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《2017年2月28日》
2月定例県議会本会議で高田一郎県議が一般質問に立つ

 2月28日、2月定例県議会本会議で、日本共産党を代表して高田一郎県議が一般質問にたち、大震災津波や台風10号災害からの復興などをとりあげました。
 国の被災者生活再建支援金は2018年4月10日までが申請期限です。高田県議は「529区画のうち30%は自立再建を希望するが、時期は未定だ」(釜石市の鵜住居地区街づくり協議会)との声が寄せられており、「被災者が申請期限内に自宅を再建するのは困難だ。支援制度の延長を働きかけるべきだ」と求めました。
 県側は「支援金の申請期限は繰り返し再延長できる。被災者の要望には対応したい」と答弁しました。
 また高田県議は、県立千厩病院(一関市千厩町)の医師が15年間で16人から7人に激減し、常勤医一人あたりの患者数と残業数は県内の20県立病院でもトップになっていると指摘。「少ない体制で地域医療に貢献している。医師を増員すべきだ」と迫りました。
 県側は「4月から医師を1人増やし、8人体制になる」と答えました。
 さらに高田県議は、県内で「朝食はしょうゆご飯、給食が唯一の栄養源」の小学生がいるなど子どもの貧困は深刻だと告発。独自に実態調査を行い、支援体制を強化してほしいと主張しました。
 県側は「提案も含めて今後検討したい」と述べました。

 高田県議の一般質問の大要は「議会報告」をご覧ください。


《2017年2月28日》
ヒバクシャ国際署名岩手の会が達増知事に賛同を求める要請
知事―「重要」とサイン


 2月28日、国連で核兵器禁止条約締結の交渉会議(3月27〜31日)が始まるのを前に、「ヒバクシャ国際署名岩手の会」は、達増拓也知事に対し、ヒバクシャ国際署名への賛同を求める要請をしました。被爆者で県被団協の伊藤宣夫会長(88)、三田健二郎副会長(79)らが参加しました。
 県被団協の伊藤会長は「17歳の時に広島で被爆した。核兵器廃絶と世界の平和、命の尊さを訴えている。知事にも署名をお願いします」と語りました。
 達増知事は、岩手の会の活動が核兵器のない世界への後押しになっていると強調。「岩手から核兵器廃絶の声を示すのは重要だと思う。私も署名します」と答え、その場でサインしました。署名した用紙を参加者らに見せると、大きな拍手が起きました。
 日本共産党を代表して私が、県議会の各会派からも、改革岩手(民進党・自由党)、自民党、社民党、いわて県民クラブ、創成いわての各代表らが同席しました。
 岩手の会は県議会各会派控室も訪れ、署名の要請を行いました。
 岩手の会(66団体賛同)は2020年までに国際署名を県内50万人から集め、国連に提出する取り組みを進めています。


《2017年2月25日》
「さようなら原発岩手県集会2017」に400人が参加
「原発事故のその後―福島の今」馬奈木弁護士が講演


 2月25日、「さようなら原発岩手県集会2017」が盛岡市の産ビル7階大ホールで開かれ県内各地から会場いっぱいの400人が参加しました。45団体が参加する実行委員会の主催です。
 「原発事故のその後―福島の今」のテーマで、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団事務局長の馬奈木厳太郎氏が基調講演しました。馬奈木氏は、国・東電が行ってきたことは、「同心円で線を引き、避難の線引き、被害者の線引きを行ってきた」「多様な被害が発生しているにもかかわらず、被害をお金の問題・賠償に矮小化してきた」と指摘。特に20ミリシーベルトを基準に避難解除、賠償打ち切りを進めていると述べました。放射線管理の基準が5.2ミリシーベルトであり、異常だ。加害者・原因者である国と東電が被害者の線引きや賠償の打ち切りを上から行っていることが問題だと強調しました。生業訴訟には4200人の原告と100人近い弁護士が参加しているが、裁判で問われていることは、「もとに戻せ―原発も放射能もない地域」「最後の1人までの全体救済」「脱原発」の三つの課題だと述べました。裁判は、3月に結審、9月ごろに判決が出る予定で、公正な判決を求める100万人署名への協力を呼びかけました。
 その後、現場からの報告で、三陸の海を放射能から守る会が、滝沢市一本木のRMCに危険なアルファー各種廃棄物の搬入に反対する取り組みが報告されました。原発からの早期撤退を求める岩手県学識者の会が、「核のごみ最終処分―もうこれ以上増やさない!が議論の前提」という生命の中身を紹介しました。
 その後、アピール行進で「原発ゼロ」「再稼働反対」の声を上げました。


