2013年11月25日 決算特別委員会
山田町NPO問題―菊池前沿岸広域振興局副局長に対する参考人質疑(大要)
【斉藤委員】
県が完了検査をしたにも関わらず、山田町がNPO法人大雪りばぁねっと。に委託した山田町災害復興支援事業が破たんし、6億7000万円の不適正支出と返還が求められる事態となったが、県の当時の責任者として、その原因と責任についてどう認識しているか。
【菊池前副局長】
補助金交付申請、交付決定の手続きは適正に行われたと認識している。
平成23年12月には、事業の完了確認等に向けて必要な書類等について注意喚起したものであり、3月については、口頭で書類が整理されていないことの報告を受けたので、きちんと指導するよう指示した記憶がある。その後の状況については承知していない。
【斉藤委員】
完了検査は3月31日であなたの任期中である。あなたが決済したのではないか。
【菊池前副局長】
3月31日の決済というのはしていない。
【斉藤委員】
決済はするものではないか。しなくていいのか。
【菊池前副局長】
3月31日までに実施するのが正しいが、これについては3月31日に完了検査を行ったという報告はなかったので、特別な場合若干延ばすこともできるので、それでやられたのではないかと推測している。
【斉藤委員】
完了検査の問題はきわめて重大で、これはやられなかった。文書は3月31日付でとんでもない話である。
緊急雇用創出事業の実施要領では、「委託事業を的確に遂行するに足る能力を有する者」とあるが、NPO法人、岡田代表理事の実態をなぜ県として把握しなかったのか。
【菊池前副局長】
山田町が自ら事業を企画し町が実施すべき業務をNPO法人に委託して行わせているものであり、山田町の監督の下で行われているものであり、山田町に補助金を交付するという県が委託先等の実態を把握する立場になかった。
【斉藤委員】
実施要領について県はチェックしていないのか。
【菊池前副局長】
そのような認識のもとでチェックはしていない。
【斉藤委員】
災害復興支援隊のヘリに当時副局長は何回乗っているか、いつ乗っているか。
【菊池前副局長】
2回乗っている。1回目は7月14日、これは町から乗ってくれという依頼があり乗っている。
2回目は8月4日、これは副知事が現地を調査している中で、山田のボランティアセンターに行った。遺体捜索の状況について聞き取ったということもある。このときに、たまたまヘリがあるからということで、スケジュール的にも空いていたので、副知事と一緒に乗った。
【斉藤委員】
6月15日の知事の懇談に岡田代表を紹介し、8月4日には副知事をヘリに同乗させたと。岡田氏とどれぐらいの付き合いだったのか、何回会っているのか。
【菊池前副局長】
記憶では、これらも含めて数回である。
【斉藤委員】
御蔵の湯の事業について、いつどのような形で提起され、どういう条件で実施することになったのか。
【菊池前副局長】
この山田町の事業で、私に報告するというものがあったのは、報告2回、決済7回であり、この中に御蔵の湯の詳細については、計画書自体にもなく、報告の中にもなかったので、個々の事業の細部は承知していない。
【斉藤委員】
では入浴施設はリース・材料費・組み立てでできると、誰が責任をもって一般論を答えたのか。
【菊池前副局長】
責任をもって答えたかという話だが、これは仕組みの中の制度で、こういうものであれば可能という話をしたと、そのように聞いている。
【斉藤委員】
12月26日の開所式で、副局長の祝辞が代読で紹介されている。この中では、「この仮設浴場の建設に尽力した山田町災害復興支援隊…今後の活躍に期待します」と。あなたは御蔵の湯について、こういう認識でやったのではないか。
【菊池前副局長】
この表現については一般的にご理解いただきたいが、「整備」というのが正しかったかもしれないが、一般的に御祝いの席上でもあり「建設」という言葉を使わせていただいた。
なお、この時点で建設工事であるかどうかということについては承知していない。
【斉藤委員】
あれだけの建物を見て、あれがまともなリースだとあなたは認識したのか。
【菊池前副局長】
