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《2008年12月24日》
大量解雇を許さず、地域医療守れ
達増知事に来年度予算要望を行う


 12月24日、日本共産党岩手県員会が達増知事に対して、来年度岩手県予算に関する申し入れを行いました。これには菅原則勝県委員長、私とともに瀬川貞清県書記長、吉田恭子岩手1区青年雇用対策室長、高田一郎両磐地区政策委員長が参加しました。
 申し入れは13の重点項目116項目の具体的要望で、とくに年末を控え2500人を超える「派遣切り」「期間工切り」などの大量解雇を許さず、雇用を守る緊急対策を講じること。中小企業に対する100%保証の緊急融資も積極的に活用できるようあらゆる手だてを取るよう求めました。県立沼宮内病院と5診療センターの無床化計画案については、地域医療を切り捨てる問題点を指摘し、医師不足対策についても具体的対策を提起。地域医療を守り抜くよう求めました。教育の問題では、35人学級の小学校3・4年生、中学校1年生への拡充を実現するよう求めました。
 瀬川書記長は、「知事が先頭に立って派遣切り、雇い止めなどの大量解雇を許さない取り組みを」求め、吉田青年雇用対策室長は「紫波診療センターの無床化は地域医療切り捨てとなる。有床を確保し地域医療を守ってほしい」と述べ、高田地区政策委員長は「岩手・宮城内陸地震の被災者の生活再建はまだ途上にあり、義援金の迅速な活用で生活と生業が守られるよう」求めました。
 達増知事は、「広く県民の声を踏まえた、詳しくかつ重要な提案をいただきありがたい。参考にして予算編成に臨みたい。雇用問題など喫緊の課題は予算とは別に緊急の対応を行っていく」と回答しました。

 申し入れ全文は、「政策と活動」ご覧ください。


《2008年12月19日》
沼宮内病院・5診療センターの無床化計画は撤回を
日本共産党と地方議員団が田村医療局長に申し入れ


 12月19日、日本共産党岩手県員会と6地域の地方議員団は田村均次県医療局長に対し、達増拓也岩手県知事、田村県医療局長宛の「県立病院・診療センターの無床化撤回を求める申し入れ」を行いました。申し入れには私とともに、吉田恭子岩手1区青年雇用対策室長、一関市、花巻市、岩手町、紫波町、九戸村、気仙地区の6地域の市町村議員団が参加しました。
 冒頭、私から申し入れの趣旨と5項目の内容について説明しました。「県立病院の新しい経営計画案」の重大な内容は、県立沼宮内病院と5診療センターの無床診療所化を打ち出したことです。無床診療所化は、第一に、開業医の体制と変わらず廃止への道になりかねないこと。第二に、土日・祝日、夜間は無医地区となり、地域の入院施設がなくなるという点で地域医療の切り捨てとなること。第三に、岩手町のがん検診事業や紫波町の医療と福祉の連携など地域が築いてきた医療・保健・福祉の取り組みを崩しかねないこと。第四に、新しい経営計画案が、地域の意見を聞くことなく示され、4月から無床化を強行するという拙速で無謀な内容となっていることです。
 また、全国の公立病院がこの5年間で赤字を2倍に増やし、75%が赤字となっている実態からも、医師不足、診療報酬の引き下げ、地方財政の悪化という国の医療政策の転換を図ることなしに、県立病院と地域医療を守る道はないことを指摘しました。
 県立病院は、戦前、住民自身の運動によって設立され戦後県立に移管された歴史的経緯を持ち、「県下にあまねく医療の均てんを」という創業の精神を掲げてきました。今こそこの立場に立って地域医療を守り抜く必要があります。12月県議会では6地域から出された「無床診療所化の撤回」を求める請願が圧倒的多数で採択されました。この県議会と県民の声にこたえるべきと指摘しました。
 要望した5項目は、@県立沼宮内病院、紫波、花泉、大迫、九戸、住田の各診療センターの無床診療所化を撤回すること。A県立沼宮内病院は、地域のがん検診事業や保健・介護と連携する中核的な医療機関として位置づけ、機能強化を図ること。B5診療センターについては、地域になくてはならない入院施設として維持し、高齢者医療など地域の要求にこたえた機能強化と介護施設との連携を強化し、訪問診療・訪問看護を継続すること。C医師不足対策として、医師を支える医療クラーク、看護師、臨床検査技師などを大幅に増員しること、地元医師会・開業医との連携・応援体制を確立・強化すること、臨床研修医・後期研修医の確保に引き続き取り組むこと。D国に対し地域の医師確保、診療報酬の引き上げ、地方交付税措置の拡充を強く求めることです。

