《2014年9月29日》
盛岡みたけ支援学校を訪問調査
定員を大幅に超え教室不足、施設も老朽化
9月29日、高田一郎県議とともに県立盛岡みたけ支援学校を訪問し、福田孝彦校長らから支援学校の現状と課題などをお聞きしました。
現在小学部には54人、中学部には61人、合計111人が通学しています。定員は通常学級72人、特別学級9人の合計81人ですから30人も定員を超えています。そのためにプレイルームや作業室を教室として使用するなど教室不足が深刻です。普通教室で作業等の授業も行い、着替えをする余裕もない状況でした。小中学部は盛岡の南地区にももう一つあってもよいのではというのが実態です。高等部は平成21年に青山の病弱者用の施設を活用して開設されましたが、現在、111人が在籍しています。また、二戸市に小学部(21人)、中学部(6人)の分教室も開室しており、県北部での支援学校の設立も今後必要になってくると感じてきました。
定員を超えた生徒の状況では、何かあったときに安全が確保できないし、子どもたちに不安を与えている状況と話されました。
高等部の卒業後の状況については、今年度15人のうち、就労3人、就労B型5人、生活介護4人、施設入所3人となっていますが、今年の3年生が40人に及ぶことから、「これからが厳しくなる」と話されました。
デリバリー方式(弁当配送方式)の給食が行われていましたが、ご飯は温めてもおかずは冷やさなければならず、肉の脂が固まっていることもあるとのこと。温かい給食を食べさせてあげたいと感じてきました。
特別支援学校はどこも定員を超え、教室不足に陥っており、県の教育行政の矛盾の集中点です。抜本的な対策と対応を引き続き求めていきたいと思います。
《2014年9月29日》
県立中央病院望月院長と懇談
二次救急・小児救急で大きな役割、看護師のさらなる増員を
9月29日、高田一郎県議とともに県立中央病院を訪問し、望月泉院長と懇談しました。
中央病院の現状について望月院長は、二次救急・小児救急で大きな役割を果たしているとその実績を紹介しました。昨年度の救急患者は外来で13250人、うち入院患者が3832人となっており、救急車搬入患者数は4256人(盛岡医療圏の49.9%)となっています。小児救急は輪番制となっていますが、輪番日では外来患者2031人(盛岡医療圏の40.5%)、うち入院が309人です。「救急車を断らない」を平成12年以降掲げ、現在当直医7名体制(内科系、外科系、循環器科、脳神経、研修医3名)で対応しているとのこと。「救急医療と地域医療は臨床研修の基本」の立場で取り組まれています。
研修医の確保と養成では、今年度初期研修1年次が18人、2年次が19人、後期研修が32人となっており、研修医の確保・養成では着実な成果を上げています。
県内の県立病院、市町村立病院等への診療応援では、昨年度2232回に及び、毎日5〜8人が応援に駆け付けているとのこと。1カ月単位、6カ月単位の診療応援も行われています。中央病院の医師は9月1日現在146人、研修医が37人、合計183人となっていますが、こうした状況を考えると中央病院の医師も不足していると言わなければなりません。望月院長は、同規模の病院と比較すると200人以上の医師が必要と述べました。
看護師の現状と増員の課題では、4〜5月、7月に9日夜勤があったこと。年休が6.6日しか取れていないことに触れ、せめて年休が自由に取れるよう看護師の大幅な増員が必要ではないかと話しました。昨年度の看護師採用試験では募集に対して応募者が大幅に割る状況となっていました。看護師確保についても労働条件の改善が急務と思います。
《2014年9月29日》
県労働委員会労働者委員の公正・平等な任命を
いわて労連が県知事に要請
9月29日、いわて労連の金野議長らが達増知事に対して「第45期岩手県労働委員会労働者委員の公正・平等な任命を求める」要請を行いました。私も同席しました。これには橋本良隆県商工労働観光部長らが対応しました。
岩手県の労働者委員はこれまで5人の労働者委員を連合推薦の委員が独占しています。1989年にいわて労連と連合岩手が結成されるまでは、労働組合の組合数及び組合員数に応じて任命されてきました。連合独占は異常な事態と言わなければなりません。すでに全国では11都道府県12人の非連合の労働者委員が任命されており、中央労働委員会も同様です。福岡地裁判決、札幌地裁判決では「知事の連合独占任命は裁量権の逸脱である」としています。
いわて労連の申し入れでは、いわて労連の2名の推薦候補者は女性で男性5人が独占している異常な事態の解決も求めています。
達増知事と県の民主主義の度合いが試させる課題です。決して知事選挙に有利だなどと政治的な対応をすべきではありません。
《2014年9月25日》
政府は緊急に過剰米処理を
農民連が米暴落対策で県に申し入れ
9月25日、農民運動岩手県連合会(会長:久保田彰孝)は、達増拓也知事あてに「政府による緊急の過剰米処理を求める」要請を行いました。これには私と高田一郎県議が同席しました。県からは小原敏文農林水産部長、工藤昌男農政担当技監らが対応しました。
久保田会長は、2014産米の全農岩手県本部による概算金が、ひとめぼれで前年を2800円下回るなど生産費を大幅に下回る事態となっており、大規模農家ほど大きな打撃となっていると述べ、政府に対して緊急の過剰米処理などの対策を講じるよう求めました。
小原部長は、「米は岩手農業の柱であり、地域経済に与える影響が大きいと述べるとともに、9月19日に北海道東北知事会が連名で西川農相に5項目の緊急対策を申し入れた。県としても9月県議会に緊急対策資金5億円(20億円の融資額、無利子・無担保・無保証人)の補正予算を提案する予定。国に対する要望はこれからも行っていく」と回答しました。
概算金下落の影響は全農分だけで約65億円となる。全体では100億円を超える影響となります。
《2014年9月25日》
県立花泉高校の学級減は見直しを
県議団と一関市議団で申し入れ
9月25日、来年度の学級減が計画されている花泉高校について、学級減の見直しを求める申し入れを八重樫勝県教育委員長と高橋嘉行教育長に行いました。
申し入れでは、@8月5日の県議会商工文教委員会で多数の委員が見直しを求めたことを踏まえて花泉高校の学級減の計画を見直すこと。A「県立高校教育の在り方」の検討を踏まえて行うこと。B地域住民、関係者の意見を踏まえて検討すること―を申し入れました。
私は、県立花泉高校、花泉中学校の調査を踏まえて、今年度の生徒減少は「想定外」だったこと。進学にも就職にも対応できる高校としての取り組みを強めていること。中高の連携についても努力されていることを指摘し、こうした改革の努力の芽をつぶしてはならないと強調しました。また、東日本大震災津波の教訓として、避難所等で生徒、教職員が大きな役割を発揮したこと。「地域と結び付き、地域に支えられ、地域に貢献できる」高校というのが重要な教訓で、花泉高校にも生かすことが必要と述べました。石山健一関市議は、「学級減によって1学級となればクラブ活動も困難になる。住民からも2学級存続の要望が寄せられている」と訴えました。
