2013年10月21日 決算特別委員会
商工労働観光部に対する高田一郎県議の質疑大要


・仮設店舗の状況について

【高田県議】
 私からはまず、事業所等の再建、あるいは緊急雇用事業について質問したいと思います。まず最初に仮設店舗についてでありますけれども、現在の仮設店舗の設置状況はどうなっているでしょうか。また、設置されている仮設店舗、商店街の経営状況ですね。また、どういった支援が行われているのか、その点も含めてまとめて答弁頂きたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 仮説店舗の設置状況についてでございます。県内13市町村において351ヶ所が完成しております。経営状況ですが私どもが6月に仮設店舗訪問しまして聞き取りをしたところによると売り上げの状況はですね、営業再開直後と比較して50%程度は横ばい、約35%の店舗ではやや減少というお答えであり、厳しい経営環境にあると認識しております。支援でございますが、個別の店舗に専門家を派遣して販売促進活動などを支援しておりますし、仮設商店街の案内板とかですね、共同倉庫をつくる、整備するものに補助しておりますし、あるいは岩手希望ファンドなどを活用して各種イベントの助成なども行っております。

【高田県議】
 分かりました。仮設店舗の設置については351ヶ所ですか、いただいた資料によりますと区画数772ヶ所ですから、この数は被災3県からみればですね、大変岩手は多くて商業者は頑張っているのかなと、そういう思いをしております。ただ、今の答弁、経営状況をみますと、50%が横ばい 、35%の減少ということですから大変厳しい環境のなかで商業者は頑張っているのかなというふうに思います。それで、やはり仮設商店街で頑張っている人たちにお話を聞きますと、今度の仮設で終わりだなという方々の声もよくお聞きします。そういう意味では、これから本設再開に向けた相当な支援をしない限りですね、商店街の振興というのはなかなか大変なのかなという思いをしています。そこで県として本設再開に向けてですね、どういう支援のあり方といいますか、考え方をもっているのかという事についてお伺いしたいと思うのです。
 実は今年度からグループ補助金についてもですね商店街の再生とか、共同店舗を建設する場合も対象になるわけですね。こういう新しい制度を活用して商店街の再生に取り組んで頂きたいと思いますが、これはどの程度、商業者に徹底されているのかということ。それから今の場合はグループ補助なんですけれども、グループ補助を組むことも出来ない商業者もいるわけですね。小零細業者、これは現在の制度では、いまイベントとかの支援とかありますけれども、あるいは融資というのもありますけれども、やはりいまの現状をみますと、小規模零細事業者への直接支援、これがいま求められているというふうに思いますけれども、この点も含めて県の支援のあり方、必要性についてお伺いしたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 商業者への支援でございますが、本設にご希望する方は、本設での営業が再開できるように仮設で営業している現段階では、先ほど申し上げたような色々な支援をしてまいりたいと思いますし、本設への移行にあたってはご紹介ありましたグループ補助金の制度であったり今年度新設された、共同店舗がたの事業などについても、活用を促していきたいと思います。商業型の補助制度については、これまで2回公募しておりますが、それぞれ沿岸地区で募集説明会をしております。その際にも事業内容等説明しておりますし、地元の商工会議所、商工会がですね地元の商業者方に対して、その事業を紹介したり、支援をしたりしているところでございます。小規模事業者の方についての支援、色んな支援を組み合わせながら支援をして行きたいと考えております。

【高田県議】
 そういう支援を是非して頂きたいと思うんですが、ただ繰り返すようになかなかグループ補助に乗れない小規模な零細事業者などですね。直接支援をしないとなかなか、本設再開できないという状況があると思うんですね。私は陸前高田に行ったときにある寿司屋さんにお邪魔したんですけれども、仮設店舗を再開するためにですね300万円かけて、内装を直したりとかやったと今度は本設再開になればですね、3重ローンになってしまうと、やっぱり直接支援がないとですねなかなか大変だという話をされましたので、ぜひそういった直接支援のあり方を検討して頂きたいと思うんです。それで、仮設店舗の解体費用の問題ですけれども、中小機構が設置された、仮設店舗については一年後に市町村に譲渡ということになってます。既に市町村に譲渡されている仮設店舗もあるわけですけれども、この解体費用というのはどうなっているのでしょうか。具体的にどれぐらいの金額になるのかしめして頂きたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 仮設店舗の撤去費用でございますが、大船渡市の試算によりますと一ヶ所あたり900万円程度かかるとの試算がございます。

【高田県議】
 大船渡に行ったときにですね、全体の金額、一ヶ所900万円という話ですが7億円という話をされました。また、釜石に行ったときは、2億円と。数億単位の仮設店舗の解体費用がかかるわけですね。これは、被災地の自治体の負担では大変だと思うんですよね。こういうところにこそ復興交付金なんかで解体費用を補償してもらうということを支援しないと駄目じゃないかなぁと思うんです。これは、県は国に対してどういう対応をしているのかね、そして国の動向はどうなっているのか。またおそらく仮設店舗について公共用地に建てられているというのが大方だと思うのですが、民有地に立てられているのがどの程度あるのか。課題はないのか。その点も含めて答弁頂きたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 仮設店舗、仮設施設の撤去費用でございます。お話の通り、仮設と言ってもかなり立派な施設ですので撤去費もですね相当の額に上ると、県では市町村からの要望も受けまして撤去費の市町村への財政支援を国に対して要望しているところです。国ではですね来年度の概算要求において仮設施設の移転、撤去費用について概算要求に計上されているところでございます。施設、いろいろな所に建っておりますが、ちょっと用地の種別については把握しておりません。

