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《2009年12月25日》
ムダなダム事業見直し、雇用・医療・暮らし確保へ県政の転換求める
達増知事に2010年度岩手県予算に関する申し入れ行う


 12月25日、達増岩手県知事に対して2010年度岩手県予算に関する申し入れを行いました。菅原則勝県委員長、瀬川貞清県書記長、私と高田一郎両磐地区政策委員長が参加しました。
 申し入れでは、雇用対策、県立病院問題、医療・福祉・介護、農林漁業の再生、35人学級の拡充など13の柱で緊急重点要望事項を申し入れました。
 とくに、自民公明政治が終わりを告げ、政権交代が実現した中で、自民党政治の追随から無駄なダム事業などを見直し、県民の雇用とくらしを守る県政の転換を図るよう求めました。
 重点課題として、雇用対策では、巨額の内部留保をため込みながら工場閉鎖やリストラを進める大企業・誘致企業の人員削減をやめさせること。やむを得ず退職に追い込まれた労働者の再就職に最後まで責任を持たせること。4万人近い失業者(うち7割以上が失業手当を支給されていない)の雇用と生活、住居を守ることを求めました。
 県立沼宮内病院が来年4月から無床化が計画されている問題では、岩手町が病院の存続をめざしていることから、無床化の延期・撤回を求めました。すでに無床化した5地域の地域医療の確保についても県医療局が責任をもって協議に参加することなどを求めました。
 国保・介護・福祉の問題では、国保保険証の取り上げをやめること。5539人(在宅1858人)の特養ホーム待機者の解消をめざす特養ホームの新増設。後期高齢者医療・障害者自立支援法の廃止・中止など生存権を保障する社会保障制度の確立を求めました。
 さらに、総合的な子育て支援策と抜本的な少子化対策、農林漁業の再生、35人学級の小学校全学年と中学校1年への拡充、津付ダム・簗川ダムなど無駄と浪費の大型開発の見直しなどを求めました。
 達増知事は「大変具体的で貴重な提言をいただいた。よく検討して県民の期待にこたえられるようにしたい」と述べました。

 岩手県予算に関する申し入れについては「政策と活動」をご覧ください。


《2009年12月19日》
どうなる米価、どうする減反問題
岩手農民大学が創学30周年でシンポジウム開く


 12月19日、創学30周年を迎えた岩手農民大学が、第23回「米と日本民族の未来を見つめるシンポジウム―どうなる米価、どうする減反問題」を盛岡市の岩手労働福祉会館で開催しました。興味深いテーマなので私も参加しました。
 生産者、消費者、研究者がそれぞれ報告し、会場からの質問に答える形でシンポジウムが行われました。

再生産でき持続可能な農政に

 胆沢町で水稲4.7ha、大豆2.5ha作付し、集落営農(65戸)に参加している黒沢俊明さんは、輸入自由化の中で畜産、野菜の生産が激減し、兼業化が進んだと発言。法人化や事務量が増えるなど問題が多い集落営農だが、地域の農地の荒廃を防ぎ、組織化のメリットを最大限活用し農家に還元する、担い手は「集落営農」の立場で家族農業を補完し、地域で後継者を育てることに努力している。集落営農について、選別しないで地域の実情に合った形にすべきと述べました。じりじり下降し続ける米価、肥料や農薬などの生産資材と燃料が高騰し、ますます経営を圧迫している。再生産でき持続可能な農政にしてほしいと強調しました。

減反しながらお米を輸入するのはおかしい

 いわて生協の及川ミサホさんは、「コメに関するアンケート調査」の内容を紹介し、一人当たり1日平均1.10合、1家族平均1日3.60合の消費量となっており、40歳代の消費量が1.15合で一番多いと報告。コメの購入先はいわて生協以外のスーパーが3分の1を占めました。減反問題については、「農業の多面的機能は大きく、自給率の向上・自然景観保護・地球環境・世界的な食料不足などから考えて、農業予算は大幅に増加し進行させるべき」「3割以上減反しながら、おコメを輸入しているのはおかしいので、輸入をやめるべき」の声が多数を占めたと述べました。