それについては、その後もこれがリースだったかどうかという話はない。要は、私のところに上がってくる書類には、入浴施設ということの記載すらなく、そういうことを承知していなかったものである。山田町に対する担当職員の干渉というのは、あくまでも制度上の可否について事務的に述べたものだと理解している。
【斉藤委員】
契約変更の度に県はチェックしている。
これだけ立派なパンフがあり、あなたに案内があって、あなたのあいさつをセンター長が代読した。知らないで書いたのか。決済したのか。復命書には、「仮設浴場の外状、緊急雇用創出事業における災害復興支援では県内でもっとも先進的な取り組み」だと。とんでもない話である。あなたの印鑑も押してある。
【菊池前副局長】
その件は承知していないが、その復命なるものを私自身が強く認識はしていない。
【斉藤委員】
12月26日付の復命書であなたの印鑑も押してある。
それで御蔵の湯のリース、これは建設土木事業ではないかということは何度もやりとりしている。緊急雇用創出事業では「重機を使ったらいけない」となっている。これは重機を使った工事である。現場を見たらダメだと分かる。県はそれをチェックできなかったのではないか。
【菊池前副局長】
いずれこの件については、振興局自体がそこまでの認識をしていなかったというのが事実である。
御蔵の湯という大規模なものができるのかどうかということは、これは後日の話だが、担当者自体もそれは行って分かったという、それとこれが結びついていないのが現地の実情だった。
【斉藤委員】
あなたの御祝いの言葉が紹介されて、物ができた段階でこうなっている。認めてはならないものが認められた。
決定的なのは、県の完了検査だと思う。ずさんな経理の実態が3月16日に指摘されており、「厳しくチェックを行う必要がある」というのが3月16日の復命である。3月31日には実際に完了検査できなかった。5月までずれこんだ。伝票も現金出納帳もない。収支も合わない。これが平成23年度の実態である。こんな事業を認めてきたのではないか。
【菊池前副局長】
実態を認めてやったかということだが、この事業は、町の監督下のもとで適正にやられているものと理解している。その時点ではそのように思っていた。
【斉藤委員】
大変厳しい復命書が出ている。だから厳しくチェックしなければならないと。ところが一方では、3月15日の契約変更、県との関係では3月15日だが、1億6900万円の補正が出されている。なかった休日手当が4635万円、防災センターに1100万円、公衆浴場建物が2300万円、材料費が0なのが3566万円と。なぜ1月に突然こんな契約変更ができるのか。でたらめではないか。チェックしたか。
【菊池前副局長】
県に出てくる書類の中身を話すと、そのような細かい部分が出てこない。
かなり細かい部分についても、詳細についてのものは添付されていないので、だからどうだということではないが、事実としてそういうものはなかった。
【斉藤委員】
3月15日の契約変更は決済していないのか。その付随資料はあって、だいたい1月というのは減額補正である。このNPOだけ1億6900万円も補正した。
こういうずさんな実態が明らかになっているときに、3月23日に24年度の7億9141万円の来年度事業費が内定通知されている。二重に問題を大きくしたのではないか。
【菊池前副局長】
内定通知の話だが、予算の関係もあり内示は1億ちょっとだと記憶している。
もう1つ、この中で全体事業費はそれほど変わってなくて、中身で変わったという話ではないかと思うが、これについては、この計画書上、人件費割合も66%に増えており、大丈夫ではないかという認識をもっていた。
【斉藤委員】
1月の契約変更というのは完全な不足払いである。1億6900万円も。そういうずさんな中で、平成24年に7億9000万円の事業費を内定通知した。だから総額12億2000万円というとんでもないことになってしまった。きわめて重大である。
【菊池前副局長】
24年度の事業の内示は、一部金額を内示したと記憶しているが、それは後で調べたい。
いずれ今回のことに関しては、わたくしども齟齬がないようにやったつもりである。