2013年10月22日 決算特別委員会
教育委員会に対する高田一郎県議の質疑大要


・被災した子供の学習環境の改善について

【高田県議】
 被災した子供の学習環境の改善についてお伺いいたします。第1にですね、放課後の学習支援の取り組み状況。それからニーズ、これどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。

【生涯学習文化課総括課長】
 被災地における児童、生徒の放課後の学習支援についてでございますが、現在も被災した沿岸各市町村では、多くの児童、生徒が、仮設住宅に入居しておりまして、これらの児童、生徒の多くは通学に時間がかかる事や、家庭学習に集中して取り組めるスペースが確保できないと言ったような事によりまして、放課後の学習を進めて行くことに困難を抱えていると認識しております。そういったような状況から、現在、沿岸の9市町村におきまして、民間のボランティア団体等と市町村教育委員会が連携した取り組みを進めており、平日の夕方から夜間、及び休日の昼間の時間帯に、学校の空き教室ですとか地域の集会施設等、今現在は22箇所、約800人の児童、生徒が地元の塾講師や大学生ボランティアの支援を受けながら放課後の学習に取り組んでいるというところでございます。
 この事業は国の事業でございます。「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」などを活用して実施されておりまして、23年度以降取り組んでおりまして、今現在は学習支援の箇所数としては、基本的に充足しているものと考えております。ただ、一方で色んな取り組みがなされているわけでございますけれども、その内容によりましては地域の方からは対象学年が今例えば中学2年生以降が対象だというような取り組みもございまして、たとえばそういった内容によっては、対象学年を広げて欲しいというようなニーズもあるというふうにきいておりますのでこういったニーズを的確に把握しながら、今後とも学習支援の継続と支援内容の拡充というものに取り組んでまいりたいと考えております。

【高田県議】
 ありがとうございました。
 これまで、国の事業を活用してですね、NPOとかあるいはボランティアなんかを中心にですね、対応してきたと思います。9市町村と教育委員会、連携して対応してきたという話ですけれども、やっぱりその中心となっているのは、ボランティアの皆さん、その中は大学生が中心だというふうに思うんですね。ボランティアに頼らざるえない状況になっているんですが、今後の国の支援事業がどうなるのか。そしてボランティアに頼っているわけですけれども、今後どういう展開になるなかね。これはやっぱり仮設住宅がまだまだ長く続くという事で、学びの環境と言いますかね。放課後の学習環境が悪化しているという状況は、今後もつづく事になると思うんですけれども、今後の国の支援の状況、ボランティアが今後、どういう対応をされていくのか。この辺も含めてお伺いしたいと思います。

【生涯学習文化課総括課長】
 まずは、今現在、国の事業等活用しておるわけでございますが、これについてはまだ被災地の状況が先ほど申し上げた通り、なかなか放課後の学習を進めていく事に困難な状況を抱えているという状況が、すぐさま改善されるわけではございませんので、これについては引き続き国に対して予算を要望してまいりたいというふうに考えてございます。それとあともう一点、その人的な面でございますけれども、確かに今現在、学生ボランティアの方にさまざまご支援いただいているところでございます。中には学生ボランティアで参加した方が、例えば東京から来られた方が今回被災地のボランティアに入りまして、そこで新しく。これまでの東京の職を辞めてですね、岩手にずっといて本格的に支援をしていただくというような方も実際におられます。ただし、やはり長期で携わっていただけるボランティアを確保していく事がまずは、当面課題と聞いておりますので、そこは我々県内の大学生、大学と連携をしながら出来るだけ県内の学生に長期で参加していただけるような形にしてまいりたいと思っておりますし、そういった取り組みをすすめて行く中でゆくゆくは継続的に支援をしていただける方というものを、是非とも育てていきたいというふうに考えております。

【高田県議】
 放課後の学習環境の問題については、今課長がお話したようにですね今後やっぱり継続してね、取り組んで行かなくてはならない課題でもありますので、ぜひ対象を広げて欲しいという、そういう要望もあります。これまで県もですね、灯油とか帰りの交通手段への支援とかさまざまなかたちで支援をしてきましたので、被災地の現場の実態を踏まえてね、的確に対応して頂きたいというふうに思います。