《2017年2月20〜21日》
県議団で被災地の復興状況を調査
岩泉町、宮古市、山田町、大槌町、釜石市を訪問


 2月20〜21日、日本共産党県議団(斉藤信、高田一郎、千田美津子)で岩泉町、宮古市田老、山田町、大槌町、釜石市を訪問し、被災地の復興状況調査を行いました。

岩泉町で中居副町長らと懇談

 20日は、台風10号による豪雨で東日本大震災の10倍以上の被害を受けた岩泉町で、中居健一副町長らと懇談しました。中居副町長は、約12万トンにおよぶ災害廃棄物処理について、大震災の時は国が一括して行ってくれたが、今回の台風災害では町の負担も生じ、省庁ごとに分別が必要となっていると指摘。土地の造成費についても、大震災のときは復興交付金を使えたが、今回の台風災害ではそうした交付金がない現状を話されました。町管理の公共土木施設の災害復旧では、河川155ヶ所、町道255ヶ所、林道755ヶ所などを3年で復旧させなければならず、町のマンパワーではとても対応できない、土木技師などの確保が切実だと訴えました。
 住宅再建では、在宅被災者が相当数おり、町独自に住宅の改修へ100万円の補助を行っていると紹介。3月末までとなっている台風10号被災者の医療費免除の延長については、「延長できるように前向きに検討したい」と話しました。
 被災したヨーグルト工場は25日に起工式を行い8月には復旧、生産量日本一の畑わさび加工処理施設についても夏までには復旧させたいと述べました。
 その後、仮オープン中の道の駅いわいずみも訪問しました。

田老町漁協で小林組合長と懇談

 田老町漁協では、小林昭榮組合長と懇談。小林組合長は、26年27年とワカメが安値だったこと、採介藻についても大震災以降は震災前の半分程度の生産量・額で推移していると紹介。サケについては、全県的には不漁だったが田老漁協では昨年より多い漁獲量となったと話しました。
 組合員数は700人から540人ほどになり、就業者の確保は切実だと強調し、1人でも後継者がきてくれるような取り組みをしていきたいと述べました。
 また、アワビなどの特産品を使った商品の開発への支援がほしいと話し、田老中心部につくられる道の駅についても、多くの人が来てくれるような施設にしてほしいと話しました。

山田町役場で復興の取り組みについて調査

 山田町役場で、沼崎復興推進課長、佐々木建築住宅課長、浦場地域整備課長らから復興の取り組みについて聞きました。
 山田町では、中心部など30年度の完成を目標に土地区画整理事業による産業地整備を進めており、織笠川周辺など残された集落跡地については、産業地としてだけではなく、地域住民の各種活動の場など活用方法を検討しているとのこと。住宅再建の意向が未定の被災者が74世帯などとなっており、早期の再建へ誘導を図っていきたいと話し、低廉な住宅を提供する山田型復興住宅の取り組みなども紹介しました。孤立化・孤独化の問題では、特に男性の一人暮らしの引きこもりが多いこと、災害公営住宅でも仮設と同様の見守りを行っており、町内最大の災害公営住宅の山田中央団地では、近々初めての顔合わせも行われるとのことでした。さらに、漁業再生へ向けた取り組みとして、25年度から漁具等倉庫整備支援として町独自の補助を行っていることなども紹介しました。防潮堤の早期整備・完成についても要望されました。
 その後、仮設店舗で営業している事業者の方々と懇談しました。

平野大槌町長、被災者の皆さんと懇談
再建された県立大槌病院を訪問


 21日、大槌町では、平野公三町長と懇談。平野町長は、U・Iターン者が町内の仮設住宅に150戸ほど入居しているが仮設住宅が集約された場合の住居の確保、製造業・サービス業での労働力不足の課題などについて話されました。また、まちづくり=人づくりだと強調し、中心部の区画整理区域に住宅再建する場合、被災者以外にも100万円の補助をしている取り組みも紹介しました。税収はこの間11億円から9億円に減少し、2億円減少することはその10倍の事業ができなくなってしまうと述べました。その後、小山雄士副町長とも懇談しました。
 大槌町の被災者との懇談では、「土地代が高くて家を建てられない。6年も経てば再建をあきらめてしまう年齢になる」「医療費の免除は本当に助かっている」「台風10号で被災し復旧した水路が狭くて不安」などの声が出されました。
 昨年5月に再建された県立大槌病院を訪問。院内を案内していただき、坂下院長らと懇談しました。