6地域から切実な声届ける
かけがえのない入院施設


 住田町の菅野長治前町議は「町内には開業医が二人いるが70代、80代で入院できる診療センターがあるから頑張っている。これがなくなれば無医地区になりかねない」と訴えました。紫波町の村上充町議は「紫波病院は医療と福祉の連携モデル県内第1号として取り組まれてきた。無床化になれば隣接する特養ホームなど介護施設との連携も壊され、町内の入院施設がなくなってしまう」。岩手町の田村町議は「町内の救急車の状況を聞いたが、町内に移送する医療機関がないと大変だとの声が寄せられた」。大迫診療センターについて花巻の桜井市議が「地域に開業医もいない、無床化では土日、祝日、夜間は無医地区になる。有床の診療センターは地域住民の命綱だ」。九戸の橋本村議は「村内に開業医はいない。無床化では無医地区になってしまう。村では中学校まで医療費無料化を実施するなど頑張っているのに許されない」とそれぞれ訴えました。

県民の声を聞いて対応したい
田村局長が回答


 田村局長は、@無床化の撤回について、19日までのパブコメ、1月早々に開く説明会などで計画案を説明し県民の声を聞いて対応したいと回答。
 AB沼宮内病院のがん検診事業や各診療センターの訪問診療は継続して行う意向を述べ、入院患者については2次医療圏で対応すると述べましたが、根拠が定かではありません。
 C医師を支える医療クラークはできるだけ増員し臨床検査技師等の増員も図りたいと述べました。地元医師会・開業医との連携については、宮古市などの取り組みは大変ありがたいと回答。市町村と連携を強化したいと述べました。
 研修医の確保については、魅力ある研修内容にさらに改善を図りたい、D診療報酬等の引き上げを国に要望したいと回答しました。

 申し入れ全文は、「政策と活動」ご覧ください。


《2008年12月14日》
12月定例県議会を振り返って―県民の声と運動が県議会を動かす
雇用対策で県が対策本部設置、県立病院無床化反対で請願採択


 11月27日から12月10日まで開催された12月定例県議会で、雇用対策と県立病院の無床化の計画など医療問題が最大の焦点となりました。私は、本会議での質疑、商工文教委員会での質問、決算特別委員会での質問、県内6地域から出された請願に対する討論など、あらゆる機会を活かして県民の声を県政に届けるために全力を上げました。
 
1728人の派遣切り・雇い止め―県がついに緊急雇用対策本部を設置
厚労省も「非正規切り」防止の通達を出す


 トヨタ自動車など大企業を先頭とした派遣きり・期間工の解雇、人員削減は県内誘致企業にも及んでいます。派遣や期間工の雇い止め・解雇は1728人(12月10日現在)を超え、正社員の解雇も150人となっています。この中には、契約期間中の雇い止めもあり、明確に労働契約法16条、17条に違反する違法・無法なものだということを指摘し、こうした解雇・人員削減をやめさせるべきと強く求めました。関東自動車は350人の派遣・期間工の人員削減を打ち出していますが、減産とはなっているものの、これまで空前の利益を上げており、内部留保は1024億円に及んでおり、一方的に解雇する理由はないことを指摘しました。こうした中で県は、緊急雇用対策本部の設置を表明し、12月10日設置しました。雇用対策室についても1月5日に設置することを明らかにしました。これは一歩前進ですが、違法・無法な雇い止め・解雇を許さない断固とした取り組みが必要です。
 また、中小企業も倒産の危機に直面しており、緊急保証制度の融資も271件にとどまっており、融資対策の徹底と中小企業に仕事を増やす取り組みを求めました。