【高田県議】
 概算要求しているということでありますので是非、被災自治体の負担にならないようにですね実現のために引き続き取り組んで頑張っていただきたいと思います。


・グループ補助金について

【高田県議】
 次にグループ補助金についてお伺いしたいと思います。24年度の3月末時点でのグループ補助の決定された事業所は1159社と伺っておりますが、グループ補助金の決定された事業者、しっかりと再建されているのかどうか含めて、どういう状況になっているのか、再建状況についてお伺いしたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 グループ補助金を交付した事業者の再建状況です。1159事業者のうち24年度中に事業を完了した方は、416社でございます。それ以外の方は今も再建の事業を行っているという事でございます。

【高田県議】
 1159社の中で事業完了が416社でありますが、その残りはどういう状況になっているのでしょうか。倒産してしまったとか、あるいは次年度へ繰越とか、さまざまな要因があると思いますが、その残りの交付決定を受けた事業所の状況についても詳しく答弁頂きたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 交付決定をした事業者のうち事業完了していない方でございますが、本年度も継続して事業実施している方が732社でございます。ほとんどの方がそうでございます。ただ、中には事業廃止した方も8社おられまして、いろいろな事情であったり、他の補助事業をつかっているとか、そういう事情がございます。

【高田県議】
 わかりました。交付決定を受けてもですね、次年度に繰り越しをするとか、中には事業を廃止せざるをえないとか、そういう状況になっているんですが、その、この間被災地を何度かまわってきまして、共通して自治体の担当者からお話を聞く中でですね、やはり復旧工事事業を進めるなかで、時間の経過とともに資材が高騰して工事費全体が当初の予定よりもかなり膨らんでしまったという事で復旧規模の縮小をせざるをえないとかですね、あるいは資金調達に非常に苦労しているとか、そういう事業所が結構あるんだという話をどこの自治体においてもお聞きしました。共通して出されたのは、事業完了時の補助金確定の際にですね、現状を考慮した形で補助金額を決めて欲しいんだと、そういう要望が寄せられるんですけども、県に対してもおそらくそういう要望が出されていると思うんですが、これは、県が判断することではないと思いますが、これは改善ということにならないんでしょうか。

【経営支援課総括課長】
 事業期間が長くなっておりまして、その間に当初予定した事業費よりも増えているケースがあるということは認識しておりますが、グループ補助金では交付申請をお受けして、交付決定をした額を補助の上限として、取り扱っているところでございます。

【高田県議】
 制度上なかなか、大変だということなんですが、もう一つグループ補助金で課題があるのかなというふうに、感じているところがあるんですけれども事業が完了してもですね、補助金交付に非常に時間がかかってしまうというようなお話をされます。私が相談をうけたのはですね、昨年既にもう事業完了したんだけれども、県の完了検査が今年の8月末と。完了検査が8月末で一ヶ月以上経ってもですね、補助金が交付されないと。そういう状況で、非常に中にはですねその期間つなぎ融資をせざるをえないと。私が相談を受けた人は5重ローンだという話をされましたけれども、どうしてこんなに時間がかかってしまうのかと。補助金が決定してから交付までどのような流れになっているのか、もう少し短縮できないのかということも含めてですね。どういう状況になっているのかお伺いしたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 補助金交付に時間がかかるというお話でございます。さきほど件数をお話しましたが現在でも732の事業者の方が事業継続しておりまして。いまのお話は完了した後のお支払いでしたが、事業の途中、途中でもお支払いをしております。そういった関係で支払い事務が大変、量的に多くなっておりまして一定の時間がかかっている面はございます。事業者の方も補助事業にない方もおられたりしてですね、書類のやり取りであったり、事実関係の確認などに時間を要しているなどの事情もございます。私どもとすれば、私どもの課の職員の数も増やしておりますし、そういった事務処理体制を増強しながらできるだけ早く、支払いができるようにですね、努めているところであります。

【高田県議】
 是非、事業短縮できるように対応して頂きたいと思うのです。グループ補助金の最後に今後の国の対応についてどうなっているのかという事についてお聞きしたいと思います。大きな被害をうけた陸前高田とか、大槌とかそういったところは、なかなか事業再生、商業者、商店街にとってみれば再生に相当時間がかかるわけですよね。陸前高田の市長さんからは、やはりながいスパンで応援してもらいたいんだと。グループ補助金を基金に造成をしてね、必要なときに使えるようにして欲しいんだという要望もされました。新聞報道などをみますとですね、来年度の概算要求、中小企業庁の概算要求に対して財務省は、3年も支援を続けたんだという事で予算削減を匂わす動きも出ておりますが経産省は今のところ金額要求はしていないというような、そういう報道もあります。これは、本当に3年、4年で終わってしまえば事業の再生に繋がらないわけですから、県も国に対してしっかりと要求しているというのも分かりますが国の動向ですね、どうなっているのか。お伺いしたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 経済産業省においては、お話のあった通り、来年度の概算要求にグループ補助金を盛り込んでいます。その後、私も経産省の課長補佐などと直接、お話等もしておりますが具体的な動きについてはですね、新しい情報はございません。

