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《2016年10月31日》
「誰もが陥る下流老人」―藤田孝典氏が講演
岩手県消費者大会開かれる


 10月31日、岩手県消費者大会が盛岡市産ビル7階ホールで開催され、私も参加しました。参加者で会場があふれる状況でした。
 「誰もが陥る下流老人―若者から高齢者への貧困の連鎖を断ち切ろう!」のテーマで、藤田孝典氏(NPO法人ほっとプラス代表理事)が基調講演しました。藤田氏は、国民の相対的貧困率が16.1%とOECD加盟国34か国の中で6番目に高く、高齢者(65歳以上)では18%と5人に1人、単身高齢者男性は38.3%、単身高齢者時勢は52.3%に及ぶと述べ、高齢期は誰もが貧困に陥る可能性があると指摘しました。下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者」を指すが、現在700万人いると類推され、今後も増える傾向にあると指摘。最近の事件―川崎市簡易宿泊所火災事件(15年5月17日)、東海道新幹線火災事件(15年6月30日)、軽井沢スキーバス事故事件などの背景に、低年金、最低賃金が低いための過酷な労働、健康や心身に不安がありながら働かざるを得ない高齢者の貧困問題があると述べました。


下流老人の特徴―収入が少ない
十分な貯蓄がない、頼れる人がいない

 
 藤田氏は、下流老人の特徴として、@収入がない、A十分な貯蓄がない、B頼れる人がいないを指摘。低年金・無年金で収入が少なく、働きすぎる高齢者は世界で一番(就業率20.1%)多いと指摘。貯蓄なしが16.8%、4割以上の世帯が貯蓄額500万円未満の実態を示し、下流老人は「あらゆるセーフティネットを失った状態」と述べました。
 下流化を防ぐ課題として、@生活保護制度を正しく理解しておく、A社会保障・福祉制度のより良い活用、Bプライドを捨てる、C収入源を多元化しておく(就労収入)、D可能な限り貯蓄する、E地域社会へ積極的に参加する、F「受援力」を身につけておくことを指摘。幸せな下流老人の共通点として、お金がなくても、生活を楽しめる、お金がないことを補う知識や技術がある、家族や友人などの人間関係に恵まれている、様々な福祉制度を上手に活用できることを指摘し、「生活をダウンサイジングし、周りと助け合いながら暮らしていける人」と述べました。最後に、下流老人を生むのは社会であり、ソーシャルアクションを続けることで、「暮らしにくさ」は変えられると強調しました。
 全体集会では、復興支援・消費税反対・社会保障と雇用の充実、安保関連法は廃止を求めるアピールを採択しました。


《2016年10月27日》
台風10号の豪雨災害・東日本大震災からの復興も道半ばの中
県議会議員の公費を使った海外視察は許されない


 10月26日、27日の議会運営員会で、来年度の県議の海外視察について、来年度も県議の海外視察の予算を計上するという議長からの提案に基づいて議論がありました。
 私は、水害では戦後最大規模となる台風10号の豪雨災害があり、1440億円余の大きな被害が出ており、東日本大震災津波からの復興も仮設住宅暮らしの被災者がピーク時の約4割という状況の中で、県議が上限90万円の公費を使った海外視察は県民の理解が得られないと述べ、海外視察の中止を求めました。全国都道府県議会でも23都府県が実施しておらず、被災県の岩手県で実施することは二重に問題だと強調しました。
 改革岩手、自由民主クラブ、いわて県民クラブの3会派は、海外視察前提の予算化を主張、創成いわては、共産党の主張に同調しましたが、他の会派が予算化に賛成なら反対しないとあいまいな態度をとりました。
 今、全国で地方議員のあり方、政務活動費の在り方が問われているときに、県民の税金を使って上限90万円もの海外視察を行うことは、県民の理解が得られません。抗議と見直しの声を県議会と各会派に届けましょう。


