《2011年4月27日》
東日本大震災救援・復興のための2255億円余の補正予算を可決
本会議で質疑に立つ―すべての避難者に温かい食事の提供を
4月27日、臨時県議会が開かれ、斉藤県議は東日本大震災の救援・復興に関する補正予算への質疑に立ちました。
斉藤県議は、被災者・避難者の二次被害を絶対に出さない緊急対策が必要と強調。「毎日の食事がおにぎり3個とパン1個、敷き布団もなく座布団を敷き布団代わりに寝ている」など、劣悪な状況の避難所が依然多い実態を示し、すべての避難者に温かい食事や布団の提供をするよう改善すべきと求めました。達増知事は、「よりきめ細かくニーズをうかがい、被災者の皆さんの人間らしい暮らしの確保に努めていきたい」と答えました。
また、切実な課題である仮設住宅の計画について質し、これまでの地域の近くで集落単位に入居できるように取り組むべきと述べました。若林治男県土整備部長は、「入居要件を満たす全ての希望者に住宅を提供することとしており、7月末までに建設を終えるよう取り組んでいる。できる限り地域ごとにまとまって入居できるよう市町村に配慮を求めている」と回答しました。
さらに斉藤県議は、水産業と漁港関係の被害額が3137億円に及び中小企業・地場産業の再建も喫緊の課題となる中、これまでにない対策が必要と主張。今後の被災地の復興に当たっては、あくまでも地域住民の議論と合意を踏まえて新たな街づくりを進めるべきと述べました。
2255億円余の補正予算は、全会一致で可決されました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2011年4月23日》
遠野市の後方支援活動・ボランティア支援を調査
住田町の仮設住宅93戸に239人が応募
4月23日、遠野市の後方支援活動とボランティア支援活動の状況について調査のため、再び遠野市を訪問しました。本田市長、及川副市長、菊地後方支援室長から詳しく活動状況を聞きました。本田市長は、大槌町安渡で共同生活をしながら避難生活をしている方から連絡があり、救援物資を届けた。被災地での避難生活の劣悪な状況は変わっていない。遠野市内にも180家族450人が親戚等に避難しており、避難者の意向調査も行って被災者カルテというべき状況を把握していました。避難者の要望では、仮設住宅に入居したい、民間アパートに早く入りたい、雇用促進住宅を希望しているなどの要望が出されているとのことです。必要なら遠野市でも仮設住宅を建設する用地も確保していると強調しました。遠野市には静岡県が「静岡県現地支援調整本部」を設置するとともに、東京大学も支援本部を、これまでに167団体(すでに撤退含む)が活動拠点にしたとのことです。遠野市では公民館など150施設2000人を受け入れる用意があると述べています。本田市長は、住宅と雇用をセットで確保することが大事と強調。SMCでは20人の雇用を確保する用意がある。そのための住居の確保を要請されていると述べました。
被災地のニーズを調査しながら支援
静岡県、大仙市からは常駐の部隊が参加
遠野市社会福祉協議会の佐藤正市常務(まごころネット代表)を訪ね、ボランティア支援活動について聞きました。遠野市では社協が3月28日に遠野まごころネット(遠野被災地支援ボランティアネットワーク)を立ち上げ、活動していると説明がありました。まごころネットには社協とともにNPOや昌人ネット、柏木平リゾート、遠野の風土と観光を考える会の地元団体とともに、静岡県ボランティア協会、被災地NGO共同センター、日本赤十字社などの外部ボランティア団体も多く参加しています。静岡県ボランティア協会は常駐で25人、秋田県大仙市も綾織地区コミセンに「大仙市応援ハウス」を構え、料理人を含め25人が常駐体制で支援しています。陸前高田、大船渡、釜石、大槌を支援対象にしていますが、とくに陸前高田と大槌町への支援を強化しています。前日の22日は、家屋整理活動(大槌町桜木町地区)に104人が参加、その内ニーズ調査にも8人が参加しています。介護・看護活動に7人、足湯活動に14人が参加していました。物資支援では布団を米崎等に76組、大槌町にも物資を搬入しています。毎日18時30分からその日の活動を交流し、反省点などを明らかにして翌日の計画を立てていました。22日の会議には辻本総理補佐官も参加したとのこと。足湯活動では被災者の生の声や要求が聞けるとのこと。被災者の実態と要求の把握を重視している姿が印象的でした。23日は雨で、陸前高田市の活動は中止に、釜石の支援も途中で中止となったとの連絡が入りました。この間もくぎを刺したり、頭をぶつけたりなどの事故もあり、安全対策にかなり神経を使っているとのことでした。
住田式仮設住宅―木造で1戸建て
県の仮設住宅建設に応募できず
