《2009年10月29日》
70億円もの無駄遣いの津付ダム―事業継続を答申
またしても県の方針を追認した大規模事業評価専門委員会
10月29日、津付ダム建設事業再評価のための大規模事業評価専門委員会が開かれ私も「めぐみ豊かな広田湾と気仙川を守る地域住民の会」の皆さんと傍聴しました。
さまざまな議論がありましたが、結論は「事業継続とした県の評価は妥当と認められる」というものです。大規模事業評価専門委員会はこれまでも県の方針を追認することしかありませんでしたが、今回もそうなりました。付帯意見として国の方針に変更があった場合、地元自治体の首長がダム建設の見直しを求めた場合は速やかに専門委員会に報告し検討するとしました。ダム建設の見直しを示した国の方針にも逆行する答申となりました。
70年確立の治水対策、ダムありでも79年かかる
突然工期の延長の説明
専門委員会では最初に県土整備部から今後の工程についての修正の説明がありました。それによるとダム+河川改修の場合でも70年確立の治水対策までは今後79年もかかるというものです。これでは全く意味をなさなくなります。河川改修単独案では140年かかるというものです。
だとするなら、70年確立の治水対策として出されたダム建設は全く意味がないことになります。30年確立の洪水対策ではダム建設は必要ありません。ところが、この問題が専門委員会では全く検討されませんでした。必要もないダムを作れば70億円も無駄遣いとなるというのに、この問題が検討されなかったことは最大の欠点です。
県の言い分をそのまま認める専門委員会
住民の意見に最後まで背を向ける
7回にわたる専門委員会が開かれましたが、日本共産党県委員会としても2度にわたって津付ダム建設事業の問題点を指摘しました。また「めぐみ豊かな広田湾と県仙川を守る地域住民の会」からも具体的な意見が出されました。パブリックコメントでは期間中に521件、その後も含めると711件のかつてない意見が出されました。
しかし、専門委員会では、こうした意見に対して県の考え方を求めるだけで、県の考え方を追認する姿勢に終始しました。結局、専門委員会の唯一の成果は、これまで出された県民の意見に対する県の考え方を一覧表にまとめたということだけです。
日本共産党として11月6日、津付ダム建設事業の中止を求めて県土整備部長に申し入れを行う予定です。
《2009年10月25日》
先にダムありき―どこから見ても必要のない津付ダム
国土研の上野氏を迎え陸前高田で学習報告会
10月25日、「めぐみ豊かな気仙川と広田湾を守る地域住民の会」が国土問題研究会の上野鉄男副理事長を招き津付ダム問題についての報告学習会を開きました。私も駆けつけました。
上野氏は前回04年の津付ダムの再評価の際、めぐみの会の要請にこたえ現地調査を踏まえ「津付ダム計画の問題と気仙川の治水対策について」の報告書を提出したことを改めて紹介し、今年の再評価にあたっても「津付ダム建設事業の再評価」について意見書を作成したとしてその内容を丁寧に説明しました。
洪水調節効果のない津付ダム
上野氏は、気仙川流域の特徴として流域面積が520kuあるが、ダム建設予定の支川の大股川上流部の集水面積は50.3ku、全体の9.7%に過ぎずダムによる洪水調節効果が小さいと指摘。気仙川全川の特徴を明らかにしその特性に合った治水対策が必要と述べました。
無責任な河道対策
また、30年確立の治水対策が目的の整備計画では、河道改修が計画されているのは支川の矢作川、河原川だけで、本川では治水対策上の河道改修は計画されていない無責任な計画となっていることを指摘しました。
ごまかしが多い県の再評価調書
上野氏は、県の再評価調書について、事業目的に70年確立の洪水対策を長期目標としているとして、その際のダムと河川改修を30年確立の整備計画の前提にしています。30年確立の治水整備計画を考えるなら全くダム建設は必要なく、ダム+河川改修で164億円、河川改修単独なら94億円と県の試算でも示しているように70億円も無駄な事業となると述べました。