《2016年10月26日》
矢巾町のいじめ対策の取り組みを調査
越教育長から話を聞く


 10月26日、高田一郎県議とともに矢巾町役場を訪問し、越教育長からいじめ対策の取り組みについて聞きました。
 矢巾町では、昨年7月5日のいじめ自殺事件から1年3か月余が経過し、いじめ対策の取り組みに真剣に取り組んできています。毎月、いじめ調査を実施しています。8月の報告では62件(小学校45件、中学校17件)が報告されているとのこと。いじめ問題への学校と先生の感度が高まって生きていると感じました。越教育長は、「いじめはなくならない。いじめの兆候を把握して、早めの対応が大事」と話されました。そのために、「生徒指導個別カード」を活用し、いじめの兆候を記入し、校長はもとより他の先生も見れるようにしています。このカードは小学校から中学校に継続されるようになっています。また、町教委に2人のいじめ相談員を配置し、電話相談を受けるとともに、毎日学校を訪問し、「生徒指導個別カード」を点検し、学校と先生との連携を図っています。昨年のいじめ自殺事件では、生徒からいじめの相談が何度も寄せられていたにもかかわらず、情報共有がされず、学校全体の対応とならなかったことから、情報の共有を特別に重視して取り組んでいます。それでもまだ、町内の学校の受け止め・取り組みに温度差があると話していました。
 矢巾町では、いじめ自殺事件に関する第三者委員会を設置し調査をしています。24回の会議を開催し、聞き取り調査は終わって報告書の作成にかかっていると報道されています。町では、第三者委員会の調査結果を踏まえて、「いじめ防止等に関する条例」の制定にも取り組むとしています。
 越教育長は、生徒や教師の精神的なケアを図るスクールカウンセラー、学校と家庭、医療機関等関係機関を結ぶスクールソーシャルワーカーの役割も必要と話されました。


《2016年10月24日》
陸前高田市の復興状況を調査
戸羽市長と懇談、まちづくりと被災者支援について説明受ける


 10月24日、県議団は、県政最大の課題である東日本大震災の復興状況について、陸前高田市を訪問し、戸羽市長と懇談するとともにまちづくりと被災者支援の課題について担当部局長から説明を受けました。
 午前9時半に市役所仮庁舎で、阿部勝建設部長、熊谷正文復興局長から陸前高田市の復興の取り組み状況と中心市街地のまちづくりの状況と課題について説明を受けました。8月末現在で応急仮設住宅に1020世帯2515人、みなし仮設住宅を含めると1154世帯、2840人が仮設暮らしとなっています。被災市街地土地区画整理事業は、高田地区(186.1ha、約537億円)で、今年度中におおむね全地区の仮換地を指定し、高台3東エリア(9月)と高台4の宅地引き渡しを予定しています。また、中心市街地においては、8月に市立図書館と併設する大型商業施設が着工し、来年のゴールデンウィークまでに開業を予定しています。「復興ニュース10月号」では、中心市街地のまちづくり・出店予定者マップを掲載しています。110〜120事業者が出店の計画でどの店がどこに出店するかも示されています。市民文化会館、一本松記念館、まちなか広場、公共駐車場など公共施設の整備と無電柱化の計画ですが、復興庁・財務省の査定が厳しく、取り組みが遅れているとのこと。予算がついているのに災害査定が見直されるなどのケースも出ているとのこと。
 今泉地区の土地区画整理事業(112.4ha、約645億円)は一番遅れていますが、高台の見学会には120人が参加。住宅再建への支援策が継続されるか不安の声が出たとのことでした。
 10時半からは菅野利尚民生部長から被災者支援の取り組み状況の説明を受けました。昨年5〜8月の住宅再建アンケートでは、約300世帯が未定・未回答ということでした。今年も8月末を期限にアンケートを実施したが、回答率が8割にとどまっているとのこと。住宅確保の見通しが立っていない被災者への具体的な支援が必要とのことでした。災害公営住宅のコミュニティ確立と被災者支援の取り組みでは、下和野災害公営住宅の1階に「交流プラザ」(社協に委託)を開設し、医師・看護師・相談員を配置し被災者の交流と相談スペースを確保して取り組んでいるとのこと。県営の中田災害公営住宅にも「交流プラザ」を開設する予定とのことでした。
 午後1時に戸羽太市長を訪問し懇談しました。戸羽市長は、復興庁の査定が厳しくなっているが、復興祈念公園や野外活動センターなど、なぜ必要なのか、市と県が戦略性をもって取り組むことが重要だと強調しました。また、防潮堤の一部で地権者が同意していないなど、今でも土地・地権者問題があり、今後の大災害を考えれば何らかの法整備が必要だと述べました。BRTの問題でも、JRは一関までの運行を提案してきたが、冬場は笹ノ田地区は通れないと言っており、安全のためにもトンネル化が必要と話しました。二又地区へのバス停の設置も要望しているとのこと。田舎の交通モデルを実現する構えで取り組みたいと強調しました。
 その後、県営の栃ヶ沢災害公営住宅(2棟301戸)について、大船渡土木センターの藤村聡管理課長、箱石貴文建築指導課長から説明を受け、案内してもらいました。県内最大規模の災害公営住宅で、コミュニティの確立が重要な課題となっています。すでに約200世帯が入居していますが、高齢者世帯、一人暮らしも多く、見守りも必要です。駐車場は1世帯2台も可能な整備がされていました。一部をグループホームとして活用する方向も出ていますが、具体化はこれからということです。
 下和野災害公営住宅の1階に設置されている「交流プラザ」を訪問してきました。常連の高齢者とコーディネーターの阿部さんがいて、くるみ割りをしながら談笑していました。公営住宅では、隣り同士の交流はないが、交流プラザにはいつでも顔を出せるので閉じこもりにならずにとても良いとのこと。「人の交流は仮設のほうがあった」「買い物が不便で、1回200円のコミュニティバスを利用している」「若者が戻ってこれる働く場所の確保が必要」などの声が寄せられました。元県立高田病院院長の石木先生が呼び掛けて畑での野菜作りなどにも取り組んでいるとのこと。いつでも人がいて、いつでも立ち寄れる「交流プラザ」が必要と感じました。
 高台の県立高田病院の建設状況も見てきました。


