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《2019年10月24日》
台風19号災害―普代村・久慈市の被災状況を調査

 10月24日、県議団で台風19号で甚大な被害を受けた普代村と久慈市を訪問し、被災状況の調査、要望をうかがいました。

普代村役場で柾屋村長、中村議長らから被災状況と要望を聞く

 午後1時に久慈市の土風館で地元の共産党久慈地区委員会橋上辰夫地区委員長らと合流し普代村へ。午後2時前に普代村役場に到着し、柾屋伸夫村長、中村裕議長から「令和元年台風19号災害に関する要望書」を受け取り、被災状況と国・県に対する要望を聞きました。
 普代村では、11〜13日の二日間で467mmの観測史上最大の雨量を観測、最大1時間降水量は95mmを記録。村中心部は冠水、さらに土砂崩れによる大量の土砂の流入で道路や家屋に流れ込み、住家126棟(床上浸水48棟、床下浸水78棟)で全世帯数の11.1%、道路被害13億5500万円、河川の護岸崩落4000万円、漁業施設1901万円、商工関係22事業所で8662万円など、被害総額15億2716万円となっています。これには住家被害は含まれていません。
 要望事項は8項目で、@被災者生活再建への支援の充実、A災害応急対策等への特別交付税による財政措置、B早期の激甚災害の指定、C災害復旧事業の早期実施及び制度の充実、D普代川・茂市川の河道整備及び治山・砂防施設の整備、E災害復旧に向けた助言・指導、並びに土木技術職員等マンパワーの確保、F土砂撤去など単独事業への補助・助成の検討、G災害廃棄物の円滑な処理への支援です。中村裕議長からは、浸水した住宅への支援、16世帯36人が親類等に避難しているが応急住宅の確保、災害ゴミの処理への支援、保健師等の派遣が要請されました。
 その後柾屋村長の案内で村中心部の被害状況を視察しました。土砂崩れの直撃を受けた住宅は全壊状態、国道45号線沿いの住家は土砂の流入で床上1m30cm(大規模半壊規模)の家も。家の土台をかさ上げしたり、床を高くしている家では床上60cm(床上浸水)となり、被害認定を柔軟にやることが大事と感じさせられました。ほとんどの被災家屋が床下の土砂を撤去している状況でした。

久慈市の被災状況を視察
澤里副市長らから被災状況の説明と県への要望を聞く


 その後、久慈市の長内地区の被害状況を視察しました。長内川の支流の小屋畑川が越水し近くの住宅に土砂が流入・浸水していました。
 午後4時半に久慈市役所を訪れ、澤里充男副市長、久慈清悦総務部長、外館要一建設部長から被災状況の説明と県への要望を聞きました。澤里副市長は、12〜13日の総雨量が359.5mm、最大1時間雨量が71mmに及び、住家被害が大規模半壊5棟、半壊(床上浸水)242棟、一部損壊(床下浸水)425棟で672棟、非住家を含めると919棟に及ぶ。被害額の概算は23日現在、11億7802万円とのこと。主なものは土木施設等4億5000万円、商工関係3億1881万円、林業関係2億378万円、農業関係1億2300万円などです。新中の橋、新井田・田屋町地区の住家の浸水(床上浸水以上)は県管理の沢川の内水反乱が原因とのこと。沢川の治水対策の方向性を示してほしいと要望されました。また、台風10号災害の時は県が半壊の20万円、床上浸水に5万円の補助を行ったが、久慈はさらに上乗せしてそれぞれ30万円の補助としたことを紹介し、さらなる上乗せを要望されました。災害ごみの処理については、県が県内の支援スキームを作って支援をしてほしいと述べました。台風10号災害の時の県の「なりわい再生交付金」が大きな役割を果たしたと述べ、今回も検討してほしいと要望されました。大震災、3年前の台風10号災害と今回の台風19号災害でダメージが大きい、被災者が希望をもって立ち上がれるよう国・県が支援の姿を早く示してほしいと強調されました。


