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《2012年6月28日》
陸前高田市の復興状況と課題について調査
戸羽市長、山田教育長、阿部商工会長と懇談


 6月28日、高田一郎県議、地元の藤倉泰治、大坪涼子市議とともに、陸前高田市の復興状況と課題について現地調査を行ってきました。
 激務の戸羽太市長には昼休みの時間にお会いし懇談しました。戸羽市長は復興の課題として土地の確保の問題を指摘。一部に土地の買い占めの動きがあり、県として監視区域の設定、事前申請など必要な対策を講じるよう求めました。その際には、手続きに時間がかかりすぎないような配慮も必要と述べました。また、民間のハウスメーカーなどには市としても土地利用計画を説明して協力してもらえるよう申し入れする予定だと述べました。
 また、市街地再生・商店街の再生について商工会からショッピングモールの提案を受けていると述べるとともに、イオンや県内スーパーなどの出店の計画があることを明らかにしました。市内に宿泊施設がないことも復興の障害になっていることも指摘、地元の民宿等の再建とともにビジネスホテルなどの誘致も必要と述べました。
 国保税の減免について、9月末で医療費、介護保険等の減免が切れることから市として独自に国保税の減免を継続することにしたと説明。被災地・被災者にとって消費税増税はあり得ないと厳しく指摘しました。JR大船渡線の復旧については、JRが公共交通機関としての役割をはすことが必要と述べ、BRTのバス停ではなく鉄道の駅が町づくりにとっては重要と述べました。
 
ガマン強いられる子どもたち
3人に1人が仮設住宅暮らし

 
 4月から陸前高田市の教育長となった山田市雄氏(前盛岡三高校長)を訪問し、懇談しました。
 山田教育長は、私の大船渡高校の同窓で陸前高田市米崎町の出身、津波でお母さんを亡くしました。開口一番、全国から沢山の支援をいただいていると感謝の言葉を述べ、名古屋市は職員の派遣だけではなく、名古屋市立大学看護学部への推薦入学(2名)も進めているとのこと。市教育委員会は66人中46人が津波で犠牲となり、大変な状況だったとのこと。1600人の生徒のうち、3人に1人は仮設住宅から登校。仮設では大きな声も出せず、家に帰ると緊張している。学校に来るとのびのびしているとのこと。しかし、校庭には仮設住宅が建てられ、体育や遊びの場がなく、道路でダッシュの練習をしたり廊下で体操をしているなど我慢が強いられている状況です。PTAや地域の方々が休耕田や原野を提供して50メートル四方の校庭をつくっている例もあるとのこと。高田一中の下の土地を仮のグランドとして整備することにしていると述べました。被災している子どもも被災していない子どもも心に傷を持っており、生徒の心のケアも大切と強調しました。

150ヶ所300区画の仮設店舗―本格的再建への支援が必要
商工会員の2割は廃業か

 
 午後から陸前高田商工会の仮設事務所を訪問し、商工業の再建状況について阿部勝也会長に聞きました。阿部会長は、仮設店舗について150カ所300区画の要望が出て着々と取り組まれている。市内には1000を超える事業者があり、商工会の会員は約700だが、会員の138人が津波でなくなり、約2割が廃業になるのではないかと話しました。いま仮設で頑張っているが、問題は仮設店舗から本格的な再建に踏み出せるかどうかだ。二重ローンの問題もあるが相談はない状況。建設関係では、がれきの撤去は一時仮置き場での分別が行われているが二次仮置き場での分別は祭が遅れており、計画通り運搬できない状況もある。がれき撤去は建設事業の実績に入らず、ランク付けが下がってしまう問題があると述べました。本格的な建設事業はこれからだが、情報が遅い、グループ補助金の申請が面倒なこと、事業復興型雇用補助金の積極的な活用など要望されました。




《2012年6月26日》
国民の声も公約も踏みにじる消費税大増税の強行に抗議
日本共産党が緊急の街頭宣伝


 6月26日の午後、衆議院本会議で消費税大増税法案、社会保障改悪の新法案が民主、自民、公明によって強行されました。日本共産党岩手県委員会は夕方、盛岡市のクロステラス前で直ちに緊急の街頭宣伝を行いました。
 私と菅原則勝県委員長、庄子春治盛岡市議団長が訴えました。県・盛岡地区の勤務員が日本共産党の「提言」<消費税に頼らず、社会保障の拡充と財政危機を打開できる>を配布しました。
 私は、消費税大増税が何よりも大震災津波からの復興に逆行すること。中小企業の再建にも住宅の確保にも重大な障害となり、被災地として絶対許せない増税だと強調しました。また、国民の5〜6割が消費税増税に反対しており、国民の声に背を向ける暴挙であり、公約違反の裏切りであること。民主党から57人の反対が出たことはその反映だと指摘。民主、自民、公明の密約談合が国会でまともに審議もされず強行されることは議会制民主主義も蹂躙するものと厳しく指摘し、国会内外のたたかいをさらに広げ、参議院段階で必ず廃案に追い込もうと訴えました。


