2021年8月5日
観光業に対する支援の強化についての申し入れでのやりとり(大要)
【斉藤信議員】
お忙しい中、緊急の要請になりますが、今日は観光業に対する緊急の支援の強化についての申し入れということで、県委員会・県議団合同でまいりました。今日は、県委員会を代表して吉田恭子1区の予定候補で、国会に行く予定です。そして3人の県議団でまいりました。
それでですね、いま全国的には新型コロナの爆発的な感染という状況で、昨日も福島を含めて「まん延防止重点措置」が8県加わるという深刻な状況ですが、それだけに、観光業も重大な影響を受けていると。
この間、県内各地のホテル・旅館・観光関係、調査をしてまいりました。昨年以来、1年半にわたって、ずっと緊急事態、その他が継続すると、全国的には。やはり県内の観光業も、首都圏を中心にしてたくさんのお客さんが来ていたと。それで成り立っていたということがあるんですけれども、今ほとんど首都圏等からの誘客は期待できなくなっているという状況で、県が毎月実施している新型コロナの事業者影響調査、6月分の調査でもですね、売り上げが前々年に比べて41%以上減少している事業者というのは全体で28.3%ですが、宿泊業はですね64%なんですね。一番売り上げ減少が大きいと。
こうした中で、岩手県が昨年来、県民等の県内宿泊客に対して宿泊割引を3度にわたってこの間取り組んできたと。第一次では9万5千人泊、第二次では10万人泊、東北・新潟関係では3万3千人泊、市町村に補助した取り組みでは9万5千人泊ということで、この取り組みがやはりホテル・旅館等を下支えしてきたのではないかと思います。特に、4月16日から実施している「いわて旅応援プロジェクト」、これは私が7月段階での資料をもらった状況では、35万人泊という形で大変積極的に使われていて、私は繋温泉観光協会からもお話を聞いてきましたけれども、6・7月は8割が県民客だったと。2割が東北各県からということで、やはり県の支援が市町村の割引の相乗効果も含めて、大きな役割を果たしているということなんですが、県の支援も8月22日には終わってしまうと。市町村の支援も予算の枠があって、もうすでに使い切ったという状況もあったりしてですね、あくまでも全国的な感染拡大の状況、そして県内の感染状況を見ながらですけれども、やはり必要な支援策の継続が必要ではないのかと。首都圏等からの誘客はしばらくは全く期待できないと言ってもいいと思います。そして、1年半にわたって厳しい経営が続いているので、もう本当に来年以降の経営の見通しが立たないというのも実態です。一方で、ワクチン接種が7月から急ブレーキかかりましたけれども、しかしおそらく年内には一定程度のところまでワクチン接種は進むのでは亡いかと。そうすれば、今年持ちこたえれば何とか経営を維持できるのではないかというお話でした。
そこで、今日は具体的に7点の要望にまいりました。
1つは、「いわて旅応援プロジェクト」の第2弾を、8月22日以降も実施してほしいと。
2つ目は、引き続きそういう経営状況ですから、必要な融資の支援の継続と合わせて、すでに融資による対応も限界にきている事業者が少なくありません。そういう点では、返済期間の延長など金融支援の強化も進めていただきたい。
3つ目は、東北デスティネーションキャンペーンに呼応した取り組みがあります。今のコロナ状況でこのキャンペーンが生きていないんだけれども、例えば繋温泉では、これは振興局と盛岡市の補助で、伝統さんさ協会と連携して、毎日ホテルで伝統さんさの公演をしているんですよ。そこに、他のホテルからも送迎して楽しむと。これが繋温泉では大きな魅力になっていて、一方で伝統さんさなどの方々も、いま発表・公演する機会がないので、大変そういう公演が励みになっていると。これをぜひ繋温泉の関係では継続してほしいし、私はこの取り組みを他のところにも、それぞれの地域の伝統芸能と連携した誘客というのが大事なのではないかと思っております。釜石の根浜の宝来館に行ったときには、毎月11日の月命日に、相撲甚句をやるんですよ。そういうのもありますし、いろんな芸能があると思うので、そういう一体的取り組みをぜひ強化していただきたい。
4つ目は、県内の修学旅行の取り組みを強化すると。北海道・東北各県の修学旅行の誘致の取り組みを強化してほしいと。昨年も小中学校では、県内の修学旅行がかなり増えました。これでかなりホテル・旅館は助かったという声も聞いてますし、おそらく今年・来年かけてそういう傾向が続くのではないかと思いますので、子どもたちにとっても、中止するよりは、やはり岩手、世界遺産にも御所野遺跡が登録されるなどの大変重要な文化遺産もありますので、この取り組みをぜひ強めていただきたい。
5つ目は、やはりこの固定資産税や水道・下水道料金等の減免、年末まで延長された雇用調整助成金の積極的活用を引き続き進めていただきたいと。市町村に関わる税金になりますけれども、国保なら3割減収なる場合に国保の減免があるんですよね。私はやはりそういう水道だとか固定資産税なんかもそういう減免の適用というのは必要なのではないかと。
6つ目は財源の問題なんですけれども、国の事業者支援分、これ5000億円のうち地方に3000億円しか渡っていないんですね。岩手県はそのうち40億円ということでした。この残額の2000億円を早期に地方に交付するよう求めると。同時に、当面活用の見込みのないGоТоトラベルの残事業費が地方に活用できるようにやっていただきたいと。
県の予算からいくとですね、これ財政課から別途資料もらったんだけれども、現在この37億8千万円余の地方創生臨時交付金の残額がありまして、単独分が20億円、事業者支援分が11億円ですので、ぜひ今ある財源も積極的に活用するし、必要な財源を国から支給確保することを含めて、取り組みを進めていただきたい。それが7項目であります。