高橋教育長は、学級減を提起した経緯を述べるとともに、「今回の申し入れの趣旨を踏まえて検討したい」と答えました。
《2014年9月24日》
小規模校への対応、望ましい学校規模などについて議論
第3回「県立高校教育のあり方」検討委を傍聴
9月24日、第3回県立高等学校のあり方検討委員会が開かれ傍聴してきました。8月6日から9月4日に開催されたブロック別懇談会の主な意見等の要旨がまとめられ、説明がありましたが、それについての意見・感想は3人の委員からだけでした。
検討委員会では、「今後の高等学校教育の基本的方向」の見直しの論点ごとの検討がなされました。特に議論が集中したのは「小規模校への対応」の論点です。細井西和賀町長は、「地域の実情に応じて小規模校を存続させるべき、地域にも大きな影響を与える」と発言。欠席した上田花巻市長も提出した意見で同様の意見を述べています。陸前高田市の山田教育長は、「住田高校は1学年1学級の小規模校だが、秋の野球の新人戦では地区予選で優勝し、40人の募集に40人が入学している。魅力ある学校経営をしている」「住田町も給食の補助や通学の補助などを行っている」と発言しました。見直しの論点では、「望ましい学校規模」の項目で「一定規模の学級数が必要と考える」となっていることに、小岩下橋中学校校長から「この表現では前の基本的方向」と同じになるのではないかとの意見が出て、県教委事務局は、「地域の中核校は一定規模が必要という意味」と述べました。山田陸高教育長は「今後は多様な学校規模を決めていくということになるのではないか」と発言。「望ましい学校規模」の表現はそのままという田代委員長のまとめとなりましたが、「望ましい学校規模」ということになれば、それ以外は望ましくないと言うことになりかねず、十分な検討が必要と感じました。
特別に支援が必要な生徒への対応についても議論があり、「個別の指導計画」の内容をより充実させ、指導の改善に努める」と見直しの論点で提起されているが、小中学校と比べて対応する教員が不足している。高校現場での研修、認識も遅れているなどの発言が出されました。
第3回の検討委員会を傍聴して、東日本大震災津波の教訓をどう受け止め、今後の生かすのか、高校授業料無償化(安倍政権で所得制限導入)時代の高校のあり方、子どもの貧困の広がりなどについても、この間の大きな変化であり検討すべき課題と思います。県教委事務局頼みの議論を抜け出せないのではないかと感じます。
《2014年9月20日》
地域再生と地域林業の展望―伊藤幸男岩大准教授が講演
地域総研「岩手の再生」第2回講座開かれる
9月20日、岩手地域総合研究所による連続講座「岩手の再生」第2回講座が開かれ、私も参加してきました。今回のテーマは「東北経済の動向と地域再生をめざした地域林業の展望」です。伊藤幸男岩手大学農学部准教授が講演しました。
伊藤氏は、東日本大震災における林業の被害について、被害総額16兆9千億円のうち、農林水産関係で1兆9千億円、林業は2155億円と指摘。日本・東北の林業問題について、製品輸入が急増し、国際分業化が進んだこと。立木価格が下落した中で、東北では合半向けのB材のウエイトが増加する一方、A材が伸び悩んでいる。新たな低賃金構造となっていると述べました。東北経済の動向に触れ、1997年以降あらゆる指標が右肩下がりとなっていると指摘し、林業については人工林蓄積が3億立米増加したとのこと。
伊藤氏は、再生エネルギーの可能性について、国内の第一次エネルギー供給構成は、石油が42%・2000億ドル(20兆円)となっており、この間石油の単価は3倍に高騰していると述べました。岩手県の灯油・A重油の年間販売額は466億円、そのうち1割を木質バイオマスエネルギーに転換すれば36億円が県内で活用できると話しました。日本の再生エネルギーの取組は、ヨーロッパと比べて20年遅れていると指摘、木質バイオマスの活用については、岩手県が地道に取り組んできてペレットボイラー53台、チップボイラー27台まで普及、ペレット、チップの需要も年間それぞれ4000トンを超えている。木質バイオマス発電については、国内で新規認定が9件、計画段階のものが70〜100件になっており、過剰な計画となっていると述べました。課題としては、@熱利用を伴わない発電はエネルギー損失が多すぎる(30%程度の利用)、A大規模な木材需要に応えられる生産力と生産性を持ち合わせていない、B大手の計画が多く、利益が地域に還元されないなどの問題を指摘しました。5000キロワット規模の発電で、30〜40億円の事業費、10万立方メートルの木材が必要(気仙地域分)となります。先進国のドイツでは大型発電所はつぶれ、熱利用・コゼネレーションの取り組みが進んでいる、薪の需要はヨーロッパでも国内でも伸びていると紹介しました。
まとめとして、木質バイオマス利用は、地域の自立にとって重要な手段となるが、地域内で新たな価値を生み出す仕組みと、それが地域内に再投資される地域経済の構築が必要と話しました。
《2014年9月19日》
9月定例県議会を前に県政への要望を聞く会ひらく
9月19日、9月定例県議会を前に、県議会内で県政への要望を聞く会を開き、労働組合や民主団体の代表らが参加しました。
斉藤県議は、医療費・介護利用料免除(12月末まで)は津波被災者の命綱になっていると強調。県保険医協会の調査(中間集計)では、来年から医療費の自己負担が発生すると通院が困難になる被災者が55%もおり、免除を継続させるように奮闘したいと訴えました。
参加者からは、「被災者医療費調査に1000人以上が切実な実態を書いてきた。免除継続が必要だ」(県保険医協会)、「防災集団移転で買い上げられた土地の収入が『所得』とされた被災者の介護保険料などが跳ね上がっている」(県生活と健康を守る会)、「被災したJR山田線と大船渡線の鉄路での復旧をめざし、運動を続ける」(救援・復興県民会議)など、被災者本位の復興を求める声が相次ぎました。
「子どもの医療費の窓口負担ゼロに向けて結成された『会』とともに、6万人署名に取り組む」(新婦人県本部)、「米の概算金が前年比で3000円前後も暴落した。影響額を示し、知事が国に対策を迫るようにさせる」(県農民連)との決意も語られました。
9月定例県議会は、26日に開会し、10月24日までの会期で行われ、 高田一郎県議が7日の本会議で一般質問に立つ予定です。
《2014年9月18日》
県議団で釜石地区の雇用、大槌町の復興状況を調査
被災者の方々とも懇談
9月18日、県議団として釜石・大槌町の復興状況の調査を行いました。午前10時半にハローワーク釜石を訪問、鈴木強司所長から釜石地区の雇用状況について説明を受けました。
