2013年10月25日 9月定例県議会・最終本会議
2012年度岩手県立病院等事業会計決算に対する反対討論


 日本共産党の斉藤信でございます。認定第13号、2012年度岩手県立病院等事業会計決算に反対の討論を行います。
 被災された県立病院の医師、看護師はもとより、県立病院の職員が、県民のいのちと健康、地域医療を守るために日夜、献身的に取り組まれていることに心から敬意と感謝を申し上げます。
 しかしながら、県立病院で働く医師はもとより看護師等の勤務環境は、高齢化や医療の高度化のもとで、業務量が増大しており、過酷な状況となっています。
 反対する最大の理由は、看護師等の大幅な増員の要求に背を向け、2012年度は看護師を33人も削減したことであります。
 医療局の決算審査でも具体的に示しましたが、県立病院の看護師の勤務環境は過酷なものとなっています。年次休暇の取得は平均で8.3日、中央病院の場合は5.3日となっており、生理休暇はわずか2.7日でほとんど取れない状況です。151人の退職者のうち75人が定年前の中途退職者であります。3交代勤務自身が看護師にとって過酷なものでありますが、月8日夜勤の原則が崩され、月9日夜勤が当たり前になりつつあります。中央病院では、育児休業38人、産前産後休暇13人、育児時間10人、夜勤免除30人となっており、合計93人が配慮の必要な看護師です。若い看護師さんの職場でありますから、これは特別のことではなく、こうした状況を踏まえた看護師の体制の確保が必要です。実態は看護師不足のために、妊娠している看護師も夜勤の体制に組み込まれています。
 今県議会で、3万7千人余の署名を集めた「県立病院の医師・看護師など医療従事者の大幅な増員を求める請願」が全会一致で採択されたことは画期的で重要な出来事でした。この請願採択と各県議の質問を受け、医療局長が、現在策定中の次期県立病院の経営計画で看護師130人をはじめ322人の増員を行うことを表明したことは重要です。
 看護師の今年の採用試験では172人の採用予定者に対して応募者は128人にとどまりました。44人も不足する状況となっています。看護師確保にとって重大な転換点に直面していると言わなければなりません。医療局長は私の質問に対し「看護師不足のままでは県立病院が回らない、運営できなくなるという認識は同じ」と答えました。大幅な増員で、仕事に誇りとやりがいを感じられる勤務環境の改善をはかることは、県立病院の維持・発展にとっても急務中の課題だと言わなければなりません。130人の増員にとどまることなく、大幅な増員をめざすべきであります。
 また、昨年度、県立病院職員の努力で13億円余の純利益となったことは評価します。この利益を医師・看護師等の大幅な増員に振り向けるべきであります。
 被災した県立病院の再建整備の計画も示されました。医師・看護師等医療関係者の意見・要望を踏まえるとともに、地域住民の要望にこたえて復興のシンボルになる病院の早期の再建整備に取り組むよう求めるものであります。
 最後に、消費税負担額が累積で143億円に及びます。これは累積赤字192億円の74%を占めるものであります。8%増税なら年間10億円の負担増、10%なら15億円の負担増となるとの答弁もありました。消費税の大増税は、私たちのくらしを破壊するとともに、県立病院と地域医療にとっても死活にかかわる、許されない大増税であることも浮き彫りとなりました。消費税の大増税に反対する取り組みを強化するよう求めるものであります。
 以上申し上げ、日本共産党を代表しての反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。