《2016年10月23日》
小池晃書記局長・岩渕友参院議員と台風10号災害調査
岩泉町長・宮古市長が大震災並みの対策を求める


 10月23日、小池晃書記局長、岩渕友参院議員が台風10号災害調査に岩泉町と宮古市を訪問しました。3人の県議団と菅原則勝県委員長も同行しました。
 9時に盛岡駅で小池書記局長らを出迎え岩泉町に向かいました。11時に岩泉町役場を訪問し、日本共産党に寄せられた義援金を伊達勝身町長に届け、被害状況と取り組み、国への要望を聞きました。伊達町長は、台風10号の被害はかつてない規模で、10月17日現在、人的被害は死者19人(町内18人)、行方不明2人。住家被害は全壊435棟、大規模半壊234棟、半壊230棟、半壊に至らない39棟で合計938棟に及び、東日本大震災の208棟の5倍近い被害となっている。被害総額は445億3220万円に及び、大震災の48億円の10倍近い規模と説明されました。また、避難者は183人となっており、被災した自宅の2階等で生活している在宅被災者も多いとのこと。
 課題では、最大の問題は財源問題だと述べ、町内全域の道路(農道含め640q)が被災している中で、190ある生活橋の半分が流出しているが国の補助対象となっていないこと。簡易水道は全域で被災し、10月8日に仮復旧したが本格復旧の見通しが立たないこと。光ケーブル、ブロードバンド、携帯電話等の情報通信の復旧の支援策がないこと。災害箇所が多く、土木技術者が少ないことを述べ、国・県の抜本的な支援を求めました。
 仮設住宅は小本地区の応急仮設住宅の改修で40戸、さらに260戸の応急仮設住宅の整備を11月中に行う予定です。家電6点セットの配備については県社協などの協力でできそうだとのこと。災害公営住宅も全壊・大規模半壊の半分程度は必要となるのではないかと述べました。宮古市や久慈市が行う住宅再建への独自支援策も必要との考えを述べました。来月早々に補正予算化を検討するとのことです。
 その後、町内の被災状況を見て、9人の犠牲者を出したグループホーム「楽ん楽ん」と隣接する老人保健施設の被災状況を、説明を聞きながら見てきました。グループホームは解体し追悼の記念碑を立てるとともに、1階が被災した老人保健施設は改修して再建する方針とのこと。国の補助率が特養ホームと比べて低くかさ上げの要望も聞いてきました。