《2012年6月25日》
漁船・漁具・資材の確保に公的支援の拡充を、漁民の経営を守る対策を
岩手県漁民組合が岩手県に三陸沿岸漁業の復興について申し入れ


 6月25日、岩手県漁民組合(組合長、蔵徳平)は、岩手県知事に対して「三陸沿岸漁業の復興についての申し入れを行いました。釜石、大船渡、山田、田野畑、洋野町の各地から漁民組合の皆さんが参加。これには私と高田一郎県議が同席しました。県側からは高橋農林水産企画課長、石田漁業調整課長、小田島団体指導課指導検査課長、佐久間海区漁業調整委員会事務局長らが対応しました。
 申し入れでは、@漁船・漁具・漁業資材の確保への公的援助、A魚市場、製氷工場、水産加工場の早急な再建、B漁港の早期復旧・整備、Cサケ資源の公平配分・サケ刺し網漁ができるようにすること。Dワカメ、コンブ、カキ、ホタテ養殖の再建への公的援助、種苗施設の再建整備などの13項目の実現を求めました。
 県側からは、共同利用の漁船は9分の8補助で6000隻余の計画に約5000隻確保まで来ている。魚市場・製氷施設、水産加工場も9分の8補助、グループ補助で整備をはかり、漁港の復旧では、108漁港のうち1割が完成、6割が荷揚げ可能な状況となっていると回答がありました。サケの刺し網漁については、資源管理・漁業者間の調整という点から認める状況にないと回答。アワビの解禁時期の見直しについては、県北から要望があり、夏鳥の漁獲を進めるなど弾力的に対応する。底引き網漁・巻き網漁の規制については、国の大臣許可であることから国の対応となると回答がありました。
 交渉に参加した漁民からは、「津波で船も流され家族も住宅も失った。漁業で生活できる対策を講じてほしい」「このままでは後継者いなくなる」「いさだ漁をやりたいとお願いしたが許可が出なかった」「酒の刺し網漁はやっても1ヶ月間で、漁獲量を決めて取り組むので認めてほしい」など切実な声が出されました。


《2012年6月24日》
大槌町の復興の課題を考える
岩手地域総研がシンポジウム


 6月24日、岩手地域総合研究所は、「被災地復興の課題―大槌町の地域計画づくり、住まいと仕事再生への取り組みから考える」シンポジウムを開催しました。
 パネリストとして参加した碇川豊大槌町長は、「死者782人、行方不明者469人、136人の町職員のうち町長含め40人が死亡した。全壊半壊が3878棟に及び、現在も4800人が仮設住宅で暮らし、約1000人が町外で生活している」と被災状況について説明。大槌町の復興計画について、「海の見える、つい散歩したくなるこだわりのある『美しいまち』」の将来像を示し、被災者自身が地域の復興の計画を考えるように10地域で検討協議会を開いてきたと述べました。
 復興と土地をめぐる課題について、国土調査が未了、境界も不明、世帯全員が死亡している例などを示し、土地区画整理事業や防災集団移転事業を進める上で従来のやり方にとらわれない対策が求められていると述べました。住宅再建の課題については、二重ローンの問題、土地の価格、被災者生活再建支援の限界、集団移転5戸以上などの課題と防潮堤の整備の時期と安全性の問題を指摘。防災集団移転事業による住宅団地購入例も示しました。赤浜地区を除いて14.5メートルの防潮堤が整備される計画となっていることから、防潮堤に陸側に緑の公園をつくり、鎮魂の森公園として景観に配慮した町づくりを進めると述べました。
 水産業の再生の課題では、震災前は税制の20%、売り上げ65億円、労働力人口の12%を占めていたが、震災後売り上げは0.5憶円、就業人口は推定で2%、漁協組合員数も868人から249人(新組合設立時150人)となっていると説明。事業所の再建では、グループ補助が採択された事業所が32事業所(水産8、造船2、ショッピング7、宿泊4、酒造1など)、商店街への補助がまだないことが課題と指摘しました。
 おらが大槌夢広場代表の阿部敬一さん、遠野まごころネット副理事長臼澤良一さんがそれぞれ大槌町での活動について報告。弁護士の佐々木良博さんは、大槌町の仮設住宅住民のアンケート調査結果を示し、家族が分かれて生活している世帯が25%、うち60%が町外で生活、近隣の人と交流がないが80%、職を失ったが40%だったことを紹介。震災前のローンが住宅ローンで26.6%、船舶・自動車ローン27.3%、その他のローン39.3%となっており、二重ローン問題の解決が重要と指摘。住宅ローンの問題では5年返済や根抵当権設定の問題などの解決が必要と強調しました。
 パネリストの討論では、仮設住宅に住む3〜4割に精神的ショックがあり、お茶っ子会の参加者も固定化しており、心を閉じている人への対応の重要性が述べられました。
 碇川町長は、経済優先の復興ではなく、人間優先の復興でなければならないと述べ、税金の使い道、住民・被災者目線で復興に取り組むことを強調しました。