・被災した学校の再建状況について
 
【高田県議】
 次に被災した学校の再建状況、それから仮設グランドですね。この整備状況、これはどうなっているのか示していただきたいと思います。

【学校施設課長】
 被災した学校の再建状況についてでございますが、市町村立小中学校につきましては、現在7市町村17校におきまして再建等についての取り組みが、検討が行われてございます。中でも山田町の船越小学校は平成25年度内、その他の学校の多くにつきましては、平成27年度の完成を目指して、それぞれ取り組みが行われているところでございます。県といたしましては、被災した学校の早期再建が図られますよう、国との調整、及び、市町村に対する必要な助言や情報提供など、必要な支援に努めてまいります。
 県立学校でございますが、県立高田高等学校の第一体育館の建設工事でございますが、本年4月に着手いたしまして、現在、平成26年2月の完成を目指して工事を進めているところでございまして、校舎等の主要な施設につきましては、現在、入札不調等の状況もございますが、現状におきましては可能な手段を講じまして平成26年度末までの完成を目指してございます。次に仮設グランドの整備の状況でございます。学校のグランドに仮設住宅及び、仮設校舎が建設された事によりまして、グランドの使用の全部、または一部が制約されている学校が、現在39校となってございます。その他の学校につきましては、仮設グランドの整備に適当な用地の確保が出来ない等事情によりまして、校内の空きスペース、あるいは近隣の他校や他の施設、空き地等を活用するなどいたしまして、それぞれ工夫して体育の授業等おこなっているところでございますが、今後、仮設グランドを進める市町村につきましては、国の復興交付金の活用が可能でございますので、引き続き国との連携を密にいたしまして復興交付金の活用についての助言、あるいは情報提供などをして市町村の支援に努めてまいります。

【高田県議】
 仮設グランドの整備状況もお聞きしたんですが、具体的な数字ですね、どの程度こう、まだ整備されていないのかということも示していただきたいと思います。県立高田高校の再建状況もですね、今答弁頂きましたので合わせてお伺いしたいと思いますけれども、新聞報道によりますと7月から2回の入札はいずれも、応札ゼロということで、私も大変びっくりいたしました。高校の学校の教育施設がね、応札ゼロで大変な状況だと言う事でね。これは、一体どういう見通しなのかという事をお聞きしたいしたいんですけれども。新聞報道では開設予定に合わせて、あらゆる方法を検討して予定通りがんばるんだというコメントもありますけれども、その見通しですね。あらゆる方法をつくして頑張るんだという見通しについてお伺いしたいと思いますし、先日、私も現地へ私も行ってきまして、体育館が今建設途上であります。これは来年春の高校卒業生、是非あの体育館で卒業式をさせてあげたいなと。震災直後、入学した高校生がですね、ずっと大船渡まで3年間も通ってね。新しい高校で卒業できないなんていうのは、非常に気の毒だというふうに思いますが、是非間に合うのかどうかというのも含めてね、答弁頂きたいと思います。
 それから被災した学校の再建状況をお聞きいたしました。実は復興のロードマップを見ますと、かなりの学校が26年度に集中しているんですね。まあ、ほとんどの学校と言っても良いと思いますけれども。今この高田高校の入札状況をですね2回応札ゼロだと、いう状況をみて26年度に被災した小中学校が集中されるということで、本当に、ロードマップ通りに上手くいくのかどうかって言うようなね。災害公営住宅もなかなかロードマップの予定通りに行かなくて、大変な状況になっているんですけれども、私は、住まいの再建とかですね、学校施設これは、優先をしてねやって欲しいなという思いをしているんですけれども、この見通しについてお伺いしたいというふうに思います。

