2013年9月3日 商工文教委員会
体罰問題、35人学級の拡充に関する質疑大要


・体罰問題について

【教育長】
 教育委員会の場合、どうしても教育委員会議の議論を経て処分を行う。したがい、教育委員会議の議案として出るので、その際に当然公表させていただいた形にはなっている。
 今回、やはり体罰問題というのは大きな関心をもった事案でもあった。したがい、議会との関わりをどうすべきかということについては今後の課題として検討させていただきたい。

【斉藤委員】
 教育委員会議の議事録を見たが、4月以降の会議はほとんど15分で終わっている。処分の審議をした際にはどのぐらいの時間だったか。

【教職員課総括課長】
 8月19日の教育委員会議、それから事前に中間報告のような形で教育委員の集まりの場で話をしているが、合わせると1時間半ぐらいではなかったかと思う。

【斉藤委員】
 教育委員会議の時間を聞いている。

【教職員課総括課長】
 教育委員会議のトータルの時間は押さえているが、体罰問題にかかる審議時間は正確な数字は持ち合わせていない。
【堀江次長】
 定例会全体の開始時間と終了時間は押さえているが、複数の案件がかかっている場合の個々の案件ごとの審議時間については記録していない。
 全体では1時間半である。

【斉藤委員】
 8月早々に教育委員長が講演するというので、教育委員会議の4月以降の議事録を見たが、ほとんど15分。そうそうたるメンバーで、正式の会議の議事録が残っているのはその程度である。
 重要なことを決定するのは教育委員会議である。事前の説明などはあくまでその他であり、議事録に載るような議論をきちんとしないと、教育委員会議が県政の重要な課題についてどういう議論をして、どういう方向を示したのか分からない。15分程度の会議をやっているようだったら、教育委員会議不要論になる。教育委員会議でこそ喧々諤々の議論をしていただきたい。

【教育長】
 最終的に教育委員会の意思を決定するのは現行制度で教育委員会議であるので、その中で各委員がいろんな議論をいただき、県教委としての方針を決定していくということだろうと思う。したがい、これまで教育委員会の活性化については、議会でのご指摘もいただいており、議会運営委員会でのお話もいただいている。そういった度に、各委員には情報をお伝えするとともに、各委員もそういったことをかなり意識されて学校現場に行かれていろんな職員と懇談したり、その中で自分の知見に基づき教育委員会の中で議論をいただくという取り組みをなさっていらっしゃると思う。したがい我々としても、委員のご指摘を踏まえ、さらに教育委員会議での活性化が図られるよう、私も委員の一人であるので努めていきたい。

【斉藤委員】
 4月以降教育委員会議ずっと15分で続いている。県政の教育課題が山積みになっているときに、どういうことなのかと。全国的にも教育委員会議のあり方が問われているので、その使命に応えるような議論を、議事録が残るような形でしっかりやっていただくよう強く求めたい。
 体罰問題で改めて、調査をする前の報告は0件だった。今回は文科省への報告件数が64件となった。人数は52件と。こういう調査をしなければ実態が出てこないと。体罰問題は、先生の間でも分かっているのに報告しないというケースもある。そういう点で0件が64件になったということを深刻に受け止めるべきである。
 処分の内容を見たが、甘い処分である。打撲を与えた場合に減給と、その他何回体罰があっても戒告である。何度もやっていて戒告で済むということは許されない。そういう意味でいくと、戒告以外の訓告、文書警告のようなものもあるが、全体として体罰問題について甘い対応に終始している。体罰というのは子どもの人権侵害であり、許されない暴力行為で犯罪行為である。そういう立場で、被害者が警察に訴えれば傷害事件になる。そういう問題として受け止めて対応しなければならない。訴えられないからこの程度の対応で済ますということでは、この問題は解決できない。教師の体罰というのは法律で禁止されていて、それがこうして繰り返され、ゼロの報告がこういう形で浮き出てくるということについて、全体として甘いのではないか。社会一般の常識から見ても対応が甘いのではないと思うがいかがか。

【教育長】
 ご指摘の通り、体罰事案が発生したことは大変遺憾なことだと思い、改めてお詫び申し上げたい。
 処分についての調整については、当然一定の基準で処分を行うわけなので、過去の事案、県教委としてすでに発している処分基準案にのっとり、不公平のないようにバランスをとってやったところである。
 やはり何よりも子どもたちに非常に大きな影響を与えるということ、一方で、子どもに関わらない、怒ってはならないとかそれはまた別の問題で、子どもに対してしっかり示すところは示していかなければならない。その示し方として暴力行為は絶対許されないことである。したがい、単なる処分を行ったから解決する問題ではないと思っている。一方で、報告がなかったという反省に鑑み、父兄もしくは子どもたちから直接別のルートで県教委等に連絡できるシステムをとらせていただき、教員に対する支援についても別の観点から努めていくと。両面から体罰の根絶に向けて努めていきたい。

【斉藤委員】
 例えば、戒告処分になった中学校の男性教師は、「昨年7月3日、生徒の右足を1回踏んだ。10日後には男子生徒1名に対して髪を2〜3回引っ張った。8月28日、男子生徒を集めてプールサイドで、全男子生徒16名に対して履いていたスリッパで頭を1回ずつ叩いた」と。この教師は、平成15年10月に生徒1名を投げ倒すという体罰を行い文書訓告を受けていた。2度目というか、4回目5回目というか、なぜこれが戒告なのか。こういうことが戒告で済むということ自身が一般常識から外れているのではないかと思うが、なぜそうなるのか。

【教職員課総括課長】
 体罰に関しては、体罰を常習的に行っていた職員に関しては、標準処分例では、停職・減給・戒告となっている。今回の案件の中で、過去に処分を受けていた人が2例あり、1件は平成21年に戒告処分を受けていた案件、こちらは減給処分とした。いまご指摘の件については、平成15年に訓告の処分を受けていた件ということで、許されないことだが、年数の間が空いているということと、減給処分になった案件とのバランスを考慮して戒告という処分にした。

【斉藤委員】
 いま紹介したように、ここに列挙されている体罰が3件紹介されている。平成15年に文書訓告を受けていたと。これが常習ではなくて何なのか。こういう事例を見ても、きわめて甘すぎると、この程度の処分では一般社会では通用しないと。


・35人学級の拡充について

【斉藤委員】
 35人学級全面見送りという報道があり大変残念だが、これは自公政権の下での逆流現象だと。ただ、記事の中では、加配教員の数を今年度より大幅に増やすということだった。復興加配もあり、この加配は少人数学級の拡充に活用できるのではないかと思うが、復興加配と合わせて、来年度確実に岩手県は小学校まで35人学級は拡充されると思うが、どのように文科省の動向、岩手県の取り組みを考えているか。

【小中学校人事課長】
 文科省の概算要求を見ると、教職員の定数の改善ということで、3800人計上されている。うち少人数教育の部分については、平成26年度2100人ということで、これが岩手県にどれぐらいくるかという話になるが、100分の1とすれば20人程度ということになるわけで、今年度よりも増えていくことは大いに期待したいと思う。
 岩手県の場合にはすでに、小学校3年生まで35人学級ということで実施しているが、次年度については再度数を確認した上で小学校4年生まで拡充したいと考えている。それ以降の部分については、実際少人数指導との有効性の部分については、市町村教育委員会等からの要望も多い実態もあるので、バランスを勘案しながら検討していきたい。