《2012年6月24日》
青年運動の砦・新民青会館の完成を祝うつどい
被災地からの報告、民主青年同盟中央委員長の講演


 6月24日、新しい民青会館の完成を祝う会が開かれました。午前の部は被災地からの報告と田中悠民青中央委員長の講演、グループ討論が行われました。
 釜石市で救援ボランティア活動に取り組んでいる深澤寿人君は、昨年の震災以来、救援ボランティア活動に取り組み、全国からのボランティアの受け入れ、仮設住宅での無料青空市の開催、無料映画会など、7000人の被災者に支援をしてきたと報告。今でも仮設住宅では「1年余が経って緊張の糸が切れて辛い」「生活が大変、食事を削っている」「精神安定剤を飲んでいる」などの切実な声が寄せられており、心のケア、親身に寄り添った支援が求められていると述べました。無料ホット映画会はこれまで30回300人の規模で開催、最近は仮設住宅から声がかかるようになってきた。来月からは子供向けの映画会も計画していると報告しました。
 陸前高田市でボランティア活動に取り組んでいる藤倉了介君は、5月の連休で取り組まれた青年ボランティア活動について報告。他県の青年ボランティアが被災者を訪問し、聞き取りの活動に取り組んだこと。かえっていろいろな話が聴け、被災者同士では本音を我慢していることも、青年には話せると好評だったと報告しました。被災者にとって話をすることが充実感が大きく、聞く力を養うことが求められていると述べました。
 田中悠民青中央委員長は、被災地の陸前高田市を訪問してきたこと。青年ボランティア活動で被災者の話を聞いてきたことを紹介し、昨年8000人だった青年ボランティアが今年は1200人に増え、青年の行動が広がっていると述べました。また、原発再稼働に反対し、インターネットで6月22日に首相官邸を45000人が包囲した活動や青森でも3人の実行委員会から青年学生のクリスマスパレードが行われたこと。ソニー仙台で派遣切りされようとした青年の雇用を守ったたたかいを紹介。消費税大増税と社会保障の改悪、保育基準の改悪、有期労働の規制問題など財界いいなりの政治のあり方が問われていると強調。二大政党制の破たんのもとで橋本大阪市長に期待が高まっているが、月刊宝島の世論調査では、支持する理由の第一位は、「指導力がある」54%、政策で期待しているものは、「特になし」が第一位で25.5%となっており、期待の中身は政策ではないことを示しました。
 その後、青年と民青の卒業者が感想を出し合い世代間交流の討論が行われました。


《2012年6月20日》
仮設住宅の風呂の追いだき機能設置、追加希望にも対応
県生活と健康を守る連合会が県に8項目の要望


 6月20日、岩手県生活と健康を守る連合会(渡辺勇一会長)は岩手県知事あてに8項目の要望を行い、意見交換しました。私と高田一郎県議が同席しました。
 要望項目は、@仮設住宅住民のメンタルケアの体制強化、A仮設住宅に集会所の設置を、B仮設住宅の全てに風呂の追いだき機能設置を、C自殺防止対策、D被災地の買い物・通院の交通確保対策、10月以降も医療保険・医療費の免除制度の継続、F災害公営住宅の建設を急ぎ、個別・木造で県内業者で進めること、G被災者の住宅二重ローン対策の8項目です。県側からは担当の総括課長・担当課長が対応し回答しました。
 仮設住宅の風呂の追いだき機能設置については、希望調査では90%から回答があり、72%、8300戸の希望があったこと。その後も設置希望が寄せられている。今後、追加希望があっても年内分については対応すると回答がありました。
 被災地の交通対策については、仮設8団地で道路の狭く対応できていないがジャンボタクシーなどの乗り入れで対応したい。また、便数、時間帯など不十分さもあり、ニーズ調査に基づき市町村と連携して対応していくと回答。
 被災者の心のケア対策では、県心のケアセンター、被災地4地域の心のケアセンターの設置、震災こころの相談室、生活支援相談員との連携などで取り組んでいると回答されました。昨年の保健師派遣は延べ約1万人、うち県外から8000人に及んだが、今年度は継続的な支援が必要な被災者には地元の保健師が対応するようにしているとのことです。
 災害公営住宅については、2015年までに5340戸の建設を行うこと。県営の場合は原則鉄筋コンクリート造りとなる。岩泉より以北の町村では土地確保が可能なことから木造の戸建て住宅の計画となっていると回答されました。


《2012年6月19日》
三陸鉄道の復旧状況と野田村の高台移転の取り組み
県北・沿岸復興議員連盟で現地調査


 6月19日、岩手県議会県北・沿岸復興議員連盟で、三陸鉄道の復旧状況と野田村の高台移転の取り組みについて現地調査を行いました。
 朝8時半に県議会をバスで出発、国道455号線で田野畑村に向かいました。途中、平庭トンネルを超えたところにある岩泉町の道の駅・三田貝分校で休憩を取り、11時に三陸鉄道北リアス線のカルボナード島の越駅があった場所に到着。駅舎も鉄路も、集落の姿も消滅した状況に改めて津波被害の大きさを感じました。沿岸広域振興局の菅原副局長と三陸鉄道小田文夫施設管理部長、橋上和司久慈駅長から被害の状況と復旧の取り組みについて説明を受けました。島の越駅付近の復旧は尾肝用トンネル工事で出る土砂等を活用して、盛土して堤体をつくり、14.5メートルの防潮堤とともに、第2の防潮堤の役割を果たす形の復旧になるとのこと。現地で漁業が主体の漁村の再建をめざす計画です。宮澤賢治の詩碑が津波に負けず残っていたのが印象的でした。
 その後、カンパネルラ田野畑駅に移動し、レトロ列車に乗り込んで野田駅まで三鉄の旅を楽しみました。津波は田野畑駅まで押し寄せ浸水したものの大事には至らなかったとのこと。漁船も駅舎の前まで流されてきたそうです。復旧の取り組みでは、津波から5日後の昨年3月16日には久慈・野田間を無料で運転再開。昨年の3月20日には宮古・田老間、3月26日には田老・小本間が運転再開され、今年の4月1日からは陸中野田から田野畑間が運転再開されました。小本から田野畑間は2014年4月に運転再開をめざしています。三陸鉄道では、被災地フロントラインの取り組みで被災地ガイドを行い、昨年は3000人が利用、今年の4〜5月は1000人が利用したとのこと。震災学習列車の取り組みでは、米国の学生50人が参加したことがテレビのニュースで紹介され、中国や県内外の中学生から予約も来ているとのことでした。7月からは土日に八戸までリゾートうみねこ、レトロ列車を走らせるとのことです。