野田釜石市長らと懇談

 釜石市では野田武則市長らと懇談しました。野田市長は、鵜住居小学校・釜石東中学校、唐丹小学校・中学校がまもなく完成し4月に開校すること、箱崎野川前・前田地区に戸建ての災害公営住宅が完成したことなどを紹介。住宅再建の意向が未定の世帯は29世帯で早期に対応したいと話しました。また、新婚世帯やU・Iターン者の定住を促進し、岩手大学水産系学科・大学院の設立に向けた住宅確保を支援するため、定住促進住宅を市として整備している取り組みを紹介。沿岸部の人口減・少子化に県をあげて取り組んでほしいと話されました。
 ラグビーワールドカップの鵜住居スタジアム建設予定地、根浜海岸なども視察しました。
 その後、鵜住居まちづくり協議会の方々と懇談しました。 


《2017年2月16日》
35人学級を中学校3年生に拡充へ
2月定例県議会開会―本会議で教育長が表明


 2月16日、2月定例県議会(〜3月22日)が開会しました。
 本会議の教育長演述で高橋嘉行教育長は、中学校1・2年生に導入している35人学級について、「思春期を迎え不安定な年代における学習指導や生徒指導の充実を図るため、教員定数の確保に努めながら、新年度から新たに35人学級を中学校3年生にも拡充し、中学校全学年に少人数学級を導入する」と表明しました。


《2017年2月13日》
県議団が一関市の介護施設、ジョブカフェ一関、県立千厩病院を訪問・調査

 2月13日、2月県議会に向けて、県議団として一関市内の介護施設、ジョブカフェ一関、県立千厩病院を訪問・調査しました。
 朝8時に定例の県庁前での早朝宣伝を行って、新幹線で一ノ関に向かいました。県議団と一関市議団が合流し、午前10時に社会福祉法人白寿会・特養ホーム福光園を訪問。二階堂剛常務理事、大内文章事務局長から介護施設の現状と課題について話を聞きました。白寿会は特養ホームやケアハウス、ショートステイ、デイサービス、グループホームなど12の事業所を運営しています。介護報酬の引き下げで厳しい経営となっていること。D年ぐらい前から求人を出しても介護職員や看護師を確保できなくなっていることを指摘。「特養ホームは内部留保がある」などと報道されているが、全国的にも36%が赤字となっている。国の3対1の配置基準では対応できず2対1の配置にしている。それだけに厳しいと述べられました。それでも法人では、新卒4人の確保、職員のつながりを活用した中途採用でしのいでいるとのことでした。一関市では早期入所が必要な特養待機者は160人余となっており、特養ホームの整備が求められていますが、資金の確保、人の確保がネックとなっていると指摘。来年度から本格実施となる新しい総合事業については、現行相当の不問介護・通所介護については対応できるが、単価の低い多様な介護サービスについては難しい。単価の引き上げが必要と述べました。

小・中・公のキャリア教育支援の取り組み
県内企業の人材確保では長時間労働などの改善が必要


 午後には、ジョブカフェ一関を訪問し、金野薫センター長からジョブカフェの取り組みについて説明を受けました。体制は県派遣の就職支援員(4人)と市の派遣(6人)併せて11人の体制で、就職支援・相談、情報・資料の提供、学校等のキャリア教育支援、就労関連セミナーの開催・支援などです。とくに小学生、中学生、高校生向けのキャリア教育支援の取り組みは体系的で、離職防止の力になっていると話されました。一関・平泉町・登米市・栗原市の中東北の専門技術者人材確保支援事業(U・Iターンのマッチング事業)にも取り組んでいます。金野センター長は、製造業の就業者が減少するなど産業構造が大きく変化しており、それへの対応が求められていること。県内企業での人材確保では、長時間労働の改善を図るなど働きやすい職場にすることが必要と指摘しました。金野センター長は年間200回の講演をこなしているとも。驚きました。

医師不足は深刻、救急車は年間1000台
回復期リハ病棟・地域包括ケア病棟の取り組み


 県立千厩病院を訪問し、下沖収院長から、千厩病院の現状と取り組みについて説明を受けました。下沖院長は、千厩病院の現状について、旧東磐井地域の地域病院として、病床数148床(一般86床、回復期リハ35床、地域包括ケア病床27床)+感染症4床、外来患者は250人/日、救急車約1000台/年、血液透析20床、約70人、協力型臨床研修病院となっていると説明。常勤医師は2000年の18人から6人に減少、医師不足No.1病院だと強調、一方で透析患者数は年間1万人を超え、県立病院でもトップクラス、医師一人当たりの入院収益は1位となっていると述べました。
 医師不足の打開について、極端な医師の偏在化の是正を指摘。県立病院としても基幹病院の医師が地域病院で1年間は勤務して科長、副院長・院長となるなどの取り組みについても提言しました。回復期リハ病棟は35床で満杯状態、地域包括ケア病棟(27床)は地域救急の受け皿、急性期治療後の患者の受け皿、在宅復帰支援を担うもので、今後さらに充実が求められている「最大の病棟」と強調しました。最長入院日数が60日、診療報酬でも相応にみられているとのこと。リハビリスタッフの増員が急務と述べました。
 