鈴木所長は、7月末の釜石地区の有効求人倍率は1.19倍だが、就業地の有効求人倍率は1.76倍、新規求人の就業地有効求人倍率も2.96倍になっていると述べるとともに、被災地の釜石・大槌地区では就業地有効求人倍率は2.0倍となっていると説明。有効求人数で多いのは、サービス業、専門的・技術的職業生産工程の職業となっており、一方で求職者数は事務的職業、雑務、生産工程の職業となっており、ミスマッチとなっていること。正社員の有効求人倍率が0.68倍にとどまっていると述べました。雇用保険の被保険者数では、震災前の11884人に対し、今年7月では11825人とほぼ回復しています。業種別では、製造業で1090人の減、うち食料製造業では367人の減の一方で、建設業は417人の増、医療・福祉でも142人の増となっています。雇用保険適用事業所数では、建設業が30事業所増、宿泊・飲食サービスが18事業所増となっている一方で、製造業は22事業所減、卸・小売業は13事業所減となっています。
今後の取組としては、@高校生の管内就職率を60%以上(昨年度56.9%)に引き上げること、A20代の雇用の確保、BUターン、Iターンなどの確保を強化したいと話されました。DIOジャパンの破たんによる離職者については、13人のうち6人が就職、1人が訓練中、3人が照会中とのことでした。
大槌町職員組合役員と懇談
組合で職員の弁当の注文も
12時過ぎから、大槌町職員組合を訪問し、小笠原委員長ら役員の方々と、お弁当をごちそうになりながら懇談しました。
役場前は区画整理事業でかさ上げ工事が行われており、周りに食堂がなく、組合で職員の弁当の注文を取って届けているとのこと。ちなみに今日は弁当が約70個、お好み焼きが約50個とのこと。プロパーの職員127人中管理職を除く107人が組合員で、組合の加入率は100%です。震災後の新入職員が49人を占め、若い職員がプロパー職員を超える応援職員とともに成長しながら頑張っているとのこと。今年は4年ぶりに組合役員の選挙を行い、町当局と団交も行い、@職員の健康調査及び管理の徹底をはかること(今だに30人程度が要カウンセリング対象者)、A夏期休暇を拡大すること(5日間の実施へ)、B兼務職を撤廃すること、C喫煙に関する意向調査を実施すること―の4項目を要求したとのことです。
復興事業の中でマンパワーが不足で月100時間を超える超過勤務の職員も多数いるとのこと。また、復興交付金事業で復興庁の審査が厳しくなり事務処理が遅れているとの指摘もありました。応援職員の状況では1年間の応援職員が多いが1年を超えて頑張ってくれる応援職員が増えているとも話されました。
時間がない、亡くなっても高台に移転できるのか
「お茶っこ会」で被災者と懇談
午後1時半からは、日本共産党被災地支援ボランティアセンター(大槌班)が呼びかけた「県議会議員を囲んでのお茶っ子会」で被災者の方々と懇談しました。仮設暮らしの80代の女性は、「公営住宅の抽選に外れてしまった。いつ公営住宅に入れるか不安」、また防集で自立再建をめざしている80代の女性は、「待っている間に亡くなった場合、家を建てられなくなる」と訴えました。仮設で1人暮らしの女性は、「1DKではベットがおけない。お茶飲みもできない」と話しました。
皆さんが共通して訴えたのは「被災者の医療費・介護保険利用料の免除継続」と「時間がかかりすぎる」という訴えです。
住みたくなるような住宅
木造戸建ての災害公営住宅
その後、大ヶ口2丁目に建設されている木造戸建ての災害公営住宅を見てきました。2階建の3DKと4DKの戸建て住宅です。ちょうど居合わせた応援職員の技師、東いずみさんから説明を聞くことができました。門構えも地元産の柱で、南向き、4DKの場合は1階がダイニングと6畳、2階が6畳2間と4畳半の間取りです。10月から入居予定で希望者の半数以上が5年後に払い下げを希望しているとのこと。土地代を含めると1戸当たり3000万円かかっているそうですが、5年後の払い下げ価格は1800万円とのこと。
急きょ、県立大槌病院の岩田千尋院長に連絡し、訪問しました。仮設診療所前の駐車場が舗装整備され、バス停の待合室もできていました。
新しい大槌病院は町の運動公園用地に整備される予定で、すでに建設工事の入札も住んでいるとのこと。今年度中には医師公舎ができ、新病院と職員宿舎は来年度中に完成の予定とのこと。現在は応援の医師1人が戻り、4人体制とのこと。医師と看護師の確保が切実な課題です。岩田院長は、年間当直と日直で約500日あり、医師確保の必要性を訴えました。
大槌町のまちづくりについて
大水副町長に聞く
当日の町議会を終えた4時半過ぎから、大水副町長からまちづくり事業の取組について説明を受けました。
大水副町長は、最初に応急仮設住宅に1881戸、3896人が生活しており、入居率は89.5%(8月1日現在)となっていることを述べ、土地区画整理事業は4地区52.4ha、防災集団移転事業は5地区31.6ha、津波拠点事業は2地区24.0haで取り組まれている。すでにかさ上げ工事が行われていますが、津波拠点事業では、町方地区新町産業団地、3haが完成し、10数社の進出企業も決まっていました。今年度の予算は534億円で震災前の57億円の約10倍、復興費は400億円規模となっていると述べるとともに、最大の課題は入札不調の問題と話しました。職員体制は、正規職員128人、派遣職員127人、任期付などの支援職員が30人の合計285人となっています。防集の移転先の用地取得は46%にとどまっているとのこと。未登記や相続人不明がその要因です。特例措置が出されてもこうした手続きに手が取られると話していました。
私が注目している区画整理事業区域内での「まちなか防集」の取組については、町方地区の場合、事業面積は30ha、うち宅地が20haで、希望する住民から土地を買い上げ8ha分で防集宅地100区画、災害公営住宅300戸を整備する計画とのこと。うち200戸は木造の戸建てと長屋形式です。区画整理事業の減歩率は10%とのことでした。防集事業の遅れでなくなる場合の被災者の不安について聞いたところ、「仮申し込み」を取って対応したいと話しました。また、防集用地が余った場合は、定住促進向けに分譲も検討したいと話していました。
帰りに釜石のイオンタウンによって夕食を食べるとともに様子を見てきました。平日の6時過ぎでしたが、中には人が少ない感じでした。
《2014年9月17日》
一関市の特養、放射能汚染対策、花泉高校を訪問
県議団が党市議団とともに調査
9月17日、県議団として高田一郎県議とともに一関市の特養ホーム、市の放射能汚染対策、県立花泉高校と花泉中学校を訪問、調査してきました。これには藤野秋男、岡田もとみ、石山健の一関市議が同行しました。
午前10時に一関市千厩町の社会福祉法人千厩寿慶会を訪問し、小野寺洋一常務理事、千葉淳施設長、坂本徳彦事務局長らから介護サービスの状況について説明を受けました。