野田村の高台移転―希望者が増加、公営住宅は戸建て
城内高台団地は役場から500メートル、県営公営住宅も木造長屋で

 
 野田駅から役場前の仮設店舗・十府ヶ浦食堂に移動して昼食を取りました。野田村の生涯学習センターで野田村の坂本延雄副村長らから、野田村の復興計画の概要と高台移転の取り組みについて説明を受けました。県内ではいち早く「集団移転促進事業計画」の大臣同意を得て事業が進められています。野田村では、14mの防潮堤を第一堤防に、国道45号線と三陸鉄道を第2堤防、さらに5mの盛土で第3堤防を整備する計画です。第3堤防の海側が災害危険区域として高台移転の対象となります。高台移転にあたっては地域ごとにコミュニティを確保することを最優先にしています。対象者が多い城内地域は、役場から約500メートル陸側に高台移転、現在地からは1kmになります。米田地区と南浜地区は近くの高台が予定地です。4月に実施した住民意向確認調査では、城内高台団地への希望者が103世帯、うち自主再建が24戸、災害公営住宅が79で、払下げ希望が29戸となっています。米田高台団地は、14世帯で自主再建が13戸、公営が1戸、南浜高台団地は15で自主再建が7戸、公営が8戸となっています。当初の計画(100戸)から32戸増加しています。特徴的なことは、災害公営住宅は村営(90戸)全て木造戸建てで整備することです。払い下げの希望者(44戸)が多いことも特徴です。従前地の土地の価格は移転用地よりも高くなるのではないかとのこと。城内高台団地の手前に建設される2カ所の県営災害公営住宅も県営では唯一木造・長屋形式で建設される計画です。
 坂本副町長は、課題として、@城内高台移転用地の一部が健康保安林に指定されており、解除の手続きに時間がかかること。A埋蔵文化財調査が必要なこと。B区画整理事業の場合減部による保留地で財源確保をめざすが、被災の場合はどうなのか。C生活再建支援金について、5年延長されたが、公営住宅の払い下げの場合入居までに4年、払下げまでにさらに5年かかり、対象にならなくなる、ということを指摘しました。
 その後、破壊された防潮堤の状況を現場で聞くとともに復旧計画について聞きました。野田村の被災した水田は除塩され、きれいに田植えがされていました。
 帰りは久慈から九戸村を経由して高速道路を利用して午後5時20分県議会にもどりました。


《2012年6月18日》
がれき広域処理―廃棄物の放射線測定を定期的に行い情報公開を
東日本大震災津波復興特別委員会で質疑に立つ


 6月18日、県議会・東日本大震災津波復興特別委員会が開かれ、斉藤県議が質疑に立ちました。
 がれき広域処理の最大の障害となっている放射能汚染問題について斉藤県議は、「国の方針が信頼されておらず不安が広がっている。せめて毎月廃棄物の放射線量の測定を岩手県が責任を持って行い、きちんと情報公開する必要がある」と強調しました。松本中災害廃棄物対策課長は、「昨年度は一度だけだったが、今年度は四半期に一回検査をすることにしており、間もなく公表できるような形になっている」と答えました。
 斉藤県議は、「広域処理をお願いするにあたっては、最大限県内処理で努力する姿をしっかり見せなければならない」と述べ、柱材・角材などのリサイクルにも積極的に取り組むべきと提起しました。松本課長は、「できるだけ県内で処理し、26年3月までに処理を終えるため広域処理をお願いしている。県内でリサイクルできるものについては、どんどんリサイクルしていきたい」と答えました。
 また災害公営住宅の建設について斉藤県議は、県営のものはほとんどが鉄筋コンクリート造の集合住宅となっており、用地確保等の条件が合えば木造も増やせるような計画にするよう主張。さらに、持ち家の再建に対する支援をさらに強化するよう求めました。

