<<バックナンバーへ              


《2015年3月28日》
TPP撤退・農協つぶし反対県民集会とデモに300人
鈴木宣弘東大大学院教授が講演


 3月28日、「TPPからの撤退を求め、農業・協同組合つぶしに反対する岩手県民集会」が盛岡市の産ビル7階大ホールで開かれ、県内各地から会場いっぱいの300人が参加しました。これは、いわての食・農・地域を守る県民運動ネットワーク(いわて食・農ネット)が主催したものです。岩手県農業協同組合と岩手江刺農業協同組合が協賛して開かれました。
 鈴木宣弘東大大学院教授が、「TPP、農業・医療・雇用改革の本質」と題して講演しました。鈴木教授は31ページに及ぶ資料に基づき、「今だけ、金だけ、自分だけ」の政治が暴走していると指摘し、「人々の命、健康、くらし、環境よりも企業利益を追求するのが、TPP規制緩和、農政・農協『改悪』の本質である」「TPPは国際条約を利用して米国企業の儲けやすい仕組みを世界に広げるもの」と強調しました。また、日米の協議について事務レベルではすでに合意しているとその内容についても指摘。牛肉関税は38.5%から9%に、豚肉は482円/kgから50円に、米の輸入枠は77万トンの輸入枠とは別に米国向けに5〜10万トン前後の特別無税枠を設けるとしていることを示しました。また、アメリカ国内でも反対の声が広がり、豪州も反対しているISDS条項に米国と日本が賛成している実態も指摘しました。
 農協解体については、「本当の目的が、@TPP反対などを封じ込める、A農協からビジネスを奪うことにある」と述べ、米国企業が狙っているのは、信用と共済の140兆円の農協マネーだと指摘しました。
 講演の後、現場からの報告で、県生協連の吉田敏江専務理事、県農協労組委員長の斉藤氏が発言しました。集会アピールを採択して盛岡市内の商店街をデモ行進しました。


ツイートする

《2015年3月18日》
被災者の希望に沿った災害公営住宅を求める
仮設住宅の補修は来年度5000戸を予定


 3月18日、予算特別委員会で県土整備部に対する質疑に立ちました。
 復興ロードマップが更新されるたびに災害公営住宅の整備戸数が遅れている現状を示し、せっかく完成した災害公営住宅にも空き室が生じている問題を指摘。改めてきちんと被災者のニーズを把握し、木造の災害公営住宅の整備や、高齢者向け災害公営住宅の整備など、きめ細かく対応すべきと求めました。さらに、災害公営住宅の1戸あたりの建設費がこの間500万円以上(24年度1420万円、26年度1950万円)も高騰していることから、持ち家再建への支援を拡充することが重要と訴えました。
 応急仮設住宅の改修について、「床がブヨブヨ」「すき間ができて大変」という被災者の声を紹介し、県の対応状況について質しました。建築住宅課の勝又賢人総括課長は、「保守管理センターへの相談件数は、昨年4月から今年2月までに4474件寄せられている。定期点検において一部の団地では木ぐいの劣化等が確認された。27年度は約5000戸程度の木ぐいの補強等の改修を計画している」と答えました。また、結露や黒カビの発生が深刻化し、ぜん息などの健康被害が懸念されると指摘し、しっかり対応するよう求めました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


ツイートする

《2015年3月17日》
米価暴落―県内農家全体で137億円の減収
予算特別委員会で農林水産部に対する質疑に立つ


 3月17日、県議会予算特別委員会で、農林水産部に対する質疑に立ち、米価暴落問題と水産業の振興などについて取り上げました。
 米価暴落による県内農家への影響について質問。農産園芸課の下村功総括課長は、「仮に、ひとめぼれの相対取引価格で試算すると、作付面積が15ヘクタール規模では約320万円の減収、県内農家全体で約137億円の減収と試算している」と答えました。安倍内閣が、農協解体を打ち出す一方で米価暴落対策へ何ら対策を講じないことを批判し、県としてどのような対策を考えているか質しました。小原敏文農林水産部長は、「米価暴落最大の要因は需給バランスが崩れていることにあると思っており、市場からの隔離などについて国に対し要請してきている」と述べるにとどまりました。
 漁業の復旧状況について質問し、大村益男水産担当技監は、「稼働可能漁船数は10527隻で震災前漁船登録数の74%、養殖施設は震災前の66%にあたる17377台の整備を完了している」と回答。漁業経営体が大幅に減っており、宮古市や陸前高田市などで担い手対策として市独自の支援を行っていることを示し、担い手対策の取り組みを全ての沿岸市町村に広げ、県としても支援すべきと求めました。大村技監は、「今後新たに県・市町村・漁協で協議会をつくり、役割分担をしながら担い手対策に取り組んでいきたい」と答えました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