 今後、20〜21日には、岩泉町、山田町、大槌町、釜石市の調査を予定しています。


《2017年2月12日》
県党会議に知事と3野党が初出席
熱い連帯のあいさつに大きな拍手


 2月12日、日本共産党岩手県委員会は、第27回党大会・第1回県党会議を開催しました。来賓として初めて達増拓也知事、民進党県連の畑浩治参与・第2区総支部長、自由党県連幹事長の佐々木順一県議、社民党県連合代表の小西和子県議が出席し、連帯のあいさつ。大きな拍手が起き、会場は熱気に包まれました。
 達増知事は「共産党には、大震災津波や台風10号災害からの復興に多大な尽力をいただいている」と感謝。2年前の知事選では当時の5野党党首の応援を受けて無投票当選を勝ち取れたと語り、岩手を守り、岩手の力で日本を変えるために「共産党のみなさんも力を発揮してほしい」と期待を込めました。
 畑氏は、共産党第27回大会で安住淳民進党代表代行があいさつをしたように、「野党には違いもあるが、政策で一致して総選挙をたたかえば、国民の願いに応える政治に変えられる」と力説しました。
 佐々木氏は、共産党の主導的な役割で木戸口英司参院議員(自由党=野党統一)を国会へ送り出せたと強調。「前衛」3月号でも小沢一郎代表がのべているが、「今後も4野党で綿密に連携し、共通政策をつくっていく」と話しました。
 小西氏は「参院選で共産党の勢いはすごかった。各地で勉強させられた」と振り返りました。
 あいさつ後、達増知事、3野党の代表は、共産党の菅原則勝県委員長、ふなやま由美衆院東北ブロック比例予定候補と壇上で手をつなぎ、参加者らとともに「団結がんばろう」と力強く唱和しました。
 その後、菅原委員長が、「岩手県党の総合計画(案)」を提案。▽安倍政権打倒のたたかいや、大震災津波・台風10号被害からの復興▽野党連合政権をめざした総選挙、東京都議選、岩泉町議選、一関市議選、一戸町議選の中間選挙の勝利に向けた取り組み▽強大な党建設―を説明し、採択されました。
 ふなやま由美衆院比例候補は「達増拓也知事と3野党代表のあいさつに感動し、野党共闘の源流は岩手だと確信した。総選挙でも野党共闘を実らせ、高橋千鶴子衆院議員とともに東北初の2議席獲得へ奮闘する」と決意をのべました。
 討論では、地域での野党共闘の発展、第27回党大会参加者の報告と実践、「世代的継承」の課題―などの発言がありました。


《2017年2月10日》
2月定例県議会へ向け県政への要望を聞く会をひらく

 2月10日、16日から開会される2月定例県議会へ向け、県議団は県政への要望を聞く会を開催し、各界から10名の方々に参加いただきました。
 はじめに、12月県議会において、台風10号災害被災者への医療費免除や被災地福祉灯油の6年連続実施などの成果を報告し、県政データファイルを示しながら6年を迎える東日本大震災津波の復興の現状と課題について説明しました。また来年度県予算案(9797億円、うち震災関連分は3043億円)の内容についても紹介しました。
 参加者からは、「今の安倍政権のやり方は本当にひどすぎる。共謀罪に反対する請願や全国一律の最低賃金を求める請願を提出したいと考えている」(いわて労連)、「公務員の非正規が全国で64万人にのぼることがわかった。岩手県の実態はどうなっているか。保育士の処遇改善も喫緊の課題であり、花巻市では奨学金の返還補助を実施している。県としても具体的な支援を」(自治労連)、「県内の多くの高校で自衛隊の説明会・体験入隊が行われており大変ショックだった」(新婦人県本部)、「看護師の採用に募集が少なく夜勤へのしわ寄せが大きい。医療局長はイクボス宣言をしているが職場環境は変わっていない」(県医労)などの声や要望が出されました。


《2017年2月8日》
小池晃書記局長、辰巳孝太郎参議院議員らとともに復興課題で調査
達増拓也知事、戸羽太陸前高田市長らと懇談


 2月8日、東日本大震災から6年を前に、日本共産党の小池晃書記局長と辰巳孝太郎参院議員ら復興調査団は、岩手県を訪問し、達増拓也知事や戸羽太陸前高田市長、被災者の皆さんと懇談。県議団(斉藤信、高田一郎、千田美津子)も参加しました。