【教育長】
 高田高校の卒業式の関係でございますが、私どもも同じ想いで、完成を急ぎましたし、物理的には間に合うだろうと思ってます。ただ一方で、学校のお話を聞きますと、子供たちや、ご父兄は今学んでいる、校舎が自分たちの学び舎で、こちらで卒業式をしたいというご意向もあるやに伺ってます。なによりも卒業式は子供たちとかご父兄が主役ですので、そういった方々の充分、ご意向もふまえて学校において適切にご判断いただきたいと考えております。それから入札不調の問題、それは報道等の通りでございまして私どもとしても、被災地の象徴であります高田高校の再建、そういったものに、なかなか私どもとしてこうする事で必ずできますという決定的なものがあるわけではございません。相手のあることでですので。ただ色んな方策を講じまして国に対しても何とか一刻も早く実態にあう単価を見直して欲しいということを、この間も担当部長さんにもお願いいたしましたし、いずれあらゆる方策を通じながらなんとか子供たちの期待に応えるよう取り組んでまいりたいと思っておりますし、市町村に対しましても市町村も同じ思いで。一刻も早く子供たちを迎え入れたいということで、あのようなロードマップにしているわけでございますので、市町村と一緒になって色々汗をかいてまいりたいと考えております。
【学校施設課長】
 仮設グランドの整備状況につきましてでございますが、現在、仮設グランドを整備いたしましたのが16校、整備中が1校となってございます。

【高田県議】
 被災した学校の再建についてはね、本当に復興を進めていくうえでさまざまな用地の確保とか、資材高騰とか、人手不足とか、さまざまな課題があってなかなかロードマップの通りに進まない状況がありますけれども。やっぱり先ほども繰り返し言ったように公営住宅の問題とか、学校施設の整備とか、これを本当に優先やらなくてはいけないというふうに思うんですが、内部ではですね、その問題についてどんな議論がされているのかということでね、ちょっとお伺いしたいという事と、それから仮設グランドの整備状況ですけれども、まだ、東日本大震災から2年7ヶ月、8ヶ月経ってもですね、グランドが整備できない、仮設グランドも整備できないという状況なんですが、これはおそらく仮設住宅が建設されて、なかなか学校の再建が進まない中で上手くいかないというふうに思うんですが、やむをえない面があるんですけれどもね。これはどの程度、期間が経てば解消されるのか。仮設住宅の移転。なくなれば改善すると思うんですけれども、その辺の見通しについてもお伺いしたいと思います。

【教育長】
 なかなか明確な解決策がなくて、私どもも苦慮しております。これは全庁的な、復興公営住宅も含めて全庁的な課題でございます。県土整備部に中心となっていただきながら関係部局でいろいろ情報交換をさせていただきながらどのような方策が可能か、また、どうしても請求単価の問題は、国交省の単価に他の各省庁が習うという傾向がございますので、ますは一体となって国に対する要望とそれから、中での調整を進めてまいりたいと思っております。それからやはり、いつになったらグランドの状況が解消するのかというのは、お答えするのが非常に難しいです。私どもも一刻も早く子供たちをのびのびと遊ばせてあげたいと思っておりますが、仮設グランドの整備につきましては、やはり用地の問題が、 あってなかなか用地確保がままならないというところから、まず、我々としては今の範囲でできる事をまずやっていく、それから後は現在の校庭がいつ使えるのかという事につきましては全体的なそれぞれの市町村の復興の状況にもよりますので、その辺については関係部局とよく意思疎通を行いながら、私どもとしても一刻も早く子供たちが良好な教育環境で学べるよう努めてまいるということだろうと思っております。

【高田県議】
 仮設グランドについてはですね、やっぱり長引けば長引くほど体力の低下とかね、さまざまな問題に波及しますので最善の努力をしてね、取り組んでいただきたいというふうに思います。


・少人数学級について
 
【高田県議】
 次に少人数学級についてお伺いいたします。平成24年度は中学校1年生まで拡充をされまして、さらに本年度、来年度と、小学校3年生、4年生と拡充になるところでありますが、この少人数学級のですね、実施状況、それと効果ですね。それと実施対象校になっているにも関わらずなかなか実施されていない、学校もあると伺っておりますが、その理由についてしめして頂きたいと思います。

