《2014年3月20日》
公契約条例―「来年2月の定例県議会に提出したい」
現場の労働者の賃金がしっかり守られるものに
3月20日の商工文教委員会で質疑に立ち、公契約条例の制定について取り上げました。
公契約条例の制定については、一昨年の9月定例県議会において、いわて労連・自治労連・建設労働組合・県商工団体連合会の4団体が早期制定を求める請願を提出、全会一致で採択されています。予算特別委員会の総括質疑で、千葉副知事が「来年の2月県議会定例会での提案を1つの目途に考えている」と答弁したことを紹介。また、設計労務単価がこの間引き上げられてきたが、現場の建設労働者の賃金には反映されていない実態も示し、「現場の労働者の賃金がしっかり守られるものにすべき」と求めました。橋本良隆商工労働観光部長は、「課題は多々あるが、丁寧に関係者間の協議を重ね、来年度の2月定例会に提出できるよう準備を進めていきたい」と答えました。
また事業費の4分の3を補助するグループ補助金について、早い段階で交付決定がされたものの、用地が決まらず来年度再交付となるグループが108ある実態を指摘。「この間資材の高騰や労賃も上がり、再交付では2分の1程度の補助にしかならない。当初の計画の見直しというのも当然考慮されるべきではないか」と質しました。山村勉経営支援課総括課長は、「資材高騰等に関してはこれまでも国に要望してきた。国でも『検討したい』ということで、さらに現状を伝えながら要望していきたい」と答えました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2014年3月18日》
漁船は10215隻(震災前の71%)、養殖施設は17139台(震災前65%)が復旧
本格復興の時期、担い手確保対策は特別に重要
3月18日、予算特別委員会の農林水産部審査で質疑に立ち、水産業の復旧状況、担い手対策等について質しました。
山口浩史漁業調整課長は、「稼働漁船数は10215隻(震災前の71%)で、被災を免れた漁船1740隻、補助事業分6250隻、自力復旧等が2225隻。養殖施設は17139台が復旧(震災前と比べ65%の復旧)。漁業経営体は全体で8割が再開している」と回答しました。
斉藤県議は、大震災から3年が経過し、本格復興の時期に担い手確保対策は特別に重要と強調。漁協の取り組みとして、研修生を募集し漁船漁業の乗組員不足の解消を図ったり、養殖台数が減ったところを漁協が自営で経営し若手をそこで採用していることなど、さらに市町村独自に漁業の担い手の補助事業を行っていることなどを紹介し、県として取り組みを推進・強化すべきと求めました。山口課長は、「漁場利用や水産物の付加価値向上など、漁協の取り組みを補助事業として支援したい。市町村の担い手対策の取り組みに対しても支援していきたい」と答えました。
また小型漁船漁業の復興についても、「船を確保したが借金の塊。若い人が生活できる漁業にしてほしい」といった若手後継者の切実な声を紹介し、具体的な手立てを県は示すべきと迫りました。五日市周三水産振興課総括課長は、「さまざまな漁業種類がある中で、漁業関係団体や漁業者と一緒になり考えていきたい」と答えました。
予算特別委員会の質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。
《2014年3月18日》
JR山田線・大船渡線の鉄路での復旧を求める請願
最低賃金引き上げ、集団的自衛権問題についても請願が提出される
3月18日、東日本大震災津波救援・復興県民会議は千葉伝議長にたいし、津波で被災したJR山田線と大船渡線について、JR東日本が責任をもって鉄路で早期復旧するように、国への指導・助言を求める請願を提出しました。高田一郎県議はじめ、いわて県民クラブ、希望・みらいフォーラム、民主党、無所属の県議が紹介議員になりました。県議会では過去2回、両線の早期復旧を求める意見書を全会一致で可決しています。しかし、JR東日本は山田線を三陸鉄道に移管し、大船渡線については山側にルート変更し沿線自治体に270億円もの負担を強いる提案を突然示しました。鈴木露通事務局長は、「JR東日本は県や沿線市町との協議を尊重し、責任をもって復旧すべきだ」と強調。県議会もJR東日本本社に乗り込んでほしいと訴えました。千葉議長は、「JR東日本の提案ではとてもやっていけない。本日の議会運営委員会でも斉藤県議から『JR東日本や国に要請すべきだ』と意見が出た」と話しました。