【高田県議】
 グループ補助金の継続というのは、本当に大事な課題でありますから引き続きしっかりと国に対して要請していただくようにお願いしたいと思います。
 
 
・2重ローンの解消の問題について
 
【高田県議】
 2重ローンの解消の問題ですけれども、現在の債権買取の状況、どうなっているのか、ご答弁いただきたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 9月末現在ですね、岩手産業復興機構による買取が75件、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構によるものが79件で合わせて154件となっております。

【高田県議】
 154件というのは、被災の状況からみてですね、決して多くない数字だと思うんですね。先ほどグループ補助金の問題をお聞きしましたけれども、4分の1負担も大変で、しかも資材が高騰しているという中で資金調達も大変になって事業を縮小せざるをえないという状況が出ているんですけれども。
 この問題を改善できないというお話もありましたけれども、そうであるならばやっぱり2重ローン問題というのは、本当に大事な課題だというように思うんですね。私は、過去の借金を優先的に対応してもらうと。あるいは、その買取基準もっとこう高いハードルにして行かないと、やはり改善できないんではないかなと。もっともっと利用できるような状況に改善して行かないと、なかなかグループ補助の交付決定を受けてもなかなか事業の再生というのは出来ないんじゃないかなと思うのですが、その点をお願いしたいと思いますし、もう一つ続けてお伺いしますが、その相談センターになっている岩手復興相談センター、これは今年度で終わりだとか色々お話をされていますが、この相談センターがなくなればですね、事業の再生もできないと思うんですが。
 これは現在、国の動向、どうなっているのか、この点についてもお伺いしたいと思います。

【経営支援課総括課長】
 被災事業者のですね、財務面、資金繰りの支援については、買い取りも含めて、長期返済猶予であったり、あるいは新規融資のあっせんであったり、買い取りだけではなくですね、その事業者の状況に応じて支援する事が重要であり、そういった支援をお話のあった相談センター中心に実施しているところでございます。相談センターの継続については、これも国に要望しているところでございます。

【高田県議】
 国に対する要請をしているのは分かっているんですが、動向がどうなっているのかという事をお聞きしたのです。

【経営支援課総括課長】
 国においては、来年度の概算要求にですね、センターの設置費を盛り込んでおります。

【高田県議】

 この問題についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 やはり、地域経済と雇用を担う中小企業がね、仕事を再開して軌道に乗せるという事が復興の鍵を握っているわけでありますので、2重ローンの問題、あるいは事業所の再建、ふくめてですねしっかりと取り組んで頂きたいと思います。
 
 
・緊急雇用創出事業について
 
【高田県議】
 最後です。緊急雇用促進事業についてお聞きします。これまでの事業実績についてどうなっているかということ、それから久保委員の質問の中で事業実績は縮小されるというお話がありましたが、どの程度になるのか。その点についてもお聞きしたいと思います。

【特命参事兼雇用対策課長】
 まず、これまでの実績でございますけれども、24年度は県、市町村あわせた新規雇用数は8713人でございます。25年度は9月末で3355人となっております。失礼しました、26年度の見込みでございますが、これは現在、25年度新規のみ26年度の実施を認めるという制度で国は、制度延長の概算要求出しておりますが、それが認められればという前提で、試算したものでございますけども概ね今年度より、4割弱減るという見込みで考えております。

【高田県議】
 この間、大槌とか、釜石などをまわってきたんですけれども、大槌では緊急雇用事業をつかって生活支援員を雇用して48ヶ所4600人を支援して、96人で頑張っていると。釜石でも見守り対策としてね、100人体制で緊急雇用事業で対応しているという話をされました。本当に緊急雇用事業が、なくなったら大変だなというのが、私が被災地で伺った共通の声でありました。やっぱり一年限りでは、こういう心のケア対策では駄目で、やっぱりきちっとした国の支援、3年、5年働くような雇用条件でないと駄目だという話もされました。また、市町村職員ですね、これも切られたら大変だという話をされました。やっぱり被災地の実態にあった緊急雇用対策。やっぱり必要な事業は継続を求めて行くという事がね、本当に大事だというふうに思うんですけれども、その辺の事を含めてですね国にどういう要求をしていくのか、その辺の事をお聞きして終わりたいと思います。

【特命参事兼雇用対策課長】
 先ほど申しましたとおり、厚生労働省の方では概算要求で制度延長を要求してございます。財源的には、まだ本県に交付済みの基金残高がございますので、鋭意、厚生労働省からの照会に対して概算要求が認められるような資料提供をしながら、対応しているところでございます。我々としましても被災者支援等の事業、まだ継続が必要と考えておりますので、そういった意味では、国の対応状況につきまして注視してまいりたいと考えております。