《2019年10月21日》
9月県議会本会議で改選後最初の一般質問に立つ
台風19号災害―3年前の台風災害と同様の県独自支援へ


 10月21日の9月定例県議会本会議で、知事選・県議選後最初の一般質問に立ちました。
 20日の宮古市・山田町の現地調査を踏まえ、台風19号による豪雨と土石流などで津波後に再建した住居にも大きな被害が出たと指摘。住宅再建は生活再建の土台であり、県独自に支援策を講じてほしいと要求しました。
 達増拓也知事は、2016年の台風10号災害の際に、被災者生活再建支援法で支給対象とならない世帯に対し、県単独で支援金を支給したと説明。「被災者に寄り添い、一日も早く安心して暮らせる環境を取り戻すことが重要だ。台風10号災害と同様の県単独事業を検討したい」と答えました。岩手県は16年の豪雨災害で、同支援法から外れた全壊・大規模半壊世帯へ独自に最大300万円を支給した実績があります。この答弁は、翌22日の岩手日報一面トップ記事で報道されました。
 また、中学生までの医療費窓口無料化について質問し、達増知事は「来年8月からの実施をめざして市町村と協議を進めている」と答弁しました。
 さらに、全国知事会が提言した「公費1兆円投入による国保税の大幅な引き下げ」の実現に全力で取り組み、宮古市が実施した子どもの均等割免除を県内市町村に広げてほしいと強調しました。

達増知事「被災者には(消費税)減税こそ必要」

 達増知事は10月からの消費税10%増税強行に関し、大災害の被災者には「減税のような措置が望まれたのではないか」と表明しました。
 質問では、導入から31年が経過した消費税は「社会保障にも財政再建にも使われず、日本を経済成長できない国にした」と指摘。消費税5%減税で暮らしと経済を立て直す日本共産党の提案を紹介し、消費税10%増税がもたらす影響について質しました。達増知事は、東日本大震災津波や台風10号災害(2016年)、今回の台風19号災害の被災地では「暮らしの再建や生業の再生の妨げになることが危惧される」と答弁。私は、大震災津波からの復興に懸命に取り組んできた被災地にとって、2度の消費税増税は「復興にも、被災者の生活再建や事業者の再建にも大きな打撃となったのではないか」と述べたのにたいし達増知事は、国家的な大災害によって経済的にも社会的にも非常に打撃を受けている状況であれば、被災者に対して「むしろ減税のような措置が望まれたのではないかと思う」と語りました。

 一般質問の大要は「議会報告」をご覧ください。


《2019年10月20日》
台風19号災害現地調査で宮古市・山田町・三陸鉄道へ

 10月20日、県議団として、台風19号災害の現地調査を行いました。

宮古市役所で佐藤・桐田両副市長らから被害状況と要望を聞く

 午前10時に宮古市役所を訪問し、佐藤廣昭・桐田教男両副市長、芳賀直樹危機管理監等から宮古市内の被害状況と国・県に対する要望を聞きました。累積雨量は宮古市内で417mm(最高記録)、田老で466mm、津軽石で361mmで宮古の時間当たり雨量は84.5mりメートルで最高記録だったとのこと。19日現在の被害状況は、死者1名(土砂崩れ)、負傷者なし、孤立集落は重茂北地区38世帯111名、21日には千鶏・石浜地区の17世帯56人を新たに「孤立」に認定しています。住家被害は、全壊21棟、大規模半壊12棟半壊・一部損壊は集計中とのこと。半壊以上の被災者には市営住宅(50戸確保)を活用し、10数世帯が入居しているとのことでした。約3000戸が停電しましたが15日に解消しています。約950戸が断水し、田老地区、重茂地区の728戸が断水が続いています。盛岡市、八幡平市、奥州市、一関市とともに室蘭市、苫小牧市、大仙市、黒石市からも給水車が駆けつけていました。国道45号崎山トンネル付近の土砂流出で不通となり21日開通予定。重茂地区など水産業の被害が大きいと話されました。
 国・県への要望では、台風被害の場合、東日本大震災の支援策と違い地元自治体負担が大きいこと、宮古・釜石間の三陸鉄道の早期復旧、災害ゴミの処理でも復興途上での災害であり、東日本大震災並みの支援策を強く要望されました。