 質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。


《2012年6月14日》
災害公営住宅の早期建設を、グループ補助の拡充を
復興特別委員会が山田町の復興の取り組みを調査


 6月14日、県議会東日本大震災津波復興特別委員会は、山田町を訪問し沼崎喜一町長らから説明を受けるとともに県・国への要望を聞きました。また、山田町内の被災状況を調査し、仮設住宅の区長さんらから切実な実態と要望を聞き、意見交換しました。
 沼崎山田町長は、災害公営住宅の早期建設を強く要望。住宅建設が遅れると自宅再建が厳しくなり、公営住宅の要望が増えてくると述べました。また、グループ補助について、国は5月末までの第5次応募で終わりとしているが、かさ上げを待っている水産加工業種など要望が多く、拡充を求めました。また、担当者から山田町の復興計画の内容について説明を受けました。
 私は、災害公営住宅について、山田町の住民アンケートでも災害公営住宅入居の希望が25.2%、うち、18.5%が戸建ての住宅を要望していることを述べ、戸建ての公営住宅の計画について聞きました。沼崎町長は、738戸の建設計画のうち、3分の2は県が建設するが、県分は用地の問題があり集合住宅となる。町分(246戸)については戸建ての公営住宅を建設することを検討していると述べました。
 また、県立山田病院の再建について、被災した県立病院の再建の方向と財源も確保されたことを示し、用地の確保については安全の確保、利便性、町づくりにとっても旧山田病院用地が重要な候補地になるのではないか尋ねました。沼崎町長は、再建する病院の規模、内容については今後検討されることになっているが、これまでと同規模の病院の再建を求めている。旧山田病院用地は図書館を建設する計画となっており、再検討が求められると述べました。
 グループ補助については、国会でも震災対応の予備費があり拡充の議論がされていることを紹介しました。

JR山田線はあくまで鉄路での復旧を
漁業の再建進むも生産額は半減

 
 JR山田線については、あくまでも鉄路での復旧を求めていると強調。県北バスに委託している代替バス路線について、停留場を増やせば問題はないと述べました。漁業の再建状況については、2140隻中1900隻が被害を受け、570隻の要望に169隻の補助決定にとどまっており、船の確保が遅れている。養殖施設はカキ・ホタテで4100台が被害を受け、2200台を整備、ワカメは460施設76500メートルに対して300施設4960メートルまで整備された。カキ・ホタテに取り組む漁業者は290人から150人に、ワカメは35人から20人に減少し、1人当たりの水揚げは増えているが、生産額全体としては震災前と比べると半減することになる。密殖が解消され湾内の状況も成長も良くなっているが単価を上げて生産額を上げていきたいと述べました。
 駅前中心市街地の再生については、かさ上げと土地区画整理事業が計画されていますが、土地の区割り・移動が難しいことから「津波復興拠点事業」を導入して町が用地を一括して買い取る取り組みを進めたいと述べました。平成27年度をめどに基盤整備を完了したいと述べました。
 午後には、柳沢・北浜地区区画整理事業区域、恵みの郷「眺望」の高台、大沢漁港・熊ヶ崎地区無堤地区などの山田町内の被災状況を視察しました。柳沢地区は防潮堤がなかったために被害が大きかった地域。県立山田病院もこの地区にありました。山田町内には4カ所の無堤地区があり、これは災害復旧の対象にならないとのこと。これは重要な課題です。
 午後2時からは中央公民館で、仮設住宅の区長さんらに集まってもらい、実態と要望を聞きました。「災害公営住宅にはいつ入居できるのか」「仮設にいついまでいられるのか」「集会所や談話室に、お盆に家族が泊まれるようにしてほしい」「街灯を設置してほしい」「高台移転の遺跡調査をもっと簡素に、スピードアップして」「防災無線が聞こえない」(青少年の家仮設)、「高齢者の孤独死が増えているが、個人情報がない」「県はもっと町や仮設関係者と連携して、スピード感を持って対応してほしい」など、切実な実態と要望がたくさん寄せられました。要望を整理して県の対応状況をお知らせすることにしています。


《2012年6月13日》
JAいわてグループと県議会畜産議員クラブとの意見交換会開かれる
牧草地の早期除染、廃用牛対策を


 6月13日、JAいわてグループと県議会畜産議員クラブとの意見交換会が開かれ、私も参加しました。これには岩手県町村会会長の稲葉暉一戸町長も参加しました。
 はじめにJAいわてグループの各農協、農業団体から原発事故による放射能汚染の深刻な実態と課題、要望について聞きました。共通して出されたのは、「牧草の除染対策で、具体的な対策・行程表が示されていない。基準価格18万円では対応できないこと。廃用牛の滞留問題、生体での検査体制の確立。汚染された稲わら・牧草・堆肥などの処理、東京電力による早期の全面賠償」などの問題です。県の対応の遅れも厳しく指摘されました。
 岩手県町村会長の稲葉一戸町長からは、横浜の小学校に提供している学校給食の牛乳が、PTAの反対でストップされたと指摘し、「だらだらやっていると解決できない。風評被害の克服のためには基準値以下の圃場を含めて全面的な除染を実施すべきだ」と強い要望が出されました。廃用牛の滞留対策では、仙台市場では東北大学と連携し、と畜前に実施されている生体検査の実施の要望が出されました。小規模な畜産農家はやめざるを得ない深刻な状況だと各団体から指摘されました。
 県議会畜産議員クラブとして、今回の要望を受けて緊急に県に対して対策を求めると答えました。


