2013年3月15日 予算特別委員会
商工労働観光部に対する高田一郎県議の質疑(大要)
・被災事業所の再建問題について
【高田県議】
まず、被災事業所の再建問題についてお聞きいたします。すでにグループ補助金融円滑化法、2重ローンの問題、議論が行われましたけれども、通告しておりますので重複しないように質問したいと思います。グループ補助金の問題については、この間5次に渡る、申請がありましたけれどもこの交付決定事業者数と再建状況。経営の状況がどういう風になっているのかということ。そして、再建後の決め細やかな支援策が必要だと思っておりますが、基本的な県の考え方についてお伺いしたい。二つ目は金融円滑化法の問題であります。先ほど金融円滑化法のどんな恩恵があったのかということで、申請が27、917件に対して91パーセントが条件変更等も含めて実行されたと。大変大きな役割を果たしてきたと思います。しかし最近5日の日に金融円滑化法に関する説明会が盛岡で開かれてその記事が報道されております。東北財務局方がこの期限が到来しても金融機関の対応は変わることは無いということができると。そういう発言をしたようであります。これは県としてどういう認識なのか。伺いたいと思います。2重ローンの問題であります。事業所の再建を後押しするということで岩手県産業復興機構及び、東日本再建支援機構、それぞれ取り組まれてきました。それぞれ48件の買取があると答弁にありました。色々調べてみますと岩手県の復興機構の方は相談件数404件、東日本のほうは213件となりました。この数字を見ますと買取も進んでいるものの、被災事業者のおかれている状況からすれば、まだまだ買取が進んでいないのかなと思います。どこに課題があるのかということをお伺いしたいと思います。東日本大震災事業再生支援機構は、毎月活動状況報告が出されています。この報告をみますと、支援決定数は48件でありますが、今後支援決定に向けての最終調整中も含めると98件中51件が宮古しなんですね。半分以上が宮古市になっていると。私はこの経験に学んで、この問題、対応していく必要があると思いますが、なぜ宮古は進んでいるのか、この点についてもし分かればお伺いします。
【経営支援課総括課長】
グループ補助金の採択事業者数でございます。五次の全般までで63グループ882社に対しまして646億円億円余を交付決定しております。再建の状況ということでございますが補助を受けて事業をおこなっている事業者が23年度が295社、24年度が587社となっております。事業完了の見込みと、あるいは完成したと。おおむね8割ほど24年度の事業者につきましては約5割ほどが、完了の見込みということでございます。そういったことでは、概ね順調に進んでいるのではないかなという風に思っております。そして、採択後の支援ということでありますが課題として出てきておりますのは、事業を再開したあとに売り上げ、あるいは利益率が低下しているといったことがあげられております。先ほど申し上げたような事業者の中にもでてくると思いますので、専門家などの派遣などを行いながら販路の開拓、新商品の開発というものを支援してまいりたいとおもいます。金融円滑化法の関係でございます。今月末で期限を迎えるというようになっております。国のほうではすでに期限の到来を考えまして政策のパッケージを出しております。金融機関によるコンサルティング機能のいっそうの発揮、あるいは企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会、これは盛岡にございますけれども、そういったものの機能あるいは連携の強化。その他経営改善、事業再生支援の環境の整備といったことがございます。こういった国の考え方を受けまして金融機関の方にも金融庁のほうでそういうご指導されているとお聞きしております。そういった国の対応。私どもでも先ほどらい申し上げている通り色んな相談対応、融資などの支援策なども講じておりますのでそういった対応もしてまいりたいと思っております。2重ローンの問題でございますけれども、現時点ではやはりどうしても、土地利用などの関係で新たな資金が必要だとまだこれから出てくるのかと思います。相談件数も先ほど委員がご指摘の通りでございまして、おそらくこれから、そういった実際の事業の進行に従いまして相談件数、あるいは買取が必要な事業者というのが出てくるかと思います。宮古市の対応でございますけれども宮古市におきましては、東日本大震災事業者再生支援機構の出張所を設けておりまして、そこで相談対応もしていただいているということでございますのでそういったことで、宮古市で買取、相談の対応が進んでいるのではないかというように考えております。