米は余っていない、産地間競争の標準化で価格競争が激化

 東北大学大学院農学研究科准教授の冬木勝仁氏は、「コメの流通構造からみた米価問題」について報告。根本問題として、コメの生産量と総需要量はほとんど拮抗しており、「過剰感」は消費の形態や流通の状況によって生じていると指摘。輸入米の問題もあると述べました。また、農協系統組織の販売量は、2006年産で55.9%となっているが政府米の比率が減少していること。生産者直売等が41%となっていることを指摘。
 米流通再編の特徴として、大手実需者の台頭を指摘し、産地間競争の標準化によって価格競争となっていると述べました。消費者の購入先については、スーパーの特売日での購入が30%を占め、価格が重視されていると述べました。
 また、実需で売り切るかどうかで翌年の生産目標数量が決まることから、一層価格競争が激化していると指摘。今後の政策課題として、@検査数量配分と表示規制の徹底、AJAブランドの考えなおしを提起。最大のコメ集荷業者としてのJAグループの力量が発揮されていないと述べました。

食料自給率向上の中で減反問題の解決を

 岩手大学人文科学部教授の横山英信氏は、「稲作減反問題をどう考えるか」の問題について報告しました。新政権下の「目玉政策」としての農業者個別所得補償制度について、すべてのコメ販売農家を対象とし、減反とセットとなっていることが特徴と指摘。「水田利活用時給力向上事業」は全国単一の単価で減反とは結びつけていないと紹介。問題点として、すべてのコメ販売農家の再生産水準を保障することにはならないこと。家族労働費は10割保障すべきと述べました。
 今後の展望として、食料自給率向上をめざすなかで減反問題を解決すべきと述べ、麦・大豆等の採算性を大きく引き上げ、それらの生産を拡大することが必要と述べました。
 4人の報告を受け、農民大学副学長・県農民連会長の久保田彰孝氏のコーディネーターで全体討論が行われました。


《2009年12月18日》
年末の中小業者の経営を守る緊急対策を要望
岩手県商工団体連合会が県に申し入れ・交渉


 12月18日、岩手県商工団体連合会(藤沢光一会長)が岩手県に対して中小業者の経営を守る緊急対策を申し入れました。高杉孫六、八重樫弘司両県連副会長ら10人が参加し、県からは戸館弘幸商工企画課長、山村勉金融・商業まちづくり担当課長、渡邊健治建設技術振興課総括課長、大水敏弘建築住宅課総括課長、奥寺高秋地域福祉総括課長、平井孝典温暖化・エネルギー対策課長が対応しました。
 最初に高杉岩商連副会長が、「年末を迎え中小零細業者は仕事や売り上げが減少し深刻な経営難に直面している。県として必要な対策を講じてほしい」と申し入れの趣旨を述べ、7項目の要望の実現を求めました。

年末の相談体制の拡充を
年末商工金融110番、29・30日まで対応


 年末の相談体制について山村金融商業担当課長は、「年末商工金融11番を29・30日まで実施する。信用保証協会も夜8時まで対応するようにしている。金融機関もフリーダイヤルを含め土・日も対応するようにしている」と答えました。緊急借換資金の要望については、「中小企業経営安定資金(10年貸付期間)で対応している」と答えました。

生活福祉資金(生業資金)の積極的な対応を
改善の趣旨を踏まえ個別に対応を


 生活福祉資金が10月から改善され、中小業者も利用できる生業資金が積極的に利用できるように、実際に申請している業者も参加して要望しました。奥寺地域福祉課総括課長は、「生活福祉資金は10月から連帯保証人がいない場合も利用できるように改善され、利率も連帯保証人がいれば無利子、いない場合は1.5%となっている。生業資金についても個別に審査している」と回答しました。

住宅リフォーム助成、小規模工事登録制度の実現を
県内市町村でも広がっており、検討を


 住宅リフォーム助成は県内9市町村で実施されており大きな成果をあげています。大水建築住宅課総括課長は、「住宅着工戸数が大幅に減少している中、住宅リフォームの潜在的な需要はある。すでに9市町村で実施されている」と述べ、「いわて型住宅の取り組みや住宅エコポイント制度などの動向を見て検討したい」と述べました。渡邊建設振興課総括課長は、「小規模工事登録者制度も盛岡市など県内8市町村で実施されており、指名競争入札登録1500社以外の約5000社が対象となる。都道府県レベルではまだ例がないようだが検討させていただく」と答えました。
 太陽光発電導入促進費補助金の増額・再開の要望について、平井温暖化・エネルギー対策課長は、「今年度分は4月15日から実施し、500件を超え7月28日で受け付け終了した。国の補助はさらに1298件に広がっている」と答えました。
 さらに、中小業者への官公需の発注拡大、公契約条例の制定などを求めました。