また、いわて労連は「2014年度最低賃金引き上げに関する請願を提出し高田県議が紹介議員となりました。請願では、@最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、「できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、2020年までに全国平均1000円をめざす」という政労使の雇用戦略対話合意に基づき、計画的に引き上げること、A地域間格差をなくすため、全国一律最低賃金制度を確立すること、B最低賃金を引き上げるための中小企業支援対策を抜本的に拡充すること―などについて、政府および関係機関に意見書を提出することを求めています。また、「最低賃金引き上げのための中小企業支援策を具体化すること」を県に求めています。
いわて労連・岩手県平和委員会・岩手県革新懇・岩手県原水協の4団体は、「立憲主義を否定する集団的自衛権の行使容認に反対し、憲法を守り、生かすことを求める請願」を提出。高田県議、無所属の県議2人が紹介議員となりました。請願では、これまで歴代政府が憲法上できないとしてきた集団的自衛権の行使を容認する動きを強めていることに警鐘を鳴らしつつ、日本国憲法は、時の権力保持者の恣意によってではなく、法に従って権力が行使されるべきであるという政治原則を規定していると強調。それを時の政府の都合で解釈を変えられるようになるならば憲法が憲法でなくなってしまうと危機感を示し、憲法違反の集団的自衛権の行使を可能とするすべての立法や政策に反対すると訴えています。
《2014年3月16日》
全建総連岩手県連が賃金・単価引き上げ、
公契約条例の早期制定めざし決起集会
3月16日、全建総連岩手県連が盛岡劇場メインホールで「賃金・単価引き上げ、公契約条例早期制定めざす決起集会」を開催し、県内各地から建設労働者が約300人参加しました。
斉藤徳重県連会長は、今開催中の県議会で、千葉副知事が「来年2月県議会をめどに条例の制定をめざす」という答弁をしたことを紹介し、都道府県では全国初となる条例制定めざす取り組みをさらに強化しよう。設計労務単価がこの間引き上げられてきたが、現場の建設労働者の賃金には反映されていないと述べ、労務単価の引き上げと賃金への反映を実現しようと挨拶しました。
県議会各会派の代表が挨拶し、私は日本共産党を代表して連帯の挨拶を述べました。第一に、震災復興で被災地で奮闘されていることに敬意を表するとともに、まちづくりでこれから8400戸の宅地造成が行われるが、大工不足で被災者がすぐ家を建てられない事態になりかねず、地域のネットワークを作って、県産材を活用した木造住宅の建設に大いに力を発揮していただくこと。第二に、県の公契約条例の制定では、中身が問われる1年になると述べ、賃金条項が重要な中身だと強調しました。第三に大工の設計労務単価は、10年前16700円、震災の2011年には最低の14400円まで落ち込み、復興事業の中で20800円まで引き上げられたが、全県総連が求める24000円までさらに引き上げが必要だと述べるとともに、設計労務単価に基づく賃金が確保されるようにする必要があると強調しました。
自民党の樋下正信県議、民主党の軽石義則県議も出席し挨拶しました。全建総連の松岡守雄賃金対策部長は、「鳥取県では、建設労働者の賃金が設計労務単価の95%以下なら指導する」としていることを紹介し、賃金・設計労務単価の引き上げと公契約条例の早期制定を訴えました。
《2014年3月13日》
新しい岩手県立病院等の経営計画
現在の20病院、6地域診療センターの体制を維持
3月13日、予算特別委員会で医療局に対する質疑に立ち、新しい岩手県立病院等の経営計画(2014年度〜2018年度)の内容について質しました。