復興の正念場―自治体負担ゼロを

 午前9時から県庁で達増知事や関係部局長と懇談しました。冒頭、小池書記局長は、先の党大会に知事からメッセージを頂いたことや12日の県党会議にも来賓として出席して頂くことになっていることに感謝の意を伝え、達増知事からは、「党大会の成功おめでとうございます。この間、共産党のみなさんには復興はもちろんのこと、台風10号被害でも早速調査に入っていただいた」と感謝の言葉が述べられ、「今後も被災者に寄り添った復興のためにも尽力をお願いしたい」と述べました。辰巳参院議員からは、2011年にボランティアとして釜石に入った経験があること、参議院予算委員会の理事でもあり、今日の話をいかした取り組みをしたいと挨拶しました。
 小池書記局長は、国が復興事業の負担を被災自治体に押し付けようとしている問題などを挙げ、「東日本大震災の復興は国政の最重要課題だ。復興に向けて力を合わせて取り組んでいきたい」と表明。さらに、いまだに1万4000人の被災者が仮設住宅等で避難生活を強いられるなか、県が被災者の医療費と介護保険利用料の免除を続ける努力に敬意を表した上で、災害公営住宅での孤独死や生業復興の問題などさまざまな課題について要望を尋ねました。
 達増知事は、国が4月から復興事業の負担を自治体に押し付けようとしている問題について「地方自治体にとっては逆さに振っても出てこない額だ」と強調。県の木村卓也復興局長は、地元負担は5年間で県が73億円、市町村が17億円に上ると説明しました。
 小池書記局長は、「国の予算の規模からすれば本当に少しのやりくりで地元の負担をゼロにできる」と述べ、政府の姿勢をただしていくと表明しました。
 県からは、▽復興交付金など手厚い財政措置▽全国の地方公共団体による人材確保▽産業再生のための補助制度創設―などの要請を受けました。

陸前高田市で戸羽太市長、被災者の皆さんと懇談

 陸前高田市に移動し、仮設商店街「つどいの丘」にあるカフェフードバーわいわいで昼食。陸前高田産の食材をふんだんに使った「ホタテとワカメの炙りしゃぶしゃぶ御膳=ホタワカ御膳」をいただきました。
 陸前高田市役所仮設庁舎で戸羽市長、長谷部副市長らと懇談しました。戸羽市長は、熊本地震における避難所運営一つとっても手探り状態で、国に震災の教訓を生かす姿勢がないと指摘。「求めているのは被災者に寄り添うスタンスだ」と訴え、市役所再建に国の支援を見込めない不安を語りました。一部の災害公営住宅に併設され憩いの場として利用されている「市民交流プラザ」については、中心市街地の中にもそのようなスペースを検討したいと話されました。
 その後、今泉地区の土地区画整理事業の現場や、ショッピングセンター・図書館の建設が進められている高田地区の土地区画整理事業の現場を視察し、下和野災害公営住宅の「市民交流プラザ」で被災者の方と懇談。公営住宅屋上から中心市街地の状況を視察しました。
 コミュニティホールで約20人の被災者の皆さんにお集まりいただき、懇談しました。仮設住宅から災害公営住宅に昨年移った女性は、家賃や共益費が発生することについて、「部屋も広くなって良くなったが、震災前の仕事はできなくなり、夫婦2人の年金生活で先が不安」と話し、自分の土地を売って高台移転する男性は、「売り地は坪22000円で購入する土地は坪58000円という人もいる。補助があっても差額の大半は自己負担だ。これは国の制度による矛盾であり、何とかしてほしい。当初は国の被災者救済の施策ということで期待していたのに、これでは民間のやり方と同じだ。被災者はこれではどこにも行けない」と訴えました。小池晃書記局長は、「地震・津波という特有の問題があるのに、国は平時の土地区画整理事業の制度を当てはめている。災害の実態に合わせた制度がない。市とも一緒になって国に制度改善を求めていこう」と強調。野党4党が共同で住宅再建への被災者再建支援金を500万円以上に引き上げる法案を提出していることも紹介しました。さらに被災者からは、「移転のための土地売却で収入認定され、介護利用料が大幅アップされた」「医療費・介護利用料等の免除措置継続はありがたいが、1年ごとに決まるので不安。長期展望がほしい」「土地は確保したが資金が足りず住宅再建の見通しが立たない」など、切実は声が寄せられました。
 夜は、自治体労働者の皆さんと懇談しました。