《2012年6月8日》
城東地区9条の会と医療生協天神支部が
被災地釜石の現地見学バスツアー実施


 6月8日、城東地区9条の会と医療生協天神支部が恒例の平和学習見学会として、被災地・釜石の見学バスツアーを行い、私も地域の方々と参加しました。
 朝8時25分に市営球場を出発し釜石へ、11時に釜石駅前に仮設置されている釜石郷土資料館に到着しました。この資料館には被災した戦災資料館の資料や明治の津波などの資料も展示されていました。釜石市は、1896年の明治の津波では人口12665人中、半分以上の6477人が犠牲となったと記されていました。また、1945年7月14日、8月9日の米軍による艦砲射撃の映像を鑑賞しました。
 壊滅状態の両石・鵜住居地区の被災状況を、地元の被災者でもある前川慧一さんの案内と説明で見学しました。湾口防の反射波もあってか、両市湾の防潮堤は大きく破壊され、津波痕跡高が22メートルを記録しています。高台の数軒を除いてほとんどの住宅が流出しています。釜石市の死者889人、行方不明者157人となっていますが、鵜住居地区は死者455人、行方不明者が124人と半分以上を占める最も大きな被害となっています。鵜住居地区では、釜石の「奇跡」と称賛された東中学校の生徒の避難行動がある一方で、本来の避難場所ではなかった防災センターに避難して多くの犠牲者を出した「悲劇」ともいうべき事態もあったと前川氏が防災センターの被災状況を示しながら説明しました。根浜海岸の状況も車中から見ましたが、地盤沈下を含め、海水浴場でもあった砂浜が消えていました。
 午後には、昭和園クラブハウスの会議室をお借りして昼食を取り、千田ハルさんから昨年の津波、終戦の年の艦砲射撃の戦争体験をお聞きしました。千田ハルさんは、昨年の大震災津波の時には直接津波被害を受けなかったものの、停電等の中9日間、双葉小学校で250人とともに避難生活をしたこと。1945年7月14日と8月9日の艦砲射撃の体験を話しました。2回も艦砲射撃を受けたのは全国でも釜石だけだったとのこと。多くの市民は防空壕に避難し助かったものの、766人が犠牲となったこと。釜石には北海道の捕虜収容所の分室があり、オランダの技術者と朝鮮からの強制連行された100人近くの朝鮮人がいたこと。防空壕を出たらがれきの山となった状況を見てショックで立っていられなかったと話しました。終戦後、釜石製鉄所にも労働組合が結成され、民主主義、労働者の開放、男女平等などのことについてむさぼるように学んだこと。コーラスや文化サークルの活動に取り組み、艦砲射撃の戦争体験をつづった「火貌」は1947年に創刊されてから57年間、73号まで発行したことを述べました。最後に、「平和を守るためには1人1人がしっかり考えて行動することが大事」と話されました。
 その後、サンフィッシュ釜石で復興の願いを込めて皆さんで買い物をして帰ってきました。


《2012年6月7日》
宮古市の事業所再建、宮古・山田県立病院の状況を調査
被災事業所1154のうち827事業所、71.7%が再建


 6月7日、朝7時半に高田一郎県議とともに盛岡市を出発し、宮古市・山田町に調査に行きました。10時前に宮古市役所分庁舎に到着し、田中・落合両宮古市議と合流。佐藤日出海市産業部長から宮古市内の被災事業者の再建状況と課題について説明を受けました。
 1157事業所が被災し、827事業所・71.7%が再開しています。その内訳は、事業再開が589、仮設・移転で再開が209、事業再開見込みが29となっています。水産加工業は60事業所のうち48事業所が被災し、再開が35、仮設・移転が8、事業再開見込みが1となっています。
 この間の事業所支援では、中小企業被災資産修繕費補助が市独自補助を含めて191件、3億9740万円(市独自分は42件、7205万円)、グループ補助が53社、62億円、水産加工業者に対するヤマト補助金が130件、2億9291万円、中小企業被災資産復旧事業費補助は130件、3億9000万円の見込みとなっています。佐藤部長は第4次のグループ補助には3グループ、134社が応募したが、6月末までに審査・内示の予定だが予算の枠からみると厳しいのではないか。二重ローン解消をめざす東日本大震災事業者再生支援機構については、この間3回の説明会を開催しているが今まで以上に活用できるのではないかと述べました。
 当面の心配な課題は、@放射能汚染問題、A工事用資材―生コン、骨材、人材の不足、Bまちづくりの計画の遅れを指摘。生コンは国・県・市で今年度30万?必要だが、市内2カ所で8万?、仮設やプラント船の設置でも4万?しか確保できない状況と述べました。まちづくりの計画が順調に進んでいないことから、事業所の再建が遅れている状況も指摘しました。

田老漁協―養殖ワカメ1476万トン、2億1678万円の水揚げ
加工施設整備の期間延長、漁港のかさ上げを早急に

 

 11時に田老漁協を訪問し、藤井充参事から漁業の再建状況を聞きました。養殖ワカメの取り組みでは、439台整備し、水揚げは1476トン、2億1678万円。天然ワカメは82トン、1157万円、共同利用船は486隻確保し、定置網用の2隻も6月末までには確保できる見通しとのことです。当面の問題としては、昨年の第3次補正で事業決定されたワカメ・コンブの加工場、アワビ増殖センター(従前地で建設)の建設が、土地利用計画が決まっていないことから用地の決定が遅れており、今年度中の建設が難しく、3〜4年かけて施設が整備できるようにしてほしいと要望されました。また、田老漁港(県営)は地盤沈下しており、高潮のときには船が乗り上げるなど、かさ上げなどの早急の対応が必要と述べられました。