【高田県議】
グループ補助金の問題については、さまざまな課題がありまして内陸部には対応できないとか、繰越期限の問題とかさまざまな議論がありましたので私は、その改善に向けて私のほうからも、国のほうに強く働きかけていただきたいと思っております。2重ローンの問題ですけれども確かに宮古市は東日本大震災事業再生支援機構の出張所があると、モデル的に対応しているということもお聞きしております。ただ、宮古市の担当者と何度か懇談をしたのですが、宮古市の姿勢がすごいなと強く感じております。本当に商工会議所の方々と本当に連携をして、本当に職員を先頭にやはり事業者に出向いてこの制度の趣旨を徹底し相談活動を行っている中での実績だと思うのですね。ぜひ宮古の経験に学んでこの事業がさらに進むように、努力して頂きたいと思っています。金融円滑化法の問題では、中小零細企業の資金繰りだけではなくて、住宅ローンの問題も含めて、金融円滑化法の果たしてきた役割というのは大変大きいと思います。私は期限が過ぎても、金融機関の役割は変わらないと。財務省の職員が話したという記事なのですが。やはり金融機関に対して法的な拘束力無くなるわけです。そういう意味では、被災地の復興にも非常に不安が作られるのではないかと思います。議案に対する質疑の中でもはしもと部長もですね、引き続き制度の延長を求めて頑張っていきたいという答弁を頂きましたので、そういう方向で引き続き頑張っていただきたいと思います。次に商工会議所に対する県の支援策についてお伺いしたいと思います。岩手県は平成15年3月に経営改善普及事業の広域的実施体制に対する基本的方向という、いわば県内の商工団体、商工会議所に対する支援策といいますかマスタープランを策定いたしました。この中身はひとつの自治体にひとつの商工会議所を原則にさまざまな支援をするということで、この間、平成大合併がおこなわれて商工会議所も大合併が行われました。商工会議所も合併が行われました。支所長を5年間で廃止するとか人件費補助を5パーセント削減するとかそういうなかで非常に商工会議所の運営が大変になってきているということをこの間お聞きしております。私は、マスタープランは大きな課題を作ったのではないかと、無理なマスタープランではなかったのかなと思うのですがこの点についてはいかがでしょうか。
【経営支援課総括課長】
このマスタープランは平成14年度に策定したものということでございますが、商工会議所法によりまして、商工会議所は1行政区域全域をとするということが原則とされておりましてこういった考え方で、1市町村、1商工団体ということが考えられたわけです。確かに行政区域の合併ということにともないまして、商工団体の合併が進んでまいったということでございますが、団体の合併に対応いたしましてシステム統合など合併にかかる一時的な経費の補助。合併した商工会におく支所長の設置費、あるいは事務局長の設置費などの要件緩和などをおこないまして財政的な支援を行ってきたというところでございます。
さきほどご指摘の補助対象職員の人件費つきましてマスタープランとは直接関わりはございませんけれどもいずれ商工団体の運営におきましては、やはり人件費のウエイトが確かに大きいですので、充分配慮しながら予算で対応してまいりたいと考えております。
【高田県議】
合併した商工会議所ではいくら合併しても支所単位にさまざまな事業を展開しなければならない。合併して職員を減らしてもこれまでの事業はそのままやらなければならない。こういうなかで支所の中には、子機を持ってトイレに行かざるをえないとか。職員が不足してなかなか経営指導もできないとか、そういう声も出されています。ぜひ、こうした人件費に対する支援をやはり改善をしていって欲しいといって欲しいというように思います。その改善も含めて、これまでのマスタープランの検証が私は必要だと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
【経営支援課総括課長】
マスタープランができまして10年間たったと。この間に現実に商工団体の合併が進んだという事もございます。さらには震災とまったく想定をしていなかったこともございますので、新たな要因なども考慮しながら、平成25年度には関係団体と検討したいと思います。
【高田県議】