【小中学校人事課長】
 少人数学級の実施状況でありますが、岩手の少人数学級は、小学校1年生、2年生、3年生、そして中1と、4つの学年で35人以下学級となっております。今年度の少人数学級の状況についてですが、小学校1年生は国レベルで法制化されておりますので、小学校2年生につきましては1クラス36人以上となる対象25校中、25校すべてで35人以下学級を実施しております。中学校1年生は対象39校中、31校で実施しております。それから今年度から小学校3年生が選択性で実施ということになったわけなんですが、これは対象校34校中、28校で実施しております。次に少人数学級の効果につきましては、昨年度行いました、少人数学級にかかるアンケートの結果によりますと小中学校ともに学級集団としてのまとまり易さや、安全、健康管理、人間関係の把握、基本的な生活習慣の定着といった学級経営や生徒指導の面で有効であるというふうな回答を得ております。一方、このアンケートでは、少人数指導について小中学校ともに教師の授業改善の意識、指導力の向上、それから児童生徒の学力向上といった学習指導面に効果があるという回答も得ております。
 つぎに実施されない理由についてでございますが、小学校3年生で対象校34校中、6校で少人数学級を選択しないで、中学校1年生では、対象校39校中、8校が少人数学級を選択しておりません。これについては、小学校ではこれまで継続して効果をあげてきた少人数指導をさらに充実させたいという事がもっとも大きな理由でありまして、中学校では、少人数指導充実のためと、学校行事等において学年のたてわりの活動が盛んに行われる関係で、そのためなどが挙げられています。

【高田県議】
 いま答弁ありましたように、生徒指導とっても、学力向上にとっても大変大きな効果をあげているということで対象を本当に拡充して行くことが非常に大事になっていると思います。世界トップレベルの学力、規範意識を育むための教師力、学力向上7ヵ年戦略ということで、今後も7ヵ年で教職員体制を強化するという事で3万3500人、増やすという報道もされております。この文科省の2014年度からの工程表ですね、岩手の少人数学級と言いますか、教育環境というのはどのように変化するのか。どのようにみているのか。この点についてお伺いいたします。

【小中学校人事課長】
 文部省の工程表についてでありますけれども、文部省では、少人数学級の推進として平成26年から平成32年まで7ヵ年ですべての学年において36人以上学級の解消を図るという事としております。ただし、1学級が20人以下になる場合を除くという部分でありますが、同時にティームティーチングとは、習熟度別指導といった少人数指導の推進も同時に掲げております。これらは、少人数学級と少人数指導を市町村の裁量で選択的に実施できるよう、そういうふうな定数改善をしようとするものでありまして平成26年度、次年度には国全体で、2100人改善数を見込んでおるというところであります。これらにつきましては、現在のところ国における概算要求の段階でありまして、県としては、国の動向をより注視しながらよりよい少人数教育の方向を検討してまいりたいというふうに考えております。

【高田県議】
 先ほど、文科省の7ヵ年戦略ですか、工程表について岩手の少人数学級にどういう影響をあたえるかという事をお聞きしましたけれども、平成26年は2100人という事ですがただし、1学級が20人以下になる場合は除くという事ですから、岩手の少人数学級を拡充するうえでね、そんな大きな力にはならないではないのかなと思うんですが、その県としての7ヵ年戦略に対する評価とですね。さらに35人学級をさらに拡充する、そういう上での今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

【小中学校人事課長】
 まず、文部科学省の7ヵ年戦略についてでありますが、少人数学級の方向性は基本としつつも、それぞれの少人数指導のこれまでの成果をふまえてそれぞれの地域、学校にできるだけ近いところが判断できるようにという趣旨で、文部科学省はこれを出しているというふうに捉えております。本県としましてもそういう文部科学省の方向性を捉えつつより岩手の実態に合わせたかたちでこれについてすすめて行きたいというふうに考えております。なお35人学級、少人数学級につきましては、さまざまアンケート市町村に対して、学校に対して等、アンケートを繰り返しつつそのメリット、デメリットを比較しながら進めているところでありますが、それぞれの良さがあるものですから、充分比較検討した上ですすめてまいりたいというふうに考えております。