《2009年12月12日》
いわて労連が結成20周年記念レセプション開催
たたかう労働組合の伝統受け継ぎ、雇用問題に取り組む


 12月12日、盛岡グランドホテルでいわて労連結成20周年記念レセプションが開かれ私も菅原則勝県委員長と出席しました。
 弦楽合奏団「バディヌリ」の演奏でオープニング、鈴木露通議長があいさつし「雇用問題が深刻の度合いを増すなか、労働組合に対する期待が高まっている」「たたかう労働組合、階級的労働組合の伝統を受け継ぎ労働者と県民の暮らしを守るためさらなる前進をめざす」と決意を表明しました。自由法曹団支部長の石田吉夫弁護士、岩手県経済・雇用対策室の伊藤昇太郎室長、日本共産党の菅原則勝県委員長が祝辞を述べ、歴代議長の鏡割りで乾杯しました。20年間のたたかいを担った各労働組合、各界の方々と親しく懇談しました。


《2009年12月12日》
「子どもの貧困」を考えるシンポジウム開かれる
就学援助、教育費負担、給食費未納問題など


 12月12日、岩手教育会館大ホールで「子どもの貧困」を考えるシンポジウムが開かれました。武田晃二実行委員長が主催者あいさつし「派遣法の改悪で非正規労働者が3人に1人に広がり、子どもの貧困が広がった」と述べ、子どもの貧困問題の解決が大きな社会問題、教育問題になっていると述べました。
 早稲田大学非常勤講師の鳫咲子さんが「子どもの貧困と就学援助制度―失われた教育の機会均等」のテーマで講演しました。鳫さんは、就学援助の実態について、この10年間で2倍に増加していること、その要因として「企業のリストラや倒産などの経済状況の変化」(76%)、「離婚等による母子・父子家庭の増加」(60%)があると指摘。就学援助制度が憲法第26条、「教育を受ける権利」に基づくものだが、就学援助についての説明・研修、周知が十分行われていないと述べました。岩手県の場合は35市町村のアンケートによると25市町村が回答し、うち18市町村が教職員向けの説明会や研修を行っていないと回答していることを紹介しました。
 また、子どもの学習費は塾以外で中学生が年間約17万円、小学生が10万円となっていること。100万円未満の収入の一人親家庭でも生活保護の利用が14.1%(東京都福祉保健局の調査)にとどまっており、制度が知らされていないことを指摘しました。
子どものための政策として、@ニーズに合った適切な情報提供、A市民としての最小限の生活基準、B排除なく、すべての子どもに高校卒業を、C関係者間(学校・福祉・NPO等)の連携、情報の共有を提起しました。

学校、福祉、学生の現場から討論

 シンポジウムでは、養護教員高橋美智子さん、児童福祉司の佐藤伸一さん、大学生の高橋万里子さんが発言。高橋美智子さんは、勤務している小学校では給食費は子どもが直接学校に持ってくる仕組みで、未納の場合は就学援助を申請するなどで未納者がいないと発言。シングルマザーが増え、年収が低く、就労の場所がない現状を指摘しました。核家族化のもとで親の愛情の希薄さの問題も述べました。
 佐藤伸一さんは、児童虐待の相談件数が全国で4万2000件を超えて増加していること。岩手県では274件、市町村の相談件数を含めると760件となっている。児童虐待の背景には、経済的理由が3割、一人親家庭の場合が20数%となっていると述べました。国保未納で無保険となっているケースを指摘、窓口に行けず短期保険証がもらえない事態もあると指摘しました。
 あしなが育英奨学金を受けて大学に進学した高橋万里子さんは、一人親となった母親の年代は40〜50代が多く、働きたくても仕事がない。遺族年金が子どもの18歳の誕生日に切られることは大変だと発言しました。
 会場からは「岩手でもチャイルドラインの結成に向けた準備をしている」「給食費も無料にすべき」との発言もありました。最後に、子ども貧困打開に向けたアピールを採択しました。