県立宮古病院・山田病院を訪問
医師確保、安全な場所での再建を


 午後からは県立宮古病院を訪問しました。佐藤元昭院長から現状と課題について聞きました。佐藤院長は、常勤医師は28人、研修医は3人で整形外科も複数、循環器は3人、小児科2人、産婦人科3人と体制は強化されてきているが、内科の医師が不足していると述べられました。また、釜石病院、岩泉町立診療所への医師派遣も行っており、地域の拠点病院としての役割を果たしていると強調。外来も紹介状中心になってきて医師の負担軽減にもなっている。入院患者はすべて手術が必要な患者で、病床利用率64%となっているが現在の387床は270〜280床が適正なのではないかと述べました。
 一昨年の7億円の赤字は半分に減額しているとのこと。地域の開業医、宮古病院と二人のかかりつけ医師をもつことが必要と述べました。開業医とは月1回症例検討会を持って連携も強化していると述べました。また、医師確保にとっては106号の改修で盛岡との時間をさらに30分短縮することが必要と強調しました。
 山田病院では及川修次院長から話を聞きました。外来患者は90人を超え、震災前に近い患者数となっている。外来だけの診療では中途半端にとどまり、入院設備のある病院の再建が必要と強調しました。再建にあたっては津波のこない安全な場所での再建が必要と述べ、医師確保が大事だが震災前と同規模の再建が求められている。現在の仮設診療所に病院を再建することも可能ではないかと述べました。
 その後、山田町役場に隣接した旧山田病院を訪問しました。立地条件としては旧山田病院が病院再建の場所としては一番適しているのではないかと言うのが私の実感です。


《2012年6月4日》
ラ・フランス館(紫波町)、黒滝温泉(奥州市)、照井発電所(一関市)
再生エネルギー活用状況を調査―再生可能エネルギー調査特別委


 6月5日、県議会再生可能エネルギー調査特別委員会が紫波町、奥州市、一関市の再生可能エネルギーの活用状況について調査を行いました。
 紫波町のラ・フランス館では、紫波まちづくり企画株式会社の代表取締役でもある藤原孝町長があいさつ。循環型まちづくりの取り組みを紹介し、「ラ・フランス温泉館で太陽光発電(50.75kw)、太陽熱(98.7kw)、温泉排水熱利用ヒートポンプ(402.6キロワット)の取り組みを行っている。このことによって給湯の熱量の80%を賄っている。昨年の大震災の停電・燃料不足の時にも稼働できた」と述べました。さらにグリーンニューディール事業を活用してチップボイラーが導入されていて、ちょうど消防署による検査が行われていました。利用するチップは松くい虫に汚染された紫波町産材、野田村の被災した防潮林をチップ材として購入して充てる。半年分の燃料になるとのことです。ちなみにラ・フランス館の利用者は年間25万人。一般住宅の太陽光発電設備への導入補助も平成15年度から実施しており、これまで384世帯、全世帯の4%に達しているとのことです。省エネ・CO2削減の10事業にエコbeeクーポン券(商品券)を発行する事業も行っています。

間伐材チップとバイオディーゼルを活用したシステムで
安定した発電と温水供給―黒滝温泉


 奥州市衣川総合支所で、黒滝温泉の木質バイオマス利用の取り組みの説明を聞き、黒滝温泉を訪問しました。グリーンニューディール基金事業(8820万円、100%補助)で地元の間伐材を原料にガス化・精製・コージェネレーションユニットを導入。間伐材チップを燃焼してガス化し、バイオディーゼルと一緒にエンジンで燃焼させ発電(25kw)と温水を供給するシステムです。このシステムで安定した発電が可能となるとのこと。ちなみに温泉利用者は約7万人とのこと。
 
疎水100選の農業用水を利用した小水力発電
照井土地改良区の取り組み

 
 照井土地改良区では、阿部克郎理事長から話を聞きました。照井堰用水は、850年以上も前に、照井太郎高春が水路を開削したのが始まりとされ、以来その冠を取って「照井堰用水」と呼ばれ、現在も利用されています。2008年度に経済産業省の事業採択を受け、東北地域で最初の小水力発電に取り組んできたとのこと。事業費は約5500万円、補助率2分の1。開口一番、採算性が問題だと指摘。東北電力への売電単価は3.6円/kwと低く、環境価値分(RPS)5.3円、東京電力の場合は10円/kwとのこと。ごみ・木の葉を取る技術がないことが一番の問題と指摘。職員が毎日網の清掃を行っている。この人件費を考えなければ採算が取れるとのこと。今度の固定価格買い取り制度でどのようになるのか、政治がよくならないと再生エネルギーの活用は進まないと強調しました。照井発電所は昨年1月18日、東北再生可能エネルギー利活用大賞を受賞しています。



《2012年6月2日》
石川啄木没後百年記念交流会に参加、ゆかりの地からも
新井満さんが石川啄木を歌う


 6月2日、盛岡市内のホテルで「石川啄木百年記念交流会」が開かれ、私も参加しました。
 交流会には石川啄木のひ孫にあたる石川真一さんらも出席。啄木ゆかりの地である函館市、釧路市、八幡平市、東京都文京区の区長や市長、教育長さんらも参加していました。
 不来方高校教頭・音楽部顧問の村松玲子さんの「初恋」の独唱でオープニング、谷藤市長があいさつし、実行委員会から100年記念事業について報告。津波で流出した陸前高田市の高田松原にあった石川啄木の歌碑を新たな記念碑として建立する取り組みを紹介しました。石川啄木は、明治三陸大津波の4年後(明治33年7月21日)に高田松原を訪れています。昭和33年7月21日に、啄木来訪を記念して歌碑が建立されました。その歌碑もチリ地震津波で流出し、昭和41年7月21日に金田一京助の揮ごうにより、再度建立されました。交流会には戸羽太陸前高田市長も出席し、新たな石川啄木の歌碑建立を復興のシンボルに頑張りたいと挨拶しました。
 作家・作詞作曲家で、みちのく盛岡ふるさと大使のでもある新井満さんが、石川啄木に惹かれて函館(大沼)に移住したと述べ、石川啄木の詩に曲を自ら付けた歌を披露しました。
 26歳2カ月で亡くなった郷土の天才詩人・石川啄木の詩と評論を深く学びたいと感じさせる交流会でした。


