岩手県内で出来なければ近県等の広域処理ということで検討しております。
【高田県議】
新聞報道によりますと県は今年の1月に各処分場での埋め立てを要請したけれども、この協力要請に対してひとつの組合しかこれに応えられなかったというような報道がございます。どういう説明をしたのか、そして現在、協力要請が行われているのはどれくらいの自治体なのかということもお聞きしたいと思います。
【災害廃棄物対策課長】
管理型廃棄物につきましては出来るだけ岩手県内で処理をしたいということでございます。岩手クリーンセンターには、焼却灰でいっぱいでございますので残るは、市町村の埋め立て最終処分場でございます。市町村の埋め立て処分場の残容量のある市町村、すべてに要せをしておりまして埋め立て処分ということになりますので、市町村さんがそれぞれ独自に手をあげるというわけにはいきませんので、地域の住民のみなさんとお話をしたり、色んなことをして岩手県あるいは沿岸12市町村に協力していくということで今まだ継続中でございまして、余力のある。あるいは余力が無くても頑張ってやっていただくという市町村には、検討をしていただいているというという事でございます。