《2009年12月11日》
岩手県建設労働組合の定期大会であいさつ
仕事、建設国保守るたたかいをともに


 12月11日、ホテル森の風で開催された岩手県建設労働組合連合会第48回定期大会に各党代表とともに出席し連帯の挨拶(別記)を述べました。
 建設労働組合は組合員数5800人を超える大きな組合で、一人親方の大工さんなど経営者であり労働者というユニークな組合として、仕事確保、建設国保の維持、公契約法・公契約条例の制定運動などに取り組んでいます。
 私は、あいさつの中で、県内でも住宅リフォーム助成の取り組みが久慈市、奥州市を皮切りに八幡平市や岩手町など9市町村に広がっていることを紹介し、全市町村に、岩手県にも広げようと述べました。また、仕事をとっても赤字となるダンピング入札の防止のためにも下請けの労賃を保障する公契約条例の制定が必要と述べました。建設国保の問題では、国保や社保などの3割負担こそ異常な負担増で受診抑制の原因となっており、超党派で建設国保を守り抜くべきと訴えました。

 定期大会でのあいさつ


《2009年12月10日》
お産と地域医療、障害者支援、難病相談の現状と課題
地域医療等対策特別委員会が調査

 12月10日、県議会地域医療等対策特別委員会が県内調査を行いました。
 午前10時から花巻市の生涯学園都市会館で「お産と地域医療を考える会」の方々からこれまでの取り組みと課題などについて聞き、懇談しました。この会は2004年1月に、県立花巻厚生病院の産科休診の報道から13人で発足し、産科医療を守る取り組みから、自宅での出産の機会を広げるなど妊婦さんの希望に沿った多様なお産の在り方を求める運動として発展しています。様々な学習運動やシンポジウムとともに国会への請願の取り組みも28万筆集め採択させるなど全国のネットワークを作って取り組んでいます。

開業助産師がいても嘱託医師が不在で自宅出産できず
県立病院の院内助産、助産師外来の改善・拡充を


 懇談では、開業して助産師の仕事をしているが、嘱託医師が確保されずに実際には自宅での出産ができない状況となっていること。他県では開業助産師をバックアップする病院の体制がとられている。産科の集約で逆に妊婦が病院に集中しているが、出産の8割は正常分娩で助産師の活用をもっと図るべきではないか。県立病院で院内助産・助産師外来が行われているが、一人一人の妊婦さんに寄り添った取り組みに助産師の活用をもっと強化すべきではないか、医療マップに助産所が入っていない、退院後の頼れる助産所の役割などの意見も寄せられました。

障害者が障害者の相談に乗るピアカウンセリング
大事な取り組みなのに委託費は激減


 午後から、もりおか障害者自立支援プラザを訪問し、大志田所長、桜井氏(視覚障害担当)、高橋氏(聴覚障害担当)のピアカウンセラーから取り組み状況を聞きました。
 大志田所長は、障害者自身が障害者の相談に乗り支援するピアカウンセリングの重要性を強調、今年度上半期で1129件の相談が寄せられていると述べました。そのうち来所の相談が769件(68.5%)となっています。就労支援では障害者の状況にあった具体的な支援を行っていることに感心しました。これだけの活動を行っているにもかかわらず盛岡市など8市町村からの委託費は1199万5000円で、この間3分の1に減少しているとのこと。なぜそうなっているのか調査が必要と感じました。また、昨年6月県議会で採択された「障害者の差別をなくす条例の制定を求める」請願の具体化も県議会にかせられた課題だと再確認させられました。


難病相談は年間2197件、全国でも高く評価される
相談員の報酬は11万円と5万5000円


 最後に、ふれあいランドに設置された難病相談支援センターを訪問し、相談員で難病連の矢巾京子さん、副代表の斉藤権四郎さん、などから難病相談の取り組みについて聞きました。難病相談支援事業は岩手県の事業であり、難病連の2人の相談員が月曜日から土曜日まで、電話や面接による相談を受けています。年間2197件の相談があるということに驚きました。来所の相談が増えているとのことです。医療費助成の対象となっている難病だけで45疾患あり、さらに多くの難病があり、相談事業も専門性が問われる仕事です。看護師の資格を持つ相談員が対応していますが、報酬を聞いてまた驚きました。一人が月11万円、もう一人が5万5000円の給料という事です。仕事の内容に見合わない実態です。全国ではこうした低賃金のもとで相談員がくるくる変わっているとの話も聞きました。また、岩手県の委託費はわずか395万円ですが、宮城県は1000万円、福島県は931万円など他県と比べても極めて低い状況となっていることが示されました。
 弱い者いじめのこれまでの政治・県政の状況を痛感させられました。超党派で打開が求められています。