地域医療切り捨ての病院・診療所の無床化
6地域の請願を圧倒的多数で採択


 11月17日に公表された「県立病院の新しい経営計画案」は、県立沼宮内病院の無床診療所化(2010年4月から)と紫波、花泉、大迫、九戸、住田の5診療所の無床化(09年4月から)を打ち出し、地域から入院ベットをなくし地域医療を切り捨てる重大なものでした。無床化の対象となった6地域では、自治体ぐるみ、住民ぐるみの取り組みが急速に広がり無床化の撤回を求める請願提出となりました。
 私は、沼宮内、花泉、紫波、住田、大迫の病院・診療所を訪問調査するとともに地元の首長や住民の皆さんの実態と声を聞いて県議会で請願に対する賛成討論を行いました。本会での採決では賛成が31人、反対が12人(民主)、退場が3人(民主)という結果で、圧倒的多数で地域の切実な願いがこめられた請願が採択されました。民主党会派からも5人が賛成しました。私は、無床化は廃止への道であり、土日、祝日、夜間は無医地区になり、地元で入院ができなくなるなど地域医療切捨てになること。岩手町の全国に誇るがん検診事業や紫波町の医療と福祉の連携など地域が築いてきた医療・保健・福祉の活動を壊してしまうものだと厳しく指摘しました。知事と医療局は県議会の意思と県民の声をしっかり受け止めて計画案を抜本的に見直すべきです。
 
不正経理・裏金問題では警察本部で使途不明金も
07年度決算は史上初めて不認定に


 9月県議会で継続となった決算審査では、2日間にわたって決算特別委員会で不正経理・裏金問題の集中審議が行われました。県の調査報告書では「私的流用は無かった」と述べているものの需要費の不正支出の9割は確認できない消耗品の納入となっています。さらに、長期にほとんどの部局で上司(本庁)の指示で行われていた組織的・構造的な問題にもかかわらず、その原因と責任が極めて不明確です。延滞金を含めると2億円近い返還が求められる可能性がありますが、県民に責任を転嫁する姿勢です。警察本部の不正支出も報告されましたが、24所属で2758万円余、100万円余の預け金の残額さえあります。使途不明金であり、預け金を使いすぎて赤字となっているなど問題がさらに深刻です。徹底した実態の究明と原因と責任の明確化、今後の具体的な改善策などが求められています。
 結局、07年度の一般会計と流域下水道会計決算は、県議会史上初めて全会一致で不認定となりました。

知事答弁の削除もとめる発議案が可決
県議の質問に「聞き捨てならない」と暴言


 本会議3日目の自民党県議の質問に対する答弁で、達増知事は、答弁原稿から離れて興奮気味に「聞き捨てならない」と、質問されていないことについて長々と答弁。挙句の果てに「麻生首相が岩手に来たことがいいことか」「議員には草の根の中に積極的に入っていって県民の声に耳を傾けていただきたい。将来ある若い政治家である議員だからこそ、申し上げさせていただきたい」と注文までつける異常な答弁を行いました。再質問にもまったく答えず「聞き捨てならない」を連発する始末。私はやむにやまれず議事進行をかけ、「議事録を精査の上、問題があれば削除・修正すべき」と提起しました。この問題は最終日の議会運営委員会で議論となり、議長、副議長、議運委員長が知事と話し合いましたが、決裂し、削除を求める発議案の提出となったものです。本会議での答弁は、質問されたことに答えるのが原則で、質問されていないことに長々と触れたり議員の質問に激怒して的外れな注文をつけたりすることはできないことになっています。議会の品位とルールを踏みにじる知事発言の削除は当然のことです。誤りは正す勇気が必要と厳しく指摘しました。
 発議案は、民主党会派以外の全議員が賛成して可決されました。
 最近、知事の暴走の危険が感じられることが心配です。