そういうことで、観光業に対する支援の強化ということでよろしくお願いをしたいと。
【高田一郎議員】
いま東北の夏祭りで、ツアー客などで通常はいっぱいになるんですけれども、今はゼロということで、繋温泉と同じような状況が続いて、コロナ前の半分ぐらいのお客さんで、でもなんとか岩手の応援割でもっているので、もし8月22日で終わってしまえば、もう階段を落ちるようで、見通しがないと。なんとしても…と、お話をされていましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
【岩渕商工労働観光部長】
「いわて旅応援プロジェクト」につきましては、私も非常に心配していたんですが、それは、これ4月から取り組んで、ずっと通しでやっている県は少なくて、よその県は独自の緊急事態宣言を出したり、そもそもステージ3で止まりますので、スタートしていない、たぶん東京なんかはスタートできていないのかなと。そうすると、うちは8月に使い終わって、スタートしていないところがその後やり始めると。知事会なんかを通じて、県民だけじゃなくて、隣県なども含めるようにという要望もよその県は出していたんです。仮にその時期がずれて、よその県が始めたときに、うちの県が何もなくなっていたら大変なことになるなと思って、眠れなくなりまして、それでさっそく保副知事にお願いをしてですね、先月30日に観光庁に行ってですね、直接要望をしてきたところです。観光庁も、そういう財源がなくなったというような要望がくるのは岩手県が初めてだということで、そういう状況なんですけれども、いずれそこのスタートがバラバラになってきて、観光庁にすれば、配分額は同じで、岩手に渡したでしょとなるんでしょうけれども、時期がずれて隣県などでやったりすれば、ちょっとこれは大変なので、国の方にきちんと要望してですね、8月22日から引き続きとはいかないと思いますけれども、なんとか他の対策をですね考えていきたいと思っておりました。これはあの本当に、すべて考えていること同じなんですけれども、そういう状況でございます。
あと融資の関係は、これも共通認識で、金融機関との連携もしていますけれども、去年借りたときに、みんな1年くらいで収まるだろうと思ったところが多くて、使用期間1年にしているところが多くて、今年返済と言ったって無理な話なので、そういうところ出てきていますので、使用期間の延長とかですね、条件変更を積極的にやるように金融機関もそういう意識でおりますし、県単の貸付金についても、国の制度と連動して、8000万円までだったのを、今年4月から1億2000万円までに拡大していましたし、その拡大した分について、利子補給をできるようなことを考えていきたいなと思ってましたし、さらに政府系金融機関の劣後ローン、借り入れも限界なんでしょうけれども、そういうところも最大限できるようにしながらですね、対策を考えていきたいと思っておりました。
3番4番の項目なんですが、修学旅行のための観光バスの補助とかもつくりましたけれども、いずれデスティネーションキャンペーンについてもJRさんとも話をしていて、9月までなんですけれども、できる限りのことをやっていきましょうという話でございますし、いずれ世界遺産、それから復興10年、三陸沿岸道路の整備なんかを生かして、教育旅行の誘致を含めてですね、しっかりと取り組んでいきたいですし、知事の、縄文の北東北三県は、県境をまたいではダメと言っているけれども、生活圏の範囲内であれば、縄文もそれでいいのではないかみたいな話をなさっていましたけれども。
あとは、さんさとか、大槌でもやっているみたいなんですが、夜の神社での郷土芸能鑑賞といったようなことをやっているようなんですよ。そういうコンテンツ、観光の方でアンケートをとったら、体験型プログラムとかですね、そういうものの評価が根こそぎ落ちているので、できないからしょうがないんですけれども、そういうのも工夫してできると。これは文化スポーツ部の文化振興の方でも連携しながら、いろんな芸能団体とかも発表の場とかないので、そういうのと連動してやっていければなと思います。
5番のところ、雇用調整助成金については、知事会を通じてさらに延長というのはもちろんやっていきますし、いま支援金とか出していますけれども、こういう状況になってくると、ちょっとまた全然足りないという話になってくると思いますから、その辺も国と連動して、状況に応じて財源確保しながら、さらなる支援というものがやっていきたいと思っていました。
財源については、その通り有効に活用してですね、経済対策についても、なるべく知恵を出してですね、広くいろんな業種に影響が行き渡っているので、広く救えるような形をやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
【斉藤議員】
ありがとうございました。
飲食の関係ではGo To Eatが始まったので、今回そういう意味で観光業にしぼってこういう提案を行いました。
財源もともなうことですので、できれば9月前後のところで臨時議会が開かれるように、そういうテンポで検討を具体化していただいて、保副知事も観光庁に直訴してきたということですから。
【岩渕商工労働観光部長】
なかなか大変ですね。これ(感染拡大)いつまで続くか見えなくなってきたのが。ワクチンが進むんだから、V字のために何やるか考えようとやっていたんですが、そっちに行かないような、ズレズレになってきている面もあるのでですね、しかしその分きちんと対応しながら。
【斉藤議員】
私はもう年内どう持ちこたえられるかということが緊急の課題なのではないかということで、年内の新たな対策が講じられるようにということで、今日要請にまいりましたので、よろしくどうぞ。