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《2011年8月31日》
放射能汚染から子ども守れ
放射能汚染から子どもと県民の健康を守る対策を申し入れ


 8月31日、達増知事にたいして、福島原発事故による放射能汚染から子どもと県民の健康を守る対策を求める申し入れをしました。斉藤県議、庄子春治・高橋和夫の両盛岡市議が参加し、宮舘寿喜副知事が応対しました。
 この間、盛岡市、奥州市、一関市などは独自に放射線量を調査。国の基準(毎時1マイクロシーベルト)を大幅に超える放射線量が奥州市の前沢南幼稚園(毎時7.3マイクロシーベルト)、盛岡市玉山区の好摩幼稚園が(毎時2.8マイクロシーベルト)で計測されています。
 斉藤県議は、県と市町村の責任で、すべての学校、保育園、幼稚園などで放射線量の測定を早急に行い、その際は奥州市や盛岡市のように地上での調査もするべきだと指摘。国の基準を超えた場所では迅速に除染をしてほしいと要請しました。
 また、県の責任で、生産者や農協が求めている牛肉の全頭検査を実施し、出荷遅延牛の買い上げをするべきだと提起。コメの放射性物質の調査は1圃場ごとに行ってほしいと述べました。
 宮舘副知事は、「子どもが近づく場所の放射線量については予備調査で詳しく調べたいと回答。牛肉の全頭検査は「やるのが理想だと思う」と述べました。


《2011年8月28日》
盛岡市議選5議席確保
全員当選 「原発ゼロ」に期待高まる


 大震災で延期されていた盛岡市議選が8月28日投開票されました。定数38(4減)にたいして47人が激しく争うなかで、日本共産党の庄子春治(60)、鈴木礼子(65)、高橋和夫(72)、神部伸也(37)、鈴木努(29)=いずれも現=の5氏が当選し、現有5議席を守り抜きました。
 党市議団の議席占有率は、11・90%から13・15%に前進しました。
 「全員当選!」の知らせが5氏の選挙事務所に届くと、詰めかけた党員や後援会員から大きな拍手と歓声があがりました。
 市議選で5氏は、福島原発事故による放射能汚染から市民の命と健康を守るあらゆる対策を取らせ、「原発ゼロ」をめざすと訴えました。
 また5氏は、市がため込んだ72億円もの財政調整基金を使い、小中学校の耐震化、高すぎる国保税の1世帯当たり2万円の引き下げ、小学校卒業までの医療費無料化―などを実現させると主張しました。
 党の政策を知った有権者からは、「放射能汚染についての心配事に答えてくれた。がんばってほしい」(若い母親)、「放射能の風評被害が大変だ。原発問題は共産党のいう通りだ」(農家)などの共感が広がりました。


《2011年8月14日》
大震災津波から5カ月―陸前高田市を訪れる
悲しみ言えぬ被災地、変わらぬガレキの山


 8月14日、東日本大震災津波から5カ月が経過した陸前高田市を訪れました。最初に、津波当日、最後まで住民の避難誘導に取り組み犠牲となった及川一郎市議の自宅を訪問しました。初盆を迎えた仏壇に線香をあげ、8月1日の日本共産党創立89周年記念講演で、志位和夫委員長が及川一郎市議の活動を詳しく紹介し「不屈で、力強さ、思いやりを持った党員だったからこそ、最後の一郎さんの頑張りと姿があったと思います」という地域の人の声を紹介しました。志位委員長の記念講演のパンフとDVDを奥さんに渡しました。奥さんもまた、開業医に勤めていて地震後患者を車で自宅に送り届け、危機一髪で助かったとのこと。診療所は全壊し、医師と看護師は犠牲となったとのことでした。