《2008年12月10日》
最終本会議で「無床化計画の撤回、地域医療の充実・強化を求める請願」を採択
民主党の一部が反対


 12月10日の12月定例県議会・最終本会議で、花泉・紫波・住田・九戸・大迫の各診療センターの無床化、沼宮内病院の無床診療所化計画にかかわり、関係市町村の住民団体から提出された、「無床化の撤回、地域医療の充実・強化を求める請願」が賛成多数で採択されました。採決では民主党の一部が反対しました。
 無床化反対の請願に対する賛成討論に立った斉藤県議は、「高齢者が夜具合が悪くなったら、特養ホームや老人保健施設のお年寄りが具合が悪くなったらどこへ行けばよいのか」、「夫が脳梗塞で倒れたとき沼宮内病院に入院してリハビリして助けられた」など寄せられた地域住民の切実な声を紹介。無床化することは、診療センター廃止への道であり、地域医療切捨ての道であること、土日・祝日・夜間は医者がいなくなる地域を作ること、医師にとっても、地域の開業医にとっても患者や家族にとっても安心できる医療が脅かされることなどと問題点を挙げ、「地域住民に対してまともに説明することなく、2月には計画を策定し、4月には無床化を強行して、今入院している患者を追い出すやり方は、あまりにも無謀である」と厳しく指摘しました。
 さらに、新しい経営計画案が、破綻した自公政治の医療費削減政策の継続を前提としている点も指摘。「国の医療費削減政策の転換を勝ち取ってこそ県立病院と地域医療を守ることができる」と主張しました。
 医師不足問題については、「医師を支える医療クラークの大幅な増員、看護師や臨床検査技師、薬剤師などの増員などで医師の負担を軽減することが必要」と述べ、「地域住民の切実な声に耳を傾け、地域医療の切捨てとなる県立病院の計画は撤回し見直すべき」と訴えました。

 この日、県議会には関係市町村から140人近い住民がつめかけ、傍聴席は満席となり、採決の行方を見守りました。

 討論の全文については、「議会報告」をご覧ください。


《2008年12月9日》
不正経理問題について集中審議
07年度決算2件が全会一致で不認定


 12月9日、決算特別委員会が開かれ、不正経理問題について再度集中審議が行われました。
 質疑に立った斉藤県議は、今回の不正支出について、内容が虚偽の公文書の作成を行っており虚偽公文書作成(刑法156条)に違反しているのではないかと追及。川窪総務部長は、「その目的や行為がどのような効果を及ぼすかということなどが総合的に判断されながら解釈されているものではないかと認識している」と回答しました。
 また、県側の問題発生の原因認識について、「職員の意識上の問題が第一にきているが、組織の風潮・風土の問題であり、実際上司・本庁からの指示があった」とし、知事をはじめとした管理・監督者の責任が第一にくるべきと指摘しました。達増知事は、「直接関係した職員だけではなく、管理監督者の責任も大きいと考えている。幹部職員を含め処分等についても検討する必要がある」と述べました。
 さらに、返還をのあり方について、「県民にはまったく責任のない問題。県民の税金を使うということは最大限回避すべき。貴重な教育や福祉に使うべきお金を割き、返還にまわすことは絶対あってはならない」と強調。達増知事は、「公的に使用する物品の購入に充てられた事案であるため、処分は行うとしても国への返還の財源として職員に負担を求めていない」と答弁。斉藤県議は、「原因・責任がはっきりしているのならその責任で解決すべき。県職員、県幹部職員、県庁に一義的な責任があり、それを県民に転嫁させることは県民が納得しない」と改めて主張しました。

県警の不適正支出についても追及
「勤務成績表彰の副賞」として購入された物も


 斉藤県議は県警の不正支出についても追及。コーヒーやテレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、プリンター、ゴム印、ウェットティッシュなどについて、「本当に公用で必要なものなのか。預け金だから買ったのではないか」と再三にわたり追及。島村警務部長は「公用として使われており、私的に使用されたものではない」との答弁に終始。中には、「隊員の勤務成績表彰の副賞として購入したもの」もありました。さらに、預け金が各課入り乱れて使われており、島村警務部長は、「所属の担当者が別の所属に行ったときに預け金をもっていった。担当者は預け金について不適切との認識があり後任者には引き継がなかった」と述べました。
 斉藤県議は、「県警本部も公安委員会ではなく、きちんと第三者の専門家を入れてしっかりした調査・検証を行い報告書を出すべき」と求めましたが、警察本部長は、「適宜公安委員会において報告しており、その都度所要の指摘を踏まえて対応してきている」と述べるにとどまりました。
 07年度決算は2件が全会一致で不認定となり、戦後初の事態となりました。