特養ホーム(定員80人)の入所待機者は320人と増加している。病院を3ヶ月で出される高齢者の受け皿がないのではないか。最近は特養ホームで「看取り」が急速に増加しているとのこと。平均介護度は4、平均年齢は86.3歳、最近は状況が重く、高齢者の入所が多く、入所期間が短くなっているとのこと。居宅サービス事業では、デイサービスの利用者は実人員で122人、うち要支援は20〜25人とのこと。介護保険法の改悪による要支援者の地域支援事業への移行については一関市からは何も話はないが、引き続き千厩寿慶会で実施するとなると、これまでと同じサービスの提供となるのではないかと話されました。人材確保では「募集してもこない」状況で、高校生を採用して育てる方向で対応しているとのこと。今後の課題では、老朽化した施設の改築の問題で、資金と補助金、建築費の高騰が問題だとのことでした。
道路側溝土砂、農林業系廃棄物の放射線対策
国の無策と住民の理解と合意
午前11時半には一関市役所を訪問し、小野寺健放射線対策室長、遠藤博之対策室次長らから、一関市の放射線対策の現状と課題について説明を受けました。学校や保育園等の施設の除染、住宅の除染もほぼ終了したが、道路側溝土砂の除去が進んでいない。約7カ所で22トン、側溝カ所の空間線量は毎時0.11μSv(高さ50cm)、側溝土砂の放射線濃度は4711Bq/kg、800Bqを超える箇所は22カ所から8カ所に減少しているが、除染対象区域内が4カ所、区域外が4カ所で、区域外は国の補助対象とならないとのこと。また、側溝土砂については廃棄物ではなく、除染の基準も方針もないとのこと。市が一時保管場所と提起した旧南光病院跡地は地域住民の反対で見通しのない状況とのこと。
稲わら、堆肥、ほだ木等の農林業系放射能汚染廃棄物は、19600t、うち8000Bq以上が710tで、仮設焼却炉で中間処理する方針とのことですが、建設予定地(孤禅寺)の地域住民の理解が得られていない状況とのことです。方針通り進めても指定廃棄物で2年半、それ以外で2年半以上かかる計画です。
4900tの汚染牧草の処理については、大東清掃センターでの焼却処理が5月末から再開され、4〜5年かかるとのこと。109棟の一時保管施設を年内に整備し、年度内に保管する。須川牧野のプラントでペレット化をはかり減量して保管の方針で進めているとのことでした。地域住民の不安をどう解消するのかが大変な課題とのこと。
稲わら等の一時保管施設については施設の補修・修繕が必要で県の補助の要請を受けました。しいたけの課題では、254万本を一時保管、落葉層の除去は23万uのうち5万2千uを実施(希望者のみ)。ほだ木の確保では、価格が倍以上となっているとのこと。2分の1補助だがあとは農家負担です。
地域と結び付いた魅力ある高校へ
努力のさなかに学級減は拙速では
午後2時に県立花泉高校を訪問し、菅原善致校長から話を聞きました。花泉高校は今年度の入学者が急減し、県教委は突然来年度2学級から1学級への方針を示しました。県議会商工文教委員会では、私を含め多くの委員から拙速だとの意見が続出する状況でした。高校再編のブロック別懇談会でも意見が出されています。実情を聞きました。
菅原校長は、昨年度から校長として赴任したとのことですが、今年度の入学者減は想定外だったとのこと。地元の花泉中学校からの入学者が減少したこととともに、これまで10人近くいた宮城県からの入学者がゼロだったこと。宮城県の高校入試改革の影響を受けたのではないかとのことです。花泉高校としても教員自身が総力を上げて地元の中学生の進路希望にこたえられる高校への様々な努力をしているとのこと。ここ数年は国公立大学への進学がなかったが、今年は受験希望者があり何としても希望をかなえられるよう取り組んでいるとのこと。卒業生の3分の2が就職ですが、8〜9割が地元に就職しているとのこと。今年の学校公開には藤沢中学校からも10人が見えるなどバス路線の確保を含めた取り組みをしたいとのこと。生徒減少の中でも卓球部男子団体が県大会ベスト16、総合運動部ラクビーが7人制で県大会優勝、野球部も9人で久慈工業相手に奮闘するなどの取り組みを紹介しました。制服も斬新なものに変えようと検討しているさなかに、学級減の話が出され、とん挫しているとのこと。
その後、花泉中学校を訪問して佐々木徹哉校長からも中学校の状況を聞きました。10年前に町内1校に統合され、新築された校舎は円形の斬新なスタイルで、校舎の中は木材がふんだんに使われた温かみのある校舎でした。佐々木校長は、今年の花泉高校への入学者が減少したことについて、生徒の減少もあるが一関二高への受験者が増えたこと。近隣の宮城県の総合高校への進学が増えたことが直接の要因だが、花泉高校も魅力ある高校へ大学進学への努力も行っており、中学校でも知らせたいと述べました。9月16日には中学校として近隣の10高の高校説明会を開いたとのこと。花泉高校の学校公開には26人が参加しているとも話しました。花泉高校の学級減の話は突然で、2学級から1学級への学級減は、クラブ活動や教員の数でも取り組みが大きく制約されることから、2〜3年は改革の努力を見守ることも必要ではないかと話されました。
高校のあり方は、今まさに検討委員会でも全県的にも議論がなされているところです。地域と結び付いた高校がキーワードです。議論の前に学級減というのはいかにも拙速で、改革の努力に水を差すものと感じてきました。
《2014年9月13日》
子どもに医療費助成を窓口無料に、中学生まで対象に
「子ども医療費・岩手の会」発会式に150人
9月13日、子どもの医療費助成制度拡充を求める岩手の会(略称「子どもの医療費・岩手の会」)の発会式が盛岡市の教育会館会議室で開かれ、私も参加しました。これには県内各地から会場いっぱいの150人が参加しました。
この会は、県の子どもに医療費助成を窓口負担のない「現物給付」にすること、医療費助成を中学校卒業まで拡充することをめざすために、伊藤宗行氏(みちのく療育園施設長)、小野寺けい子氏(盛岡医療生協理事長)、佐藤利美(津志田保育園園長)、藤沢昇(岩手愛児会会長)、山内美枝(盛岡アレルギーっ子サークル「ミルク」代表)の5氏が呼びかけたものです。
記念講演では、群馬県の新日本婦人の会高崎支部長の野村喜代子さんが「中学校卒業まで医療費窓口無料へ―群馬の経験から」と題して講演しました。野村さんは、子育て世代の切実な実態と要求を取り上げ署名運動をはじめ、医師会や小児科医会などにも働き掛け、市レベルで小学校卒業までの医療費無料化を実現するとともに、2007年の知事選では、3人の候補者が「中学校の医療費無料化」を公約に掲げ、現職知事が当選。2009年10月より「中学校卒業までの医療費完全無料化」が実現されたと報告。「要求の強さと世論が予算を生み出す原点」と強調しました。群馬県では、子どもの医療助成に約40億円が計上され、実施前と比べると30億円の増となっていると述べました。知事は「子どもは未来への投資」と述べていると紹介しました。
リレートークでは、小児科医師、子育て中の若い世代、保育園の保育士さんなどが発言。「子どもの病気で医療費がかかるが、償還払いではいくらかかるか分からず不安」「償還払いは東北では岩手だけということを知らなかった」「償還払いは申請書など手続きが大変」「子どもがアレルギーで毎月病院にかかっている」などの切実な状況が話されました。