《2009年12月9日》
12月定例県議会・最終本会議でいわて県民計画に対する反対討論に立つ
高速道路原則無料化の撤回を求める意見書を採択


 12月9日、12月定例県議会・最終本会議が開かれ、斉藤県議はいわて県民計画に対する反対討論に立ちました。
 斉藤県議は、「政権交代し、新しい政治の実現へ国民的な模索と探究が始まっているにも関わらず、従来の自民党政治の延長線の発想であり、具体的な目標や計画を示せていない」と述べ、「莫大な内部留保には手をつけず、派遣切り・期間工切りで深刻な雇用破壊をもたらした大企業への横暴を許さない立場もなく、県民計画では1年後の見通しも立てられていない」と厳しく指摘。「危機的状況の雇用問題や貧困打開、社会保障の再建に県政の力を集中し、政治の激動と新しい転換を見定めて具体的で根拠のある計画の策定こそ必要」と訴えました。
 また、高速道路原則無料化の撤回を求める意見書の賛成討論に立った斉藤県議は、「高速道路の原則無料化は民主党のマニフェストで示されたが国民の支持を得られていない」と指摘したうえで、「そうした財源は、子どもやお年寄りの医療費無料化にこそ優先されるべき」と強調しました。さらに、地球温暖化委対策にも逆行し、鉄道やバスなどの公共交通機関、特に地方の交通機関が重大な影響を受けかねない問題も示し、「総合的、科学的に検討して見直すべき」と訴えました。
 意見書は、民主党などが反対しましたが、賛成多数で採択されました。

 討論の全文は、「議会報告」をご覧ください。


《2009年12月7日》
富士通ML岩手工場700人が離職、増産体制でも期間社員を増やす関東自動車
最後の一人まで再就職に責任をもち、大企業は不安定雇用は改めるべき


 12月7日の県議会・商工文教委員会で斉藤県議は、誘致企業による人員削減について取り上げ、富士通ML岩手工場における1130人規模の再配置問題について質しました。「保和衛企業立地推進課総括課長は、「退職者は現時点で700人程度と聞いている」と回答し、再配置対象者の約6割が離職することが明らかになりました。斉藤県議は、「企業の都合だけにせず、再就職を最後の一人まで責任をもってやらせるべき」と指摘しました。
 また、関東自動車岩手工場では、増産体制になったにもかかわらず10月までに250人の期間社員を採用しています。斉藤県議は4〜5年も期間社員で働いている労働者がいる実態も示しながら、「大企業における不安定雇用を許さず積極的に正社員への登用を求めるべき」と強調しました。廣田淳商工労働観光部長は、「安定的な雇用については全く同感であり、可能な限り正社員で採用していただくようあらゆる場で要請している。引き続き努めていきたい」と述べました。
 さらに、昨年12月から今年10月までの事業主都合による離職者は累計で34144人に上っていることが明らかになりました。斉藤県議は、失業者とともに雇用保険資格喪失者が増大していることを指摘。「岩手でも実態を把握し、保険が断ち切られた方々への雇用確保や生活支援を強化すべき」と求めました。

35人学級―中一ギャップにも効果的
24市町村が「今後全面的に実施したい」と回答


 斉藤県議は、小学校1・2年生で導入され、今年度からは中学校1年生に試行的に導入されている35人学級(11市町村17校)の成果と今後の方向性について質しました。
 菊池宏小中学校人事課長は、「実施したアンケートでは『生徒理解や学級集団のまとまりの構築、中一ギャップの緩和にも効果的』等の回答が多く、学校生活への安定的な適応に有効である」と回答。また、中学校1年生での今後の方向性について、「24市町村が今後全面的に実施したい意向である」と述べました。
 斉藤県議は、全国で最初に小学校全学年で導入した山形県や、小中学校全学年で導入している福島県での成果も示しながら、「『40人学級では一人一人に目が行き届かない』との現場の声もある。東北の先進県の成果も踏まえて本格的に取り組むべき」と求めました。
 法貴敬教育長は、「教員の中で少人数学級と少人数指導での意識の差もあるが、少人数学級の成果も分かってきている。校長会や教員と話し合いながら取り組んでいきたい」と答えました。