午後から住田町の災害対策本部を訪ね、小泉副町長から仮設住宅建設の取り組みについて聞きました。町有地3カ所に93戸を建設しています。町産材の杉材を使った木造の1戸建て住宅です。火石団地の13戸には90人が応募、本町団地17戸には99戸が応募、下有住・中上団地の63戸には50人が応募しているとのこと。入居者が決定しており、中上団地は再募集するとのことです。住田町は、今回の大震災前から、住田式仮設住宅を検討し国にモデルハウスの建設を提起し、協議していたとのこと。機敏に対応できた理由がわかりました。多くの団体から支援の申し出が来ているとのこと。1戸当たりの建設費用は約250万円で下水等の下回りを含めても400万円以下になるとのこと。総事業費2億5千万円の町単独の独自事業です。ところが、県が仮設住宅を県内業者に公募しましたが、年間5戸建設の実績要件に当てはまらず、住田住宅産業が応募できないとのこと。100戸近い建設の実績を持ち、県産材を活用した在来工法で全国から注目されている取り組みが、応募できないとは県は何を考えているのかと思わざるをえませんでした。今月下旬に完成予定の火石団地の仮設住宅を見学してきましたが、洗面台や洋式トイレも設置されており木のぬくもりを感じさせるものでした。さらに県内の仮設住宅に広げたいものです。住田町では今年度から上限30万円の住宅リフォーム助成事業も行われるということです。新築でFSC材と町産材を活用の場合は140万円の補助も出るとのこと。
住田町には220世帯約600人が親戚等に避難していたようですが、今は減少しているとのこと。避難者の実態と要望を調査しているとのことでした(4月25日集計)。すでに住田町の学校への転校は小学校で22人、中学校で6人に上るとのこと。陸前高田市への支援では、連日給水車が25台、3回転して住田町の水を供給しているとのこと。高校生8人を含め11人のボランティア派遣、大槌町への職員派遣にも取り組んでいました。また、民生委員が陸前高田市の全戸訪問を行い、被災者の実態と要望を把握する取り組みも行ったとのことでした。
陸前高田市の市民の声と党市委員会に
支援物資の児童書・絵本を届ける
住田町の調査の後、陸前高市に向かい、市民の声と党市委員会に寄せられた児童書などの支援物資を届けてきました。青年たちが支援物資の仕分けをしていました。雨のため、毎日行っている青空市は中止となっていました。
《2011年4月19、22日》
玉山区の好摩と船田地区で議会報告・つどい開催
4月19日は好摩コミセンで、22日は渋民の船田第2公民館で議会報告・つどいを開催しました。高橋和夫盛岡市議が東日本大震災で盛岡市議団として宮古市への支援を行うとともに、盛岡市にも盛岡市に一時避難している避難者への支援など二次に渡って支援活動の強化を申し入れていること。今年度から30万円以上の住宅リフォームに10万円の商品券を補助する住宅リフォーム助成事業(5月から申請受付)が実施されることなどを報告。
斉藤県議からは、東日本大震災が戦後最大の大災害となっており、それへの対応は政治のあり方、政党のあり方が問われる問題となっていること。この間沿岸12市町村を2回以上にわたって訪問し、被災者・避難者の救援と生活環境の改善、希望者全員が入れる仮設住宅の建設と雇用の確保、生活再建・地域社会の再建を土台とした復興の取り組み、人災というべき福島原発事故と緊急対策、原子力政策の根本的転換と再生エネルギー活用の方向などについて報告し、懇談しました。
懇談では、「大震災の救援活動ではどういうことができるのか」「避難所に発電機が必要」「節電で12時のチャイムが鳴らなくなったが改善してほしい」「原発事故で盛岡市内の放射線濃度はどうなっているのか」など沢山の質問や意見が出され、有意義な意見交換ができました。
26日には、玉山地区公民館で、27日には馬場・状小屋コミセンで引き続き開かれる予定です。
《2011年4月22日》
中小業者・漁民の経営と暮らし守る抜本的な対策を
岩商連が県に緊急要請
4月22日、岩商連(岩手県商工団体連合会)は、達増知事に対して大震災から中小業者の経営とくらしを守る緊急要請を行いました。これには国分稔全商連会長も参加し斉藤県議も同席しました。上野善晴副知事が対応しました。
緊急要請では、店舗や事業所の全壊・半壊についても被災者生活再建支援法の対象とすること。既往債務の返済凍結・猶予、債務免除の特別措置、長期無利子の融資制度、中小業者への仕事の確保と雇用創出など9項目を求めました。
被災地の陸前高田市から参加した佐藤吉郎さん〈陸前高田民商会長、漁民〉は、「2400万円で船をつくったばかりだったが津波で流された。家も建てたばかりで住宅ローンもある。漁港の修復と借金の棒引きをお願いしたい」、新沼治さん〈大船渡民商会長、漁民〉は、「海が良くならなければ陸も良くならない、国の力で漁業の再建をお願いしたい」、大松さん〈山田町、飲食業〉は、「3年7か月前に店を改装したばかり、6000万円の借金だけが残った。債務免除で何とか再建したい」、木村明さん〈宮古民商事務局長〉は、「宮古市では罹災証明書を即日公布している。住宅リフォーム助成事業も継続となった。5年程度で復興できるような特別の融資制度をお願いしたい」とそれぞれ訴えました。
上野副知事は、「被災された皆さんは大変な思いをされていると思う。県民の皆さんの力を結集して対応したい。要請は承った。国の方にも財源や復興のスキームを求め、復旧と復興を進めたい」と答えました。