熊谷泰樹・経営管理課総括課長は、「20病院・6地域診療センターでの現行体制を基本とするもの」と回答しました。斉藤県議は、「基本的に現行体制を維持し、職員配置計画でも(5年間で)322人の医師・看護師等の増員を打ち出したことは評価したい」と述べた上で、看護部門の「医療の質の向上等」の項目では68人の増員にとどまっていると指摘。日本医労連が行った全国の看護師32000人の実態調査において、74%が慢性疲労を抱え、68.6%が「仕事量が増えた」と回答していること、県内でも月9日夜勤が今年度延べ514回行われている実態などを紹介し、看護師の働きやすい環境づくりに本気になって取り組むべきだと訴えました。佐々木信医療局長は、日本医労連の実態調査について「看護職員の勤務実態が非常に厳しい状況に置かれているということを改めて認識した」と述べ、「今後の看護師の勤務環境の改善あるいは看護師確保の施策を考えていく上でも参考にしたい」と答えました。
また、被災し来年度から入院病棟が再開する県立大東病院について、看護師は25人配置し、医師は現在の2名から3〜4名の体制を目標に取り組んでいるとの回答がありました。
同じく被災した県立大槌病院については、新病院がスタートする28年度に合わせ、27年度に21名の看護師が増員されることも示されました。
予算特別委員会での質疑の大要については「議会報告」をご覧ください。
《2014年3月11日》
3.11東日本大震災津波から3年
穀田恵二衆議院議員とともに岩手県・山田町合同追悼式に出席
3月11日、東日本大震災津波から3年を迎えました。
あらためて犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。同時に復興への粘り強い努力を重ねてこられた被災者と関係者の皆さんに敬意を表します。
穀田恵二衆議院議員とともに岩手県・山田町合同の追悼式に出席しました。遺族や行政関係者など約400人が参列しました。
震災発生の午後2時46分に参加者全員が黙とう。達増拓也知事、佐藤信逸山田町長らが式辞を述べました。
遺族代表を代表し、内舘伯夫さんが「亡くなられた皆さんが感じた恐ろしさ、冷たさを思えば、生きている私たちの困難は乗り越えなければならない。大切な人を亡くした私たちの悲しみと悔しさを、何かを許したり、誰かを思いやったり、時には人の手助けとなることで優しさに変えていくこと。そして生きている私たちが当たり前のことを幸せだと感じ、一日一日を大切に生きることが、亡くなられた皆さんに対する最大の敬意であると信じ、毎日を過ごしていきます」と言葉をささげました。お父さんをなくされた思いを語った追悼の辞は、多くの参列者が涙しました。
式典に先立ち、達増知事や佐藤山田町長らにお会いし、あいさつを交わしました。
また被災したJR山田線の陸中山田駅跡地に立ち寄り、山田町役場の屋上から被災した市街地を見ました。
東日本大震災津波3周年にあたり早朝宣伝
穀田衆議院議員とともに被災者本位の復興を訴え
3月11日朝、東日本大震災津波3周年にあたっての街頭宣伝を行いました。
3年が経過し、大槌町で実施した仮設住宅入居者の調査では66.8%が心の不安を訴えていること、持ち家再建の見通しが立たないなど被災者は大きなストレスを抱えていることなどを強調。国は被災者生活再建支援金を300万円から500万円に引き上げ、二重ローン解消の制度の改善をはかるべきだと訴えました。
穀田衆議院議員は、復興にあたっての原則は住民の生活と生業の再建に国が最後まで責任を持つこと、「個人財産の形成になる」支援は行わないという考え方を根本的に改め、従来の制度の枠にとらわれない抜本的な支援を行うべきと訴え。みなし仮設住宅の公営住宅化、事業所・店舗の再開の支援、二重ローンの解消、JR山田線・大船渡線の早期復旧、被災者生活再建支援法の支援金を500万円に引き上げること、半壊などにも支援拡充することは、復興に不可欠と強調しました。
また、被災者を痛めつける政治を転換すべきと述べ、被災者と国民の連帯・共同をさらに強化し、被災者本位の復興を進めるとともに被災者を切り捨てる悪政を打ち破ろうと呼びかけました。