住宅再建に200万円の補助など大震災と同様の支援策
国も大震災並みの支援を―宮古市長が要望

 
 午後2時半に宮古市役所を訪問し、山本正則市長や副市長、各部長らから被災の状況と課題、国への要望を聞きました。山本市長は、住家被害は全壊45棟、大規模半壊218棟、半壊(床上浸水)1347棟、床下浸水638棟、一部損壊9棟で合計2257棟となっている。市は住宅再建に200万円の独自支援と床上浸水にも20万円の支援を決めています。商工関係の被害は127億円に及び、大震災に続いて被災した事業者も少なくないとのこと。グループ補助を受けている256事業者のうち138事業者、53.9%が被災。県の被災資産復旧費補助等など何らかの支援を受けている417事業者のうち212事業者、50.8%が再び被災したとのこと。こうした事業者が再建できないと復興も地域経済も重大な打撃を受ける。東日本大震災の復興の途上での今回の台風災害は単なる台風災害ではなく、大震災並みの対先が必要と強く要望されました。また、県の被災した商工業者への新たな支援策に応じて市としても補正予算を組むと述べるとともに、国の特別交付税や復興基金など財源対策が必要と要望されました。
 
大井県漁連会長と懇談
サケマスふ化場の再建の支援を要望

 
 3時半には宮古漁協を訪問し、大井誠治県漁連会長と懇談しました。
 大井会長は、大震災から復旧したばかりの下安家漁協のサケマスふ化場が全壊並みの被災し、宮古漁協の松山ふ化場も被災した。水産庁への要望を行い国の支援策も明らかになったが、漁協の負担は4分の1負担となったものの、大震災で175億円の負担を抱えており更なる軽減を求めたいと話されました。
 また、サケ、サンマ、イカなども不漁で、再建した加工施設や冷凍庫なども活用できない状況だと厳しい水産状況を述べました。
 
 小池書記局長は、今回の調査で出された要望を踏まえて、国に対し第二次の申し入れを検討する意向を示しました。



《2016年10月19日》
「戦争させない・9条壊すな!岩手の会」が夕方デモ

 10月19日、「戦争させない・9条壊すな!岩手の会」は、盛岡市で戦争法廃止や改憲阻止を求めるデモ行進に取り組み、80人が参加しました。
 出発前に、いわて労連の金野耕治議長は、南スーダンでは内戦で多数の死傷者が出ていると強調。PKO参加5原則は崩れており、11月から派遣される自衛隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与するのは許せないと訴えました。
 参加者らは「自衛隊の命を守れ」「南スーダン派兵反対」などと唱和しながら、繁華街を行進。通行人の注目を集めました。
 参加した63歳の男性=大学教員=は「南スーダンは戦争状態なのに、(それを認めない)安倍首相の国会答弁は変だ。戦争法は撤回させたい」と話していました。


《2016年10月17日》
台風10号災害対策に702億円の補正予算
商工業関係に上限2000万円の補助(1/2補助)


 10月17日開かれた9月定例県議会(10月27〜11月25日)への議案説明会で、県は台風10号災害対策として702億円余の補正予算を計上することを明らかにしました。総額では1122億円余の大規模な補正予算です。
 台風10号による被害額は1456億円余となっていますが、商工業関係の被害額は242億円余となっています。今回の補正予算では、商工業関係の事業者に上限2000万円の補助を実施する地域なりわい再生緊急対策交付金(約11億円)を計上しました。これは県と宮古・久慈・岩泉の3市町がそれぞれ1/2負担し、復旧事業費の1/2を補助するものです。卸・小売は上限200万円です。具体的には市町の事業で柔軟に対応が可能としています。東日本大震災の県事業である被災資産復旧費補助と同額となる支援策となります。
 農林水産業関係では、サケ・マスふ化場の再建に25億円余の補正も計上されました。岩泉乳業の再建には14億5千万円(復旧費用29億円)計上されました。
 842億円余の被害額となっている土木関係では、河川等災害復旧事業425億円余、土石流対策には77億円余、県管理河川の河道掘削等河川改修に19億円余、道路の維持修繕費に13億円余が計上されました。
 10月14日現在の人的被害は、死者20人、行方不明者3人、住家被害は、全壊423棟、半壊2193棟、一部損壊464棟、床上浸水130棟、床下浸水968棟となっています。
 党県議団は、9月20日に達増拓也知事にたいし、台風10号による豪雨災害対策についての第二次申し入れを行い、大震災並みの支援策を行うことを要望していました。