《2011年4月20日》
仮設住宅の建設を県内業者に公募―2000戸以上をさらに増やすべき
ガスボンベなど設備関係も地元業者に発注を
県建築住宅課は18日、仮設住宅の建設について県内建設事業者に公募することを明らかにしました。2000戸以上を予定しています。応募状況によってはさらに増やすことも可能としています。是非、県内業者が仮設住宅の半分以上を建設できるように期待したいと思っています。これまでの集落の近くに仮設住宅が建設されるように求めています。
大船渡市の滝田市議から、仮設住宅に設備されるガス施設・ガスボンベなどを地元の業者に発注してほしいとの声が寄せられました。県建築住宅課に問い合わせたところ、仮設住宅の建設はプレハブ協会に発注したが、設備などは地元業者を活用するようにお願いしているとのことでした。地元市町村、地元業者との連携を取って進めたいと回答がありました。
地盤沈下で道路が冠水、県道大船渡広田陸前高田線の整備を
陸前高田市小友町で84p、大船渡市盛町では72pの沈下
大船渡市末崎町細浦湾岸の道路は、地盤沈下で満潮時は冠水しているとのこと。県道大船渡広田陸前高田線の整備が要望されました。県道路建設課に事情を問い合わせました。
陸前高田市小友町字西の坊で84p、大船渡市盛町字中道下で72pの地盤沈下となっているとのこと。細浦湾岸の代替道路となる県道大船渡広田陸前高田線の末崎町内の整備は、整備必要区間となっているが具体的な計画はまだないとのこと。大震災関連で整備を急ぐよう求めました。
《2011年4月20日》
県が5000人の雇用創出打ち出す
中小企業には50億円の低利融資
岩手県は19日、東日本大震災の復旧・復興対策として2200億円規模の補正予算を27日に開催される県議会臨時会に提出することを明らかにしました。その中には、雇用対策として緊急雇用創出臨時特例基金60億円を活用して5000人の雇用を創出するとしています。その内容は、県の臨時雇用450人、民間やNPOなどへの委託1050人、市町村事業3500人となっています。また、中小企業に対する災害復旧資金として20億円を金融機関に預託し、50億円の融資枠を確保。1000万円を限度に10年以内(据え置き期間3年以内)固定金利は1.7〜1.9%、保証料率は県が全額補給します。
そのほか、仮設住宅に1000億円、がれき処理に750億円、避難所運営や食料供給など被災者支援関連に330億円等となっています。
《2011年4月17日》
大船渡市の避難所を訪問―改善とともに格差も
集落の近くに仮設住宅を、朝・晩は自前の食事提供―碁石コミセン
4月17日、盛岡を7時に出発して大船渡市に向かいました。党気仙地区委員会で、山本地区委員長、三浦正明、田中英二両市議と打ち合わせし避難所に向かいました。事務所で大船渡高校の同級生で今回の津波で被災した末崎町の新沼君に期せずして会い、案内をお願いしました。末崎町の太田団地は堤防が破壊され約300戸が壊滅していました。86人が避難している碁石コミュニティセンターの避難所を訪問し責任者の大和田東江さん、及川素夫さんから避難生活の状況を聞きました。水道が使えず自動式の洗濯機が使えない、二層式なら使える。食料支援は潤沢で、朝、晩は調理施設で食事を提供しているとのこと。昼はパン食だが3種類しかなく牛乳もつかないとのこと。避難生活については集落の連帯感で支え合っているがみんな我慢している状況だと語っていました。
今後の課題や不安については、集落の近くに仮設住宅の建設を求めているが用地確保に苦労しているようだ。民有地を含めて確保してほしい、行政区単位で申請・手続きが行われるようにしてほしいと述べていました。漁業の再建については、昨日から船の引き上げが始まったとのこと。また、生命保険やインターネット契約などの引き落としがそのままになっていて延滞金までつくことは問題だと訴えていました。
赤崎の漁村センター、後ノ入地域公民館を訪問
仮設の風呂設置、マットレスも支給
午後から赤崎町の被災状況と避難場所を訪問しました。130人が避難している赤崎漁村センターでは大船渡市の対策本部の担当者から状況を聞きました。電気は通ったが水道はまだ。給水車2台が生活分の水を供給しているとのこと。センターの外の広場には地元業者が設置した薪ストーブによる風呂が2カ所設置されていました。盛小学校に設置されている自衛隊の風呂に3日に1回は入浴できるとのこと。食事はパンとおにぎりが基本だが、明日からご飯と副食の食事が提供されるとのこと。朝と晩は汁ものも出ているという話でした。避難者からも話を聞きました。1階は畳の大広間で、避難者の皆さんにマットレスが支給されていました。体育館等の避難者に比べれば恵まれていると話していました。当面の課題としては仮設住宅に入居できるかが切実な課題となっています。赤崎地区は小学校・中学校が平場にあり壊滅状態です。赤崎地区の公有地がなく仮設住宅の用地確保は大館地区に66戸、要望が200〜300戸あり、今後の用地確保が切実な課題となっています。