発会式では、会則を決めるとともに、来年5月末をめざし、6万筆の署名運動に取り組むこと。県内各地で運動を広げること。署名運動の担い手を広げることを確認しました。
討論では、矢巾町では10月25日に「矢巾町民のつどい」を開催し、矢巾町の会を発足させ署名運動に取り組む計画も紹介されました。花巻市長は県への予算要望で「医療費助成の現物給付」を要望したとの報告もされました。
子どもの医療費助成が県レベルで就学前まで、償還払いにとどまっていることは、県政の最も遅れた課題です。県民の世論と運動を広げ、必ず実現させなくてはならないと、私も決意を新たにしました。
《2014年9月12日》
青年雇用、学費・奨学金問題で県要望
民青県委員会が青年アンケートまとめ
9月12日、日本民主青年同盟岩手県委員会(八幡志乃県委員長)は青年アンケート結果を踏まえて達増知事あてに青年の雇用と学費・奨学金問題で県への要望を行い意見交換しました。県からは、寺本樹生雇用・労働対策室長、千田利之労働課長、蛇口秀人教育企画課長、及川忠総務室管理課長らが応対しました。
八幡県委員長は、青年生活実態調査で、204人からの回答で正社員が62%、失業・求職中が9%、月の手取り給料が平均15万円で正社員でも月12万円と言う例もあった。残業代が全額支払われているのは36%、1日の平均労働時間が8.8時間となっていたと述べ、最低賃金の引き上げ、ブラック企業やブラックバイト根絶のための実態調査と改善、家賃3万円以下の若者定住促進住宅の創設、雇用保険の受給要件の緩和などを要望しました。寺本室長は、岩手県の最低賃金は、全国的にはまだ低位の水準にあることを認め、県として産業振興と中小企業への支援を強化し、最低賃金の引き上げにつながるようにしたいと回答。ブラック企業・ブラックバイトの問題では、労働局と緊密な連携をはかるとともに、若者が労働関係法令等を学べるようにガイドブックを作成配布していると述べました。若者住宅の創設に対しては、若者定住に向けた家賃補助や奨励金等の支援策が市町村などでは取り組まれており、住宅建設は難しいが、若者定住の取り組みを進めたいと回答しました。
意見交換では、陸前高田・大船渡の青年アンケートでは、手取り給料が13万3千円で、1LDKのアパートでも家賃は6万円かかり、青年への特別の支援を求めました。DIOジャパン・奥州コールセンターを解雇された子育て中の労働者が保育園に預けられなくなると切実な実態も指摘し、改善を求めました。
奨学金の返済が大変、過酷な取り立ても
学費・奨学金問題では、学費が高く、奨学金の返済が不安だというアンケート結果を示し、国立大学・県立大学の学費の引き下げ、奨学金を無利子に、給付制の奨学金の創設などを要望しました。蛇口教育企画課長は、文科省の概算要求では、無利子奨学金の拡充(3万人増)が要望され、「所得連動返還型奨学金」(年収350万未満なら返済猶予)導入の検討が盛り込まれていると回答。県立大学では、大震災被災者の授業料減免は232人・5200万円で、通常の減免は309人・4500万円、県立大学独自の学業奨励金(無利子奨学金)も66人(累計では340人)となっていると回答がありました。
意見交換では、高校・大学と無利子の奨学金を借りたが、250万円の返済額となり、健康を害して退職した時にも毎月返済の電話がきて、死ぬ思いだったと切実な声も出されました。また、奨学金の返済は、就職した1年目はアパートの敷金や車の購入など大変で3年目ぐらいからにしてほしいとの声も出されました。
《2014年9月11日》
東日本大震災津波から3年6カ月
被災者の生活再建を最優先に
9月11日、東日本大震災津波から3年6カ月が経過した月命日に、菅原則勝県委員長とともに盛岡駅頭で街頭宣伝を行いました。これには県委員会の勤務員も参加しチラシを配布しました。
私は、大震災津波から3年6カ月が経過し、被災者は「我慢の限界」に直面している。岩手医大による昨年度の健康診断の結果では、不眠症が男性で18.5%、女性で27.9%、心の健康度に不安がるのは男性で22.7%、女性で31.6%だったと紹介し、被災者に寄り添った見守りと支援が今まで以上に必要と訴えました。また、切実な住宅確保の問題では、8月末現在で災害公営住宅は754戸、5946戸の計画の12%にとどまり、高台移転や区画整理事業による宅地造成は、来年3月までに1110戸、8263戸の計画の13%にとどまることを述べ、仮設住宅での生活がさらに続く厳しい状況を紹介しました。また、昨日の大船渡の復興調査の状況を紹介し、子どもの心のケア、産業再生の取り組みの重要性を訴えました。
菅原県委員長は、全国からの支援を受け被災地への復興市などの支援活動を継続していることを紹介し、広島の土砂災害への被災者支援募金にも取り組んできたと報告。安倍政権による川内原発再稼働の動きや消費税の増税、沖縄の米軍新基地建設問題など亡国の暴走政治への国民的な運動を訴えました。沖縄のいっせい地方選挙での日本共産党の3議席増の躍進も紹介しました。
《2014年9月10日》
大船渡市の復興状況と課題を調査―商工文教委員会
赤崎・蛸ノ浦小の教育、水産加工、商工会議所の取り組み
9月10日、県議会商工文教委員会で、大船渡市の復興の現状と課題について調査してきしました。
10時40分に蛸ノ浦小学校に到着しました。津波で校舎が全壊した赤崎小学校が間借りし合同の授業が行われています。朝倉啓二赤崎小校長、熊谷拓郎蛸の浦小校長、巡回型カウンセラーの浦本真言さんらから説明を受けました。幸い児童の親の死亡・行方不明はなかったとのことでしたが祖父母等の死亡がそれぞれ2家庭ずつありました。応急・みなし仮設住まいの生徒が赤崎小で14人・20%、蛸の浦小では7人・16.3%。授業は合同で、国語・算数はTT授業が行われています。朝倉校長からは、児童の学力テストの結果は全国平均を超えているが、学習意欲が低下していると話されました。震災後の無力感が影響しているのではないかとのことです。熊谷校長からは、校庭に仮設住宅が建設され、十分な運動ができず、スクールバスでの通学も相まって、全学年で「体力・運動能力」が伸び悩んでいる。さまざまな復興支援があったが、体力向上のための支援はなかったと述べ、陸前高田市の小友小学校が取り組んでいる筑波大学の「たくましい子どもをつくるプロジェクト」を導入して取り組んだら成果があったと話されました。鹿島アントラーズの小笠原選手などの支援で被災した仮設小学校跡地に整備された仮設グランドは、今年の運動会で使用し、陸上の記録会に向けて放課後などに使用しているが、体育では使えないとのことでした。
カウンセラーの浦本さんは北海道からきているとのことでしたが、2年前は子どもたちが短冊に書いたのは「お金がほしい」だったが、今は「教科の成績をもっと上げたい」など落ち着きを取り戻し変化してきている。今後の課題として、心のケアの問題としてT型「津波が怖い」、U型「生活不安」のマネジメントが必要と指摘。スクールカウンセラーも県外からの応援に依拠しており、今後を考えると内陸からのカウンセラーの派遣・応援も必要ではないかと指摘。できるなら常勤のカウンセラーの配置を考えるべきと述べました。