《2016年10月15日》
「どうなる 平和とくらし」
大門実紀史参院議員が講演


 10月15日、消費税廃止岩手県各界連絡会主催の学習会で、日本共産党の大門実紀史参院議員が、「どうなる 平和とくらし」のテーマで講演しました。会場があふれる130人が参加しました。
 大門議員は、参院選で野党共闘が32の1人区すべてで実現し、11の1人区で勝利したことは歴史的な第一歩だったと指摘し、その後も衆院補選や新潟知事選へ継続発展していると述べ、「たたかいを通じて変化が生まれている。決めるのは国民の声と運動だ」と強調しました。今後も野党分断の攻撃は続くが、自民党と公明党こそ野合そのものと指摘しました。
 また、自民党総裁任期延長論の背景に安倍政権で憲法改正を進めようとする野望があり、解散総選挙の動きともなってると述べました。北朝鮮・中国の脅威論について詳しく解明しました。
 暮らしと社会保障の問題では、アベノミクス不況の実態を指摘し、大企業のための公共事業のばらまきを批判、不況の根本に賃金の引き下げ、社会保障の改悪があると述べました。消費税に頼らず、無駄を削る、応能負担の税制、タックスヘイブンなど税金逃れを許さない取り組みが必要と分かりやすく講演しました。


《2016年10月15日》
岩手大学地域防災研究センターが台風10号災害緊急調査報告会開く

 岩手大学の大学祭開会中の10月15日、岩手大学地域防災研究センターが学内で「台風10号災害緊急調査報告会」を開きました。私も参加してきました。
 冒頭、岩渕明学長があいさつし、大学の地域貢献の課題として地域防災研究センターとして台風10号の災害調査を行い、300人弱のボランティアを派遣してきた。大学祭の中で報告会を広くことにしたと述べました。
 南正明センター長・理工学部教授は、「地域防災研究センターの取り組み」を紹介。小笠原敏記理工学部准教授は、「台風10号による岩手県の被害概要及び小本川の水害調査報告」を行いました。久慈川は八戸線の鉄橋の橋脚とに流木がかかり越水した。久慈川の数位は堤防の5.5mを超える5.66mを記録。上の橋右岸では最大2.35mの浸水となった。岩泉町の小本川流域では、門地区で小本川と三田貝川の合流地点で橋の流木がかかり越水した。乙茂地区では小本川流域で強い流速の越水となった。4時間で200mmの集中豪雨、台風10号以前の豪雨、橋脚への流木、蛇行河川が被害を大きくした要因となったと述べました。今後の課題として、河川の危険度をどう評価するのか。人口密度、重要施設、高齢・福祉施設、工場やサケふ化場などがあるかどうかを含めて検討する必要があると提起しました。松林由里子理工学部助教授は、「台風10号による久慈川推計を中心とした流木被害」について報告しました。
 大河原正文理工学部准教授は、「台風10号による土石流の調査」について報告。土石流666ヶ所、崩壊726ヶ所、合計1392ヶ所で発生したと報告。土石流の流下距離は200〜300m、小石の多い土砂流で渓床内に堆積した土砂流出が多いと述べました。井良沢道也農学部教授は、「台風10号による岩泉町及び宮古市における土砂災害の実態調査」について報告。国土交通省の調査では、人家被害に係る土石流は、146件、がけ崩れは9件の計157ヶ所となっている。8月30日の日量198mmの雨量は30年に1度の確率、時間雨量62.5mmは200年に1回の確立で、4時間で160mmの集中豪雨が特徴だったと報告しました。今回の土石流で本川の河床が上昇しており、河川の治水安全度をどう評価するかが問題と提起しました。
 広田純一農学部教授は、「台風10号による岩泉町の被災状況と今後の課題」について報告しました。今後の課題として、被災者のニーズが把握されていないこと。避難者のケア、半壊・床上浸水世帯への対応、被災事業所への支援、孤立集落の再建、地域の総合的復興の課題を提起しました。