後ノ入公民館には20人余が避難生活をし、通所避難が100人余となっています。自前で作った五右衛門風呂があり、沢から水を引いて使われていました。太陽光発電による浄水器も設置されており、沢水を浄水する設備も今後設置される予定だと聞いてきました。2層式洗濯機も設置されており、沢水を使って洗濯や食器洗いなども行われていました。
民医連・医療生協による医療活動
全戸訪問し訪問医療を実施、地元開業医に引き継ぎへ
赤崎漁村センターに設置されている民医連・医療生協による医療チームを訪ね取り組み状況を聞きました。北海道勤医協から派遣されている医療スタッフでしたが、診療件数は減少しているとのこと。地元の開業医も復帰してきていることから、赤崎地区については引き継いで、要請があればさらに困難な地域の医療を担うこともあるのではないかと述べていました。盛岡医療生協の小野寺けい子医師にも現地でお会いして聞きました。大船渡市にはJOC(4月まで)、自治医大2チーム(5月まで)、岡山県のグループ(4月まで)、医療生協(9月頃まで)の5チームが医療支援に来ているが、開業医が6〜7割復帰してきており、県立大船渡病院もあり5月には地元で対応できる状況になっているのではないか。心のケアチームも沖縄県、相模原市、久里浜病院からきているとのこと。最近も自殺者が出ており、切実な課題となっていると感じました。大船渡市は毎日関係者のミ―ティングをやっていますが、県の対応への不満も出ているとのことでした。
大船渡民商の会長から漁民・業者の状況を聞く
大船渡漁協も100隻の船確保・定置漁業の実施へ
漁業者でもある新沼治大船渡民商会長から漁業再建の取り組み状況を聞きました。約550人の会員のうち漁民は約250人余に及ぶとのこと。船、養殖施設、漁港、製氷施設が壊滅した状況の中で、漁船保険や共済制度、被災者支援制度を全面的に活用して生活再建し、国の支援制度を活用して漁業の再建に取り組みたいと述べていました。大船渡湾漁協では2回の理事会を開き、県が行き100隻の確保で養殖の再開と定置の船一隻(1億4000万円)を建造し、転覆船の補修で定置網漁を再開する方針です。また、漁協で製氷部を立ち上げ、漁協の支所再建を図り、職員については雇用調整助成金を活用して解雇せず雇用を守る方針と聞きました。
高田一中の避難所を再び訪問
通路をパーテーションで確保、食事も改善
夕方に陸前高田に向かい、高田一中の避難所を再び訪問しました。市対策本部の小笠原さんから避難生活の状況を聞きました。現在避難生活をしているのは510人で、仮設住宅に36世帯約100人が入居しているとのこと。一時避難にも10世帯が移動したとのことでした。衣料品の物資は十分供給されているが、季節が変わってきているので必要な衣料品の中身が変わってくるのではないか。食料は、朝はパンと野菜ジュース、昼はご飯と汁物、夕はご飯と副食、汁ものと改善してきています。当日の夕食はふりかけ入りのご飯とおでん、汁ものでした。小さなテーブルを出して家族で夕食をとっている姿がありました。体育館の清掃を行い、通路をパーテーションで囲っていました。アルミの断熱シートも皆さんに配布されていましたが、薄い毛布が敷き布団代わりではまだまだ厳しいと感じてきました。
避難所には高齢者・障害者用の部屋、乳幼児の家族用の部屋なども教室に設置されています。ここには日本看護協会などから看護師や地域ボランティアが活動しているとのことです。女性用の更衣室も確保されていました。1か月前と比べるとかなり改善されていましたが、長引く避難生活のためには、いのちと健康を守る人並みの生活環境の保障へさらなる改善の必要を感じてきました。
最後に、プレハブで設置した日本共産党の陸前高田市委員会を訪問し、藤倉泰治市議、吉田まちこ県常任委員と戸羽市政の取り組み状況や今後の課題などについて意見交換してきました。西山剛県常任委員とともに盛岡にもどったのは夜11時でした。
《2011年4月15日》
海・湾内のがれきの撤去を国事業で実施を
大船渡田中市議が市・県に要望
大船渡の田中英二市議から15日の朝、Faxが送られました。陸上のがれきについては、国の責任で撤去されることになり、大船渡市はがれきの撤去や分別作業に業者を通じて被災者500人を日当7200円で雇用する取り組みを行い始めています。ところが、漁港内、養殖湾内では、漁協が大型クレーン船を使った沈潜や養殖設備の引き上げ作業を行っていて、漁民が連日自主的に作業協力を行っていますが、国が責任を持つ事業になっていません。こうした実態と要望を受け、県に問い合わせたところ、陸上のがれきは環境省の管轄で国の責任で撤去事業が行われることになったが、漁港内、港湾内はそれぞれ農林水産省と国土交通省の管轄で、がれき撤去事業についてまだ不明であるとのことでした。県も国に対して国の責任で実施するよう強く要望していますが、国の一次補正で検討されているようだとのことでした。こうしたことは、縦割りではなく、即決で実施してもらいたいものです。