グループ補助活用し水産加工会社を再建
午後には、グループ補助を活用していち早く再建した森下水産株式会社を訪問しました。
森下幹生社長、佐藤惟司参与から説明を受けました。森下社長は、震災津波で10億円を超える被害を受けたが、震災直後に再建を決意し、大船渡湾11社でグループ補助を申請した。第1次で採択となり、7月中旬から原材料の調達、製造、販売を再開。秋のサンマ漁に間に合うように再開できたと述べました。売り上げは平成23年度は前年比32%、24年度は7割、昨年度は8割まで回復しています。従業員も約100人で震災前まで回復しています。水産庁の補助を受け、現在第3工場を整備しており、消費者向けの商品の開発・製造に取り組む計画です。トヨタ方式の「カイゼン」にも取り組んで従業員の意識改革に取り組み、相模女子大学との連携も行っているとのこと。丸亀製麺に薬味としてサンマのフィレを提供しているとのこと。ぜひ味わってみたいものです。サンマの竜田揚げ、フライの製造工場も視察してきました。
会員事業者の86.6%が再開
大船渡商工会議所の取り組みを聞く
午後3時前に大船渡商工会議所を訪問し、斉藤俊明会頭、上野直和専務、新沼邦夫事務局長らから説明を受けました。
齊藤会頭は、資材の高騰や人手不足、燃料の高騰、4月からの消費税の増税など、乗り越えるべき課題が山積みしており、復興は正念場を迎えている。一番大変な課題は、中心商店街の再生だ。商工会議所としても「津波復興商業再生対策室」を新たに設置し取り組んでいると話しました。大船渡駅周辺の商店街の形成では、市は8区画の出店を募集していますが、賃料や資金、後継者問題などもあり60~80店程度にとどまっているとのこと。店舗と住宅が一体の場合は抵当権の設定ができるよう規制緩和の要請を行っている。グループ補助のグループが固定できない場合は既存グループへの差し込み型などの取り組みを進めたいと話されました。
《2014年9月9日》
被災者訪問で200世帯を超える支援を実施
もりおか復興支援センターの取り組みを聞く
9月9日、庄子春治市議とともに、市役所前に設置されているもりおか復興支援センターを訪問し、盛岡市内に避難している被災者の状況とセンターの取組について金野万里センター長と細田玲副センター長から聞きました。盛岡市の担当者も同席しました。
もりおか復興支援センターは、平成23年7月11日にオープン。盛岡市より業務委託を受け「一般社団法人SAVE IWATE」が運営しています。現在、661世帯1326人(岩手県568世帯、宮城県40世帯、福島県53世帯)が登録されています。オープン以来の延べ来館者は60872人(8月31日現在)、窓口相談は1846件、電話相談717件、物資支援11126件、戸別訪問11272件となっています。
センターの訪問調査では、「要支援」(著しく生活に困窮している世帯や特に心理的支援が必要な世帯)は、23世帯、「定期訪問」(要支援よりやや軽度な世帯)は、194世帯となっています。合わせると32%となります。定期訪問は月1回か2月に1回訪問しているとのこと。生活困窮世帯には食糧支援(登録88世帯)も行っています。
家賃補助が終了すれば生活困窮に陥る―24.4%
生活保護に該当する可能性―12.2% 生活苦が広がる
センターの訪問調査では、みなし仮設住宅の家賃補助が終了した場合、生活困窮に陥る世帯が138世帯、24.4%に及んでいます。現時点で生活保護に該当すると思われる世帯が69世帯、12.2%と被災者の生活苦が深刻化しています。面接聞き取り調査では、災害公営住宅への申し込みや支援策、仕事、健康の問題など多様な相談が寄せられています。
センターでは、毎週土曜日の「お茶っこ会」、水曜日の「紡ぎサロン」「折り紙サロン」の取組が行われています。小中学生への「学習サロン」も日曜日の午後に開かれています。被災者の男性対象に「囲碁クラブ」「写真倶楽部」の取り組みも行われており、私たちが訪問した時も「折り紙サロン」の方々が活動していました。9月23日に作品展示会が開かれるとのことです。FP・行政書士による個別相談会は、毎週第3土曜日に開催されており、盛岡市内だけでなく県内各地から相談者が来ているとのことでした。
もりおか復興支援センターの取組で特筆すべきは、被災者の情報を盛岡市が確認をしたうえで復興支援センターに提供し、センターが被災者の状況を掌握して個別の訪問と支援を強化していることです。体制は6人で、財源は緊急雇用事業です。山田町NPO問題などの不祥事で点検と規制が強化されており、やりづらくなっていること。1年雇用で不安定なことが指摘されました。
被災者の状況はいのちと健康が脅かされ、生活苦が広がるなどますます深刻となっており、こうした被災者支援の取組は一層強化することが必要と強く感じてきました。
《2014年9月9日》
盛岡玉山区の一級河川「松川」の災害復旧と治水対策について調査
県土整備委員会の県内調査に同行
9月9日、県議会県土整備委員会の県内調査で、一級河川松川の災害復旧と治水対策の調査が行われることから、私も同行して調査に参加してきました。
午前10時に玉山区の渋民運動公園付近で、盛岡広域振興局の川村土木部長から、説明を受けました。199ヶ所の被害個所、被害額45億円のうち124カ所、62%で事業に着手、完成は6カ所とのこと。一級河川松川の治水対策については、昨年並みの大雨に対しても家屋等の浸水を防ぐ河道掘削と堤防のかさ上げ、家屋周辺の堤防整備などで対応する方針。昨年の大雨洪水は、3時間で108ミリメートル、総雨量で210ミリメートルとなる昭和30年以来のものとなり、床上浸水66戸、床下浸水20戸の被害となりました。
その後、IGRの橋脚に流木が重なり堤防が決壊した場所の復旧状況、堤防のかさ上げと河道掘削による石花工区河川災害復旧工事の状況、松川と赤川の合流地点下流の舘工区災害復旧工事の状況を調査しました。
《2014年9月8日》
みちのくALERT2014へのオスプレイの参加に反対する申し入れ
震災対処に乗じた軍事訓練にならないよう対応を
9月8日、日本共産党岩手県委員会と県議団は達増知事にたいし、みちのくALERT2014(陸上自衛隊東北方面隊震災対処訓練)へのオスプレイの参加に反対する申し入れを行いました。小田島総務部長・佐藤副部長・小向総合防災室長らが応対しました。
陸上自衛隊東北方面隊は、11月の上旬に、大地震津波の発生を想定した震災対処訓練を東北6県・市町村を巻き込んで行おうとしています。その中で、オスプレイを使用した患者輸送や物資輸送訓練を宮城県を中心に実施しようとしています。
申し入れでは、@岩手県も参加する「みちのくALERT」への米軍垂直離着陸輸送機オスプレイの参加に反対することA震災対処訓練に名を借りた軍事訓練とならないよう県として対応すること米軍・海兵隊、豪軍が参加する必要性があるのかを県として質すこと―を求めました。