 質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2008年12月8日》
商工文教委員会で雇用問題等について質す
県内18事業所で1285人の非正規社員の削減計画


 12月8日の県議会・商工文教委員会で斉藤県議は、雇用対策について取り上げ、県内の派遣の雇い止め、人減らしの状況について質しました。寺本労政能力開発課特命参事は、「県内18企業で1285人の派遣・期間社員の削減計画があり、今後さらに増大する恐れがある」と回答。100名規模の削減は4事業所と深刻な実態が明らかになりました。
 斉藤県議は、「有期雇用は、労働契約法で厳しく正社員以上に解雇が規制されている。派遣の契約期間を短縮して打ち切ったり、期間社員を中途解除したりするのは違法な人減らしである。関東自動車でも350人の派遣・期間社員の削減計画が示されたが、1024億円も内部留保があり、こうした人減らしは許されない」と厳しく指摘。知事が5日の本会議で、「雇い止めの自粛や新卒者採用の継続を自ら先頭に立ち企業に要請していく」と述べているように、知事を先頭に労働局とも連携し対策を講じるよう求めました。
 廣田商工労働観光部長は、「県内企業においては、厳しい経営事情の中でも何とか人員削減を回避したいということは聞いている。その中でもやむを得ない選択として今回の雇い止めなどが出てきている。10日の雇用対策本部立ち上げ以降、いろいろな場を通じて各企業・団体をまわり、雇い止めの可能な限りの慎重な対応をお願いしていきたい」と述べました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。

35人学級の拡充―年内結論は見送り
高校生の就職内定取り消しが2件明らかに


 教育委員会への質疑では、35人学級の拡充についての検討状況について質しました。法貴敬教育長は、「予算・人事・施設の面などのハードルがあり、『年内に』ということだったが、1月半ば過ぎぐらいには決めていかなければならないと思っている。いずれ気持ちは前向きに取り組んでいる」と回答。斉藤県議は、「東北6県で中学校で導入していないのは岩手県のみ。教員の給与が下げられるとか超過勤務時間が1日平均2時間以上、月間で40時間ということで、拡充の方向で検討されこうした改善が図られることが子どもたちにとっても学力向上にとっても一番の大きな力になる。前向きに検討してほしい」と求めました。
 また、高校生の就職状況について質し、12月に入り、1社で2名の内定取り消し、5社で22名分の求人取り消しがあった状況が明らかになりました。斉藤県議は、「事実上の解雇に匹敵するものであり、内定取り消しについては毅然と対応すべき」と強調。佐々木学校教育室長は、「就業支援員、学校の進路指導の先生が連携し、求人の開拓、就職相談などを進めていきたい。緊急雇用対策本部に県教委も加わり積極的な就職支援をしていきたい」と回答しました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


《2008年12月4日》
診療所のベットは存続し地域医療の充実を
関係市町の代表が議長に請願書を提出


 12月4日、紫波町、花巻市(大迫町)、岩手町、九戸村の住民代表らは、渡辺幸貫県議会議長にたいし、入院19ベットの存続と地域医療の充実に関する請願を行いました。

紫波地域の医療と福祉を守る連絡会が
入院19ベット存続と地域医療の充実を求める請願


 紫波町商工会、紫波郡医師会など23団体で組織する紫波地域の医療と福祉を守る連絡会は渡辺議長にたいし、紫波地域診療センターの入院19ベット存続と地域医療の充実を求める請願を行いました。
 請願では、無床化になれば連携をとっている特養ホーム「にいやま荘」「百寿の里」が直接的に影響を受けるだけではなく、町民にとって唯一の内科入院施設を奪われることになると指摘。@紫波診療センターの入院19床の存続を図ることA町民が安心を実感する地域医療のいっそうの充実・強化を図ることBモデル施設として整備された病院と福祉施設の「一体的利用」を推進強化することを求めました。
 参加者からは、「診療所化ときも苦汁の決断だった。無床化となれば安心安全に暮らせるのか本当に不安」「地域に入院するところがなくなれば、低所得の人は移動だけでも大変。最大限議会の力を発揮して対応していただきたい」などの声が出されました。
 渡辺議長は、「地域住民の不安な気持ちは肌身に感じる。今いる医師を必死で守りながら受け皿やネットワークなどを示さなければならない」と回答しました。