避難生活している高校生、小中学生の給食はどうなるか
まともな弁当を支給すべき、給食費の減免も必要
避難生活をしている方から、学校が始まるが「高校生の弁当はどうなるのか」という問い合わせがありました。県の地域福祉課と県教委のスポーツ健康課に聞いたところ、避難生活されている場合は食事を支給することになるので、おにぎりになるのではないかという話だったので、まともな弁当を支給すべきと指摘。業者に依頼して弁当を支給することも検討したいとのことでした。小中学校の場合は学校給食となりますが、被災した子どもの給食費は減免すべきではないかと聞いたところ、給食費の減免の規定は現在ないとのこと。就学援助の場合は、要保護世帯は給食費も対象となりますが、準要保護の場合は対象にならないとのこと。給食費の減免措置も必要と思います。
福島原発問題―放射能測定地点の拡大を
レベル7となった福島原発事故、県内でも子どもを抱える若い世代を中心に不安が広がっています。県内各地、海などでも測定地点を増やすべきとの声が寄せられています。日本共産党岩手県委員会でも4月8日の第二次要望で県に申し入れを行いました。
今、県では、環境保健センターで24時間放射能の測定を行っており、その結果を公表しています。また、一関市の水道水の放射能の測定を週単位で行っています。県でも測定地点の拡大を検討していますが、測定機器の確保ができない状況とのことです。三陸の海(種市、山田)の測定は、六ヶ所村の核燃料サイクル基地との関係で年2回行われていますが、大震災以後の測定は行われていないとのことです。県民にもっと積極的に測定地点を増やし情報を公表すべきです。
《2011年4月14日》
避難所の生活環境の改善を、集落単位の仮設住宅を
県議会第2回連絡本部会議で提起
4月14日開かれた、第2回県議会連絡本部会議で斉藤県議は、1カ月が経過した避難所での生活環境の改善を直ちに行うよう求めました。県の避難所調査では、「7日に1回以上風呂に入れる」と回答したのが76カ所で4分の1以下にとどまっています。おむつ使用の高齢者は778人、妊婦さんは40人、乳児は235人となっています。大船渡市の避難所の食事は、「1日おにぎりが3個とパン1個」という状況です。暖かい食事の提供を業者の活用を含めて行うよう求めました。要介護高齢者や乳幼児・妊婦さんの対策を講じるよう求めました。また、プライバシーを確保するパーテーションや簡易テントを支給確保するよう求めました。
集落単位の仮設住宅を、県内業者の力で建設を
避難者の切実な要求である仮設住宅の建設について、半年以内に18000戸建設するとし、12000戸の用地を確保した取り組みを評価したうえで、各市町村の地域ごとの建設計画を公表して、集落単位に入居できるように求めました。また、県内業者にも公募・発注するとしている県の姿勢について、2000戸以上というのではなく半分以上は県内業者で仮設住宅を建設するように求めました。
被災者の生活を支える義援金・災害弔慰金などの早期の支給を
着のみ着のまま避難した避難者の切実な課題は、生活資金の確保です。義援金の早期支給、災害弔慰金や被災者生活支援法に基づく支援金をできるだけ早期に支給するよう求めました。義援金については、県は18日に配分基準を決める委員会が開く予定です。
住田診療センターのベット確保など県立病院の体制拡充を
大震災で県立高田病院、大槌病院が壊滅的な被害を受けるとともに、山田病院は1階が浸水して使えず、大東病院、釜石病院も患者を別の病院に移送せざるを得なくなりました。住田診療センターや大迫などのベットを最大限活用して県立病院の体制を再構築するよう求めました。
県立高校への通学を保障するスクールバスの運行を
陸前高田市内から県立高田高校の仮校舎(旧大船渡農業高校)や県立大船渡高校、大船渡東高校に通学する手段がJR大船渡線の不通によって立たれてしまいました。通学を保障するスクールバスの運行計画を早く示すよう求めました。県教委では、通学な必要な600人弱の高校生のスクールバスを市内各地に乗降場所を6カ所程度指定して、11台運行するとしています。
《2011年4月11日》
3・11東日本大震災から1カ月―
この間の活動を報告し救援募金呼び掛ける
3・11大震災から1カ月を迎えた4月11日、正午から盛岡市の東大通り商店街の亀が池前で救援募金活動を行いました。
この1カ月の活動を報告し、県民の総力を挙げた、国・県・市町村の総力を挙げた救援と復旧・復興の取り組みを呼びかけました。岩手県内の被害状況は、11日現在、死者3811人、行方不明4721人、合計8532人となっています。避難者数は376カ所に45319人です。戦後最悪の大災害にふさわしい救援と復興の取り組みが求められています。
この間、日本共産党には全国で4億円を超える救援募金が寄せられ、岩手県、陸前高田市や沿岸12市町村、被害を受け被災地を支援している内陸の市町村に義援金を届けてきました。また、被災地を2巡してきた現地調査と被災者・避難者の切実な要求を踏まえ、2度にわたって県知事に対して「東日本大震災の救援・復興の取り組みについての申し入れ」を行ってきました。
