2015年6月25日 
子どもの医療費助成制度拡充を求めるいわての会知事要請でのやりとり(大要)


【小野寺けい子先生】
 署名をお届けしたが、引き続き皆さんの声が集まり、残りの3万8927筆の署名をお持ちしました。トータルでもうすぐ7万というところまで集まり、そういう中で県議会でも全会一致で私たちの請願が採択されたり、県でも小学校卒業の入院まで助成の拡充をしていただいてありがとうございました。ただ、私たちは、できれば義務教育の中学校卒業までは、窓口を無料にということを要求として掲げていますので、引き続きいろんな予算の関係はあると思いますが、ぜひ県の制度として県内どこに住んでいても同じような制度を受けられるようなものにしていただきたいということで、うかがいました。
 この間、各自治体でも中学校卒業とか場所によっては高校卒業まで拡充しているところもありますので、その点合わせて、また子育て支援ということで、いろんな面でも言われていますので、そういう中で、病気のときにお金の心配しないで治療が十分できるということは非常に大事なことだと思うので、さらに拡充・充実をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。
 今日は、要望書の他に、私たちが発会式からさまざま取り組んできた集会の中身などをお持ちしたので、あとでお渡ししますので、ぜひ目を通していただきたいと思います。

【達増知事】
 今日は子どもの医療費助成制度拡充を求める岩手の会から要望書をいただき、また、6万9千という多くの署名をいただきました。
 県では、人口減少対策としての総合的な子育て支援施策の一環ということで、市町村などと協議し、窓口負担の現物給付、重度心身障がい児および一人親家庭の未就学児ならびに妊産婦を対象ということでやったわけですが、あわせて助成対象を小学校入院まで拡大するということとしております。対象拡大が今年8月からで、現物給付が来年8月からということでありまして、いまシステム改修や事務処理の詳細等について市町村などと調整しながら進めています。
 まず、いま進めていることをしっかりやっていくことと考えておりますが、人口減少対策、国の方で法律で「まち・ひと・仕事」創生という言葉を使っていますが、県では、「ふるさと振興」という言葉を使って法律上の人口ビジョンとか総合戦略を作っている最中でありますが、そういう中で「子育て支援」ということは、この人口ビジョンやふるさと振興総合戦略の策定過程において検討すべき分野であると考えておりまして、今日いただいた署名・要望書も参考にしながら取り組んでいきたいと思います。
 また一方で、乳幼児や子どもの医療費助成というものは、自治体の財政力の差などによらずに、全国どこの地域でも同等な水準で行われることが望ましいということもあるので、6月4日に実施した県からの政府予算要望においても、国において全国一律の制度を創設するよう要望もしているところであります。全国知事会でも、5月に、国に対して、地方創生から日本創生への軽減というのを実施したんですが、その中で、子どもに対する医療費の負担軽減に資する全国一律の助成を要請しておりまして、全国知事会から国への働きかけについても岩手県の方からも積極的に参加していきたいと思っております。
 やはり、日本全体にとってもそうですが、岩手にとっても大事なことでありますので、今日いただいたものも踏まえて、検討していきたいと思いますので、今日はわざわざお越しいただきましてありがとうございました。

【母親】
 わたしは、アレルギーを持つ子どもが集まるサークルの代表を務めております。私自身も子どもが4人いまして、上は中学生、下は3歳、子どもが大きくなるにつれて、医療費の負担が大きくなっています。アレルギーの子どもは、大きくなってもアレルギー性鼻炎とか年中、眼科・皮膚科・耳鼻科・小児科とか、すごい医療費になります。ぜひ早く、最低でも義務教育が終わる中学校が卒業するまでは、医療費助成の拡充をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。