三陸鉄道の中村一郎社長から被災状況の説明

 その後、三陸鉄道本社を訪ね、中村一郎社長から三陸鉄道の被災状況の説明を受けました。線路被害は、77ヶ所(線路の路盤流出、土砂流入、のり面崩壊等)、電力信号通信被害は、15ヶ所(ケーブル管路流出、信号器具箱浸水等)です。現在の運行区間は、盛り駅から釜石駅間(11往復)、宮古駅から田老駅間(9往復)で、総延長163キロメートルの50q、30%にとどまっています。代行バスを釜石〜宮古間(4往復)、田老駅〜久慈駅間(5往復)運行し高校生等の通学の足を確保しています。
 中村社長は、「釜石・宮古間はこれまで災害に弱いといわれてきた。戦前に国策で構造的基準もない時代に短期間に整備された経過があり、路盤も弱い。大震災の時も現状復旧にとどまっていたと話されました。
 今後の見込みは、田老〜田野畑間、宮古〜津軽石間の早期復旧をはかること。全面復旧には4〜5ヶ月かかるのではないかと話されました。
 国、県への要望では、「自民党の鈴木俊一総務会長も言っていたが、現状復旧ではなく改良復旧を行ってほしい。代行バスについては、一日当たり90万円かかっている。国からの支援はなく、保険の項目には入っているが長期にわたる場合どうなるか」とのことでした。

重茂漁協・前川参事の案内で被災現場を視察
山田町の三陸鉄道被災現場、田の浜地区で被災者から要望を聞く


 その後、被害が大きい重茂地区に向かい、重茂漁協の前川清参事に案内していただき、漁協施設の被害状況を見て回りました。重茂半島は各地で土石流が発生し、洪水による川の氾濫で道路も橋も流出し住宅にも大きな被害が発生しています。大震災から復旧したサケふ化場もまた被害を受けていました。まさに山津波の被害です。秋サケとコンブ・ワカメの種付けの時期を迎えて漁業が心配です。
 午後には山田町に向かい、クジラと海の科学館(土砂が流入し清掃中で休館となっていました)近くの三陸鉄道の路盤が流出しているところを視察しました。小河川が氾濫し土砂が流出したとのことです。
 その後最も被害が大きい田の浜地区に行き、被災者から話を聞きました。被災した家は天井近くまで土砂が流入し、全壊の判定とのこと。津波で被害を受け6年前に新築したばかりの家でした。泥出しは終えていましたが家電製品はすべてダメ、トイレも風呂も使えません。水も電気もなく2階で寝泊まりしているとのことでした。この地区は津波でも浸水し、26世帯が今度は山津波で新築の家が被災したとのこと。みどりの防潮堤といわれる盛土された公演が土石流による土砂をせき止めることになりました。この緑の防潮堤は一度は町議会で否決されたものの、1年後にほとんど同じ中身にもかかわらず、共産党の木村洋子町議1人の反対で整備されたといういわくつきのものです。

山田町役場で佐藤町長・昆議長らから被災状況の説明、要望を聞く

 午後3時に山田町役場をとずれ、佐藤信逸町長、昆暉雄議長等から被災状況と国・県への要望を聞きました。
 佐藤町長は、「住宅被害は全壊13棟、大規模半壊16棟、半壊25棟となっている。6ヶ所で土砂崩壊が発生。とくに田の浜地区は東日本大震災でも甚大な被害を受けた地区で住宅の6割が被災し、住民の11%が犠牲になった地区。台風19号でも住宅再建をされた方々が被災した。自衛隊の協力を受けて道路等の土砂が取り除かれた。23日には罹災証明書も発行する予定」と説明されました。船越家族旅行村の応急仮設住宅を50戸再整備し、町単独で家電製品も設置して活用するとのこと。24世帯が入居を希望し、20日から入居が始まるとのことでした。
 国・県に対する要望は、「大震災の時のような地元負担なしの対策」「二度の被害を受けた住宅再建への支援」「解体費用・撤去費用への支援」「被災者の医療費の免除」「現所復旧ではなく改良復旧」などが寄せられました。「職員の派遣も必要だが、姉妹都市でもある静岡や長野、千葉の自治体も被災しており大変だ」「被災者が心が折れないか心配だ」「震災関連死を出さないように取り組みたい」と話されました。

 この調査を踏まえて、21日、県議会の一般質問で県政の緊急課題として台風19号災害からの復旧、被災者の生活再建の課題を取り上げました。達増知事は、住宅再建の支援では、台風10号災害の時の県単独の支援を検討すると答えました。3年前の台風10号災害の知己には、半壊に20万円、一部損壊に5万円の支援を行いました。被災者生活再建支援法が適用されない場合は300万円の補助も行うスキームでした。