米崎小学校の仮設住宅―自治会を立ち上げ集会所を設置
漁業再建の状況を聞く、船の確保・地盤沈下と岸壁の改修など不安だらけ

 
 現地で支援している吉田まちこ県常任委員とともに、米崎小学校の仮設住宅を訪問し、自治会長の佐藤一男さん、父親で漁業者の吉郎さんから話を聞きました。これまで世話役の取り組みをしていた一男さんが、仮設住宅ができた時に自治会長に推されたとのこと。家族7人が6畳、4畳半2室の狭い3Kの仮設住宅で過ごしていました。また、自治会の資料も山積みされていました。自家水道の水に鉄分が多く風呂水に茶色い線が出てくるとのこと。調査では基準値以下で飲めるとのことですが、飲料水やご飯にはペットボトルの水を使っているとのことでした。いっせいに水やお風呂を使うと浄化槽のにおいが強いとのこと。自治会として入居者の声や要求を把握して取り組んでいる姿に感心させられました。集会所は設置されていませんでしたが自治会自ら用地を探し国際的なボランティア団体のセーブ・ザ・チルドレンが設置してくれたとのこと。水道の設置や団地の街灯(10基)など入居者の負担・共益費があり、自治会の取り組みも大変だとのことです。団地にはふれあいの場となる木製のベンチも設置されていました。夕方になると缶ビールを楽しむ姿もあるとのこと。
 漁業者でもある一男さんと吉郎さんに再建の取り組みを聞きました。船の確保の見通し、地盤沈下と岸壁の改修、作業小屋、破壊された防波堤、定置網の準備など課題山済みで、まだ見通しが見えない状況だとのこと。漁業の再建は時間との勝負であり、具体的な進捗状況と見通しを示しながら取り組むことが重要と思ってきました。

今日も行方不明の息子を探しに出かけた父親
被災者の悲しみはいまだ癒えず

 
 陸前高田民商の事務局長だった息子さんがいまだ行方不明となっている吉田税さん(前日本共産党市議)宅を訪問しました。吉田さんは今日も行方不明の息子の消息をたずねて死体安置所や周辺を捜しに行ったところだという奥さんの話を聞いて、悲しみが癒えない被災者の思いを痛感させられました。「腕1本、足1本でも見つかれば」とのせつない話。息子さんの奥さんは市職員の保母さんで、津波当日は子どもたちの避難にあたったとのこと。親が迎えにきた10人ほどの子どもが津波の犠牲となったとのこと。市職員として3日間自宅に帰れず連絡も取れなかった。津波当日は高台にある吉田さん宅に多くの避難者が詰めかけ、ビニールハウスなどで一夜を過ごし、炊き出しも行ったとのこと。孫の高校生が食べ物もなく避難しているとの話を聞いて真夜中に握り飯を作り届けようとした税さんを、周りの人が危ないから止めようとしたことなど津波当日の話を聞いてきました。

藤倉市議と被災者の生活再建、復興とまちづくりについて意見交換
 
 共同支援センターで藤倉泰治市議と被災者の生活再建の取り組みの状況、陸前高田市の復興計画案とまちづくりの問題について意見交換しました。興味深かったのは、東京4大学共同調査チームによる「今後の住まいとまちに関する住民意向」結果の内容です。「市内に住みたい」が8割以上、「同じ住所に住みたい」は4割、「津波のこない高台に住みたい」が8割以上となっています。まちづくりの課題では「以前どおりの堤防を作り、低地には避難路を整備する。その上で、高台に住み、低地で働けるまちにする」が31%で第一位となっています。「高田松原の再生」は8割が肯定的。今後の暮らしに関する不安では、「住宅」が7割と第一位、「仕事」41%、「経済」40%と続きます。復興の主体である住民自身の意見を大事にして、住民自身の議論と合意形成が重要とかんじました。

遠野市の交流型仮設住宅「希望の郷『絆』」を視察
東大の提言を受け、地元の木材で地元業者が建設

 
 住田町から国道340号線で赤羽トンネルを通り遠野市に入り、話題の交流型仮設住宅を訪ねました。サポートセンターの富安亮輔(東京大学大学院建築学専攻西出研究室)さんから説明を聞き、仮設住宅を見せていただきました。高齢者世帯用のバリアフリーの木造デッキ付の仮設住宅は、単身用のワンルームも7坪と標準よりも広く、気仙沼から実際に仮設住宅を見て入居を決めたという方から住み心地を聞きました。木造の仮設住宅で大変住み心地がいいとのことでした。空き室となっている標準タイプの仮設住宅の中も見せていただきました。押入れの棚をつくったため、3畳の畳部屋と4畳半の居間という構造ですが、バリアフリーで赤松の床がしっかりしていました。家の土台も二重になっており、風除室、縁台も取り付けられ物干し竿も2本設置してありました。こうした仮設住宅が早い段階から設置されていればと思いますが今後の住宅建設に生かしたいものです。