大迫地域診療センターの入院19ベットの存続と地域医療の充実・強化を求める請願
市民連絡会が提出


 大迫地域診療センターの19床の存続と地域医療・福祉の充実を求める請願を推進する花巻市民連絡会は渡辺議長にたいし、大迫地域診療センターの入院19ベットの存続と地域医療の充実・強化を求める請願を行いました。
 請願項目は、@県医療局は花巻市大迫町民との約束を守り、県立大迫地域診療センターの入院19ベットの存続を図ることA県立大迫地域診療センターについて、夜間・休日における救急医療体制を確保し、花巻市大迫町民が安心して暮らせるように、地域医療の充実・強化を図ること―の2項目です。
 参加者からは、「住民は有床を一番望んでいる。無床になれば医師の働きがいもない」「地域にたった一つの医療機関。大迫町の中心部に行くにも十数キロかかる地区もある。無床化となり土日祝に医師がいないとなると本当に生きていけなくなる」など、切実な声が出されました。

無床診療所化は県民に対する保健福祉の責任放棄
沼宮内病院の病院機能の維持存続を求める会が請願


 沼宮内病院の病院機能の維持存続を求める会は渡辺議長にたいし、県立沼宮内病院の無床診療所化に反対し、地域に唯一の入院設備を持つ沼宮内病院の存続と地域医療の充実を求める請願を行いました。
 請願では、岩手町は沼宮内病院の他に入院施設がなく、無床化となれば患者本人はもとより、家族の負担も大きくなり生活困難になる住民も出かねないと強調。また岩手町は、がん検診で保健文化賞を受賞し、早期発見・早期治療で年間1000万円も医療費を削減しています。その中核は沼宮内病院であり、無床診療所化は県民に対する保健福祉の責任を放棄するものと厳しく指摘しています。
 @沼宮内病院の2年後の地域診療センター・無床化を撤回し、沼宮内病院の存続を図ることA町民が安心を実感する地域医療の充実・強化を守ることB岩手町で唯一の入院施設のある沼宮内病院で健康診断活動をさらに推進・強化すること―を求めました。

花泉診療センターを守る市民の会が
花泉診療センターの無床化計画の撤回について請願


 花泉診療センターを守る市民の会は渡辺議長にたいし、花泉診療センターの無床化計画の撤回についての請願を行いました。
 花泉診療センターは、町内唯一の入院施設として夜間の救急体制を行い地域医療に大きく貢献し、年間360件の救急医療を受け入れてきました。請願では、地域の老人福祉施設との連携も築いてきた同診療センターが無床化になれば地域医療が大きく後退するとともに、病院そのものが廃止に追い込まれることが懸念されると指摘。医師不足に対する取り組みをいっそう推進するとともに、花泉診療センターの無床化計画を撤回するよう求めました。