《2019年10月17日》
県生協連が被災地福祉灯油の継続を求める請願を提出

 10月17日、岩手県生活協同組合連合会(飯塚明彦会長理事)は、関根敏伸県議会議長にたいし、被災地での福祉灯油の継続を求める請願を提出しました。斉藤県議はじめ全会派の県議が紹介議員に署名し請願提出に同席しました。
 請願では、中東情勢や消費税の10%への増税などにより、原油の高騰や灯油価格が今以上に上昇することが危惧され、生活や事業者・生産者に多大な影響を与えると指摘。「岩手県では、8年連続で沿岸被災地を対象に福祉灯油を実施してきました。東日本大震災津波から8年7ヶ月が経過した現在も、1000人近くが仮設住宅での生活を余儀なくされ、今後とも温かい支援の継続が必要と考えます」と強調し、県として今年度も被災地福祉灯油を実施するよう求めています。
 参加者からは、「大震災、3年前の台風10号災害に続き、台風19号がまた沿岸被災地を襲い、本当につらい思いをされていると思うので、何としても継続してほしい」などの声が出されました。
 関根議長は、「消費税増税や台風災害などさまざまな影響が心配される。全会派が紹介議員となっており、議会としての意思もしっかり示していきたい」と答えました。


《2019年10月11日》
中央病院宮田院長と懇談
医大移転の影響、医師確保の課題などについて聞く


 10月11日、高田一郎県議と県立中央病院を訪ね、宮田剛院長と懇談しました。岩手医科大学の移転にかかる影響では、12の県立病院、医大、東北大等からの医師派遣などを受け対応したが、二次救急患者の対応を徹底したこと、盛岡市立病院が一次救急の体制を強化し3倍の救急患者を受け入れたこともあって、救急患者に大きな変化はなかったと話されました。
 医師確保の現状と課題については、初期研修医34人を含め180人の体制だが、毎日、約10人が他の県立病院等へ診療応援を行っている。初期研修医の半分が新専門医制度などの資格取得等で大学や他の病院に行っているとのことでした。
 医師、看護師等の超過勤務、年次休暇取得状況については、タイムレコーダーの導入で、かえって超過勤務の時間は増加しているのではないか。年次休暇の取得状況(5日未満の取得が366人・38%)も厳しい状況だが改善を図りたいと述べました。若い看護師の普通退職者が多いことについて、看護部長さんは、「保健師を希望している」「訪問看護ステーションへの就職」「もっと患者と触れ合う時間が欲しい」などの声もあると話されました。


《2019年10月9〜10日》
9月県議会に向け、国保・保育料の無償化、被災者支援、水産加工など生業再生の課題を調査
県議団で宮古市、山田町、大船渡市を訪問


 県議団は10月9〜10日、9月県議会に向けて宮古市の国保税子どもの均等割りの減免・保育料の無償化の取り組み、山田町の災害公営住宅の入居者との懇談と被災者支援、大船渡市の生業の再生の現状と課題について調査してきました。

宮古市が国保の子どもの均等割りを全額免除

 9日の午前10時半から、宮古市役所を訪問し、田中尚党市議団長とともに、戸由忍市民生活部長らから国保税の子どもの均等割り減免の取り組みについて説明を受けました。国保加入世帯は8240世帯(加入割合34.7%)、被保険者数は12869人(24.6%)です。子どもの均等割り減免の背景・目的は、「国保は低所得者、高齢者が多く1人当たりの医療費が高いという構造的な課題を抱えており、協会けんぽ等と比べて保険料が高い傾向にある」「国保には被保険者の人数によって課税される均等割りがあり、子育て世帯にとっては、子どもが増えると税負担が増えるという状況になっている。本市では、子育て支援充実の一環として、国保の子どもの均等割り減免を実施することにより、経済的な支援を行うものである」としています。今年度の給与収入400万円、子ども2人4人世帯の国保税は41万8千円に対し、協会けんぽの保険料は23万600円で、18万7400円の差があります。
 その内容は、令和元年度分から、18歳以下の子どもを対象に、均等割り(一人当たり25400円)を全額免除するというものです。対象者数(見込み数)は、501世帯、836人です。所要額は子どもの均等割り免除分が1475万8千円(年間)、システム改修費348万9千円(初年度のみ)で、一般会計からの繰り入れで実施しています。財源はふるさと納税(平成30年度1億1800万円)の「市長におまかせ」分を活用しています。
 宮古市は、国に対して@国保の構造的な課題に対応するため、国庫負担割合の引き上げなど、国の責任と負担において実効ある措置を講じること、A子育て世帯の負担軽減を図るため、子どものかかる均等割り保険料を軽減する支援制度の創設を求める要望書を提出しています。また、「国保の制度を持続可能なものとするためには、国保加入者の保険料負担の軽減が不可欠!」と強調しています。