また、県はパブリックコメントで出された意見にまともに答えず、ダム建設の理由として「全川にわたり早期かつ効果的に水位低下が発現できる」と答えていることに対して、県が認めているめぐみの会の指摘でもダムの治水効果は陸前高田市の被害が最大の地域でダムの治水効果は気仙川左岸側で約11センチメートルでしかないこと。上流が掘り込み河道で河道勾配が大きいという特徴を持つ気仙川の場合は、治水上重要な個所から河川改修を実施することができ「早期に安全性を確保できる」と述べました。
《2009年10月23日》
問題だらけの医療法人に地域医療はゆだねられない
県議会最終本会議で花泉地域診療センターの廃止条例案に対する反対討論に立つ
10月23日、県議会最終本会議が開かれ、斉藤県議は県立花泉地域診療センターの廃止条例案に対する反対討論に立ちました。
斉藤県議は、花泉診療センターは、今年の4月に無床診療所化されたばかりで、民間移管を理由に半年もたたずに廃止しようとすることは極めて重大な問題と強調。医療法人の応募書類が不備だらけどころか監査報告書の偽造まで行われていること、併設する特養施設を運営する社会福祉法人の設立準備が全くされていないこと、不十分な看護師体制などの問題点を指摘しました。最も重要である医師確保の見通しについて、「当初示された医師と1ヶ月後に示された医師は全て違っており、自らが運営する老健施設でさえ半月以上にわたって常勤医師不在の違法な事態に陥っている」と述べ、医師確保の見通しが完全に崩れていることを厳しく指摘しました。
また、医療局の拙速な内定経過について、「医療法人は、無床化が実施される前の3月6日に臨時の社員総会を開き、診療所を開設する定款の一部改正を行っている。1月下旬以降医療局と話し合いがもたれ、昨年の12月には知事が医療法人の会長に電話をしていた」と告発し、「先に結論ありきで医療法人との癒着ではないか」と指摘しました。
さらに、本会議前に開かれた環境福祉委員会で、9月2日に開催された地域診療センター等懇談会で医療法人の応募内容が示されましたが、24人中11人が欠席し、賛成の発言をした人がわずか2人だったことが明らかになりました。斉藤県議は、「花泉地域の医療と福祉を守る会など地域住民からも、情報公開と慎重審議を求める要望と声が出されている。県医療局は内定を取り消し、県議会での議論を踏まえて、地域住民に情報を公開し、地域説明会を開催するなど慎重な検討と住民の合意形成に努めるべき」と訴えました。
条例案は、記名投票による結果、共産党、自民党、公明党、無所属の2議員、政和・社民クラブの一部が反対しましたが、民主党と政和・社民クラブの一部が賛成し、賛成23、反対22の賛成多数で可決されました。
記名投票による集計結果は、次の通りです→「記名投票による集計結果」
反対討論の全文については、「議会報告」をご覧ください。
《2009年10月20日》
決算特別委員会で県警の不正支出問題を追及
私的流用自体に疑惑、ボウリング大会・懇親会は「私的流用でない」と答弁
10月20日の県議会・決算特別委員会で斉藤県議は、総額約2億2千万円にものぼる県警の不正経理問題について取り上げました。
県警の不正経理の総額は、これまで公表していた額の7倍にものぼり、不正は県警本部と県内17署のすべてで見つかっています。さらに職員による私的流用も明らかになり職員が逮捕される事態となっています。
斉藤県議は、327万円(127件)にのぼる私的流用の実態について追及。「ギフトセットやテレビを4台以上も買うなど、私的流用した上で関係者にばらまかれているのではないか」と物品の行き先を再三質しましたが、島村英警務部長は、「捜査に関わることであり回答できない」としか答えませんでした。