 また、住田町の多田欣一町長らも、3日に同趣旨の請願を行いました。


《2008年12月3日》
達増知事が緊急雇用対策本部の設置を名言
県内雇用情勢は急速に悪化


 達増知事は12月3日の県議会一般質問の答弁で、県庁内に「緊急雇用対策本部」を直ちに組織し、職業能力開発を含めた雇用対策を庁内横断的に取り組む体制の整備を早急に検討すると述べました。さらに来年度は、「雇用対策室」を設置することも明らかにしました。
 関東自動車岩手工場が期間社員約300人と、派遣社員50人を削減する方針を示し、また10月から来年3月までに契約満了時期を迎える期間社員や派遣労働者のうち、7事業所、356人が「雇い止め」となることが見込まれています。その後も新たな雇い止めが発生し今後さらに増加することが懸念されます。さらに10月の県内の有効求人倍率は0.49倍と低下し、県内の雇用情勢は急速に悪化しています。
 対策本部では具体的に、県内企業を対象に従業員削減の動向や、高校生の内定取り消しなど新規採用枠の縮小実態の確認を急ぎ、対策としては@雇用の維持、確保A失業者らへの相談対応B雇用創出―を掲げています。
 達増知事は、「県の総力をあげて雇用確保に当たる」と述べました。
 また、県内中小企業等への経営安定支援について、廣田商工労働観光部長は、「『原材料高対策の中小企業経営安定資金』の利用促進を図るとともに、今月より経営支援課に設置した『年末商工金融110番』の設置、県内中小企業者の年末の資金繰りが円滑に進むよう金融機関への働きかけを行う」と答弁。さらに「中小企業経営安定資金の中に、別枠で『原材料高対策』を追加し、信用保証料については、県と信用保証協会の負担により、国の緊急保証制度の0.8%よりも0.2%の引き下げを行った」と述べました。
 日本共産党岩手県委員会は11月27日に、大失業・倒産の危険から雇用と中小企業を守るための緊急申し入れを達増知事に行っており、県内の派遣きりや解雇などの実態調査を行うこと、県独自の雇用を創出する取り組みを行うことなどを求めていました。

 11月27日の申し入れに対する回答は、「政策と活動」をご覧ください。


《2008年12月3日》
診療所の無床化は撤回を
関係市町村長らが県議会議長、達増知事らに提言書を提出


 12月3日、花巻市、一関市、岩手町、紫波町、住田町、九戸村の各首長・議長らは、渡辺幸貫岩手県議会議長にたいし、県民医療の確保・充実に関する提言書を提出しました。提言書では、県医療局が11月17日に公表した、花泉、紫波、大迫、九戸、住田の5診療センターを(19床)を無床化し、2010年度から沼宮内病院(60床)を無床診療所化にする県立病院等の新しい経営計画案について、「この案は地域医療の後退であり、到底県民の理解は得られない」と指摘。@県立病院の理念をもとに市町村と十分な協議を行い、時間をかけて住民に対し説明するとともに、それぞれの地域の実情に即した体制とすることA「県下にあまねく医療の均てんを」の県立病院の創業の精神に反する今回の拙速な病院の無床診療所化及び地域診療センターの無床化は、絶対に行わないこと―を求めました。
 出席した市町村長からは、「あまりにも唐突。努力する猶予すら与えられないまま一気に無床診療所化する計画は受け入れられない。民主的な医療行政が根ざす体制を」(民部田幾夫岩手町長)、「4月に診療センターとなったばかり。わずか半年で無床化の計画は住民に説明がつかない」(多田欣一住田町長)、「村内には開業医がなく、唯一の医療機関のベットがなくなり、夜間・休日は診療機能が失われてしまう。県民の命を第一に考えて守っていただきたい」(岩部茂九戸村長)など切実な声が出されました。
 渡辺議長は、「地域住民は不安な気持ちを抱いていると思う。地域の声をよく聞かせていただき、議会として対応していきたい」と答えました。
 提言書は、達増拓也知事、田村均次医療局長にも提出されました。


《2008年12月1日》
4月から診療センターとなったばかりなのになぜ無床化
現場の声は「地域医療を守るべき」―住田診療センターを訪問・懇談


 12月1日、大船渡・陸前高田両市議、菅野長治前住田町議とともに住田診療センターを訪問し加藤貞之センター長らと懇談しました。住田診療センターは4月から診療所化されたばかり。常勤医師は4月から2人となっています。10月末の現状は入院患者14人(前年21人)、外来69人(同91人)で収支は1億3400万円の赤字となっているものの、前年比で5300万円改善されているとのこと。訪問診療は月4回、25人に行っているとのこと。救急患者は日直帯で308人、夜間で179人で合計年間487人となっています。
 加藤センター長は、当直回数は多いものの地域医療は少ない人数でもやっていける。もし無床化となれば入院している患者・高齢者の行き場がなくなるのではないか。また、土日、夜間は医師不在となり対応できなくなると述べました。訪問診療も継続できるか懸念を表明しました。診療報酬は病院より低く、不採算地域でもあり経済・効率だけではやっていけない。市場原理で考えれば地域医療は切り捨てられると強調しました。