ツイートする

《2015年3月13日》
予算特別委員会で復興局に対する質疑に立つ
災害公営住宅のコミュニティ・絆の確立にあらゆる対策を


 3月13日、県議会予算特別委員会で、復興局に対する質疑に立ちました。
 「来年度は災害公営住宅の整備や防災集団移転事業・土地区画整理事業など合わせて4400を超える自立再建が進められ、大規模な移動が始まる」と指摘。災害公営住宅入居者の「仮設以上に部屋から出ることがなくなった。隣に住んでいる人が分からない」との声を紹介し、「一層の孤立化が懸念され、絶対に孤独死を出してはならない。支援員の配置や集会室への備品の整備などあらゆる対策を講じ、コミュニティ・絆の確立に取り組むべき」と強く求めました。生活再建課の佐野淳総括課長は、「仮設団地に常駐している復興支援員制度の活用を市町村に促していきたい。集会室における備品については、復興交付金の活用を国と協議しており、具体的な物の査定の段階まできている」と答えました。
 また、復興基金の見通しについて質問し、石川義晃復興推進課総括課長は、「今年度末の残高は約151億円。平成30年度中にも基金残高がなくなる見込み」と回答。「集中復興期間後に被災自治体の負担を検討する」との竹下亘復興大臣の発言を批判し、新たな復興財源の確保や取り崩し型の復興基金の追加措置など強力に国に求めるべきと迫りました。中村一郎復興局長は、「復興財源は最重要課題の1つと考えている。新年度早々から被災各県と連携し、国にしっかり要望していきたい」と答えました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


ツイートする

《2015年3月11日》
東日本大震災津波から4年―穀田衆議院議員とともに街頭から訴え
岩手県・野田村合同追悼式に出席


 3月11日、東日本大震災津波から丸4年を迎えました。穀田恵二衆議院議員、菅原県委員長とともに大雪の降る中、盛岡駅前で街頭宣伝を行いました。穀田氏は、『岩手日報』が「個人が生活を立て直せなければ復興とは言わない」「国は集中復興期間を2015年度で打ちきり、自治体の負担も検討する方針だ」と報じたと紹介。国は復興予算の削減をやめて、16年度以降も被災者の生活と生業の再建のために責任を果たすべきだと強調しました。アベノミクスによる住宅建設費の高騰、消費税増税、TPP推進なそが復興の妨げになっていると批判。地方選で共産党の躍進を勝ち取り、安倍政権の暴走を阻止しようと呼びかけました。斉藤県議は、応急仮設住宅で暮らす被災者の命と健康が脅かされており、県が実施している医療費や介護保険利用料の免除(12月末まで)の継続が必要だと主張しました。さらに、阪神・淡路大震災で1000人以上の孤独死が出た教訓を踏まえ、災害公営住宅の集会室に支援員を配置し、新たなコミュニティーの確立に努めるべきだと訴えました。

 午後2時半からは、野田村体育館で行われた東日本大震災津波岩手県・野田村合同追悼式に穀田衆議院議員とともに出席。地震発生の午後2時46分に黙とうをささげました。遺族代表の広内実さんは「震災は、決して過去のものではない。犠牲になった人たちのことを忘れないでほしいとは言わない、ただ、時々でいいので共に生きたことを思い出してほしい」と語りました。
 式典に先立ち、小田祐士村長にあいさつし懇談。野田村の木造戸建ての災害公営住宅も視察しました。