また、不正支出が課内のボウリング大会の景品購入や懇親会の調理器購入に充てられ、それが「私的流用ではない」とする県警の認識についても厳しく指摘。保住正保警察本部長は、「職員の士気高揚や親睦を目的としており職員の福利厚生のためである。私的流用ではない」と回答しました。
さらに業者に公金をプールする「預け」の手口で、最も多い業者には6年間で2224万円もの金額がプールされており、「一部の業者との異常な癒着である」と厳しく指摘。「長期にわたる組織的な不正であり、幹部職員の管理監督責任こそ厳しく問われる」と強調しました。
許認可権限にかかわるパチンコ業界と県警幹部職員が懇親会
斉藤県議は、今年の2月7日に「岩手県警技能指導官係長を送る会」が開催され、そこに本来許認可権限があるパチンコ業界の幹部職員と県警幹部職員が出席していた問題について追及。佐藤善男首席監察官は、「出席した職員から確認した結果、主催は警察官有志で行われ完全会費制だったと聞いている」と答えました。斉藤県議は、「本来倫理を監督すべき首席監察官も出席しており異常なことである」と指摘。保住警察本部長は、「警察行政あるいは捜査の公平性を疑わせるようなものはないと認識している」と述べるにとどまりました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2009年10月16日》
監査報告書の偽造、事実と異なる資料提供
決算特別委で花泉地域診療センターの民間移管問題について厳しく追及
10月16日の県議会・決算特別委員会で斉藤県議は、花泉地域診療センターの民間移管問題について取り上げました。
斉藤県議は、民間移管の公募に名乗りを上げた医療法人「白光」の応募書類の中で、監査報告書の署名・捺印が20年度と21年度で違っている問題を指摘。「監事は入院中で監査できなかった」という本人の証言を示し、私文書偽造ではないかと迫りましたが、細川隆夫医療局次長は、「医療法人からは『監事出席のもとに監査されている』と聞いている」としか答えませんでした。また応募に関する留意事項で、「提出書類に虚偽があった場合は申し込みを取り消す」という点について田村均次医療局長は、「法人の事業についてどこまで指摘するかは慎重に考えながらやるべき。個別の判断についてはこの場で申し述べるものではない」ときわめて無責任な答弁を行いました。
さらに、併設する特養施設を運営する社会福祉法人の設立準備委員会の議事録について、医療局は斉藤県議に対し「設立準備委員会設置済み(21年3月18日)」と資料提供していましたが、細川次長は、「我々の聴取に誤りがあり、3月7日に設立準備委員会ではなく設立に向けた打ち合わせをしたものだった」と述べ陳謝。曖昧でずさんな審査体制、問題だらけの医療法人の姿が浮き彫りになりました。
斉藤県議は、「こうした医療法人に59年続いた県立医療を任せることはできない。県は厳しく監査し、民間移管の内定は撤回すべき」と改めて強く求めました。
16日の決算特別委員会は、当局が事実と異なる答弁をするなどして紛糾。医療局審査は一旦打ち切られ、19日に継続して行われることになりました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2009年10月13日》
道理も合理性もない津付ダム建設事業
全国唯一の民主党籍知事―率先して中止・見直しに取り組むべき
10月13日の決算特別委員会で斉藤県議は総括質疑に立ち、津付ダム建設事業の見直しについて達増知事に質しました。
民主党と鳩山新政権は、「八ッ場ダムなど全国の143の計画中または建設中のダムを見直す」方針を示しています。斉藤県議は、「津付ダム建設事業は当面は30年に1回の洪水に対応する整備計画であり、70億円も過大なダム建設よりも河川改修のほうがもっとも効果的である」と再三にわたり指摘。民主党籍をもつ全国唯一の知事として、率先して津付ダムの中止・見直しに取り組むべきではないかと述べました。達増知事は、「治水安全度を70分の1にしていく際に、河川改修単独ではなく、あくまでダムを建設先行して整備することが合理的」と述べるにとどまりました。鳩山政権・民主党が「一旦ダムを凍結して見直す」としているときに、達増県政は「ダム継続」の姿勢を崩さず、国政とのねじれが改めて浮き彫りになりました。