小田島部長は「岩手県での訓練ではオスプレイは飛来せず、米軍や豪軍との共同訓練の計画もない。宮城県での訓練に岩手県から意見を言うのは難しい」と回答しました。
斉藤県議は「米軍は東北を含めて本土でのオスプレイの低空飛行訓練の計画も示している」と指摘。防衛省が岩手山演習場をオスプレイの訓練基地にするとの報道もあり、オスプレイ飛行の既成事実をつくられないように反対の意思を伝えるべきだと強調しました。
申し入れの全文は「政策と活動」をご覧ください。
《2014年9月8日》
沖縄いっせい地方選挙―日本共産党3議席増の躍進
名護市議選ではトップ当選、与党が過半数獲得
9月7日投票となった沖縄いっせい地方選挙で、日本共産党は、米軍新基地建設が最大の争点となった名護市で現職から交代した新人の仲里克次候補がトップ当選を勝ち取るとともに、沖縄市、北谷町で議席増、東村で空白克服するなど、18議席から21議席に3議席増の躍進となりました。
全国注目の名護市議選は、稲嶺市長の与党は定数27人のうち14人が当選、新基地建設反対の公明党の2人を含めると新基地反対派は16人となりました。
11月に予定されている県知事選挙では、米軍新基地建設反対、オスプレイの配備反対などを掲げた「建白書」の実現を求める「島ぐるみ会議」の代表と県民への公約を裏切った自民党・仲井真知事との対決となります。沖縄だけでなく、日本の政治のあり方を左右するような選挙になるでしょう。
今日は、定例の早朝宣伝で沖縄いっせい地方選挙での日本共産党の躍進を報告しました。
《2014年9月4日》
復興財源の確保、医療費・介護保険利用医療の免除復活など求める
岩手、宮城、福島の被災3県が対政府交渉―復興財源・取り崩し型基金の確保を
9月4日、岩手、宮城、福島の被災3県の代表による東日本大震災津波・原発事故災害からの復旧・復興の切実な要求で各省庁との交渉を行いました。これには高橋千鶴子衆議院議員、紙智子参議院議員が段取りをして参加しました。岩手からは私と高田一郎県議、藤倉泰治、大坪涼子、伊勢純の陸前高田市議団が参加。宮城からは4人の県議団と県議予定候補、仙台、塩釜、気仙沼の市議団、福島からは宮本志津絵県議、田村氏、浪江町の各議員らが参加しました。交渉は衆議院第2議員会館第2会議室に各省庁の担当者を迎えて、午前11時から午後5時まで行いました。
復興庁・国土交通省との交渉では、平成28年度以降の復興財源の確保と自治体が自由に使えるとり崩し型の財源の確保を求めました。私は、岩手県の取組について、被害総額5兆7千億円のうち、28年度以降にずれるのが1兆7千億円と試算されていること。県の300億円の復興基金は、住宅再建への支援や医療費・介護保険利用料の免除継続、中小企業への再建支援などに積極的に使われており、平成30年度には枯渇する状況だと述べ、財源の確保を求めました。復興庁の担当者は、平成27年度の予算確保に全力を上げている。新大臣も復興に終わりはないと発言しており、しっかりやっていくと述べるにとどまりました。取り崩し型の基金については、具体的な需要に合わせて補助事業などを行っているとの回答にとどまりました。総務省との交渉でも復興財源、自由に使える取り崩し型基金の確保を求めました。
仮設店舗の継続使用と国の支援を
経済産業省・環境省との交渉では、私と藤倉陸前高田市議から仮設店舗の5年を超えての継続使用と国の支援について求めました。経産省の担当者は、最低5年間は市町村が管理してほしいということで、5年以降も活用されるのが望ましいと回答。解体費用などは平成26年度からの緊急避難的対策と述べ、5年以降の国の対策・支援は示されませんでした。
福島県からは、エネルギー基本計画の撤回と徹底した除染対策、避難解除後の精神的賠償打ち切りの見直しを強く求めました。
宮城からは、女川原発の再稼働反対、3カ所の最終処分場の建設は行わないことを求めました。担当者は、0.23μ?以下をめざす除染の目標に変わりはないとのこと。
農林水産省との交渉では、がんばる漁業・養殖漁業が来年8月31日で終了することになっているが、さらに継続すること、漁業用燃油の高騰対策を求めました。担当者は、来年度予算要求で80億円を要求しているとの回答でした。
介護保険も土地等の譲渡所得の特別控除の対象に
医療費・介護保険利用料免除の復活を
財務省・厚労省との交渉では、被災者が防災集団移転事業により宅地を自治体に売却した場合、収入に算定され、特に介護保険では所得段階が引きあがり、ホテルコストなどの低所得者の軽減策もなくなり100万円以上の負担増となっている実態を示し、対策を求めました。財務省の担当者は、被災地の自治体が買い取る場合は土地等の譲渡所得は2000万円まで特別控除が適用となると回答しました。しかし、これは国保税・後期高齢者医療、所得税・住民税の所得割の場合は適用となるというもので、介護保険では該当しません。厚労省の担当者は、介護保険法142条で市町村独自に減免できると回答しました。実効性があるものかどうか調査が必要です。陸前高田市では、すでに1200人の被災者が土地を売却しており、月3500円の保険料が5000円に引きあがるとともに、ホテルコストの減免がなくなり利用料は月9万円の負担となっていると実態を示しました。
被災者の医療費・介護保険利用料の国の責任での免除措置の復活については、市町村が減免を実施した場合、国が10分の8補助をする制度は平成27年度まで実施すると回答しました。
DIOジャパン・コールセンター問題
徹底した調査と賃金未払いの解決を
DIOジャパン・コールセンターによる解雇・賃金未払い問題の解決と事業の実態調査の要求に対して、私は、岩手労働局が破たん状態と認定して未払い賃金の立て替え払いを行おうとしているが、本社社員にさせられた労働者は対象となっておらず、国が責任を持って対応すること。緊急雇用事業の実態は研修の実態がなく、高額のリース料は翌年度無償譲渡されるなど、実態は買い取りだったと指摘し、徹底した調査を求めました。また、立て替え払いを8割から10割にすべきと求めました。厚労省の担当者は、本社社員の場合は本社の倒産の認定が前提になること。立て替え払い賃金は課税されず、社会保険料等も控除されないと回答しました。
原発事故避難者への保障を
被災地の学校と生徒への支援を
文科省との交渉では、福島県の代表から、東京電力に対しADRの和解案尊重を強く指導すること。長期避難者への賠償指針に見直し、避難指示解除された住民に対する精神的損害賠償の打ち切りではなく再開することなどが要望されました。宮城県の代表からは、中学生の不登校が2年連続ワーストワンとなったことを指摘し、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、訪問指導員等の拡充が要望されました。浪江町議は、住民アンケートでは「戻りたい」が18.2%、「戻らない」が37.5%、「判断がつかない」が37.5%となっていることを示し、被災者は帰還のめどが立たず、「1日がつらい」と訴えていると深刻な実態を示しました。文科省の担当者は、ADRの和解案は9563件、うち和解成立が7800件、82%となっていることを述べ、和解案の村長を強く求めていくと回答。学校対策では、スクールカウンセラー等の確保に来年度も37億円の予算要求を行っていると回答しました。