《2016年10月10日》
国連作業部会が国連総会に勧告―核兵器全面禁止求める新たな動き広がる
第3回県原水協理事会で佐竹日本原水協事務局次長が講演


 10月10日、岩手県原水協2016年度第3回理事会が開かれ、私も代表理事の一人として参加しあいさつしました。午前中は、日本原水協事務局次長の佐竹康行氏が、「ヒバクシャ国際署名の力で核兵器のない世界の扉を開こう」のテーマで講演しました。
 佐竹氏は、被爆者の訴えが国際政治を動かしていると述べ、核兵器の問題は国家の安全保障問題ではなく、人類の生存に係る死活問題」とする共同声明の賛同が2012年の16か国から2015年には159か国(国連加盟国の8割)に広がったことを紹介しました。また、国連総会の決議に基づいて、「核兵器のない世界のための具体的効果的な法的措置を討議する国連作業部会がジュネーブで開かれ、8月5日には、核兵器禁止へ、作業部会が国連総会に勧告がなされました。これには、日本政府は棄権しました。10月3日からは国連第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)核兵器全面禁止条約の締結を求める討論が行われ、非同盟諸国会議を代表してインドネシアの代表が、東南アジア諸国連合を代表してミャンマーの代表、アフリカ諸国を代表してナイジェリアの代表が、核兵器禁止条約の締結に向けて早期に交渉を開始するよう求め、それぞれ核保有国(P5)の「ステップ・バイ・ステップ(一歩一歩)」論を厳しく批判しました。
 今後の運動としては、「ヒバクシャ国際署名」を国内外で広げることを強調。10月6日には、日本被団協の代表が56万4240人の署名と400人余りの知事、市町村長、地方議会議長の署名を国連第1委員会のサプリ議長に提出したことを紹介しました。


《2016年10月4日》
アメリカの海外出撃拠点―米軍三沢基地の実態について報告
2016日本平和大会in三沢成功へ―第13回平和のつどい開かれる


 10月4日、2016日本平和大会in三沢成功へ、第13回平和のつどいが県公会堂の会議室で開かれ、私も参加してきました。
 吉田栄一県平和委員会常任理事が、日本平和大会に向けて作成されているパンフレット「米軍三沢基地ウォッチングガイドブック」を紹介し、米軍三沢基地の実態を報告しました。
 米軍三沢基地は、三沢飛行場、三沢対地射爆場、八戸貯油施設、パイプラインなど総面積2380haの広大な施設群です。敗戦後、日本海軍の航空基地とされていた場所を米軍が接収し、45年9月に米陸軍の航空隊が火工場拡張整備を実施、その後、朝鮮戦争で前線支援基地とされました。65年には巨大アンテナ施設「像の折り」が完成、75年に対潜哨戒機P-3C配備、85年に戦闘爆撃機F16配備、92年に宇宙軍団の配備、07年にJTAGS運用部隊編成など、一貫して基地の強化が進められてきました。
 現在配備されている部隊は、米空軍第35戦闘航空団、米海軍三沢航空基地隊、米海軍第7艦隊哨戒偵察航空軍司令部、米陸軍統合戦術地上ステーション(JTAGS)、姉沼16信所です。配備機種は、F16戦闘機40機、P-3C対潜哨戒機約10機、P8対潜哨戒機1機、EA18G新型電子戦機5機などです。配置人員は、軍人3730人、軍属261人、家族4556人、合計8557人。駐留軍従業員数は1305人、航空自衛隊員数は隊員3200人、家族4300人、合計7500人です。
 米軍三沢基地は、日本防衛どころか、アメリカの海外出撃拠点、世界規模で軍事戦略を支える海外出撃拠点として、朝鮮戦争をはじめ、ベトナム戦争、イラク戦争とアメリカの世界侵略の出撃基地として使われています。
 また、青森県には、ミサイル防衛の主要施設が集中しています。つがる市にXバンドレーダーという「最前線の目」が、三沢基地にはJTAGSという「最前線の頭脳」が、下北半島のむつ市には「日本製・最新の目」が配備されています。
 つどいでは、ピースエッグ(大阪)に参加してきた青年から報告がありました。