また斉藤県議は、津付ダム建設事業に対するパブリックコメントが711件寄せられ、9割以上が「中止・反対」の意見であることも示し、達増知事に質しました。達増知事は、「地域の声というのは尊重していかなければならない」と回答。斉藤県議は、「地域住民の声と計画の妥当性を知事自身がしっかり見定めて、勇気をもって見直しをすべき」と強く求めました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2009年10月10日》
介護保険―10年後の現状と課題を学ぶ
県社保協定期総会記念講演会
10月10日、岩手県社会保障推進協議会(高橋八郎会長)は定期総会を開催し、その後記念講演会を行いました。
「介護保険ほっとけ・・といってもほっとけない!!」―制度スタートから10年を振り返り、これから生かすために!介護現場・地域が幸せでなければ利用者も幸せでない―のテーマで、吉田均氏(岩手県地域包括・在宅介護支援センター協議会会長)が講演しました。
吉田氏は、介護保険制度が始まるまでの高齢者福祉の歴史を丁寧に説明。介護保険制度が導入されたものの、この間2度にわたって介護報酬が引き下げられ、利用者も介護現場も大変な事態となっていると県内での介護殺人事件などの具体例を示しました。
吉田氏は、介護保険の現場からの体験をふまえ、介護保険制度について「制度に振り回され、制度にはめられた10年間。本当に利用者の立場に立っていたか。社会福祉サービスから介護サービスへの変質ではなかったか」と厳しく指摘しました。
今後の課題として、「介護保険に社会福祉を再生させる」ことが必要と指摘。社会福祉法人の役割の再確認、公的責任と措置制度の正しい検証、介護と医療の連携などについて提起しました。
私は、一人当たりの介護給付サービス料が岩手県が全国で最低となっている要因、医療法人が社会福祉法人を設立して特養ホームの経営を行おうとしているが最低の人員で運営できるのかの2点を質問しました。
吉田氏は、介護サービス料が全国最低となっている問題については、最後まで介護サービスを使わず我慢している県人の気質があるのではないか。介護保険制度の理解が進んでいない、面倒な制度の問題があるのではないかと答えました。また、特養ホームの運営については、昔から運営している社会福祉法人では、人員も増やし努力しているが、介護保険制度導入以後設立されている法人では、採算を考えた人員体制をとっている例もあると指摘。国の基準自身が日中の配置基準で夜間の体制が考えられていないと述べました。
《2009年10月9日》
県議会本会議で議案に対する反対討論に立つ
10月9日の9月県議会本会議で斉藤県議は、議案に対する反対討論に立ちました。
斉藤県議は、4つの広域振興局への再編について、「農業、漁業が中心の県北・沿岸の場合は地域ごとのきめ細かな産業振興こそ求められており、県南広域振興局の場合も、地域があまりにも広すぎて地域の一体性がないのが実態」と述べ、「職員も削減され、市町村と地域住民からかけ離れたものになる」と指摘しました。また、北上保健所の統廃合について、「新型インフルエンザの感染が急速に広がっているもとで、保健所の体制の強化・拡充という本来の使命と役割に逆行する。地域に密着した保健所の機能と活動こそ強化すべき」と強調しました。
また、地域住民が強く存続を求めた県立宮古高等学校川井校の廃止について、「地域と結びついた小規模校の役割を否定するもの」と指摘。県立岩泉高等学校田野畑校の募集停止についても述べ、「新政権の教育政策が期待される中、小規模校の実績、地域と結びついた高校の役割、教育の機会均等の保障など慎重に検討すべき」と訴えました。