《2017年2月7日》
小中一貫教育の大槌学園と水産加工の津田商店を調査
県議会商工文教委員会


 2月7日、県議会商工文教委員会で、県内では初めて小中一貫教育の義務教育学校として新校舎ができた大槌町の大槌学園を訪問し調査してきました。
 平野公三大槌町長があいさつし、復興事業は平成29〜30年度に完了の見込みだ。当初の計画が縮小され、工期も短縮されると述べるとともに、地元企業・誘致企業は労働者不足が深刻だ。県立大槌高校の卒業生80人のうち地元に残るのは14人にとどまっている。人材育成にお金もかけ取り組みたいと話されました。
 大森厚志学園長は、「コミュニティ・スクールとして地域の人に育てられている」とあいさつ。松橋文明町教育委員会学務課長が、大槌学園の小中一貫教育の取り組みについて説明しました。「4・3・2制による9年間の一貫教育」「大槌型の授業スタイル、短学活スタイル、家庭学習スタイルの取り組み」「ふるさと科の取り組みで復興発展を担いうる人材の育成」「スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校心理士による心のサポート体制」「大槌町コミュニティ・スクール協議会の取り組み」などについて詳しく説明がありました。課題としては、小中一貫教育への教師の戸惑い、免許制度の問題がると指摘。特別支援学級は7教室とのことでした。
 その後、昨年9月に完成した校舎を見て回りました。町産材の集成材を使った木造校舎で、廊下の広いことにびっくり。体育館も木造の梁が特徴の立派なもの。ぬくもりのあるリッチな校舎でした。新校舎を回っているうちに時間が無くなり、肝心の小中一貫教育・義務教育学校の内容について質問できなかったことは残念でした。

釜石市に再建した水産加工事業者を訪問

 その後、釜石市鵜住居町に再建した水産加工の津田商店を訪問しました。津田保之社長から説明を受けました。震災前は214人の従業員がいたが大槌工場が被災し、1年間休業せざるを得なかったこと。鵜住居町の内陸部に工場を再建し160人で再スタート、販売上の問題では風評被害を受けたこと。11人の検査体制を確立し信頼を回復してきたこと。人手不足の問題を指摘。現在180人(うちベトナムからの研修生が10人)で冷凍調理食品、水産缶詰の生産量はほぼ回復したとのこと。1年間職員を取引先に派遣して販路をつないできたと話されました。これまでに高校生17人を採用したが5人が離職。昨年は大学・高専で5人、今年も5人採用しているとのこと。65歳までの再雇用の年齢制限もなくし、条件のある方には働いてもらっていると話されました。その後、改善で生産性を向上させた工場の様子を見学しました。


《2017年2月6日》
子どもの医療費助成制度のいっそうの拡充を
岩手の会が2300件のアンケート結果とともに達増知事に要請


 2月6日、子どもの医療費助成制度拡充を求める岩手の会は達増拓也知事にたいし、アンケート結果(有効回答数2314件)とともに、子どもの医療費助成制度のいっそうの拡充を求める要望書を提出しました。日本共産党県議団(斉藤信、高田一郎、千田美津子)が同席し、佐々木信保健福祉部長らが応対しました。
 県では、一昨年8月から助成対象を小学校卒業の入院まで拡大、昨年8月からは未就学児・妊産婦を対象に現物給付を実施しています。
 共同代表の小野寺けい子氏(盛岡医療生協前理事長)、藤澤昇氏(岩手愛児会会長)は、「子育てしやすい環境づくり、少子化政策の観点からも早急に小学校卒業までの通院を含めた拡充、中学校卒業までの子どもの医療費助成制度を現物給付方式とし一部自己負担の廃止を」と要望しました。
 参加者の母親からは、「2歳と5歳の娘を小児科に連れて行ったがとても助かっている」との声が出され、同会の伊藤勝太事務局長は、「アンケートでは拡充を歓迎する声が多数寄せられる一方で、4割の方が『さらに制度を拡充してほしい』という回答だった」と紹介しました。
 佐々木保健福祉部長は、「国による医療費助成の現物給付に係る補助金減額措置の一部廃止の方針は、一歩前進だと思っている。県として中学校卒業まで拡充すると約15億7千万円の負担となり、厳しい財政状況の中で難しい。県としては国の制度として全国一律の医療費助成制度の創設を繰り返し要望している」と答えました。