【母親】
 わたしは、いま一緒に来ている子どもが3番目で2歳になりました。一番上が中学校2年生と2番目が小学校6年生になるんですが、久しぶりに子どもを出産して、10年ぶりぐらいに改めて子育てをしているんですが、10年前に比べると、さまざま育児グッズなどは進化していて、より育てやすくはなっているんですが、何も変わっていなかったのは医療費制度のところが10年間全く変わっていませんでした。医療費の申請書の色も変わっていなければ、何も変わっていないところは正直残念だなとは感じています。今回、拡充は広がってはきていますが、上の子どもが中学校ではありますけれども、大きくなったからといって子どもが病院にかかる回数・頻度は減るものではなくて、部活でケガをして帰ってきたりとか、ですので盛岡市だけではなくて、岩手県全体が中学校卒業まで医療費助成がある県だという風になっていただければ、とても幸せな県に住んでいるんだなとなるのかなと個人的には思いますので、ぜひこれからもよろしくお願いしたいと思っております。

【母親】
 私は小学校1年生と3年生の子どもをもつ母親です。実は小学校から健康診断の結果がきて、いろんな受診をしてくださいということでした。この6月本当にたくさん病院に行きました。歯医者・眼科に行きました。急に暑くなったので、子どもが汗疹やアトピーがひどくなったので、本当は皮膚科にも行きたいんですが、6月下旬なんですが行けないでいます。いま小学校からは3割負担になるんですね。子どもが小学生になって一番負担が大きいなと感じました。これが現物給付だったら、盛岡市だったら今月のうちに皮膚科に行けたなと感じています。今週眼科に行ったのが月曜日でしたが、手持ちのお金が足りなくて、先ほど残りを払ってきました。2人で4500円かかりました。
 盛岡市が、来年から小学生の通院まで助成を拡大するということで、私は住まいが滝沢市です。職場の盛岡市のお母さん方は本当に喜んでいました。間に合ったという方と、間に合わなかったという方もいました。ただ私は、盛岡市がいいなという気持ちでいっぱいでした。滝沢市は正直、前進するかというのは今なかなか見通せないかなと個人的には思っています。本当に残念です。隣の市でこのような差が出るというのはものすごく悲しいです。盛岡市に引っ越せたらいいのにと本当に思いました。なので、ぜひこの問題は県が主導して取り組んでいただきたいと思っております。
 わたしたち子育て世代というのは暮らしがいっぱいいっぱいですし、働いているお母さんたちも本当に多いです。暮らしがいっぱいいっぱいなだけに、国・県・市町村がやっている政治や政策に関心が持てなかったり、期待が持てなかったり、それが今投票率が低いということにもつながっているのかなと個人的には本当に思います。なので、ぜひ知事が主導して、助成制度を拡充することで、子育て世代にも「政治はいいものなんだ」と関係をもって働きかければ、私たちの暮らしを良くする政治にも届くんだということも、ぜひ子育て世代に強いメッセージとして知事自身から発信していただきたいと考えておりますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。

【小野寺けい子先生】
 私も、盛岡市の小児の生活習慣病委員会というのに携わっていますが、たしかに糖尿病とか子どもの時代からなるんですが、なかなか学校で指導を受けなさいと言っても、病院にいくとやはり3割負担ということで、最低限の検査をしても数千円かかるということで、たしかに肥満だけであれば痛くもかゆくもないですから、なかなか受診促進ができなくて、盛岡の場合は勧告を出しても2割以下にとどまっています。そこのところが、将来長い目で見れば、やはり子どものときに受けさせるというのは大事ですし、将来の疾病予防という点からも、早めの受診ということをもっと強く勧めることができるのではないかと思うんですね。そのためにも、自己負担を無料にということは、切実な要望でもありますし、医者の立場からも非常に必要なことではないかなと考えていますので、よろしくお願いしたいと思います。

【達増知事】
 わたしも、自分が小さい頃とか、自分の子どもが小さい頃とかを思いだして、急にお医者さんに行かなきゃいけないこととか、いろいろ重なって複数のお医者さんに集中して行かなきゃいけないことがあるというのを思い出しました。
 先ほどから子どもさんと目と目が合ったりして、子どもがすくすく育ってもらわないと困るなと改めて思います。
 その辺、制度的に工夫の余地や進めていく方向性というのは、市町村によっていろいろ違いがあるということもありますが、県も市町村としっかり連携しながら、一方で国にも働きかけながら、岩手において子どもたちがすくすく育っていくという、そういう子育てを親御さんたちが安心してできるようにしていかなければと改めて思いましたので、頑張っていきたいと思います。
 今日はありがとうございました。