さらに、県営住宅の家賃滞納者に対する住宅の明け渡しと滞納家賃等の支払いを請求する訴訟については、かつてない経済危機と雇用環境の悪化の下で、支払いが困難な滞納者や分割でも支払い意思を表明している滞納者もおり、実態を具体的に把握し訴訟を提起する前でも必要な対応をすべきと求めました。
討論の全文については、議会報告をご覧ください。
《2009年10月6日》
不透明な医師確保の見通し、応募書類の偽造
問題だらけの医療法人―民間移管の内定は取り消し・撤回すべき
10月6日の県議会本会議で斉藤県議は議案に対する質疑に立ち、県立花泉地域診療センターの民間移管問題について取り上げました。
斉藤県議は、「花泉地域診療センターは、5000人を超える地域住民の署名にもかかわらず4月から無床化が強行された。半年も経たないうちに民間移管を前提に、県立の花泉診療センターを廃止しようとしていることは極めて重大な問題」と述べ、「1950年以来の県営の医療を廃止・撤退する問題であり、本来慎重に住民合意のもとに検討すべき課題である」と強調しました。
民間移管の公募に名乗りを上げた医療法人「白光」は、常勤医師2人、非常勤医師3人を確保する計画を示していますが、年齢しか示されないどころか、当初示された医師の年齢と本会議で医療局長が答弁した医師の年齢は全て違っており、医師確保の見通しが曖昧であることが明らかになりました。また、看護師の体制も、19床の入院ベットを持つ有床診療所の計画で看護師2人、准看護師2人、パートの看護補助3人ときわめて不十分な体制であり、斉藤県議は、「これでは良質な医療・介護ができる体制でない」と指摘。田村医療局長は、「医師については最終的にきちんと実名入りのものをいただき、しっかりとチェックした上で進める」と答えました。
また、応募書類の中で、社会福祉法人七星会の設立準備委員会の議事録について「同意もしていない人が理事として10万円も拠出する申し込みがあったと記述されており偽造ではないか」と指摘。さらに、医療法人白光の20年度21年度の監事監査報告書の監事の名前の筆跡や印鑑も違っており、ずさんな審査体制を厳しく批判しました。達増知事は「審査は適切に進んでいると思うので、あとは詰めのところを医療局と一関市とできちんと話し合いながら詰めてもらいたい」と述べるにとどまりました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2009年10月5日》
保険医協会が「保険で良い歯科医療」実現のための請願
10月5日、県保険医協会(箱石勝見会長)は佐々木一榮県議会議長にたいし、「保険で良い歯科医療」実現のための請願を行いました。斉藤県議はじめ民主党、政和・社民、無所属の県議が紹介議員になりました。
請願では、今日の経済状況の下で、経済的理由により、むし歯や歯周病などの一両をしたくても受診を控えたり、入れ歯が合わなくなっても新しく入れ歯を作ることをあきためたりする患者増えていることが示されています。その原因の一つとして、保険適用が広がらず高い患者負担を強いられている現状があり、新しい治療方法はほとんど保険導入されていないことを指摘。安心して良質な歯科医療を受けるために、保険給付の範囲を拡大・充実するよう求めました。
参加者からは、「歯科医療費は年間2.5兆円台で推移し全く増えていない。低医療費政策を転換し歯科医療費の総枠拡大をはかることが不可欠」などの声が出されました。
《2009年10月3日》
映画「いのちの山河―日本の青空U」を観る
深澤晟雄の生命尊重行政に政治の原点を学ぶ
10月3日、映画「いのちの山河―日本の青空U」の試写会があり鑑賞しました。日本で最初に老人医療費の無料化を実施し、乳幼児死亡率ゼロを日本で最初に実現した沢内村の生命尊重行政を映画にしたものです。