《2011年8月10日》
被災した県立病院の再建は復興とまちづくりの中心
災害対策特別委員会で復興計画案に対する質疑に立つ


 8月10日の災害対策特別委員会で斉藤県議は復興基本計画案に対する総括質疑に立ちました。
 斉藤県議は、「復興基本計画案の最大の問題は、県立病院の再建整備が明記されていないこと」と指摘。津波で全壊した県立高田病院の院長や職員、地域住民などが早期再建を切望している声も示し、「県立病院の再建は復興とまちづくりの中心であり、再建の方針が示されてこそ市町村の復興計画が立てられる。県の責任で明記すべき」と強く求めました。達増知事は、「新しいまちづくりの議論を踏まえ、医療資源の有効活用や病院・診療所および福祉施設の機能分担等に関して十分に議論を重ねて基盤整備を図っていきたい」と述べるにとどまりました。
 斉藤県議は、「安全を優先するために従来型の大型開発優先になってはいけない」と強調し、三陸縦貫自動車道などの高規格道路よりも、破壊された国道・JR・三陸鉄道こそ最優先して整備すべきと指摘しました。達増知事は、「高規格道路は三陸沿岸の復興道路として早期の整備が必要。地域の復興を担う国道や三陸鉄道、JRの復旧についても可能な限り早期に復旧する必要があり、3年を目途に復旧させる」と答えました。

 災害対策特別委員会での質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2011年8月9日》
コメの放射線量調査―全市町村で実施へ
仮設住宅の玄関網戸、風除室も9月末までに全戸整備


 8月9日の臨時県議会で斉藤県議は議案に対する質疑に立ちました。
 斉藤県議は、コメの放射線量の調査は、県南の一関市、奥州市、平泉町、藤沢町に限らており、消費者・農家を安心させるためにも全市町村でコメの放射線量の調査を行うべきと質問。達増知事は、「本調査については調査地域の追加を検討することとしていたが、県内すべての市町村を対象とすることとし、関係機関・団体と調整していく」と答弁しました。また斉藤県議は、福島・宮城はすでに出荷停止中の肉用牛の買い上げを決めており国も補助する。肥育サイクルを守るためにも県として速やかに買い上げを行うべき」と求めました。達増知事は、「買い上げについて現在生産団体等と調整している」と答えました。
 斉藤県議は、仮設住宅の玄関網戸などの整備の見通し、空き室の活用も含めた集会所・談話室の設置状況について質しました。復興局の廣田副局長は、「仮設住宅の玄関網戸は、引き戸タイプの玄関については全て、風除室の設置も全てについて9月末までを目途に設置を進めている。308団地中、集会所・談話室の設置が143団地であり、今後空き室の活用も考えている」と述べました。

達増知事が斉藤県議の質問の訂正を求める異常な答弁

 本会議の議案に対する質疑で、斉藤県議がコメの放射線量の調査について、「全市町村調査の方向が今日の本会議で打ち出されたが、もっと早く毅然とした対応をすべきであり、知事の決断・イニシアチブに欠けている」と指摘。達増知事は、「決断が遅い」とか「リーダーシップがない」というのは、まったく非論理的なことであるので、それは訂正していただきたいと思う」と述べ、質問の訂正を求める異常な答弁を行いました。

 議案に対する質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2011年8月5日》
県の畜産危機的状況
福島原発事故による放射能汚染防止対策の申し入れ


 8月5日、日本共産党岩手県委員会は達増知事にたいし、福島原発事故による放射能汚染防止対策の申し入れを行いました。斉藤県議、瀬川貞清書記長(県議予定候補)、高田一郎両磐地区政策委員長(県議予定候補)、庄子春治・高橋和夫両盛岡市議らが参加し宮舘壽喜副知事が応対しました。
 斉藤県議は、稲わら汚染により岩手県産肉牛の出荷停止が指示されたもと、県の畜産は危機的状況に直面しており、コメの放射能汚染への懸念も高まっていると指摘。子どもへの放射能汚染を心配する声も広がっていると述べました。
 主な申し入れ内容は、肉牛の出荷停止に関わる対策と全面賠償について、県は、1日も早く出荷停止を解除するための使用管理の徹底と安全管理体制の整備を図り、解除申請に向けた取り組みを急ぐこと、放射能で汚染された稲わらを使用した牛については、国が全頭買い上げを行うよう求め、当面県が買い上げを行うこと。コメの放射性物質の検査に当たっては、奥州以南の4市町だけではなく、全市町村で実施すること、すべての学校、保育園、幼稚園、児童館・学童クラブ等の放射線量の測定を行うこと―など6項目です。
 斉藤県議は、「BSE問題のときには、岩手県は真っ先に前頭検査をやった。岩手県が真っ先に農家や子どもたちの安全のために取り組んでいるという姿が大事であり、後手後手にならないようにしていただきたい」と求めました。
 宮舘副知事は、「出荷制限の解除は今月末にも解除できるように取り組んでいきたい。コメの基準を超えるものについては、市町村を調査対象にして、一関市・奥州市・平泉町・旧藤沢町を調査し、その結果を参考に他の市町村についても追加を検討していかなければならない」などと答えました。

 申し入れの全文、申し入れでのやりとりの大要については、「政策と活動」をご覧ください。