ツイートする

《2015年3月10日》
介護職員の不足により7事業所、休止22事業所
若年者の普通退職が急増―看護師確保、労働環境改善へ特別の手立てを


 3月10日、予算特別委員会で保健福祉部、医療局の審査が行われ、質疑に立ちました。
 介護職員の不足による事業所の休廃止の状況について質問。長寿社会課の斉藤総括課長は、「今年度出された廃止・休止の届け出において、職員の確保が困難などを理由としたものは、廃止が7事業所、休止22事業所と把握している」と答えました。さらに、盛岡市の介護事業所では1700万円の減収が見込まれるなど、現場の深刻な実態も示し、「一方で保険料は引きあがり、サービスは切り捨てられる。県としてしっかり実態を把握し、国にもしっかりものを言うべき」と迫りました。根子忠美保健福祉部長は、「国に対し、介護報酬改定にともなう保険料上昇を緩和する厚生制度の創設など、被保険者の負担が過大にならない支援策を講じるよう引き続き要望していきたい」と答えました。
 来年度の看護師の配置計画について、「36名の計画にたいし48名と計画を上回る増員というのは評価したい」と述べたうえで、7対1看護体制の維持のために、「土日の休みがない」「子どもの参観日に休めない」といった声を紹介。さらに、50歳以前に辞める普通退職が6割を占める実態(平成25年度)について、「特に働きざかりの20代30代に多く、看護師の抜本的な増員、勤務時間外での研修の是正など労働環境の改善を図るべき」と求めました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧ください。


ツイートする

《2015年3月9日》
持ち家再建へ県独自の支援金のさらなる引き上げを
住宅再建推進協議会いわてが請願


 3月9日、住宅推進協議会いわては千葉伝議長にたいし、津波被災者の持ち家再建に向けた県独自の支援金(現行:県・市町村共同で100万円)の引き上げなどを求める請願を提出しました。県議会全会派が紹介議員に名を連ね、斉藤県議が同席しました。
 推進協いわての加藤善正世話人は、資材や人件費の高騰で被災地では震災直後に比べ坪単価が10〜20万円も上昇していると指摘。資金不足から自宅再建を諦める被災者が増えてきており、復興の遅れや人口減少にもつながっていると述べました。
 請願では、◇県の支援金を200万円へ増額する◇復興のために地方自治体が自由裁量で活用できる交付金を措置するように、国への意見書を提出する―ことを求めています。
 千葉議長は、「超党派の請願であり、県議会の総意として全力をあげる」と答えました。


ツイートする

《2015年3月6日》
高田一郎県議が予算特別委員会で総括質疑に立つ

 3月6日、県議会予算特別委員会で高田一郎県議が知事に対する総括質疑に立ちました。
 高田県議は、若者の雇用拡大について、県内の若者の非正規雇用の割合は9年間で15.2%から36.7%へと増加し、年収200万円未満の人の割合が8割に達していると指摘。既婚率も、男性の非正規は正規の半分以下にとどまっていると述べました。
 東京都が、非正規雇用を正規化した事業主にたいし最大50万円の補助(社員一人当たり)などの支援策を行っていると紹介し、岩手県も踏み込んだ対策をすべきと提起しました。
 達増知事は、「地方創生に関わる問題であり、今後研究をしていく」と答えました。
 高田県議は、貧困に苦しむ高齢の津波被災者にとって、仮設住宅から災害公営住宅への引っ越しは経済的に大きな負担なので、支援強化を求めました。
 被災者の心のケアでは、新たなコミュニティの確立が重要で、災害公営住宅の集会室の維持管理は、入居者任せではなく自治体の責任ですべきだと強調。県側は、国交付金を活用して集会室の机やイスなどの配置を進めると答弁しました。また、集会室に常駐する生活支援相談員の配置も要求。県側は、「支援員を置き、被災者の見守りを継続していく」と答えました。