・特別支援教育について

【高田県議】
 それから、この項目の最後ですけれども特別支援教育についてお伺いいたします。先ほど教育長の冒頭の報告の中で、対象児童が増えているというようなお話をされました。これについては市町村でも独自にですね、支援員を配置している自治体も広がっていますので、その実態についてどうなっているのか。市町村の要望がどうなっているのかね。そしてまた、特別支援学級の配置状況、配置基準ですか、これについてもどういう基準になっているのかお伺いいたします。

【小中学校人事課長】
 次に特別支援学級の事についてでありますが、まず配置基準についてお話をさせていただきます。平成24年度から義務標準法改正されまして学級編成につきましては、それまでは都道府県教育委員会の同意を要する、そういう協議を必要としたものですが、これを廃止しまして、現在は市町村教育委員会からの事後の届出制になったところであります。市町村教育委員会が特別支援学級を設置しようとする場合には、市町村の就学指導委員会により児童生徒の障害の程度や保護者の意見等を基に市町村が総合的に判断して決定することになります。
 県の配置基準によりますと小中学校では、対象児童が8名までは一つの学級という形になっておりますが県では特別支援学級1学級につき1名の教諭を配置する事としております。特別支援学級への教諭配置は県が決定しますが、その際に市町村と県との相談が行われて市町村の考えが充分反映されるように努めているところであります。なお、教諭以外に国の交付税措置を活用しまして県内の33市町村においては、独自に非常勤の支援員が配置されているところであります。

【高田県議】
 特別支援教育の体制問題では、市町村が判断するという話でありましたが、今の話を聞きますと33市町村すべてで、独自の対応を行って支援を強化いるという話でありました。これについては、ここ数年ですね、障害やあるいは経過観察の必要な児童生徒が非常に増加しているということで。33自治体すべてが、独自の予算を使って対応しているわけですけれども、この財政負担について県に対してね。要望もあるわけであります。これに対してやっぱり県も積極的に取り組んでいただきたいというふうに思いますし、先ほどいった国の7ヵ年戦略の中でも、こういったメニューがないわけでありますから、そういった独自の県としての更なる財政支援が必要じゃないかなというふうに思うんですがその点についていかがでしょうか。

【小中学校人事課長】
 市町村では33すべてでそれぞれ措置されておりまして、非常勤は人数にしますと457人程、県内に市町村で措置されているというふうに聞いております。県としましては、先ほど述べた特別支援学級の定数1の他に県の定数を活用いたしまして特別支援教育支援の非常勤を合計34名でありますが、現在、配置しているところであります。ただこれにつきましては、教職員の基礎定数を活用してのものですから、限りがある状況であります。いずれ市町村と連携を深めながら出来るだけ子供たちの実態にあわせて人的配置が充実するよう努めてまいりたいというふうに考えております。

【高田県議】
 了解いたしました。充実に努めていただきたいと思います。
 
 
・高校授業料無償化への所得制限導入について
 
【高田県議】
 最後に高校授業料の無償化所得制限導入についてお聞きいたします。いま政府は来年の4月からですね、高校授業料の無償化について所得制限を導入するというそういう方向性になっています。これで所得制限を導入することによってどれだけの負担が生徒に、どれだけの生徒がですね、この所得制限導入によって対象になるのか。あるいは教育的な効果について、どのように県教育委員会としてみているのか。そしてあわせてお聞きしますけれども所得状況の調査というのは、どこで行うのか、学校現場なのか、あるいは途中で失業などがあってですね、収入が減少したという場合ですね、大変現場で実務が増えて、混乱するんではないか、さまざまなことが予想されるわけでありますが、県教育委員会として、これどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。