 質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2009年12月4日》
花巻空港の着陸料を2分の1→4000万円の減収。搭乗率、利用者を増加させる対策こそ必要
12月県議会本会議で議案に対する質疑に立つ

 12月4日の県議会本会議で、花巻空港の着陸料を2分の1に軽減する議案について質しました。斉藤県議は、「これまでも航空政策研究会の試算では7億円の赤字、一般会計からの持ち出しとなっているが、さらなる軽減でどれだけの負担増になるか」と質問しました。佐藤県土整備部長は、「着陸料収入は従来より年間約4000万円程度の減収となる」と回答。日本航空の経営危機により廃止が出されている名古屋線維持に向けた効果については、「着陸料軽減等の支援策を示しながら路線が維持されるよう要望していきたい」と答えました。斉藤県議は、「名古屋線廃止の最大の理由は46.6%という低い搭乗率にある。搭乗率、利用者を増やす対策こそ必要」と指摘しました。
 また、321億円の花巻空港整備事業について、「大型機就航という当初の目的は完全に破たんした」と述べ、「事実上の県単事業であり県の責任はきわめて重大」と指摘。花巻空港の在り方を根本的に検討すべきと強調しました。
 達増知事は、「世界的な経済危機の影響は大きかったが、経済の回復とはまた別に利用者を増やすよう、エアポートセールスはやっていきたい」と述べました。

新型インフルエンザ対策―県でも独自の軽減措置を

 また斉藤県議は、新型インフルエンザ対策について質しました。
 県内の新型インフルエンザ累積患者数は1万5千人を超えており、14歳以下が8割弱を占めています。斉藤県議は、優先接種者のうち低所得者(県内約16万6千人)に対する軽減措置について、「市町村は独自の軽減措置を実施しているが、秋田県・徳島県では独自助成を行っており、岩手県としても優先接種者への独自助成を行うべきではないか」と質しました。千葉保健福祉部長は、「国において、今回のワクチン接種は感染防止を目的とするものではなく接種義務はないこと、したがい費用は個人負担が基本であり、国の補助スキーム以外の具体的な費用軽減は市町村において定められる」と答えました。
 斉藤県議は、「優先接種者、低所得者に対してきちんと周知徹底し、経済的理由で接種できない人があってはならない。ヨーロッパ・カナダ・アメリカは無償で行っており、県民の命を守るということを最優先にした対策をすべき」と求めました。

 質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2009年12月3日》
日本農業に壊滅的打撃を与える日米FTA交渉はやめよ
いわて食・農ネットが請願


 12月3日、いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワーク(萩原武雄会長)は佐々木一榮県議会議長にたいし、EPA・FTA推進路線の見直しを求め日米FTAの推進に反対する請願を提出しました。これには斉藤県議はじめ自民党、政和・社民クラブ、無所属の県議が紹介議員として同席しました。
 いわて食・農ネットでは、11月中に県内すべての市町村と農協を訪問し、「食の安全と食料自給率向上を求める要請」を行ってきました。この中で、政府への緊急要請に対する賛同が20自治体の市町村長と7農協の組合長から寄せられています。
 県生協連の金子専務理事は、「民主党政権は、日米FTA交渉の促進を総選挙マニフェストで打ち出した。FTAが日本農業に壊滅的打撃を与えるのは明らかであり、戸別所得補償が行われたとしても、輸入自由化のもとでは農産物価格や農家経営、地域農業を守ることはできない」と述べました。
 請願では、これまでのEPA・FTA推進路線を見直すとともに、日本農業に壊滅的打撃を与えるアメリカとのFTA交渉は行わないことを求めています。
 佐々木議長は、「請願の趣旨は理解した。農業が基幹産業であるというのは同じ思いである。常任委員会で活発な議論がなされると思う」と答えました。