わかりました。よろしくそこはお願いしたいと思います。次に仮設店舗の実態についてお伺いしたいと思います。この仮設店舗の事業開始状況、エントリー数ですね。その実態についてお伺いしたいと思います。被災地にいきますと、自治体の中には、まだまだ仮設店舗に入れないでいるというお話も聞きます。このへんの実態についてもお伺いしたいと思います。
【経営支援課総括課長】
仮設店舗1月30日現在でございますけれども、エントリー数が345箇所です。事業開始したのが344箇所ということで、このうち着工が339箇所、完成したのが327箇所ということになってございます。入居に実態につきましては、私どもといたしましては、機構と市町村の方で基本契約を結んでおりまして、入居しているかにつきましては、今資料を手元に持ち合わせてございません。
【高田県議】
実態はわかりました。それから、先ほど言った仮設店舗をまっているという数についてはわからないということですか。実態を把握していないということですか。
先日、私が釜石に行ったときに市長さんからこんなお話をされました。この仮設店舗は中小企業機構から移譲されていると。譲渡されているということなのですが、その後の解体費用への財政支援がまったくないという話をされました。13箇所、221区画だそうですけれども釜石では、その解体費用は2億円見込んでいるというお話でありました。これは被災地の自治体にですね、この解体費用を自治体が責任をもってやるというのは無理があると思うのですが、この辺についての考えかたについてお伺いしたいと思います。
【経営支援課総括課長】
入居の状況につきましてでございますが、区画数につきましては1696区画になってございます。ただ、まだエントリーされていないというところもあるようでございますので、希望があっても基本契約に至っていないという事業者もいらっしゃるのではないかと思います。それから解体費用の関係でございますけれども、仮設の店舗で解体せざるをえないということも今後、土地利用関係で出てくることも考えられます。移設による他の活用など。いずれ沿岸市町村の情報などを聞きながら必要に応じて国に要望するなど、対応を検討してまいりたいと思います。
【高田県議】
仮設店舗の問題についてはですね。やはり今でも売り上げが落ち込んで、なかなか本設再開という点についてはかなり大変なのかなとおもいます。しかし多くの方々が出来れば本設再開したいと思っているけれども、しかし自立再建ではなかなか大変だという共通した声です。私は本設再開する上で頑張って再建したいと方々に対しては、本当に負担が少なく再建できるような仕組みづくりが必要ではないかと思います。その点についての県の考え方についてお伺いします。
【経営支援課総括課長】
グループ補助金など活用されていて商店街として復旧されているみなさまがたもいらっしゃいます。25年度は新たに、グループ補助金メニュー中ではございますが、グループ構成員の個店の復旧に加えまして、共同店舗の新設、あるいは商店街の整備など新たなメニューが追加されるといわれています。県といたしましても被災地域商業復興費補助ということで復旧費のなかでございますが、こういった事業もあらたに計上してございます。グループを組成していく、あるいは復興事業計画を作っていくという必要もございますので専門家の派遣などもしながらそういった方々を支援してまいりたいと思います。
・公契約条例制定について
【高田県議】
最後に一言質問して終わりたいと思います。昨年の12月議会だったでしょうか。公契約条例の制定を進めるべきだという請願採択をうけまして県は内部に検討組織を立ち上げて検討されていると伺っております。この公契約条例制定にむけた今現在の検討状況につついてお伺いして終わりたいと思います。
【労働課長】
公契約条例制定にむけました検討状況についてお答えしたします。昨年9月議会におきまして公契約条例早期制定についての請願が採択されたことを踏まえまして、商工労働観光部を担当部署として検討をしていくこととなりました。先般、2月でございますが関係部署打ち合わせ会を実施させまして検討の進め方に対する意見交換を行い、当面担当者レベルにおきまして論点整理等の作業を進めていくこととしておりまして、現在各セクションにおきまして鋭意取り組んでいるところでございます。今後は、公契約のあり方に関する研究をしてまいります他、先行自治体の運用状況ですとか、国の動向を注視しながら検討を進めてまいりたいと考えております。