《2016年10月3日》
自衛隊の南スーダン派兵は撤退を、戦争法は廃止を
県革新懇・盛岡革新懇が宣伝・署名活動


 10月3日、「安倍政治を許さない」の全国統一行動に呼応して、盛岡市の野村證券前で宣伝・署名行動が取り組まれ、私も参加してきました。県革新懇、盛岡革新懇に参加する方々がハンドマイクでリレートーク、南スーダンへの自衛隊派兵は撤退を・戦争法は廃止を求める署名を訴えました。
 岩手労連の金野議長、医労連の中野委員長、新婦人の渋谷会長、革新懇の国分事務局長らとともに、私もマイクを握り、戦争法が全面的運用の段階に入り、内戦状態の南スーダンに11月派兵される予定の陸上自衛隊第9師団第普通科連隊(青森駐屯地)に、初めて駆け付け警護と宿営地共同防衛の訓練が指示され、実際に行われていること。これは、殺し殺される戦争に巻き込まれる戦争に、戦後初めて自衛隊が参加することになる。第五普通科連隊には、岩手県出身者が57人含まれており、岩手県出身の青年の命が脅かされている。東日本大震災や台風10号の災害のときには、自衛隊が献身的に人命救助や救援復興に取り組んでおり、こうした自衛隊員を多義のない戦争で殺し殺される戦争に送ってはならない。憲法違反の戦争法は廃止しましょう―と訴えました。中学生や高校生、年配の女性などが快く署名に応じてくれました。


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《2016年10月1日》
第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」
総合開会式開かれる


 10月1日、第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」の総合開会式が、北上総合運動公園陸上競技場で行われました。私も大会役員(参与)として参加しました。朝9時に盛岡駅西口から大会実行委員会のバスに乗り北上の総合運動公園に向かいました。10時過ぎに会場に到着。受付と空港並みのチェックを受け陸上競技場に入りました。雲ひとつない快晴の中、11時からオープニングイベントが行われました。マーチング&チアリーディングのコラボレーションパフォーマンス、わんこダンス、江刺の獅子踊りなどの郷土芸能が披露されました。
 午後1時から、天皇皇后両陛下を迎えての式典前演技では、俳優の村上弘明さんが進行役を務め、第4章からなる「希望の郷から、ありがとう」の演技が行われました。「雨ニモマケズ」の宮沢賢治の詩を子どもたちがうたいました。沿岸部の虎舞、北上の鬼剣舞、大漁旗がなびき、ダンスと新体操チームのダイナミックなパフォーマンス。最後は700人のさんさ踊りの大群舞でした。
 午後1時50分、いよいよ総合開会式の開式です。沖縄県を先頭に選手団の入場、最後は岩手県選手団です。大きな拍手が巻き起こりました。東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげ、達増拓也県知事が開会宣言。張富士夫大会会長、文部科学大臣があいさつ。炬火入場と点火が行われ、岩手の高橋英輝選手(競歩オリンピック代表)と小沢みさき選手(ホッケー女子代表)が選手宣誓をしました。
 選手が退場した後は、エンディングイベントとして、千昌夫さんと新沼謙治さんの郷土出身歌手によるミニコンサートが行われました。歌とともに軽妙な話が会場を和ませました。
 46年ぶりの国体、そして総合開会式は快晴にも恵まれて感動的なものでした。準備された皆さんに心から敬意と感謝を申し上げます。
 さて、1日行われた競技から優勝者が出ました。ウエイトリフティングの56キロ級で艾幸大選手、62キロ級の内村湧嬉選手(岩泉町出身)が優勝を果たしました。幸先の良いスタートです。岩手県選手の活躍を期待します。