共同センター・いわて労連が救援ボランティアセンター開設
大震災・大津波から1カ月、避難所での生活は劣悪を極めています。いのちを守った避難者の二次被害を絶対防ぐ緊急対策など、機敏に対応することが必要です。切実な仮設住宅は半年以内に18000戸を建設する計画となりました。基本的に希望者全員が入居できる見通しです。集落単位に建設させるなど見通しを示すことも必要です。
午後2時からは、東日本大震災岩手県共同対策本部第6回会議が開かれ、労働組合や民主団体からそれぞれ具体的な支援活動について報告され、交流しました。農民連・いわて生協などによる炊き出しの支援、民医連による医療支援、労働組合による作業服やパソコンなどの支援、自由法曹団による支援などが報告されるとともに、4月7日からは、大船渡市越喜来地区に救援ボランティアセンターを開設し、ボランティア活動が展開されていることも紹介されました。
《2011年4月8日》
二次被害を出さない避難所の環境改善を、在宅難民への支援ネットワークを
宮舘副知事が、仮設住宅は18000戸の計画に12000戸の用地を確保と回答
4月8日、日本共産党岩手県委員会は達増拓也知事に対し「東日本大震災の救援・復興対策についての第二次申し入れ」を行いました。菅原則勝県委員長と私が知事室を訪れ、宮舘副知事が対応しました。
申し入れでは、大震災から1カ月が経過しようとしている中で戦後未曽有の災害に対応した国、県、市町村の総力を挙げた取り組みを求めました。具体的には、避難所での二次被害を防ぐ生活環境の改善、障害者や要介護高齢者などの福祉避難所への移行、在宅難民への食料・支援物資供給のネットワークの確立、希望者全員が入れる仮設住宅の建設、医療・保健・介護の支援体制の継続強化、生活資金の確保と活用できる支援制度の周知徹底を求めました。復興対策では、生活再建と地域社会の再建を土台に、被災者生活再建支援法による個人補償の拡充と県の上乗せ支給、ライフラインの早期復旧、漁業再建の国家プロジェクトの導入、中小企業への支援と雇用対策、被災自治体への思い切った職員派遣、住民合意に基づく復興プランの作成などを求め、その財源確保には簗川ダムなどのムダな大型開発の見直しを求めました。福島原発事故問題では、県内での放射能検査地点を増やし、情報公開を進めるとともに、原発政策の抜本的転換と自然エネルギーの活用を求めました。
宮舘副知事は、「全般的な申し入れをいただいた。よく検討してできることから対応したい」「仮設住宅については1万2000戸の用地を確保した」「県外からのボランティアも今後受け入れて取り組みたい」と答えました。
申し入れの全文は「政策と活動」をご覧ください。
《2011年4月7日》
被災地後方支援の中継基地・遠野市と木造仮設住宅建設の住田町を訪問
被災地支援に取り組む花巻市、北上市に義援金届ける
4月7日、被災地への後方支援活動に取り組んでいる遠野市を訪問し、本田敏秋市長に党中央委員会からの義援金を届けるとともに、遠野市の被災状況と被災への後方支援活動について詳しく聞きました。市役所の庁舎は鉄筋コンクリートが破壊されていて全壊の状況でした。庁舎の一部をトピアに移設するとともに議会は宮守庁舎を活用するとのこと。本田市長が特に強調したことは、大震災の被災地への後方支援活動です。地震発生から11時間後の午前1時40分に、「大槌高校に500人が避難している。水も食料も全くない。何とか手を貸してほしい」と通信手段が途絶えた中で大槌町の職員が立丸峠を越えて助けを求めてきた。遠野市はすぐさま物資を調達。毛布、非常食、水と石油を車に詰め込み午前4時50分、消防職員が出発したとのこと。想像を絶する惨状を見て、13日には釜石市に、14日には大船渡市と陸前高田市、16日には山田町に支援活動を展開。被災地と心を一つに救援支援活動を進めているという話に感動させられました。平成19年度から進めてきた「地震・津波災害における後方支援拠点施設整備構想」に基づき、自衛隊延べ2000人、警察、大阪府消防隊800人、20を超える医療チームなどの部隊が遠野市に集積し、被災地支援の取り組みを行っています。3月26日には、静岡県の川勝平太知事が支援隊とともに遠野市入りし、遠野浄化センター内に「静岡県現地支援調整本部」を設置し、支援活動が行われているとのこと。また、稲荷下屋内運動場を救援物資配送センターにして、全国の市町村や企業からの救援物資が届けられ、被災地に毎日届けているとのことです。200人の市民ボランティアがおにぎり、物資の仕分けなどで活動しています。ところが、県からの派遣がなく県との連携がうまくいってない状況も指摘されました。
地元産材を活用した住田式仮設住宅を100棟建設
住田診療所のベット活用へ職員用の仮設住宅を
住田町の多田欣一町長を訪問し、住田式仮設住宅の取り組みを聞きました。住田町内には陸前高田市などから約600人が親戚等を頼って避難しているとのこと。戸羽市長とも連携を取って住田町独自に地元産材を活用した仮設住宅を100戸建設することにしたとのこと。この取り組みには坂本龍一さんのグループやFSC(森林認証機関)も応援の意向を示しているとのこと。県も買い上げか借り上げを検討しているとのことです。