幼児教育・保育にかかる費用を全面無償化

 伊藤貢こども課課長からは、宮古市独自の幼児教育・保育にかかる費用の無償化の内容について説明を受けました。国の無償化は、@3歳から5歳までの保育料の無償化、副食費は徴収、A0歳から2歳までの子どもは、住民税非課税世帯は保育料を無償化という中途半端なものです。宮古市の独自支援策は、@0〜2歳までの保育料は課税世帯も無償とする(7900万円)、A副食費について、実質無償(上限4500円)とする(4000万円)というもので、0〜5歳まですべての子どもの幼児教育・保育が無償となります。保護者や保育園等から大変歓迎されています。
 財源については、これまでの市の独自支援策が国の無償化により削減される費用額が1億5千万円となり、今回の新たな支援策の費用額は1億1900万円とのこと。削減される費用額で十分対応できるものです。これならどこの市町村でも可能ではないかと思いました。
 また、宮古市では平成30年度から、在宅で子育てをしている生後7か月から1歳までを対象に、毎月1万5千円の「在宅子育て支援金」制度を実施しています。所得制限(年収360万円以下)がありますが子育て支援の先進的な施策です。

山田町中央団地の災害公営住宅入居者と懇談

 午後2時からは、木村洋子党山田町議とともに、山田町の駅前に整備された中央団地災害公営住宅の入居者と懇談しました。直前の呼びかけでしたが近隣の災害公営住宅の自治会長さんを含めて沢山の方々に参加していただきました。冒頭、私から達増知事が8日の県議会開会日の所信表明で「被災者の医療費等の免除を来年も継続実施する」と述べたことを紹介しました。参加者から大変歓迎されました。
 中央団地の総務を担当している役員は、「いろいろな取り組みをしているが参加者が15〜16人、30人程度で少ないことが課題」「家賃と医療費が心配。高齢者が多く、一人暮らしが5割を超えている」「親の面倒を見るために仕事を辞めて故郷に戻った方が、自治会役員などでも頑張っているが、親が亡くなると災害公営住宅から退去されている。どうにかならないか」「体の不自由な入居者が、安売りしている遠いスーパーまで買い物に行って倒れて救急車に運ばれた」「入居者の名簿など個人情報の扱いに苦慮している。規則などの例があれば早く示してほしい」「生活苦で税金を滞納している。延滞金が10%以上も請求されているが、どうにかならないか」「駐車場が空いているが、トラックは許可されないので不便している」「A棟の上に設置している町の防災スピーカーがA棟・B棟には聞こえにくい」「集会所が十分活用されていない」などたくさんの声・要望・質問が出されました。質問には丁寧に答え、意見交換しました。
 その後、山田町社協の沼崎弘明常務理事、黒沢實事務局次長、伊藤美子地域福祉課主任の皆さんと被災者支援の取り組みについて懇談しました。
 中央団地の入居者の状況は、143世帯中、65歳以上の高齢者を抱える世帯が110世帯、76.9%、一人暮らし世帯は半分以上とのこと。生活支援相談員の重点見守り対象者はゼロ人、通常見守りが3〜5人、県立大が開発した「お元気見守り発信システム」の参加者は13人とのこと。災害公営住宅の自治会、コミュニティ確率の支援は「長い支援が必要」と強調されました。山田町には生活支援相談員が24〜25人配置されています。訪問相談活動とサロン活動に分かれて活動しているが、活動を通じて被災者に関する膨大な情報を蓄積しており、民生委員の仕事を支える役割も果たしている。復興期間はあと1年半となっており、どう継続できるか早く示してほしいと話されました。