国の被災者生活再建支援金を500万円に引き上げを
最後の内閣府と交渉では、被災者生活再建支援金を300万円から500万円に引き上げるよう求めました。私は、資材・人件費の高騰等で住宅建築費は坪当たり50〜55万円で震災前から10万円も上がっていること。最近では坪70万円以上で家を建てた例も出ている。30坪でも300万円以上の負担増となっており、県や市町村が独自に100万から200万円の補助を行っても、値上がり分にもならない。国が被災者生活再建支援を引き上げるべきだと強く求めました。内閣府の担当者は、被災者生活再建支援金は都道府県の相互扶助で、国の負担割合を5分の4にしたとの回答にとどまりました。
多くの要望項目があり、今回、回答のなかったものについては後日に文書回答をいただくことにしています。被災3県の被災者と被災地の深刻な実態をリアルに各省庁の担当者に訴えることができたことが大きな意義を持ったと感じてきました。
《2014年9月2日》
DIOジャパン潟Rールセンター問題で質疑
再就職支援、賃金未払いの解決に全力を。リース機器は無償譲渡
9月2日、商工文教委員会で、DIOジャパン鰍ェ県内に開設したコールセンターの閉鎖や賃金未払い等の問題について報告があり、斉藤県議が質疑に立ちました。
斉藤県議は、「解雇された労働者の再就職支援と賃金未払いの解決は緊急課題」とした上で、県内における未払い賃金額・人数などの実態をいまだに把握していない県の姿勢を批判。また、一方的に東京の本社社員にさせられ、県内労基署の賃金未払いの対象となっていない実態も告発し、すべての解雇された労働者の再就職と賃金未払いの解決に取り組むよう強く求めました。橋本良隆商工労働観光部長は、「できる限り労働局とも連携しながら情報を共有・提供していきたい」と述べ、千田利之労働課長は「賃金未払いは明確な法違反。所属がどういう形であれ、救済されるべきものと考えている」と答えました。
斉藤県議は、「人材育成事業といいながら、まともな研修も行われず、業務日誌も虚偽の報告を強いられていた」とする元従業員からの告発も紹介。研修の実態についてもしっかり把握するよう強く求めました。
さらに、総額で4億7000万円にも及ぶリース物件について、事業終了後にほぼ無償譲渡されていた実態も明らかになりました。斉藤県議は、「実質買い取りであり商取引上ありえない。異常な許されないリースだということを厚労省にきちんと掛け合うべきだ」と求めました。
公契約条例―賃金条項を盛り込み、労働条件が保障されるものに
中小企業振興条例―先進事例を汲みつくし県の実態に合ったものに
公契約条例と中小企業振興に関する条例の制定についても報告がありました。
斉藤県議は、県が「公契約に携わる労働者の労働条件の改善等を狙いとした公契約条例を制定する」と表現していることに注目し、「千葉県野田市の公契約条例では設計労務単価の90%を基準にしている」などの例を示し、きちんと賃金条項を盛り込み労働条件がしっかり保障されるものにすべきだと求めました。橋本良隆商工労働観光部長は「経営者・労働者双方の意見や県議会の請願の趣旨を十分踏まえ、どのような形の賃金条項を導入すべきかどうかも含めて検討したい」と述べました。
中小企業振興条例の制定について斉藤県議は、「企業数で99.8%、従業員数で88.1%を占める中小企業はまさに岩手県経済の主役だ」と強調し、中小企業が岩手県の地域経済に果たしている役割をしっかり評価し関係者の英知を結集したものにすべきだと主張。また、「沿岸では食料品製造業が最大の基幹産業。復興が最優先課題であるときに、こうした実態も踏まえた条例にしていくべき」と求めました。橋本部長は、「できるだけ多くの中小企業者の方々のご意見・ご要望等を踏まえ、他県の先行事例等も参考にしながら条例の制定に向け取り組みを進めていきたい」と答えました。
《2014年9月1日》
山田町の農地・防潮堤の復興状況を調査
農業農村整備推進議員クラブで
9月1日、岩手県議会農業農村整備推進議員クラブで、山田町の農地と防潮堤の復旧状況を調査してきました。これには高田一郎県議や13人の議員と県の担当者、岩手県土地改良事業団体連合会の及川正和会長、田山清専務理事等も参加しました。
定例の早朝宣伝を早めに終えて、8時30分に県議会を大型バスで出発。車中で伊藤千一県農村整備担当技監と鷲野県時農村建設課技術主幹から、県内の農業農村整備事業の取り組み状況と今年度の予算の概要について説明を受け、11時に山田町豊間根地区の農用地災害復旧関連区画整理事業の現場に到着。川村良治山田町土地改良区理事長らから事業の説明を受けました。現場は三陸道路が工事中のところで、圃場整備は今年の稲刈りのあとから始まるとのこと。全体で50.4haで、豊間根工区の22.7
haは災害復旧関連事業、山田北工区の27.6haが通常の区画整理事業です。現況の5~10aの水田を30a規模に整備しようとするものです。それにしても三陸道路工事の規模の大きさに驚かされました。
その後、山田町役場に行き5階屋上から山田町の中心部の復興の状況について佐藤町長から説明を受けました。佐藤町長は一部2mのかさ上げ工事が進んでいる状況を示し、遅れているが着々と進んでいる。特にJR山田線の復旧については、被災した自治体に負担が増えることのないようお願いしたい。通学定期はJRなら月8500円だが三鉄になると18500円にもなる。超優良企業のJRの責任で早期に山田線の復旧をお願いしたいと強調しました。
昼食後、山田町議会の会議室で山田町長、佐藤農林課長、青年農業士の木村美由紀さん、新規就農者の岩城創さんらと意見交換会を行いました。木村さんは、両親と妹と水稲10ha、作業受託延べ70ha、水稲の育苗7千箱に取り組む専業農家。復旧農地の作付をしているが家から圃場までが遠い、コンバインも織笠地区から移動するので大変とのことでした。また、新規就農者には様々な支援策があるが、農業後継者にはないと指摘しました。宮古地方農村青年クラブの会長も務める木村さんは、IT企業から脱サラして、一関市のかさい農産で2年就農研修を行い帰郷。農薬・化学肥料を使わない栽培で、ハウスほうれんそう、ハウスみずなら、ブロッコリー、ニンジン、産直用野菜などを栽培。農地が点在して移動時間がかかること。規模拡大がさらに必要と話しました。
その後、壊滅的な被害を受けた小谷鳥地区に行き、農地の復旧状況と防潮堤の工事を視察しました。農地は約1m地盤沈下しており、その分を含めたかさ上げを行っていました。防潮堤はこれまでの高さ8m、幅6.3mの防潮堤が破壊され、12.8m、幅56mの巨大な防潮堤となります。環境や海への影響が心配になりますが、従前より内陸側に整備するとのことでした。高台移転の工事も行われていました。大浦地区には多数の仮設住宅が見え、被災の大きさを感じさせられました。