2013年10月22日 決算特別委員会
教育委員会(特別支援学校の整備)に対する関連質疑大要


【斉藤委員】
 75教室が不足で、この5年間で22教室の不足が増えたと。これは異常事態である。岩手の教育の中の矛盾の集中点と言ってもいい。
 いま震災復興から学校の再建整備は最優先だが、それに次ぐぐらいの問題だと思う。
 教育長も課長も、不足数の解消に取り組むと言っているが、具体性がない。だいたい特別支援学校の整備計画を中断している。もう中断できない事態だと思う。5年間で22も増えて75になった。そして一番手をかけてやらなくてはいけない学校である。この特別支援学校の施設整備の計画はどのようにするのか。不足分をどのように計画的にどう整備しようとしているか。

【教育長】
 ご指摘の通り、被災した学校の再建に全力を尽くしていると。あわせて、まだまだ残念ながら耐震化が100%にいっていない、一刻も早く何かあった場合に子どもたちの命を守らなければならない、そういう課題も抱えている。そして特別支援学校の教室不足に対する対応も急務だろうと思っている。
 そういった中で、毎年限られた財源の中でどういう風な格好でそれぞれの整備を進めていくかというのは非常に大きな問題だが、具体的に将来の財源見通しが現在非常に難しい中で、毎年この学校について整備しますと明確にお示しするのは非常に難しいことはご理解いただきたい。ただ、一方で、それぞれの学校のもっている問題、1つ1つ学校と相談しながら、今年は何ができるのかということを1つでも2つでも解消できるように努めていくというのが我々のやれることではないかと考えている。

【斉藤委員】
 今の答弁だと毎年検討すると。全然見通しが見えない。5年間で22の教室不足が増えたのだから。黙っていたらもっと増えるということではないか。財源の問題はもちろんあると思うが、施設の整備計画は大震災があったという問題と、国の特別支援教育の方向性が定まらないと、2つの要因が背景にあったと思う。しかし、2年も3年も延ばして、今後の見通しもないと。子どもたちはどうなるのか。普通の学校でこれだけ教室不足だったらパニックになる。本当に子どもたちは家族が少数派でものが言えないから騒ぎにならないだけで、本当に異常事態、非常事態の認識を教育長は持たれているのか。その上で、例えば一気に75解決できないとしても、最優先して解消すべきところは3年でやるとか、そういう方向性を示さなかったら、特別支援教育は成り立たないのではないか。
 いま特別支援教育推進プランの最終プランが出ると思うが、この問題は回避されていると思う。一番大事な問題を回避して推進プランといっても意味がない。そういうことも含めて、毎年検討するのではなく、3年とか5年とか、どこまで緊急に改善できるのかという方向性を持たないといけないのではないか。

【教育長】
 教室不足数については、それぞれ学校のいろんな要望を踏まえ、各学校が文科省に回答した資料である。したがい、それぞれの学校の状況に応じて、課題は1つ1つ違うと思う。ですから、何年ですべてこれを解消するということはなかなか申し上げられないところがあるが、やはり一方で子どもたちが置かれている状況は十分承知しているので、1つ1つの学校とよく話をして、我々として何ができるかということを1つ1つ進めていきたい。

【斉藤委員】
 緊急に打開する必要のある、例えば男女共用のトイレが残されているというのはあり得ない話である。これは人権感覚が問われると思う。特別支援だからそれが許されていいのか。教室不足の問題もそうで、教育が成り立たないような状況になっているのではないか。男女共用のトイレは何校にあるのか。そういうものは直ちに解消すると。そういうことでしっかり対応していただきたい。緊急的な課題の検討をしていただきたい。

【特別支援教育課長】
 男女兼用でトイレを使用している特別支援学校の状況だが、今後の対応について。男女兼用で児童用トイレを使用している県立特別支援学校は、盛岡みたけ、気仙、釜石、宮古の4校である。この4校はいずれも知的障害の教育を対象とした特別支援学校であり、小学部低学年のみ男女が児童用トイレを兼用している。知的障害を有する低学年の児童については、一人一人の発達段階を踏まえながら、衣服の着脱や食事指導、排泄指導等、身辺処理能力の向上を目指した学習を基礎的な課題ということにして、低学年では主に取り組まれている。特にもトイレ指導については、指導上・安全上の配慮から男女兼用トイレの方が良いということもあり、低学年においては男女共用のトイレを設置してきていると思う。
 兼用トイレの改善については、小学部低学年が使用するトイレにおいても、男女別にトイレを設置すべきであろうと思うが、洋式トイレ化とかトイレ内の個室ブースの拡張という部分の課題を優先して整備してきたことから、この部分の改善が遅れてきているところである。平成7年以降に新築や改築した特別支援学校においては、こうした男女兼用トイレの部分というのはそれぞれ解消されている。
 今後において、男女兼用で使用している4校については、支援学校とよく相談させていただきながら改善に向け検討していきたい。