【予算財務課長】
 まず1点目の高校授業料の無償化の見直しに伴い負担が生じる生徒等についてのおたづねでございますが、文部科学省におきましては、所得制限を導入した場合に基準額、4人の標準世帯で年収910万以上の全国世帯の割合を家計消費状況調査などから、全国数字として22%と試算されたようであります。本県の県立高校生徒の世帯収入の確認は岩手の学び希望基金による給付をうける被災生徒の一部を除いて現時点では実施してございませんので従いまして、政府案による見直し後の制度下において授業料徴収の対象となる生徒の数は、困難であります。今後県の各種統計調査等を活用するなど、所得の定義や対象範囲などを所要事項が明らかになった段階で、試算をする必要があると考えてございます。また、あわせてこの導入にともないます教育的な効果と申しますか。影響についてのお尋ねかと存じますが、今回の政府見直し案によれば、所得基準額を超える世帯の生徒には、就学支援金年額約12万と聞いてございますが、これの支給がないと、されないということでございますので、当該生徒や保護者、進路検討するにあたってなんらかの影響が生じないとも言い切れない状況にあるのではと考えてございます。今のところ、生徒、保護者の方々から、県教委に直接お問い合わせをいただくことは、ほとんどございません。数件程度でございますが、今回の見直しに対する関心は非常に高いというふうに考えてございますので、国と連携しながら手を抜かずタイムリーに情報提供を行っていきたいというふうに考えてございます。2点目のお尋ねでございます。所得状況の実態の把握ですとか、あるいは確認の事務についての対応についてのお尋ねでございますけれども、国におきましては、先日10月18日に現行の徴収制度を見直す改正法案を閣議決定して今次の臨時国会に提出されたと聞いております。今後、こういった所得の定義でありますとか、範囲、あるいは世帯人数による基準額の調整など、制度の基本事項についてはいわゆる法令事項。法律、政令の事項として検討されると伺ってございますし、また委員お尋ねのいわゆる親の失業など、家計の急変した世帯へのなんらかの対策、対応等については、本来予算事項として、それぞれ国政の場で審議されるというと事で聞いているところでございます。また、その確認事務に伴う、作業についての学校現場での対応についてのご心配のお尋ねでございますが、当該作業について所得額は市町村が発行いたします課税証明書等を対象者から提出いただいて確認することになると考えておりますが、これまでやった事のない新しい事務でございますので県教委と県立学校、あるいは関係する団体等で協議を進めてまいりまして具体的な事務手順をきちんと整備していきたいと考えてございますし、こういった準備について文部科学省に対しましては、必要な情報の提供、準備経費の確保を求めてしっかりと対応してまいりたいと考えてございます

【高田県議】
 最後にしますけれども、今、制度の全容がまだまだ明らかになっていないので、影響については、まだしっかりとした数字が明らかに出来ないというのはわかりますけれども、しかし同じクラスでですね一方では無償化、一方では有償化ということである意味ではあらたな教育現場ではね、混乱が伴う問題にも発展するのかなと思いますし何よりも事務作業がですね、非常に膨大になるのではないかなと思います。そういう点では、このたび県議会の請願を受けて採択をされたわけですけれども。継続をもとめるね。県教育委員会としてこの問題についてどのようなスタンスで、これから対応していこうとしているのか。この問題お聞きして終わりたいと思います。

【予算財務課長】
 先般の請願、高校無償制度堅持にかかる請願について、請願を受けての県の対応についてでございますが、県といたしましては、これまで現行の高校授業料無償化制度の継続拡充を今年6月の政府予算要望など、これまで公式なもので6回にわたり求めてまいりました。また今年8月には全国知事会として都道府県として歩調をそろえまして無償化制度の見直し実施は慎重にとりあつかって欲しい旨の要望を行ってまいりました。さまざまなチャンネルを通じての行動を行ってきたところでございます。今後も全国知事会等で要望活動に共同歩調をとる機会があれば、これに呼応してまいりたいと考えてございますし、また並行いたしまして実務的な準備、生徒、保護者への周知、ご懸念いただいております事務処理体制の整備など必要な検討などもあわせて充分にしっかりと行ってまいりたいと考えております。