ツイートする

《2015年3月1日》
東日本大震災津波4年のつどいin陸前高田に230人

 3月1日、東日本大震災津波4年のつどいが陸前高田市の総合営農指導センター研修室で開かれました。東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議が主催し、予想を上回る230人が各地から参加しました。
 前日から被災地調査に入っていた日本共産党の小池晃副委員長・参院議員が来賓あいさつ。被災者の持ち家再建に向けた国の支援金の500万円への引き上げは急務であり、国会で実現を迫っていくと決意をのべました。
 講演した戸羽太市長は、資材高騰が公共施設の再建にも影響を及ぼし、介護保険改悪や消費税増税が被災者を不安にさせていると指摘。「国が対策を主導しないと、市の努力には限界がある。政治の目的は、被災者や困っている人のために手を差し伸べることにあるはずだ」と強調しました。市民の要望をつかんで復興を進め、社会的弱者に優しいオンリーワンのまちをつくると語りました。
 斉藤県議の進行で、市の復興に携わる4人が報告しました。
 「中心市街地の再生と持続のために、商工業者や市民から意見を集約」「被災者アンケートで8割が『自宅再建は地元の業者に』と回答」「市の先進的な持ち家再建支援策をさらに知らせたい」「社協の生活支援員が仮設団地での『お茶っこ飲み会』で被災者の悩みを聞いている」と発言しました。
 参加者からも、「コミュニティーの確立のために、災害公営住宅の各階に談話室を設置し、高齢者も行けるようにしてほしい」との提案がありました。


ツイートする

《2015年2月28日〜3月1日》
小池晃参議院議員らと大船渡市・陸前高田市を調査
被災事業者、首長、被災者の方々と懇談


 2月28日〜3月1日、日本共産党の小池晃副委員長・参議院議員ら、東日本大震災被災地調査団は、大船渡市・陸前高田市を訪問し、仮設商店街や被災者の方々、首長らから復興の現状や課題について聞きました。

 約30の仮設店舗が集まる「おおふなと夢商店街」では、同商店街協同組合の伊東修理事長ら商店主から現状や再建に向けた不安を聞き取りました。伊東理事長らは、人口減少や商店主の高齢化、家賃負担など、再建にむけた不安について語り、「各政党が来ましたが、今日は一番突っ込んで話を聞いてもらいました。厳しい状況を把握してもらって、再建に希望が持てるよう支えてほしいと思います」と要望しました。

 市内の平林仮設住宅の住民からは「もう限界だ」「隙間風が吹き込んで、寒くて眠れない」など次々に悩みが語られました。また、「公営住宅に入ったら具合の悪い人に気づけるか心配」など、災害公営住宅入居への不安も出されました。自宅再建を考えている男性は「土地や資材、人件費も高騰している。これからも上がっていくのではないか」と被災者生活再建支援金の増額を訴えました。小池氏は「被災地の復興は、今が正念場の時期になる。安倍政権が集中復興期間を来年度で打ち切ることは許されない。みなさんの声を国政に届けます」と住民を激励しました。

 大船渡市の戸田市長は、復興事業の進捗状況と、復興需要が減少した後の産業振興について説明。被災住民に対しては、災害公営住宅のコミュニティーづくりや、プレハブ仮設住宅の集約に向けた支援に取り組み始めているとしました。被災者生活再建支援金について、戸田市長は、「これから建てる人は、費用の高騰などで苦労すると思う。増額は助けになる」と話しました。

 陸前高田市の戸羽太市長は、政府の集中復興期間が来年までとなっていることについて、「期間内で復興できる状況ではない。国は現状を再度認識してほしい」と訴えました。住宅再建に向けた住民の不安のほか、非課税世帯の高齢者が、被災した土地を高台移転のため、一旦売却することで介護保険の負担が大幅に増えるなど、被災地に対する制度上の問題も指摘しました。
 両市長とも、集中復興期間の支援延長を求めるとともに、JR大船渡線の鉄路復旧について、JR東日本は方針を明らかにするように求めました。

 1日には、陸前高田市内で最初に建設された下和野災害公営住宅を視察。6階に整備された談話室には、机・椅子・カーテンなどの備品は整備されていない状況でした。

 その後、市内の細根沢仮設団地で住民と懇談。高台造成が遅れている一方で、住宅建設費の高騰が続いており、被災者生活支援金の引き上げへの切実な要求が出されました。