サンマの壊滅的不漁のもとで水産加工の現状について聞く

 10日には、午前10時に森下水産株式会社を訪問し、森下幹夫社長から水産加工業の現状と課題について話を聞きました。
 森下社長は、「大船渡市は本州一のサンマの水揚げの町だが、今年は前年比14〜15%の壊滅的な不漁だ。全国的にみても4年前20万トンだったのが昨年は10万トンに、今年は5万トンいかないのではないか。50年サンマをやっているが初めての状況でボディーブローのように効いてくる」と述べました。サンマは、資材や油、運搬などに波及効果が大きく、地域経済に与える影響が大きいと指摘。さらに、「イカ、サケも大不漁で、サバも見通しは厳しい。漁船漁業も厳しい」と話しました。大船渡と気仙沼の商工会議所の水産部会が研究組織を作って専門家を招いての勉強会と交流を行っているとのこと。専門家は、「資源の減少は今年1年だけでなく、ここ数年続くと思って経営、魚種変更に取り組むべき」と指摘している。魚種転換については、魚ごとに機械が違い、魚に合う機械を買わないといけなくなる。加工のノウハウ、販路の開拓などの課題もあり簡単ではないと述べ、国・県の震災支援とは違う新たな支援策が必要と話されました。現実には、輸入原料(イカ、シシャモなど)を増やして対応しているとのことでした。また、産業振興センターの機械のリースの貸し付けは使いやすいがもっと金利を軽減するとか返済の延長、枠の拡大も必要と述べました。
 雇用の確保については、宿舎を整備して外国人労働者(実習生)の確保と中途採用などで対応しているとのこと。障がい者雇用では知事から表彰されていました。

復興特需がなくなる中での生業の再生の現状について聞く

 午前11時には大船渡商工会議所を訪問し、新沼邦夫専務理事、田端隆志経営指導部長、佐々木晋企画総務部次長から地域経済の現状と課題について説明を受けました。
 新沼専務は、人口減少(震災前と比べ7000人減)が地域経済に影響を与えている、サンマ・スルメイカ等の大不漁が水産加工等関連業者に大きな影響を与えると述べ、人づくり、企業・創業に力を入れて取り組んでいると話しました。田端部長は、震災から再建した事業者のフォローアップに取り組んでいる。建設業は設備投資や雇用も拡大しており、今後の対応が求められている。二重ローンで再建した事業は、半分は債権を返済しているが、後の半分は返済余力が出てこない状況、事業者のブラッシュアップにも取り組んでいると話されました。
 水産業については、サンマは大不漁で商品は小型、宅配の商品にならず、冷凍サンマ(解凍サンマ)を台湾から輸入して対応しているとも話されました。サンマの不漁は5年は続くとして、商品開発できる魚種の変更、金融支援等で対応していくことが必要と述べました。
 消費税の10%増税については、軽減税率の対応で混乱している。キャッシュレス・ポイント還元は面倒との声があると指摘。事業者には大きな混乱は今のところ出ていない。ポイント還元やキャッシュレスなど国の省庁が縦割りで統一した窓口がないとも指摘。事業者への丁寧な説明と対応がないと指摘しました。

被災者支援と災害公営住宅のコミュニティ確立への支援について

 午後1時半に大船渡市役所を訪ね、熊澤正彦市生活福祉部長、西山俊二市都市整備部長、各担当課長さんから被災者支援と災害公営住宅のコミュニティ確立への取り組みについて説明を受けました。
 大船渡市では、被災者支援総合交付金等を活用して、保健師、看護師、栄養士等の専門職により被災者の健康見守りの戸別訪問、食生活改善、交流会、健康運動教室等の取り組みを行っています。昨年度の実績は訪問件数延べ3273件(月1回)、実数では200世帯が対象。また、復興支援員制度を活用し、共生地域創造財団に委託し復興支援員5名を委嘱して、震災により精神的・経済的な生活環境を複合的に抱えている世帯を中心に各種支援制度を効果的に活用しながら伴走的な生活支援を実施しています。昨年度の実績は、訪問により支援1566件となっています。実数は約100世帯、半分以上は独居高齢者、精神障害を抱えている人もいるとのことです。
 災害公営住宅入居者の状況は、市管理が22団地539戸に対し506戸、896人(うち、一般入居51戸、99人11.0%)、県管理は3団地、262戸に対し229戸、423人が入居、合計で735戸、1319人の入居です。65歳以上、単身者の割合は、入居者数で532人、40.3%、単身者世帯は382世帯、52.0%、うち65歳以上の単身世帯は238世帯、32.4%となっています。災害公営住宅入居者への支援についても復興支援員4名(強制地域創造財団に委託)とアドバイザー(岩大特任助教)を委嘱して、団地ごとの役員体制の構築や規約作成の支援から団地会(自治会)等の運営への支援を行っているとのことです。ラジオ体操、お茶会、サロン、健康体操、手芸やカラオケの取り組みが行われているが、集会所の活用は、50戸以上の団地で月2〜12回の状況です。市や入居者名簿は団地会(自治会)に提供しているとのことでした。
 継続が必要な被災者支援については、生活再建支援金の加算支援金の申請期間の延長、心のケア、孤独化・孤立化の対策を上げました。