《2017年2月4日》
「市民がつくり出した新潟知事選の勝利」講演会に参加
米山隆一知事もあいさつ―にいがた自治体研究所が主催


 2月4日、新潟市の県立生涯学習センターで、にいがた自治体研究所主催の「市民が作り出した知事選の勝利」講演会が開かれ、私も案内され、岩手の取り組みについて発言してきました。講演会には米山隆一新潟県知事も参加し、あいさつしました。
 米山知事は、「参院選挙での野党共闘が、野党と市民の信頼感を深め知事選挙勝利の大きな力になった」「市民の力が生きる時代になった」「知事として、福島原発事故の検証、生活への影響、安全な避難方法の検証を行わない限り原発再稼働は求めない―など、6つの公約実現に全力で取り組む」と力強い挨拶を行いました。
 
市民が主役で6つの公約を実行する新しい県政へ
 
 佐々木寛市民連合@新潟共同代表・新潟国際情報大学教授が、「新しい市民政治の胎動―参院選・知事選の経験から」のテーマで講演。佐々木氏は、2015年12月に安倍内閣による安保法制を廃止し、立憲主義を回復するための「市民連合@新潟」をつくり、昨年の参院選では、野党統一候補の勝利をめざし、政治団体「オールにいがた平和と共生」を立ち上げ、森裕子さんを当選させることができた。さらに10月の知事選挙では、「新潟に新しいリーダーを誕生させる市民の会」を結成し、原発に慎重な新しい知事を生み出すことができた。二つの選挙勝利の背景には、保守の分裂、中央と地方の矛盾があった。原発再稼働が最大の争点だったが、米山知事候補は、「現在と未来への6つの責任」―安全への責任、食と農を守る責任、命への責任、雇用の責任、住民参加への責任、教育への責任という公約も力になったと述べました。今後の課題として、タウンミーティングなどでの双方向での有権者との対話などによる市民が主役の政治、原発問題での包括検討委員会(仮称)による避難計画、安全の確保、地域経済の検証を進めることを指摘。地域から自律的な「新しい社会」をつくる再生可能エネルギー活用の問題では、2月14日に先進国であるデンマーク大国特命全権大使と米山知事が対談することも紹介しました。

新潟知事選挙の歴史的な意義
新しい民主主義・地方自治の展望示す

 
 岡田知弘自治体問題研究所理事長・京都大学教授は、「沖縄から新潟へ、前進する自治体と地域経済」と題して講演しました。新潟知事選挙での勝利の歴史的意義を強調。憲法改悪をめざす安倍政治への、市民と野党との共同の戦いの勝利、TPP・アベノミクス・原発再稼働めぐる国による政策の押し付けに対する地方自治の勝利、世界に広がる脱原発運動の高まりの一環をなすと述べました。安倍政権の暴走と矛盾の集中点である東日本大震災の被災地、沖縄、新潟での参院選・知事選の勝利は新しい民主主義・地方政治の展望を示すとオール沖縄のたたかいとともに岩手県の取り組みも紹介しました。新潟知事選挙については、1970年代の田中角栄の土建・金権政治とのたたかい、柏崎原発反対同盟結成以来のたたかい、全国初の住民投票となり原発建設を中止させた巻町のたたかい、2003〜04年にかけての市町村合併を巡る住民投票と地域自治組織制度の実現などのたたかいが背景にあったと述べました。また、原発再稼働中止を求めた福井地裁、大津地裁判決など住民の立場に立った司法判断など国民の戦いが情勢の変化をつくってきたことを強調しました。今後の米山民主県政への期待として、@首長と野党・市民連合との連携体制を基礎自治体から積み上げていくこと。A原発再稼働問題については、国・東電に対して3つの検証なしに協議しないことを貫くこと。B「選択と集中」の政策ではなく、住民一人一人の生活の保障と地域経済の振興を図る政策を、各地域の特性を生かした方法で立案、実施することを提起しました。

東日本大震災津波からの復興の岩手の現状と課題
達増県政の成果と役割、野党共闘の取り組みを発言

 
 講演に続いて、岩手の取り組みについて発言してきました。
 東日本大震災津波からの復興の現状では、いまだに1万4500人余、ピーク時の33%が仮設暮らしを強いられ、被災者の生活再建も、中心商店街の再建、地域経済の復興もこれからが正念場をむかえていること。達増県政が被災者の医療費・介護保険利用料等の免除措置を継続実施するなど被災者の立場に立った復興の取り組みを進めてきたこと。一昨年の知事選挙で野党共闘が実現し、参院選挙での野党と市民の共闘の勝利につながったこと。県議会で請願が採択されるなど県民・各団体の運動の中で中小企業振興条例、公契約条例が制定されたことを報告しました。
 宮城県議の福島かずえさんも宮城県における取組について発言しました。
 その後、講師や新潟自治研の役員の方々と交流会で意見交換しました。