世田米地区の旧町営住宅の跡地に13戸の1戸建て住宅が建設されており、見て驚きました。地元産の無垢のスギ板をふんだんに使った木造住宅です。1戸250万円でできると聞いてまたびっくりしました。小規模・集落規模の仮設住宅には最適で他の市町村にも普及できるのではないかと感心してきました。住田診療所は今、高田病院の職員の宿泊所になっていますが、病院敷地内に職員用の仮設住宅が建設されます。多田町長は、そうして住田診療センターにあるベットを活用するようにしてほしいと話していました。
大震災―水田に亀裂、観光に大きな影響
花巻市大石市長―被災市町村支援本部設置
桜井肇、照井明子両市議とともに大石満雄花巻市長を訪問。党中央委員会からの義援金を届けるとともに花巻市の被災状況と被災市町村への支援の取り組みについて聞きました。
大石市長は、水田に亀裂ができているところが多数ある。製造業の工場でも資材不足で操業ができないところもある。とくに観光への影響が大きい、福島原発事故で海外からの観光客はストップしていると述べました。沿岸被災地への支援については3月18日に「花巻市沿岸被災市町村支援本部」を設置し、専任職員26人体制で被災者の受け入れ、被災者への支援、職員・ボランティアの派遣、支援物資の提供などに取り組んでいます。温泉旅館やホテルへの一時避難は沿岸や福島県からの避難者を4カ所で337人受け入れています。雇用促進住宅も70戸、民間企業の社員寮も8戸をあっせん、雇用促進住宅には32世帯112人、社員寮には3世帯3人が入居しているとのことでした。釜石・大槌町への職員派遣では通勤バスも検討しているとのことです。
沿岸市町村への支援に全力―北上市
党市議団とともに及川企画部長に聞く
鈴木健二郎、安徳寿美子両市議、昆野雅紀市議予定候補とともに北上市の及川義明企画部長に義援金を届けるとともに、沿岸の被災市町村への支援活動について聞きました。一時避難者115人を受け入れるとともに、中部病院に搬送された患者が退院した後の被災者を受け入れる福祉避難所も設置しているとのこと。病院に近いホテルや温泉旅館が活用され、病院への通院支援も行っていました。また、陸前高田市に公用車1台貸与、大槌町には給水車を派遣しています。被災者の住宅相談では、民間アパートに8世帯、雇用促進住宅に12世帯、市営住宅に1世帯入居したとのこと。被災者を1名臨時職員として採用しています。
陸前高田の藤倉市議らと懇談
漁業の再建、雇用・失業対策、学校の再開など
夕方5時ごろ、陸前高田市まで足をのばし、藤倉市議らと懇談。被災地の直面している課題・問題について懇談しました。市内はまだ電気が半分程度しか普及していません。水道は水源をやられ全面的に使えず給水車頼み、下水道処理場も復旧の見通しが立っていません。基本的なインフラの早期の復旧が重要な課題です。避難所ではエコノミー症候群の症状も出ているとのこと。仮設住宅の状況などの課題が報告されました。漁業の再建、失業・雇用対策、ガレキの処理問題、子ども教育と学校の再開、保育園・学童保育の状況も出されました。これらの課題解決に向けて要求課題を整理し県や市に要請していくことにしています。議論しているうちに9時近くになっていました。夕食に自衛隊が作ったおにぎりをごちそうになりました。小さな三角形の塩味の小さなおにぎりが2個ラップに包まれています。ふりかけをかけて食べました。これが毎日では大変だと感じさせられました。
《2011年4月3日》
再び釜石市・大槌町を調査、要望を聞く
高橋千鶴子衆議院議員とともに、首長、避難者と懇談
4月3日、高橋千鶴子衆議院議員(現地対策本部長)とともに朝8時、盛岡を出発し釜石に向かいました。10時過ぎに党東部地区員会に到着し、深澤寿郎地区委員長、菊池孝、坂本良子釜石市議と打ち合わせして、箱崎半島の漁民の皆さんが避難している小川体育館(市民体育館)に向かいました。体育館の前には支援の団体や多くの人たちが物資や食料を提供しています。体育館に避難者の皆さんにお見舞いを申し上げ、自治会長をしている佐々木孝郎さんら漁民の皆さんと懇談しました。
津波で7割の家が流される
船、養殖施設、漁港、作業小屋のすべて壊滅
津波で7割の家が流され、孤立状態に陥って、その後に箱崎白浜、駒ヶ崎、刈宿の3集落の住民が古川体育館に避難して来たとのこと。当初は350人が避難していたとのことですが現在300人となっています。夫婦でイシカゲガイの養殖漁業をしているという佐々木一雄さん〈66歳〉は、「出荷目前に津波にあった。採貝藻の船も養殖の船も漁具や作業小屋もやられてしまった。しかし、漁業しか生活の術がない。何とか漁業を再建し次の世代に引き継げるように支援をお願いしたい」と訴えました。また、「休業補償が出るなら地元で頑張りたい」他の漁民の方からは、「地盤が沈下していて水没している。シケが来れば道路も通れない」「高台の住宅をつくるという報道があるが、用地をどう確保するのか」「仮設住宅を地元の近くに早く建設してほしい」などの切実な声が寄せられるとともに漁業再建への強い思いを聞いてきました。