大船渡管内の雇用状況について聞く

 最後に、ハローワーク大船渡を急きょ訪問して、大船渡管内の雇用状況について吉田優管理課長、平賀天幸上席職業指導官、齊藤美智代統括職業指導官から聞きました。
 8月の有効求人倍率は1.6倍と北上・花巻に次いで高く人出不足の状況です。求職者の状況では4割近くが在職者とのこと。年齢別就職率では25〜34歳が57.8%、65歳以上が29.2%と高齢者の就職が増加しています。雇用保険の被保険者数は製造業で949人の減(内食料品623人の減)、事業所数で40事業所(うち食料品14)。
 高卒者の就職状況は、平成31年3月卒業者で、卒業予定者517人、求職者125人、うち管内78人、県内18人、県外29人に対し管内の求人348人で、求人倍率は2.78倍でした。就職状況は、管内78人(62.4%)、県内18人(14.4%)、県外29人(23.2%)で就職率100%、県内就職率は76.8%です。東芝メモリーには管内から8人が就職したとのこと。令和2年3月卒業予定者の就職希望状況は、4月17日現在、卒業予定者504人、就職希望者11人、管内45人、県外24人とのこと。今後の取り組みが重要と感じてきました。


《2019年10月8日》
達増知事が被災者の医療費・介護利用料等の免除継続を表明
子どもの医療費窓口無料化―中学生まで拡充へ


 10月8日、9月定例県議会が開会しました。本会議の知事演述で達増拓也知事は、東日本大震災津波の被災者の医療費等の免除措置(12月末まで)を、2020年12月末まで継続すると明言しました。免除は10年連続の実施となります。
 達増知事は、大震災津波からの復興は引き続き県政の最重要課題で、被災者一人ひとりの幸福追求権を保障していくと強調。「被災者の健康面、経済面の不安を軽減し、医療や介護サービス等を受ける機会を確保するために」、2020年1月以降の医療費(国保・後期高齢者医療制度)、介護保険利用料、障害福祉サービス利用料の「負担金免除を来年も継続する」と述べました。
 達増知事はまた、中学生までの医療費窓口無料化の実現をめざして「市町村と協議を進める」と語りました。
 9月8日投票の知事選で達増知事は、被災者の医療費免除継続や中学生までの医療費窓口無料化などを訴え、圧勝しました。
 被災者の医療費免除継続や中学生までの医療費窓口無料化は、共産党との政策協定を踏まえて公約に盛り込まれたものであり、所信表明で示したことはきわめて重要です。公約実現への大きな一歩となりました。


《2019年10月2日》
9月県議会へ向け県政要望を聞く会ひらく
国保税、公立病院の統廃合、教育の課題などで意見交換


 10月2日、県議会会議室で、9月県議会に向けた「県政要望を聞く会」を開きました。労働組合、民主団体など9団体から11人の参加をいただきました。
 はじめに県議団長の私から、県議選で3人の議席を勝ち取らせていただいたことにお礼を述べ、達増知事との政策協定が知事の知事選の公約(マニフェスト)に盛り込まれ、知事選挙でも知事自身が力強く訴えられたこと。東日本大震災津波からの復興の現状、国保税の状況、県立病院の状況などについて資料に基づき報告しました。
 参加者からは、「国保税の県の特別調整交付金がどう活用されているか」「県立病院の医師確保と医師の対応・態度の問題」「地域医療構想と厚労省の突然の統廃合方針の問題」「子どもを管理強化する学校スタンダードの実態」「二学期になって不登校が増加している」「部活動にける顧問教師のパワハラ根絶の問題」「全国一律最低賃金制度の必要性」などの課題が提起されました。
 寄せられた課題について、さらに調査を行い9月県議会での論戦に生かしていくことにしています。