《2017年2月4日》
「メガソーラーと山村の再生を考える」
岩手地域総研連続講座で比屋根岩大教授が講演


 2月4日、盛岡市内で、NPO法人岩手地域総合研究所の連続講座「メガソーラーと山村の再生を考える」が開かれ、県議団事務局長の中里さんが参加。岩手大学農学部教授の比屋根哲さんが講演し、軽米町で進められているメガソーラー開発問題について参加者と議論しました。
 比屋根氏は、3.11の福島原発事故以降、原子力に代わる自然エネルギーへの注目が高まり、太陽光発電は自然エネルギー全体の9割を占めるが、大規模な太陽光発電=メガソーラーは環境や地域振興の観点から疑問であると問題提起。軽米町に建設されるメガソーラーについて、1ヶ所の開発面積が150haや300haといった規模の計画であり、町内環境は激変し、水害や土砂崩落、土壌浸食などが懸念されると指摘。町や発電事業者、住民らで構成する協議会では、委員から当然の要望として出された現地視察は一度も行われず、5回の協議会で計画書を作成し、林地開発行為面積の上限を町の林野面積全体の1割まで認めてしまう異常なものだと述べました。さらに、計画は林業振興につながるとは言いがたく、ソーラーパネル撤去後(20年後)に原状復帰というがとても簡単なものではないと指摘しました。最後に、環境保全との調和が図れる持続可能な森林経営の創出のため、生産手段としての森林を生かした林業・木材産業を地域の中で実現させる方向で振興を図っていくことが大切だと話しました。
 参加者からは、「こうした大規模すぎるものは条例等で規制できないものか」「これだけ開発されれば調整池をつくっても水害が本当に心配だ」「自然エネルギーと環境、地域振興が総合的に図られる仕組みをつくりあげるために知恵を出すべき」などといった声が出されました。


《2017年2月3日》
党大会決定を力に、総選挙勝利、住民要求実現に全力で
全県地方議員研修会を開催


 2月3日、盛岡市内で全県地方議員研修会を開催し49人の地方議員が参加しました。
 はじめに、菅原則勝県委員長が「第27回党大会決定を力に、総選挙・東京都議選・中間選挙勝利に全力を」と題して、歴史的な党大会と大会決定の内容について報告しました。私は、地方議員が大会決定実践の先頭に立ち、安倍政権打倒のたたかいや大震災津波復興の取り組みなど住民要求実現に全力をあげようと訴えました。
 討論では、党大会に参加した4人の議員をはじめ10人が発言。「大会の雰囲気に圧倒され、とても刺激を受けた。入党して6年だが半分は議員として活動してきた。もっと早く党に出会っていたらと思うほどだった」(中島清吾宮古市議)、「大会での3野党1会派のあいさつは涙がこぼれ、野党共闘に希望を感じた。支部の一人一人を大切にする活動の発言には特に印象に残った」(伊勢純陸前高田市議)、「台風10号災害の支援に心から感謝したい。これまで2回支援市を開催し、3回目・4回目も計画している。被災者支援、野党共闘を進めるためにも4月の町議選に全力で頑張りたい」(林崎竟次郎岩泉町議)、「参院選での木戸口英司さんの勝利が大きな勇気を与え、定期的に野党共闘の会議を開催している」(桜井博義滝沢市議)などの発言がありました。


《2017年2月3日》
台風10号豪雨災害―生活橋の補強へ支援を
林崎岩泉町議らとともに知事に要請


 2月3日、林崎竟次郎岩泉町議、落合久三宮古市議とともに、達増知事にたいし、台風10号豪雨災害で流失し仮復旧した生活橋の補強整備と自家水道(生活用水確保)への県の支援を要請しました。県側からは、台風災害復旧復興推進室の宮野孝志室長(政策地域部副部長)らが応対しました。
 林崎町議は、被災した生活橋の多くは仮復旧されたが、幅が狭いために、高齢者は不安を抱きながら通行していると説明。簡易水道整備対象外の住家が利用してきた自家水道が破壊され、「風呂に水をためるのに半日かかる」など日常生活に重大な支障をきたしていると訴えました。林崎町議は、町の公共施設などを復旧する負担額は39億円にも及び、町独自での支援は困難な状況になっていると強調。◇生活橋補強へ県が財政支援をする◇自家水道の工事費に県が財政支援をする◇自治体が自由に使える復興基金の確保を国に働きかける―ことを求めました。
 宮野室長は、復興基金は「国に引き続き要望している」と回答。生活用水確保では組合をつくり、一般災害復旧事業債などを活用することも含めて町と協議したいと述べました。