《2014年3月10日》
奥州市議選―日本共産党は1議席増の5人全員当選
議席占有率は17.86%で県内第1位に
9日投開票の奥州市議選(定数28、6減)で、日本共産党は全員当選し、1議席増の5議席となりました。
5人当選で、議席占有率は17.86%で、陸前高田市、一関市を抜き、第1位となりました。投票率が9.57%下がるもとで、合計得票数は10,606票(前回比-530)となり、得票率は15.77%(前回14.19%)、6人に1人が日本共産党候補に投票したことになります。有権者比得票率でも10.43%となりました。
安倍政権の暴走に対決するとともに、市政においても、診療所問題、国保、行財政改革など小沢市政の暴走に「対決」し、「対案」を示し、「共同」を進める論戦をつらぬいたことが大きな力となりました。国保税引き下げ、中学校までの医療費の無料化、保育料の助成拡大など、くらし・福祉守る日本共産党への期待と支持が広がりました。
《2014年3月10日》
JR山田線・大船渡線―JR東日本は責任をもって復旧を
3月10日、予算特別委員会の政策地域部審査で質疑に立ち、JR山田線、大船渡線について、早期にJRの責任で復旧するよう迫りました。
JR山田線の復旧について、JR東日本は三陸鉄道への移管、JRの撤退の方向を突然提起。斉藤県議は「震災から3年が経過するときに、突然経営移管を提案することは大震災に乗じて赤字路線を切り捨てるもので無責任だ」とJR側の姿勢を厳しく批判しました。斉藤県議は、2011年4月5日にJR東日本の清野智社長(当時)が「責任をもって復旧させる」と言明していること、JR東日本は昨年3月の経常利益が3174億円、内部留保も2兆4690億円ため込んでいる大企業であることなどを紹介。「鉄路での復旧は、すでに始まっている沿線市町のまちづくり事業に重大な影響を与える問題であり、あくまでJRの責任による復旧を強く求めるべき」と訴えました。
またJR大船渡線の復旧についてもJR東日本は、一部の区間を海側ではなく山側にルートを大きく移設する新ルートを突然提案し、270億円もの財政負担を地元自治体に求めています。斉藤県議は、「JR八戸線は既存の海側ルートで1年後には再開している。道理もない無理難題な提案だ」と厳しく指摘。知事も先頭に立ち目に見える対応で協議を進めていくべきと求めました。中村一郎政策地域部長は、「沿線自治体も早期の鉄路復旧を望んでおり、知事をはじめ県が総力をあげてJRとの交渉に取り組んでいきたい」と答えました。
斉藤県議は、県議会としても、行政だけに任せず、小○(こまる)の旗を掲げてJR本社に県議全員が駆けつけるぐらいのことも必要だと呼びかけました。
質疑の大要については、「議会報告」をご覧ください。
《2014年3月8日》
被災地から「この国のかたち」を正す―第56回自治体学校in仙台プレシンポ開かれる
馬場浪江町長、塩崎賢明氏が講演、パネル討論も
3月8日、自治体問題研究所主催の「被災地からこの国のかたちを正す―震災復興と自治体再論」―第56回自治体学校in仙台プレシンポが仙台市東北大学川内北キャンパスで開かれ、私も参加してきました。
午後1時から開催されたシンポでは、塩崎賢明立命館大学教授と馬場有浪江町長が講演しました。塩崎氏は、「被災地から考える復興・減災」のテーマで、東日本大震災が、仮設居住から本格的復興への段階を迎えているが、津波・原発被害によって元の場所に復興できない困難を抱えている。復興公営住宅の問題では、阪神・淡路大震災では孤独死が1057人に及び、現在も年間40〜50人に及んでいることを示し、鉄筋コンクリート・中高層集合住宅の問題、コミュニティの問題を指摘。東日本大震災では震災関連死が2976人(福島県が1660人)に及んでいると述べました。住宅復興の教訓として、@元の地で自力再建を重視する、A公的復興住宅の計画・設計・幹栄を生活再建の視点で、遠隔地に作らない、近隣コミュニティの重視、大規模集合住宅を避けることを指摘しました。