津波の教訓が明暗を分けた本郷地区
漁業再建へ支援求める
唐丹町の本郷地区の避難所を訪ね、自治会の会長さんである山内直次郎さんや避難されている方々から話を聞きました。本郷地区は昭和の津波の教訓を踏まえ高台に漁民の住居を構えてきました。その後、海に近いところにも住宅が建てられましたが、今回の津波で高台の道路から下の住宅48軒が流されたとのことです。高台の約110軒の住宅は無事でした。20人が消防のコミニティセンターに避難し、親戚等に100人が避難しているとのことです。「津波が12メートルの防潮堤を超えて48軒の家が流された」「片岸のトンネルからも津波が押し寄せた」と津波の大きさを話し、「ワカメ、コンブ、ホタテの養殖施設と漁具すべて流された」「小舟1トン程度でも400万円する。国の支援をお願いしたい」「地盤が沈下しており港湾施設の改修が必要」「200人ほどが働いている大村技研も全滅し従業員は解雇されるのではないか」「仮設住宅には30世帯が希望している」「家を修理して住みたいという人もいる」「車購入の補助もほしい」などの要望が出されました。4月中旬からがれきの撤去作業が始められる予定です。
お昼に地区委員会にもどり、照井明子市議など花巻から支援に来た方々の差し入れのおにぎりや煮物、地区委員会がつくった豚汁を食べさせていただきました。
生活支援、廃棄物処理、地場産業の復興支援を
野田釜石市長から国への要望受ける
午後、釜石市の災害対策本部を訪問し、野田武則市長から国に対する要望を受けました。野田市長は釜石市内の被災状況について地図を示し詳しく説明。市役所も3日間孤立状況に陥り、4日目に駅前にあるシープラザに災害対策本部と支庁舎の機能を移した。死者674人、うち身元不明が109人、行方不明者は633人、はじめは9000人だったが現在63カ所に3934人が避難していると述べました。
国への要望事項として、@被災者への生活支援―医療体制の確率、健康支援、被災者生活再建支援法の支援金の拡大、福祉サービス給付金の全額負担、雇用促進住宅の入居期間の延長、A廃棄物処理への支援、B地域産業の復興支援、C災害復旧にかかる人的支援、D消防力の再構築に関する支援、E公共施設・基盤施設の早期完成・再建、F特別立法による大幅な財政支援などを求めました。
住民の要望については、仮設住宅に早く入居したいというのが一番の要望だと述べ、炊飯器やテレビなどの生活用品の確保も必要と指摘しました。その後の住宅の建設については、どこに宅地を求めるか、災害に強い町づくりとの関連で新たな用地の確保も必要になるのではと述べました。防波堤・防潮堤や他の安全策も必要と強調しました。さらに安心して働ける場所の確保を強調、企業の再建への支援を求めました。とくに住友金属と合併した新日鉄が大企業の役割を発揮するよう期待していると述べました。
2000戸の仮設住宅めざし1000戸分の用地確保
東梅大槌副町長に国への要望を聞く
午後3時に大槌町災害対策本部を訪問し、阿部祐吉町議とともに避難所を訪れ、避難者から要望を聞きました。行方不明となっている親族の捜索を毎日やっているとのこと。地元に近い仮設住宅に入りたいとの要望も寄せられました。
東梅政昭副長から被災状況と国への要望を聞きました。避難場所への避難者は当初6200人ほどいたが現在は2500人ほどに、在宅通所難民が6848人でさらに親類や一時避難場所に避難してきているとのことです。同時に在宅で支援が必要な住民は6848人に及ぶとのこと。仮設住宅については2000戸を県に要望、1715戸の希望が出されており、1000戸分の用地を確保しているとのこと。大槌町は用地浸水率が52%と県内最大で、今後の用地確保が大変だと述べていました。避難者・被災者に対する手厚い相談体制を手厚くして、生活相談や避難所を回って説明する体制を強く要望しました。
また、町内の学校は7校中安全が確保されているのは吉里吉里小学校と吉里吉里中学校の2校のみで、どう学校を再開するのか苦悩していました。
その後、大槌高校を訪問し、大槌北小学校の先生方から話を聞きました。生徒・職員は全員無事だったが、家族や両親を亡くした生徒、職員もいるとのこと。心からお見舞いを申し上げました。学校で避難訓練をやっていたことが全員の避難に役立った。大槌北小学校は1階を津波で被害を受け、1・2年生のランドセル、学用品と教職員のパソコンなどがだめになったとのこと。単身赴任の先生方のアパートも被害を受け避難所暮らしでした。車も流され内陸の自宅に帰るために自動車を購入したとのこと。被災した教職員への支援も必要と痛感させられました。先生方は家庭訪問をし、担任の顔を見ると子どもたちは元気になる、早く学校に行きたいと言っているそうです。机と椅子がない、学用品、教材、パソコンもないと訴えられました。
盛岡へは何十年ぶりに土坂峠を取って国道340号に、さらに106号線で2時間余で帰ってきました。