2013年10月22日 決算特別委員会
企業局に対する質疑大要
・稲庭高原風力発電について
【斉藤委員】
平成24年度の実績を見ると、平均風速は計画値7m/秒で実績値も同じだが、目標電力量にたいして実績は79.3%にとどまっているのはなぜか。
【電気課長】
落雷により1号機のブレードの損傷があったということと、3号機においてコイルの損傷事故があり、長期的に発電が停止したということで達成率が下がった。
【斉藤委員】
決算の報告を見ると、稲庭風力発電は昨年度も赤字と。売電単価が平成24年11月1日から11.5円から18.29円と大幅に固定価格買い取り制度で引き上げられるので、このままいけば今年度は黒字転換できるのかとは思うが、昨年の赤字の要因と今年度の見込み、さらに累積赤字は解消する見通しはあるのか。
【電気課長】
ブレードの損傷については落雷によるものであるので、今年度耐雷化の工事を行っている。
今年度は料金単価が上がったことで、単年度黒字になる見通しである。
累積損益についても、平成27年度から黒字に転換できるものと見込んでいる。
・高森高原風力発電について
【斉藤委員】
環境調査はいまどうなっているか。
風力発電の開発の取り組みはどうなっているか。
【電気課長】
環境アセスの状況だが、昨年度末に環境影響の予測評価の進め方を示した方法書を作成し、国等への提出や地域住民に報告・縦覧している。さらに今年4月に二戸市や一戸町において住民説明会を開催している。地域住民や国・県からの意見等を方法書に追加している。
その結果、8月に国の環境審査顧問会の審査を経て、国から勧告不要との通知を受けている。これにより、方法書の内容が確定しているので、これから動植物の調査など具体的な環境影響調査に取り掛かることとしている。猛禽類等の鳥類については、2シーズンの営巣期間のデータが必要なことから、今年の1月から先行してモニタリング調査を行っている。
【斉藤委員】
今年の冬からのモニタリング調査はどうなっているか。
【電気課長】
クマタカ、ハエタカ、ノスリ、特にノスリの飛来が頻繁に確認されている。
【斉藤委員】
予算委員会で聞いたときには、クマタカが生息、繁殖もしているという話があったがどうなっているか。
【電気課長】
クマタカについては、飛来が1回しか確認されておらず、現地では生息は現在のところ確認されていないのではないかと推定されている。まだ中間報告の段階なので、今後調査の結果でどのような結果になるのかなど確定していない。
【斉藤委員】
いずれこれから本格的な調査になるので、きちんとした調査をやっていただきたい。
・北上市での大規模太陽光発電について
【斉藤委員】
取り組みの状況と見通しはどうなっているか。
【経営企画課長】
本年6月に北上市相去地区にお住まいの方を対象に、事業の説明会を開催し、事業についての質問や意見をいただいた。8月には、プロポーザル協議方式により、建設工事の受注者を選定し、9月に工事契約を締結した。現在は、本年度の固定価格買い取り単価の適用を受けるため、東北電力株式会社への系統アクセス検討の申し込み、また国への設備認定の申請の準備を進めている。
【斉藤委員】
これは売電単価も決まっているようなのでしっかり進めていただきたい。
・簗川ダム水力発電について
【斉藤委員】
簗川ダム自身がいらないと思っているので、あまり悪乗りしないでやったらいいのではないかと思うが、今まで支出したダム負担金があるが、もしまた再開して乗っかるとすれば、どのぐらいのダム負担金が必要になるのか。
【業務課総括課長】
現時点で、過去に負担金としては5400万円ほど支払っているが、今後見込まれる負担金等については、ダム事業先との協議を行っていない状況なので、現在は予測していない状況である。
【斉藤委員】
簗川ダムで水力発電をやるというときに協議もしていないと。それはいつ頃からやるつもりなのか。
【業務課総括課長】
現時点では、協議するというところまではいっていないが、発電事業の中で我々が予測し得る費用は当然発電所の建設費である。建設費を算出するために基本設計を行っている状況である。
【斉藤委員】
どのぐらいの見込みでやっているのか。
【業務課総括課長】
基本設計だが、現時点では総事業費として約10億円程度になるのではないかという見通しのもとで、粗い試算であるのでこれから精査するといった状況である。
【斉藤委員】
簗川は先日の新聞にも出たが、高知県が毎年やっている清流調査、アユを獲りアユが何を食べているかというので清流度を比べる調査で、二度目の全国の準グランプリをとっている。簗川のアユは全然違うと言われるぐらい、そのぐらいの清流である。盛岡市内でいま残っている上流にダムがない川は簗川だけである。こういう清流は本当に残すべきである。
簗川自身は洪水にも耐える掘込河道になっており、そういう貴重な清流である。局長は存じているか。
【企業局長】
新聞報道等で存じている。
【斉藤委員】
ぜひ慎重に、再生可能エネルギーの開発には賛成だが、この簗川ダムは住民の間で賛否両論があり、5年ごとの大規模事業評価で何度も議論されてきた経過のあるダムなので慎重にやっていただきたい。
・工業用水道について
【斉藤委員】
入畑ダムの未排水、過大なダムをつくったと思っているが、これを売却できたというのはよかったと。これは工業用水道会計にとっても財務体質を強化することになったと思う。
入畑ダムの未排水の売買というのは、実態的には水利権の売買ではないかと思うが、決算上では、共同利用施設の売買となっているが、この辺の説明を求めたい。
【業務課総括課長】
入畑ダムには、ダムの中には水利権というものを当然設けており、一方では合わせてダムの資産の一部を有しているということである。
【斉藤委員】
結局、水利権というのが決算上はダムの資産、共同利用施設の一部の売買という形になるのか。水を売ったのではないか。
【業務課総括課長】
譲渡したものについては、ダムの固定資産を売却したということである。
【斉藤委員】
未排水、過大な水があって、それを農業用水に転用することにした、それを売買した。実態とすれば、水利権を売買したということになるのではないか。
入畑ダムの未排水、過大な水量はどのぐらいあったのか。今回そのうちどのぐらい売買することができたのか。
【業務課総括課長】
譲渡というものは基本的にダムの使用権というものを売ったということになる。ダムの使用権というもので、企業局が保有しているダムの使用権の一部を売却したということである。
入畑ダムとしては、使用権として、日量52000立方メートルの水を使えることとなっていたが、その中の35000立方メートルを売却、無償譲渡したものである。
【斉藤委員】
そうすると、半分以上今回売却したと。それだけ過大なダムを造ってしまったということに結果的になってしまうのではないか。
【業務課総括課長】
本県の工業用水道事業については、高圧としての状況であり、他県のライバル等がいる中にあり、企業を誘致するためには、先行して工業用水の施設を整備して、工業用水が希望通りに供給できる体制を示す必要があった。
水源がなかったことから、入畑ダムを求めることにしたものであり、これについては、まず知事部局の工業団地整備計画に基づいて施設整備を行って水を確保したものである。
【斉藤委員】
知事部局の計画中で開発したと。結果的には7割近く農業用水に転用した。農業用水も必要だったので、結果的にはどちらも助かったということになるが、ダム建設から見たら過大な投資だったということである。