《2012年6月2日》
震災復興、放射能汚染対策、福祉と防災の町づくりへ
全県地方議員研修会で活動を交流


 6月2日、盛岡市内で全県地方研修会を開き、震災復興の現状と今後の課題、放射能汚染対策、福祉と防災の町づくりの課題などについて活動を交流しました。
 県自治体部長・県議団長の私から「東日本大震災の救援・復興の現状と今後の課題、住民要求実現と総選挙勝利めざして」のテーマで、「県政データファイル2012」の資料集を紹介しながら問題を提起し、各地の地方議員の活動を交流しました。
 野田村の宇部村議は、5000人規模の住民の状況がよくわかる、小回りのきく村だから高台移転の候補地を早く決めるなど取り組みも進んでいるが、住民の間では疑問と不安の声もあり、改めて住民アンケートを実施している。災害危険区域に指定されていない住民からも高台移転の希望があり、様々な補助の対象になるのか切実な声が出されていると報告しました。
 宮古市の落合市議は、この間事業所の再建を重要課題に、国・県に先駆けて今までにない補助制度を実現してきたと、事業所修繕費補助の市独自補助(100万円以上を対象に工場・宿泊業に補助、8億円)、住宅の応急修理に市独自に18万円+住宅リフォーム助成10万円補助、ワカメの養殖施設整備に9億円補助(のちに国の補助対象に)などを報告、や県立山田病院の早期再建の課題についても述べました。また、「住まいと集団移転」のテーマで仮設住宅7カ所・161人が参加するつどいを開催している。「いつになったら公営住宅ができるのか」など切実な声が寄せられていると報告がありました。
 釜石市の菊地市議は、30年で1200億円かけて完成したばかりの湾口防が破壊されたにもかかわらず、十分な検証もなく490億円かけて改修されている問題、中心市街地へのイオンタウンやワールドカップ誘致を掲げたラグビー場建設などの問題点を取り上げていくと発言。

青空懇談会に70人、40人―被災者の不安と要望にこたえる
市議団ニュースを配布し、復興の取り組みを知らせる


 陸前高田市の藤倉市議は、昨年9月の市議選は「市民からお願いされる選挙だった」と述べ、仮設住宅等で青空懇談会を開催している取り組みを紹介しました。被災者の中には復興の取り組みが見えず、不安が広がっており、市の取り組みや復興の状況を報告すること、この間実現した活用できる様々な制度を紹介することが重要と強調。どこでも70人、40人集まっていると述べました。陸前高田市では、事業所再建に50万円の補助、高台に独自に家を建てるときに水道整備に200万円、浄化槽整備に50万円などの独自補助を行っています。宅地造成や下水道整備への補助も検討されていると述べました。
 大船渡市の滝田市議は、共倒れとなった市議選について、議員団活動に不十分さがあったと述べ、引き続き救援復興と公約実現に取り組むと決意を表明。26%に及ぶ国保税の引き上げ、JR大船渡線の復旧問題などについて発言しました。
 奥州市の及川市議は、奥州市でも昨年の地震による住宅被害が前沢区等であり、災害公営住宅を求める要望があるが、市は水沢の市営住宅に誘導している。災害公営住宅について市は計画していない。放射能汚染対策についても国・復興局は、福島県以外はそれぞれ市町村で対応をという無責任な状況となっていると報告。また、市が提起している経費節減と効率化をめざす「基本構想」と議員の定数削減の議論と問題点について報告しました。
 一関市の菊地市議は、稲わら、シイタケ、廃用牛問題など深刻な放射能汚染問題、県立大東病院の再建問題、市議会定数削減問題について報告。TPPに反対する広範な連絡会議が結成されたと報告しました。
 北上市の安徳市議は、3月の市議選で定数削減のもとで2議席確保したと報告、公約実現へ31項目の要望を提出したと述べました。震災による住宅の補修助成について、1カ月で156件の要望が出されており、予算を超える状況。昨年10月から実現した住宅リフォーム助成は350件、今年度は700件7000万円の予算が実現したと述べました。子どもの医療助成は3人以上の子どもがいる場合小学校3年生まで助成が広がりましたが、小学校6年生まで助成するのに5500万円でできることを示しさらなる拡充をめざすと発言しました。
 盛岡市の庄子市議は、「消費税に頼らず社会保障の充実と財政危機が打開できる」提言を活用し、これまで10回200人を超える「つどい」や学習会を開いてきた。やるたびに「提言」の内容に新しい発見がある」と述べました。
 
全活を受け、党の地力をつける「特別期間」の成功へ
地方議員がその先頭に


 地方議員研修会では、5月24〜25日開かれた全国活動者会議について、菅原則勝県委員長が報告。参加した菊池幸夫衆議院3区予定候補が発言し、党勢拡大の「特別期間」の活動についても交流しました。