2013年3月18日 予算特別委員会
企業局に対する質疑(大要)


・再生可能エネルギーの活用と固定価格買い取り制度について

【斉藤委員】
 稲庭風力発電について、稲庭高原の場合は固定価格買い取り制度で黒字に転換するという話があった。これまでの累積赤字と、今回の固定価格買い取り制度で、来年の事業計画を見ると来年も黒字と見込まれていたが、どの時点で黒字に転換するのか。
 高森高原の風力発電では、今も環境調査の内容が議論された。昨年の決算でお聞きしたときには、ノスリ、クマタカの生息も指摘されていた。もう少し以前行われた環境調査の内容を詳しく報告していただきたい。

【電気課長】
 稲庭高原風力発電所の経営状況だが、現段階で黒字になると見込んでいるのは、平成27年度ころからと見込んでいる。
 高森高原風力発電所の平成14年〜17年までに猛禽類調査を実施しているが、その当時、ノスリやクマタカが見られたと答えていたが、他に、ハイタカ、オオタカの飛来が確認されている。また、クマタカについては、高森高原の地点の北西側の二戸市側の方にクマタカが生息している可能性があると報告されている。

【斉藤委員】
 以前の環境調査では、ノスリの繁殖がほぼ確実と、クマタカの生息の可能性もあるということだったので、環境アセスでかなり正確な調査が行われると思うので慎重にやっていただきたい。風力発電そのものは積極的な取り組みなので。
 北上市の太陽光発電だが、来年度の予算には、3億5439万円余計上され、これは土地取得と発電施設の整備となっているが、この内訳を示していただきたい。用地費がいくらで、来年度盛り込まれている工事費はどういうものなのか。総額5億7300万円なので、来年度措置するものがどういうものなのか。あわせて、これは例えば20年なら20年の収支見通しはどうなっているのか。太陽光パネルというのは耐用年数はどのぐらいで積算しているか。おそらく北上で整備する場合には、土台を1mぐらい上げなくてはいけないと思うが、今の基本構想の段階での状況を示していただきたい。

【経営企画課長】
 事業費の内訳だが、用地費が547万円程度、接続供給先である東北電力の配電線につなぐといったような経費として2000万円程度を見込んでいる。その他は工事にかかる経費であり、今年発注して、今年はプロポーザル方式であるので、工期などは業者からの提案の内容で変わってくることもあると思うが、今年は工場政策とか設計ということで、来年に入り現地の据え付けというようなことを考えている。
 太陽光パネル自体の耐久性というものは20年以上あるものと思っている。ただそれを直流で発電したのを交流に変換する装置がある。交流に変換しないと電力さんの配電線につなげないので。そういったものについては、15年程度だと言われている。ただメーカーによりさまざまあると思うので、そういったことについてはプロポーザル方式で業者から提案いただいた中で、総合的に経済性がもっともメリットを発揮するというものについて採用していくということをしていきたい。
 土台については、現在30kwの太陽光ですが、北上工業用水道に設置している。それは事業用ではなく所内の電力を賄っているものだが、それは土台の高さが1.2m程度で、冬の期間中はそれでも1週間程度も発電しないということもないので、数日は発電しないこともあるが、その1mとかそれ以上確保できれば事業的には問題ないのではないかと思っている。
 収支見通しだが、投資資金の回収については、おおむね14〜15年程度経つと回収できるのではないかと思って試算している。

【斉藤委員】
 簗川ダムでの水力発電計画が出されて驚いているが、これは一度撤回した経緯がある。簗川ダムそのものは、大規模事業評価でまた5年ごとに評価があり、道路がもう通った段階で抜本的にダムそのものの必要性は見直されるべきものだと考えているが、一度撤退したものをなぜまたやるのか。
 今までのダム負担金、これから参加するとした場合にどれだけのダム負担金と事業費が必要になるのか。

【業務課総括課長】
 簗川ダムについては、平成5年3月に、簗川ダム建設事業に関する基本協定を締結し、一度は発電の計画を進めてきたわけだが、平成15年9月に、当時の電力小売りの部分自由化による競争激化が予想される中で、ダム完成までに相当の期間がかかり、東北電力より開発財源を得られる見込みがないということで撤退している。これが最近、国のダムの検証委員会でも、開発を進めるということに特に問題ないということが出されたので、エネルギーの有効活用ということから再度事業化の可能性があるということで、参加したいということにしている。また、当時と今の電力需給についてもだいぶ変わってきているので、そういったことである。
 ダム負担金については、前回参加したときは、だいたい5200万円ほど負担している。ダム負担金の扱いについては、当時すでに返ってきませんでしたので、今後ダム事業者、県土整備部と協議する段階においては、過去に負担したものについては、そのまま生きるのではないか、負担が少なくなるのではないかと考えている。

【斉藤委員】
 例えば、簗川ダムに改めて水力発電開発するといった場合に、ダム負担金の総額はいくらになるのか。これからどのぐらいの負担を求められるのか。水力発電の開発事業費はどうなるのか。
 大規模事業評価は5年ごとだが、おそらく来年・再来年ぐらいでまた大規模事業評価になるのではないか。それをどう見ているか。

【業務課総括課長】
 今回の水力発電にかかる概算事業費だが、約13億円ほどを見込んでいる。ダム負担金については、今後県土整備部と協議していくことになると思うので、今はお答えしかねる。
 大規模事業評価については、まだ向こうと協議していないので、これからどうなるかは分からないところである。

【斉藤委員】
 ぜひ簗川ダムについては、ダムそのもののあり方が問われる問題なので、慎重に対応していただきたい。


・工業用水道事業について

【斉藤委員】
 現在、半導体関係が全体として低迷している。工業用水にどういう影響があるのか。来年度の事業計画は今年度と比べてどうなっているか。
 富士通がデンソーに移管された。その影響はあるのかどうか。今後の見通しも含めて示していただきたい。

【業務課総括課長】
 平成25年2月末現在、工業用水道全体では、対前年度比94.3%の使用だが、うち半導体については対前年度比91.9%と下回っている。今後の経営に与える影響だが、工業用水道料金の基本料金、二部制になっており、基本料金部分というのは責任水量制なので、実質使用水量の変動が多少あっても経営全体には大きな影響は与えないと考えている。
 富士通セミコンダクターからデンソーへ移管されたことについての影響だが、契約先としては、株式会社富士通ファシリティーエンジニアリング、そこからデンソーなり富士通セミコンに水を供給していたので、この契約自体は今でも変わらないので、そういった契約が継続すれば経営への影響はないと考えている。

【斉藤委員】
 半導体が使用水量で91.9%と。これは今年度と比べて来年度責任水量で変わりがないのか。
 デンソーに変わったが、この使用水量に変化はないのか。

【業務課総括課長】
 91.9%という数字は、実際に使った水に対しての割合なので、これが来年も現在と同じような景気が続けば同じぐらいになると思われ、景気が良くなれば多少は上がってくるということもあるかもしれない。計画といっても、実際に企業がどの程度使うかということなので、計画ということでは予想はしているが、なかなかそこまではっきり見通しはつけられない。
 デンソーについて、実際契約水量は変わらないので、代金も来年度も同じような契約になると思う。