公約違反の無床診療所化、不誠実な医療局に怒り
多田住田町長と懇談


 多田欣一住田町長を訪問・懇談しました。多田町長は、今年3月に診療所化を前にして当時の法貴医療局長に対して常勤3人の医師確保と19床の維持を要請し確約したものの、半年もたたずに無床化とはとても認められないと述べました。また、計画案発表後の大船渡地域運営協議会の場でも、パブコメをやっても計画は変えないという田村医療局長の発言は町村会での宮舘副知事の発言とも異なる異常なものだと厳しく指摘しました。また、診療センターの医師からは、入院ベットがあれば住田病院に残ってがんばるがなくなるのであれば残る意味がないとの声も寄せられていると述べました。住田町内には開業医が二人いるものの70代、80代の医師で入院・救急に対応できる診療センターがあるからがんばっているが、無床化となれば開業医も続けられなくなるのではないかと懸念を表明しました。無床化が提案された6市町村で12月3日に、知事・医療局長に無床化撤回を申し入れ、今後の取り組みについても意思統一を図る予定と述べられました。

無床化になれば入院している患者はどこへ行けばいいのか
大迫診療センターを訪問・懇談


 夕方からは大迫診療センターを桜井肇花巻市議とともに訪問し、星晴久センター長、遠藤忠雄副センター長らと懇談しました。星センター長は、開口一番「元凶は国の医療政策にある」と指摘。診療報酬の引き下げや医師不足が医療危機の根本にあると述べました。一方で、最終的にはお金の問題で、当直で苦痛だという問題ではないと強調しました。一番の問題は、入院している患者がどこへ行けばいいのか。このことに何の解決策も対策もないと厳しく指摘しました。大迫診療センターでは年間198人が入院しています。ほとんどが高齢者で転院の見込みも難しいとのこと。特養ホームや老人保健施設からの入院患者も年間44人に及び、無床化になれば介護施設も大変になります。医療局の計画案に対して「患者を考えていない」「4月実施では対応する時間がない」「一人暮らしなど自宅帰れない高齢者も多い」と厳しい指摘が相次ぎました。
 また、無床化については、医師として入院用のベットがないと不安で患者への対応が難しい。大きな病院に全部送らないといけなくなるのではないか。若い医師にとっては入院ベットがなければやりがいもない。地域医療を守ってがんばっている医師の意見も聞いてほしいと述べられました。

大迫診療センターの入院19床を守る市民大集会に200人
住民のいのち、医療を守っての声次々に


 夜6時半からは大迫交流活性化センターで「大迫地域診療センターの入院19ベットを守る市民大集会」が開かれ、会場いっぱいの200人の住民が参加しました。私も地元の佐々木順一、高橋博之、木村幸弘各県議とともに参加しました。
 請願署名を進める市民連絡会の5人の共同代表を代表して鎌田政子さんがあいさつし、花巻市保健福祉部長の藤井廣志氏がこの間の経過を述べ、6市町村長で共同して知事・医療局長に十分納得できる説明と無床化を行わないよう申し入れるとあいさつしました。
 参加した県議がそれぞれ連帯のあいさつを述べ、私も大迫診療センターの医師との懇談の状況を報告し、入院患者を置き去りにした計画は許されない。地域医療を守ることこそ県立病院の創業の精神であり、政治の最も重要な課題だとあいさつしました。
 集会では、10人以上の参加者が次々に発言。「今日開かれた大迫地域協議会で重要・緊急を要すると協議し、集会に参加した。市にも意見書を上げる」「主人がガンで中央病院で手術したが、最後は大迫病院で療養した。ホスピスのような気持ちの持てる病院だ」「県にだまされた思い。無床化では死に場所がなくなる」「大迫には民間医療機関がない」など切実な意見が出されました。また、福祉サービス提供事業者は「ショートステイや入院できる医療機関があるから在宅福祉もできる。こうした駆け込み寺がなくなれば在宅福祉も大変だ」と述べました。
 地域医療守れ、住民の命守れの強い願いが伝わる集会でした。