《2019年10月2日》
児童虐待相談―県・市町村とも増加
県議団が県福祉総合相談センターを訪問・調査


 10月2日、県議団として岩手県福祉総合損談センターを訪問し、児童虐待問題について調査しました。後藤賢弘所長、蛭田嘉男自動女性部長らから児童虐待の実態と対応、課題などについて説明を受けました。
 昨年度の児童虐待相談対応件数は、児童相談所で1178件(前年比8.3%増)、市町村で805件(93%増)、合計1983件(31.8%増)となっています。市町村で急増したのが特徴です。盛岡市と遠野市で子育て総合支援拠点が整備され、周知徹底されたことが要因とのこと。虐待の内容は、児童相談所の場合、心理的虐待(面前DV)が689件、身体的虐待264件、ネグレクト216件。市町村の場合も心理的虐待298件、身体的虐待251件、ネグレクト249件となっています。
 センターでは、2課体制で、児童虐待は第1課が、その他の養護相談・予防的支援は第2課が対応する体制としたとのこと。児童福祉司は今年度も6人増員され43人となっています。福祉総合相談センターは24人(うち久慈駐在4人)、一関11人、宮古8人です。児童福祉司1人当たりの相談件数は50〜60件で児童福祉司の増員は急務の課題です。同時に経験年数が数年の児童福祉司も少なくなく、体制の強化は切実な課題です。一時保護の状況と施設の状況も見てきました。センターでは畳の部屋の洋室化と個室化も検討しているとのこと。施設の改善と体制の強化も切実な課題と感じてきました。


《2019年10月1日》
消費税増税に怒り 5%への減税提案に拍手
盛岡駅頭で消費税10%増税に抗議の街頭宣伝


 10月1日、日本共産党岩手県委員会・盛岡地区委員会はJR盛岡駅前で消費税10%増税に抗議の宣伝をしました。菅原則勝県委員長・吉田恭子県常任委員とともに訴え、党勤務員がビラを配布しました。
 各弁士は、10%増税強行は生活再建の途上にある被災者や県民をさらに苦しめるものだと批判。岩手の参院選や知事選で市民と野党の共闘が勝利したことを確信に、5%減税を野党の共通政策にする努力を進め、来る総選挙で多数を形成し、実現に向けて奮闘すると決意を述べました。
 バスを待っていた77歳の男性は、演説を聞いて大きく拍手。「(けさコンビニで買った)スポーツ新聞が10円上がった。年金が少ないので、それだけの値上げで気分的には嫌になる。大企業にばかり優遇する自民党はダメだ。共産党は、もっとがんばって」と期待を寄せました。
 一関市では高田一郎県議が、奥州市では千田美津子県議がそれぞれマイクを持ち、訴えました。
 千田県議は、「国民のくらしの悪化も、景気と経済を壊すことも顧みない愚行に対し、満身の怒りを込めて強く抗議する」と訴えるとともに、「力をあわせて消費税を5%に減税し、安倍大増税をやめさせましょう」と呼びかけました。

全国一斉怒りの大行動―緊急デモに参加
復興に水を差す増税に断固ノー


 全国各地で抗議の宣伝・署名活動が行われ、怒りとともに、減税・廃止を求める新たなたたかいを決意する声が広がりました。
 盛岡市では、消費税廃止岩手県各界連絡会が、抗議の緊急デモ行進に取り組み、約90人が参加しました。「復興に水を差すな」などのプラカードを持ち、怒りを爆発させました。
 主催者の岩商連の関沢淨会長は「国民の大反対を押し切って10%への増税を強行したのは許せない。いま必要なのは、税率を5%に下げて暮らしを応援する施策だ」とあいさつ。
 わたしも、暮らしと経済を土台から破壊する消費税10%をそのままにしておくわけにはいかないと強調。「きょうを契機に、5%への減税と、廃止をめざす運動を進めよう」と訴えました。
 参加者らは「消費税を5%に戻せ」「税金は大企業と大金持ちから取れ」などと力強くコールしながら繁華街を行進。ビラを受け取った後に「がんばって」と激励する商店主や、デモを見て共感の拳を突き上げる男性もいました。