《2009年12月3日》
私学助成を拡充し、ゆきとどいた教育を
私学助成をすすめる岩手の会が72905筆の署名とともに請願


 12月3日、私学助成をすすめる岩手の会(新妻二男会長)は、佐々木一榮県議会議長にたいし、私学助成を拡充させ、教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願を72905筆の署名とともに提出しました。これには斉藤県議はじめ、民主党、政和社民クラブの県議が紹介議員として同席しました。
 請願項目は、@私立学校(幼稚園、小・中学校、高校、専修・特別支援学校)に対する運営費補助を増額すること、A学費補助制度(授業料減免補助)を改善し補助を増額すること、B高等学校の特色教育補助を2005年度の補助額に近づくように増額すること、C国に対して、高校以下に対する経常費補助助成増額および過疎特別助成の継続など、国の私学助成制度をより充実するよう意見書を提出すること―の4項目です。
 参加者は、「授業料の滞納で卒業見込みが立たず願書が出せない」「修学旅行を断念せざるをえない生徒が10人を超える見通しだ」など多方面に影響が出ていることを訴えました。
 佐々木議長は、「署名への思いや厳しい現状を理解し取り組んでいきたい」と答えました。


《2009年12月2日》
県森林組合連合会と懇談
全国大会での志位委員長の挨拶に驚きと拍手


 12月2日、瀬川貞清県書記長とともに初めて岩手県森林組合連合会を訪問し、小保内勝哉専務理事、沢口良喜参事と懇談しました。これは、全国森林組合大会で初めて日本共産党の志位委員長があいさつし大きな反響を呼んだことから、それを報道した赤旗新聞をもって紹介し、県レベルでも交流を深めるために訪問したものです。
 冒頭、小保内専務理事が、志位委員長の挨拶について「党首として参加し、私たちの思いを伝える挨拶だった。特に林業に思い切って予算を振り向けるべきというところには驚きと拍手が沸き起こった」「今までにないくらい活気のある大会になった」と述べました。
 また、県内の林業の現状について、木材価格が低迷し戦後造林した木が切れない。不況で素材生産も伸びていないと厳しい状況を説明しました。一方で緑の雇用事業で今年度53人が研修事業に参加し、これまで3年間の研修を修了し280人が応募し240人が定着している。20代、30代が増えていると述べました。国や県で思い切った森林整備の計画を立ててほしい、公共施設に県産材をもっと活用するよう要望していると述べました。
 県内の森林所有者は71000人、組合加入者は21組合46600人という事です。森林整備事業、地球温暖化対策でも今後も協力を強めましょうと懇談を終えました。


《2009年12月1日》
地域医療守れ!県民集会開かれる
各地の取り組みを交流


 12月1日、盛岡市のエスポワールで「地域医療を守れ!県民集会」が開かれ、県内各地で地域医療や病院を守る様々な取り組みをしている代表を含め167人が参加しました。これは地域医療の充実・県民の命を守る連絡会(代表鈴木露通)と岩手県地域医療を守る住民連絡会(代表及川剛)が共催で呼び掛けたものです。
 私が、県議会報告を兼ねて9月県議会の状況と県立沼宮内病院の廃止条例が12月県議会への提案見送りになった経過、今後の地域医療を守る取り組みなどについて発言しました(別項参照)。⇒「12・1地域医療守れ!県民集会での挨拶」

医師の頑張りを支え、町民自身が医療を守る取り組みを(山田町)

 各地域からの発言では、山田町の佐藤照彦氏は、4月から内科医不在となっている県立山田病院を守ろうと「山田病院と地域医療を守る会」の結成を5月20日に14人の呼びかけ人で呼びかけ、7月14日に400人の会員を組織して結成した。現在は600人の会員となっていると報告。山田病院の医師は100人以上の訪問診療、年間1000件を超える取り組みを行っており、頑張っている医師の実態を知り、励まそうと、250人の参加で講演会を開くとともに、病院の職員と住民との交流会(40人と50人が参加)も行っています。取り組みを通じて、地域医療守る町民自身の意識を変えること、町が本気で頑張るように9月議会で200万円の補正予算を組み、医師確保に向けた取り組みを開始しています。

県立沼宮内病院守れ―入院はわずか10人に(岩手町)

 県立沼宮内病院の維持・存続を求める実行委員会の柿本氏は、来年4月から無床化が計画されているが、12月県議会への提案は先送りされた。岩手町では民間移管も視野に入れて入院ベットの確保をめざしているが、まだ見通しが立っていない。県立沼宮内病院の実態は精密検査を受けてもた病院を紹介される、入院患者は10人程度になっていると、すでに診療所化を想定した状況になっていると報告しました。