馬場有浪江町長は、「原発事故は全てのものを奪ってしまった」と指摘。「家族・家庭が壊され、友達、生業、学校・子どもすべてがバラバラにされた」と訴えました。9校あった学校の生徒は今、全国699校に分散している。要支援・要介護高齢者は2倍近くに増加していると述べました。また、3月11日、16時36分の「原子炉非常用冷却装置注水不能」の連絡はなかったこと。3月12日の政府による10キロ圏内の避難指示は報道によって知ったこと。それから流浪の旅が始まったと述べました。原発事故についても地震による被害について専門家が疑問を指摘していると述べ、東京電力と政府が原発事故の究明も検証もしていないことを厳しく批判しました。人口21434人のうち、県内に避難が14659人、県外が620自治体6455人に及ぶ。住民の帰還意向では、「戻りたい」が18.8%、「判断つかない」が37.5%、「戻らない」が37.5%となっており、帰りたい人も、帰れない人も、1人1人のくらしの再建めざすという復興の方向を示し、ふるさとの再生をめざすと述べました。
パネル討論では、仙台市あすと長町仮設住宅自治会長の飯塚正広氏が「仮設住宅からみた震災復興の現状と課題」、大船渡市職労委員長の佐藤力也氏が「震災から3年・被災地における自治体職場の状況」について報告し、塩崎賢明氏、岡田知弘氏を交えての討論が行われました。私は会場からの発言で、岩手県の復興の現状と課題について発言し、被災者のいのちと健康・くらしを守ることが緊急の課題となっていること。住宅再建への県・市町村の独自支援が広がっているが、さらなる支援と二重ローン解消の取り組みが必要となっていること。地場産業の再建の遅れと安定した雇用の確保、JR東日本によるJR山田線・大船渡線切り捨ての新たな提案に対する運動が必要となっていることを強調しました。
会場からは、なぜ岩手県では被災者の立場に立った取り組みが進んでいるのかの質問も出され、私は、被災者・漁協などが独自に復興の取り組みを率先して取り組み、県や市町村がそれにこたえ被災地・被災者の実態と要望にこたえる立場に立って、国の施策を待つことなく、中小企業への新たな補助、漁船確保などへの支援策を講じてきたことを紹介しました。住宅再建への独自支援や被災者の医療費・介護保険利用料の免除などは、取り崩し型の復興基金の活用を積極的に進めてきたことによると話しました。
《2014年3月4日》
山田町NPO問題―県の対応における検証委員会の報告書示される
商工文教委員会で質疑に立つ
3月4日、県議会・商工文教委員会で、山田町から緊急雇用創出事業を受託したNPO法人「大雪りばぁねっと」の予算使い切り問題で、県の対応について調査した検証委員会の報告書が示されました。
質疑に立った斉藤県議は、報告書の総括において「県の対応は通常の処理としては適切だった」とされたことについて、「県議会の審査も踏まえておらず、県民の理解は得られない」と厳しく指摘。報告書では、法人が運営していた無料入浴施設「御蔵の湯」の建設についても、同事業では認められない建設工事への事業費の支出を認めたことについて「県の対応は一概に不適切とまでは言い難い」としています。斉藤県議は「1000万円の事業計画が材料費・リース費だけで6000万円を超えた。当初から異常に気づきながらも実態を調査せず、町からの報告を鵜呑みにして認めてしまった」と県の対応を批判しました。
また、◇23年度は1500万円でスタートした事業が5度にわたる契約変更で4億3000万円に事業費が膨れ上がったこと◇当時からずさんな会計処理を担当者が指摘していたにも関わらず23年度の完了検査をすり抜けたこと◇そうした異常な実態の中で7億9000万円というさらに膨大な事業費の24年度事業の内定通知がされたこと◇委託事業者の適格性―などについて全く検証がなされていないことを厳しく指摘。異常な誤りをチェックできなかった県の責任は免れないと強調しました。
橋本良隆商工労働観光部長は、「検証委員会設置の目的は、事業の適切な執行・管理のあり方を検討するもので、その意味において検証はしっかりなされているととらえている。いただいたご意見については今後このような事案を起こさないための手立てを全庁的な形の中で対応策を協議・検討していきたい」と答えました。