妻ミキと沢内村に帰郷した深澤晟雄が、定時制高校の英語教師から教育長、村助役となり、行脚と対話で婦人会やなめこ生産組合を作り村づくりに取り組む姿は行政や政治家にとっても取り組みの原点ともいうべきものです。沢内村の課題も村民との対話の中で村民自身の課題となり、「豪雪、多病、貧困」の三悪の克服に村長として先頭に立って取り組みます。村民の実態や職員の声に耳を傾け、ブルドーザーを購入し豪雪を克服、乳児検診に力を入れ保健婦を採用、岩手医大の協力も受け乳幼児死亡ゼロを達成した取り組みは感動的です。老人医療費の無料化には国と県が抵抗しましたが、「国がやらないなら村がやる。憲法25条には反しない」と実施したことは勇気ある決断です。老人が元気になり家庭が明るくなります。生命尊重行政の効果は絶大です。
作家の及川和男氏が映画のパンフレットで、深澤晟雄が1947年に書いたノートがこのほど発見されて翻刻作業されましたが、その内容は新憲法開設の演説原稿だったと述べています。その中には「人間がこの世に生まれたからには、だれでも同じように生き行く権利を持っている」「個人が尊重され、すべてが幸福になることが民主政治の目標であり、これでこそ国が栄えることになる」と述べられているとのこと。まさに生命尊重行政の根本に憲法の精神があったという事です。生命尊重行政は沢内の宝、岩手の宝、日本の宝です。これを現在に生かすことがわたしたちの責務と感じました。
《2009年10月2日》
民主渡辺県議が津付ダムの見直しを質問
9月県議会の論戦始まる
10月2日から県議会本会議での一般質問が行われました。トップバッターで登壇した民主党の渡辺幸貫議員は、鳩山政権のダム見直しの公約と動きに触れ、県営津付ダム建設事業を見直し、森林整備を進め緑のダムに転換すべきと質問しました。津付ダム建設事業は県の大型公共事業でも最も典型的な無駄なダム事業です。河川改修(94億円)なら70億円も安く済むのにダム建設(164億円)を進める道理は全くありません。
これまで県議会では私だけが津付ダムの問題を取り上げてきましたが、民主党の県議も取り上げたことは大きな変化です。達増知事は答弁せず、佐藤県土整備部長が答弁しましたが「ダムと河川改修を組み合わせることが社会的、経済的にも最適」と従来の破たんした古い答弁を繰り返しました。
鳩山政権が八ッ場ダムをはじめ全国143のダム事業を見直そうとしている時に、全国唯一の達増民主党県政が無駄なダム事業に固執する姿は矛盾であり、ねじれです。達増県政は古い民主党のままではないでしょうか。
《2009年10月2日》
2年間続けてきた「福祉灯油」は引き続き実施を
県生協連、消団連が佐々木議長に請願
10月2日、岩手県生活協同組合連合会(加藤善正会長理事)、岩手県消費者団体連絡協議会(高橋克公会長)は佐々木一榮県議会議長にたいし、「福祉灯油」の継続と国への「投機マネー」規制を求める請願を提出しました。これには斉藤県議をはじめ民主党や政和・社民クラブの県議が紹介議員となりました。
請願では、@岩手県として、生活支援の視点から、この2年間実施してきた「福祉灯油」の対策を引き続き行うことA「受給を反映した原油価格となるよう、日本が率先して各国と連携し、『投機マネー』の規制を推進すること」「国内の石油元売会社に対して、適正価格と安定供給のための監視・指導を強めること」「石油製品の適正価格と安定供給のために『新しい石油行政』を構築すること」―これらについて国に意見書を提出することを求めています。
生協連の金子理事は、「暮らしは去年よりも悪化しており、福祉灯油を待ち望んでいる県民も多い。2年間続けてきた制度を県として率先して継続してほしい」と述べました。
佐々木議長は、「昨年より状況が悪化しているのは承知した。委員会で議論され、いい方向に向かうのではないか」と答えました。
いわて生協が実施したアンケートでは、「夫の給料が減り、賞与もカットされ、ついには事業所閉鎖。いったいどうやって生活していったらいいのか」「両親の月の生活費は約12〜13万円。70歳を過ぎた二人から引き去る金額は増し食費を削っている。冬場の灯油代が不安」など切実な声が寄せられています。