質疑の大要については「議会報告」をご覧ください。
《2014年3月2日》
大槌で「東日本大震災津波・3年のつどい」開かれる
大槌高校吹奏楽部が演奏、碇川町長が講演
3月2日、東日本大震災津波・3年のつどいが大槌町中央公民館大会議室で開かれ、地元をはじめ県内各地から会場いっぱいの230人が参加しました。これは、東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議が主催したものです。私も奥州市議選の及川善男候補の第一声に応援に行ってから、大槌町に駆けつけ参加しました。
オープニングは、県立大槌高校吹奏楽部の元気で楽しい演奏でした。全国から楽器の支援を受けて練習に取り組み、県大会では金賞を受賞、支援を受けた全国を回り演奏活動をしているとのことでした。楽器の支援やコンサートホールの建設をめざして活動している「槌音プロジェクト」の皆さんによる詩の朗読とピアノによる独唱もありました。
碇川豊大槌町長が「3・11から3年、本格復興の年に」と題して講演。碇川町長は、冒頭「被災者は肉体的にも精神的にも限界にきている」と話し、被災者が2106戸の仮設住宅で生活していると述べました。大槌町の復興はあまりにも大きな被害状況からゼロからの出発だった。住民主体のまちづくりを進めるために、まちづくり条例も制定したと述べ、町内10カ所に地域復興協議会を作り、地域住民から復興の提案を受け、町の復興計画を策定したと話しました。復興は人間の復興でなければならないと強調し、町民との対話を重視していること。住民との情報共有が大事で、2カ月以上も情報提供が途絶えることのないようにしていると述べました。平成26年度の事業では、景観形成ガイドラインの策定、子育て環境の整備、防災無線の全戸への配備、生業の再生と企業誘致、980戸の災害公営住宅の建設では125戸完成しているがさらに350戸の建設をめざしていると強調。県立大槌病院の再建整備も町営野球場跡地に整備すると話しました。国への要望課題としては、三枚堂大ヶ口のトンネル整備、JR山田線の早期復旧、用地確保の特例措置、企業立地支援を強調しました。防潮堤問題では、地域住民の提案を受けて、赤浜では目の高さにして高台移転、浪板では防潮堤をつくらず、町中心部では14.5メートルの防潮堤で町場のかさ上げによる再建を進めると述べました。住宅再建には町独自に200万円の上乗せ補助を行っており、国、県の補助を含めると600万円の補助となる。まちづくりでは「木の香りのするまち」「音楽とふれあえるまち」を強調し、住民参加による真の住民自治によるまちづくりを進めていると強調しました。
リレートークでは、大槌の仮設住宅自治会の会長を務める三浦さんが、39世帯110人の仮設住宅が現在28世帯80人となっている。いつ、どこに住めるのか不安を募らせていると話し、高齢者ほど希望をなくしていると述べました。地元で働き生活できるようにするには、第一次産業の再生と労働条件をよくすることが若者の定着にとって必要と話しました。仮設住宅などで「寅さん」などの映画上映会に取り組んできた深沢さんは、これまで226回2614人が参加する上映会を行ってきた。笑いあり、涙ありで、久しぶりに腹の底から笑ったと話す人が多く、被災者の心のケアの取り組みが重要と話しました。
県立大槌高校吹奏楽部の佐々木さんも、3年生が卒業し17人で活動している。全国から支援を受け、県大会で金賞を受賞し全国で演奏会に取り組んでいると話しました。
会場からの発言で、私は、一昨日の県議会での一般質問に触れ、「我慢の限界に直面している被災者のいのちと健康、くらしを守る被災者に寄り添った活動が重要になっていること」「復興需要で有効求人倍率が上がっているが、水産加工など地場産業はまだ再生の途上にあること」「住宅再建へのさらなる支援の拡充と二重ローン問題の打開の取り組み」「ボロもうけしているJRの赤字路線切り捨てを許さず、JR山田線・大船渡線の早期復旧を実現すること」、そのために10万人署名をやり遂げJR本社に乗り込むなどの運動が必要と発言しました。